Software Patterns:
 East Meets West

What is a “software pattern”?

The Software Pattern Community

What is a pattern?

Alexander’s Inspirations

Feng Shui

The “Quality Without a Name”

TTC1

Generativity

TTC 3

Property is Theft

TTC 8, 53

TTC 11

Positive Space (A Pattern Language, p. 518)

スライド15

TTC 11

Half-Object plus Protocol

Building with Generativity

The Western Way

A pattern style of development

An illustration:  FRESH WORK BEFORE STALE

Things I hear about Japan

Patterns are just The Gate

The state of the practice

スライド25

References

 
 


 

Translated by Mari SAKURAI and Noriko KANAZAWA
 それでは、ジョークで始めたいと思います。Grady Booch が日本で体験した話です。彼は Rational 社が主催した公開講演で、自分のスピーチをジョークで始めたいと言い、次のジョークを披露しました。
医者、土木技術者、コンピュータ科学者の 3 人が集まって、世界最古の専門職は何だろうかと議論していた。医者が口火を切った。「聖書によれば、神はアダムから取り出されたあばら骨から創られたとある。それなら手術が必要だったのは自明だ。すなわち、私の職業が世界で最も古い職業だと、私は正当に主張できるはずだ。」 そこに土木技術者が割り込んで、こう言った。「でも、聖書よりも古い創世記には、神は混沌から天と地の秩序を創造したと明言されているではないか。この神の所作は、土木技術の最初の適用であり、最も壮大な仕事だったといえるだろう。だから、公正な医師殿、あなたは間違っている。私の職業こそが世界で最も古い職業なのだ。」 それを聞いた女性コンピュータ科学者は、胸を張って椅子の背にもたれかかりながらほくそ笑んだ。そして、如何にも自信満々にこう言った。「では、誰がその混沌を創り出したのでしょう。どのようにお考えですか?」
 そして、通訳者は受講者の皆さんに次のように伝えたのです。「いま講師はジョークを言いました。皆さん、笑ってください。」 私はここで、尊敬すべき通訳の方々に丁重にお願いしたいと思います。私が今話した貧弱でつまらないジョークは通訳しなくて良いですから、聴いてくださっている皆さんに対して次のように伝えてくださいと。「いま講師はジョークを言いました。皆さん、笑ってください。」
 よく知られているように、ジョークは文化の境界を越えると、うまく通じないことが多いものです。実際、二つの文化が互いに手を差し伸べ合おうとするときにはいつも大変な努力を必要とします。しかし、いま私がここに招待されているということは、私たちの二つの文化が互いに相手の文化に好奇心を抱き、私たちがそれぞれ相手の文化から何かを学ぼうとしているという素敵な兆候ではないでしょうか。私は、もう長い間、皆さんの文化、すなわち日本文化に魅せられてきました。日本の文化に描かれた人間同士の関係、人びとの集まりが持つダイナミクス、社会の機能の仕方についての識見に魅力を感じてきたのです。
ところで、本日のテーマはソフトウェアパターンについてです。この話題は私たちの文化を融合する、またとない機会となるでしょう。ソフトウェアパターンは、アメリカ文化と日本文化のそれぞれの中で、それぞれの方法で、大きく前進してきた題材です。そうした事実が双方の対話のための基盤を提供します。さらに重要なことは、パターンの方法の深いルーツが、私の側よりも皆さんの伝統や文化の方にある、ということなのです。パターンが持つ東洋的文化遺産は長い間、私を魅了してきました。 Alexander のパターンが東洋的な含みを持っているのは偶然ではありません。むしろその結びつきは強く、明らかに見て取れることが多いのです。
 このルーツについての私の見解を皆さんにお伝えするために、私はここに参りました。私の希望のひとつは、この分野の進展に日本文化の伝統が大いに貢献するだろうということについて、皆さんにもっと認識していただくことです。そして実は、この機会を活かして、皆さん自身のやり方や思想を私に教えて下さることを密かに期待しています。と同時に、日常の中で実践していること、成功したこと、挑戦していること、失敗したこと、夢見ていることも教えていただきたいと思っています。パターンのルーツについても、皆さんの文化についても、私が知っていることは本当に僅かです。それでも、私は何年もの間、このような機会を得たいと願ってきました。ですから、本日、私をこのような場に招いてくださった羽生田さん、杉山さんには、心から感謝しています。このような“タイムレスウェイ”、すなわち「時を超越した方法」に深く根ざした対話は、文化の境界を越えることができるほどに十分豊かなものになることでしょう。