シェファーディングのランゲージ

羊飼いと羊のためのパターンランゲージ

 

Neil B. Harrison

Lucent Technologies

11900 North Pecos st.

Denver, Colorado 80234

(303) 538-1541

nbharrison@lucent.com

Translated by Yoichi HASEGAWA

 

訳:長谷川洋一(JPLoP LoS翻訳グループ) Ver.1.2

 

 

多くの人たちが、ライターズワークショップやそれ以外のレビューに先がけ、同僚達に意見を聞くために自分のパターンを送っている。事実、PLoPのカンファレンスでは、ワークショップで採用するかどうかを審査する前に、提出された全てのパターンをシェファーディングにかけている。ただ不幸なことは、シェファーディングの質が千差万別であるということだ。ある人たちはきわめて有益な意見を受けるが、別の人たちはぞんざいな所見とよさそうだといった推薦のことばしか得られない。

 

しかし、シェファーディングはパターンを改善するためのたいへん強力な道具となりうる。文法や語法の助言を越えて、指導される作品の核心に迫る。実際、シェファーディングはひとつの解法を述べているに過ぎない論文をパターンへと変える。しかしそれには、ありきたりの読解を越えた、シェファードによる協力を必要とする。つまり、以下のパターンに述べられるような、行き届いた配慮と、適切な行動が必要とされる。

 

以下のパターンは、シェファーディング(羊飼いと羊の両方)に関する有益な経験から拾い集められた。この経験の内容は、パターンとは直接関係しない技術的作業−教示と観察−について意見を交換することにより拡張されている。これらのパターンは、パターンをシェファーディングする公式な場だけでなく、それ以外の状況でも、あなたをよりよいシェファードになることを助けるに違いない。

 

舞台設定

次のようなことを想像してみよう。まもなく開催されるPLoPにおいて、あなたがシェファードになることに同意したとする。あなたは既にいくらかのシェファーディングに関する経験、少なくとも一度は羊の立場を経験している。あなたには、それがどのような感じを起こさせるのかわかっている。さらに、パターンについても知っていて、良いパターンに仕上げる自分なりの考えを持っている。理想を言えば、ライターズワークショップ(多分PloPだろうが)に出席したことがある。

 

進行議長からあなたにシェファーディングが割り当てられたことを知らせるメールを受け取ったところだ。最終校の提出期限まであと一ヶ月もないと書かれており、すぐに始める必要がある。だから、割り当てられたパターンに直ちに目を通すだろう。読んでみて、自分の責任を理解する。つまり、あなたが援助してやることにより、そのパターンがワークショップで採用されるか否かを決めるということを。だから、あなたは作者に対して、自分の最善の職務を果たしたいと思う。では、どうすればいいのだろうか。

 

あなたは、これから述べる幾つかの問題に出会うだろう。当然、あなたは最近のパターンの文献に精通しているので、これらのパターンを読んだことがあり、作者の作品を改善する手助けとして、これらを適用する準備ができている。

 

パターン地図

ここにあるパターンは、互いに密接に作用しあう2つの主要なカテゴリにグループ化されている。初めのグループは、シェファーディングプロセスそのものを扱うパターンで、シェファーディングの戦術といえる。これらのパターンは以下の通り(番号は本ランゲージ全体における番号)

 

1.        三度の繰り返し(Three Iterations):効果的にシェファーディングするために時間と労力をやりくりするには。

2.        羊飼いは羊を知っている(The Shepherd Knows the Sheep):あなたと作者の間に実り多いつながりを築くには。

3.        半分のパン(Half a Loaf):シェファーディングを確実に前に進め続けるには。

4.        全体的眺望(Big Picture):直ちにパターンの要点をつかむかには。

5.        持ち主としての作者(Author as Owner):作者に対してあなたがパターンを書くことを慎むには。

8.        フォースが問題を定義する(Forces Define Problem):より深いレベルで問題を理解するには。

 

シェファーディングプロセスは、本質的にライターズワークショップで行われているようなレビュープロセスだ。それゆえ、これらのパターンが「ライターズワークショップのパターンランゲージ」[1]と密接に結び付いていていても驚くほどのものでない。そこから抜粋したパターンは簡潔な文にして引用しており、ワークショップパターンとして注記している。

 

シェファーディングがパターンの改善そのものなので、二番目のグループのパターンは、パターン自体の側面を取り扱う。これらは得てして厄介なものになりがちなので、シェファードがしっかりと注視すべき領域だ。それゆえ、そこには改善に関する重要な潜在的可能性がしばしば含まれている。興味深いことだが、これら2つのグループのパターンを分離することは簡単でない。事実、次のグループの最初にあるパターンは、前のパターンにも含まれている!言い換えれば、もしシェファードとしてのあなた自身を助ける目的で《全体的眺望》を適用したなら、自動的にパターン自体を改善する手助けにもなる。逆に言えば、パターンを改善する手助けを目的として適用すれば、シェファードとしてのあなたにとって、より情況を楽なものにしてくれる。このことは、本ランゲージの多くのパターンに対して、ある程度、当てはまる。

 

4.        全体的眺望(Big Picture):読者にパターンの本質をすぐに理解させるには。

6.        問題と解法のマッチング(Matching Problem and Solution)パターンを真にパターンらしくするには。

7.        納得できる解法(Convincing Solution):パターンを信用できるものにするには。

8.        フォースは問題を定義する(Forces Define Problem):問題を力強いものにするには。

9.        バランスのよい文脈(Balanced Context):適切なスコープでパターンを捉えさせるには。

10.     体験談(War Stories):パターンをよどみなく、あふれでるようにするには。

11.     形式は機能に従う(Form Follows Function):パターンに新しい形式を組み込むには。

12.     小さなパターン達(Small Patterns):パターンを手軽に要約可能な状態に保つには。

 

これらのパターンは内容の点でもっと豊富で、「パターンライティングのパターンランゲージ」[2]に関連している。これらは、「パターンライティングパターン」として参照する。

 

シェファーディングの過程を通じて、初めは戦術的パターンをより多く使う傾向があるが、その後、2つのグループのパターンを混ぜて使うようになるだろう。ここに、全てのパターンを包括する図があるが、それらが適用される大まかな順序を示している。ひとつのパターンから他のパターンを指す矢印は、前者が後者のお膳立てをすることを表している。

 



The Patterns

1.       三度の繰り返し

 

あなたが指導にあたるパターンを受け取ったとき、これから先どれだけの作業が待ち受けているのかあなたにはわからない。パターンランゲージは、分量は言うに及ばず、成熟度と質のレベルがさまざまだ。作業の量と種類は千差万別で、前もって予測することは非常に難しい。

 

もしあなたが、作者のことを既に知っているなら、そのことが助けになるだろう。その作者のパターンから期待されるものについて、より確かな見当がつくだろう。しかし、作者が同じでも作品が異なれば、シェファーディングの作業量も異なり、時には全然違う作業量になる。

 

                   

 

余りにもしばしば、作者はシェファードからお粗末な対応を受ける。遅かったり、不完全であったり、かつ/またはうわべだけのものであったりする。作者には、シェファードに訂正版を送る機会がなく、シェファードの真意を理解する機会さえない。

 

実のところ、ほとんどのパターンがシェファーディングにかけられたときには、相当多くの作業が必要とされる。その理由のひとつは、シェファードが、親密に作品を吟味してくれる最初の、真の意味での「部外者」であることがよくあるからだろう。パターンの長所と短所を真に見抜くためには、そのパターンから距離をおいた人を必要とする。

 

ほとんどのシェファードが誠意をもって始める。しかし、シェファーディングはボランティア活動であり、あなたの現実に携わっている仕事が活動の邪魔をすることになる。時間は過ぎ去り、そのうち、あなたのできることと言えば、パターンにざっと目を通し、作者へのコメントを急いで書き上げることになる。何となく気がとがめはするが、あなたはそのパターンがとても立派に見えたと思うことにより、自らを慰めることになる。いずれにせよ、足早に駆け抜けている間はそう見えるのだろう。

 

それゆえ:

 

シェファードから作者へコメントを送ることを三回繰り返すように、シェファーディングを計画しよう。通常、シェファーディングに割り当てられた時間内に、三度の繰り返しを可能とするためには、ほぼ間違いなく、直ちに取り掛かる必要がある。シェファードと作者の両方がすぐに応答できる準備をしておかなければならない−シェファードは作者に提案を出さなければならず、作者は作品の改訂に備える必要がある。

 

三度の繰り返しは、作者に意味のあるコメントを送るための十分な時間を持つために、あなたの時間配分を計画するのに役立つ。加えて、締切の三日前に全てのコメントをあらいざらい作者に送りつけることを防止してくれる。作者は扱いやすいひととまとまりの情報を受けることにより、よりうまく対処できるだろう。《半分のパン》はこの点を発展させている。

 

あなたが生来の先延ばし屋なら、とりわけ困難だろう。自分自身のやる気を起こすためにも、すぐに各コメントを送る予定日を作者に告げよう。対外的な約束は、驚くほど自分を激励するものだ。

 

作品によっては、たった二度繰り返すだけで事足りる場合もあるが、他方三度以上のやり取りを必要とする場合もあるだろう。もし、一、二度の繰り返しで作品がはっきりとまとまった形になれば、予期せぬ時間の贈り物を喜んでもいいだろう。しかしながら、三度のコメントから恩恵を受けない作品はまれだ。むしろ、三度以上の繰り返しを必要とすることの方がより一般的だ。もし、スケジュールに付加的な繰り返しを入れられるならば、そうしてもよい。しかし三度も繰り返せば、シェファードにとっても新鮮味がなくなってくる。つまり、あなたは「現場に近づきすぎて」[3]、自分が作者に対して同じ提案を繰り返していることに気がつく。三度の繰り返し後、シェファーディングの効力は減少する傾向がある。作品の状態に関わらず、繰り返し回数は、三度が最適な回数に思われる。

 

通例として、シェファーディングにはもっと多くの労力を要するが、シェファーディングの質は大いに向上する。シェファードとして、あなたはそのつもりでいなければならない。あなたが費やす時間が、作者にとって十分価値のあるものになることを認識しよう。

 

                   

 

このパターンは、シェファーディングのやり取りのお膳立てとなるが、それだけでは上手くいかない。時間の配分計画を効果あるものにするには、やり取りされる情報についても配分計画を立てなければならない。《半分のパン》でこれが達成される。さらに、このパターンはシェファードと羊役の暗黙の共同契約を仮定している。これを達成するためには、《羊飼いは羊を知っている》を利用しよう。

 

Jim Coplien Dirk Riehleに感謝する。


2.       羊飼いは羊を知っている

 

さて、あなたはパターンを手にし、シェファーディングを始める準備ができている。何から手をつけるべきか?あなたは《三度の繰り返し》に合わせてスケジュール計画を立てた。しかしながら、あなたのコメントに羊役となる人が注意を払うという保証がどこにもないことに気がつく。

 

                   

 

シェファードは、本質的に批判する人であるため、シェファードと羊役の間には当然の障壁がある。羊は傷つきやすく、防衛的になる。このような身構えは、効果的なコミュニケーションを妨げ、シェファードからのコメントを無視する傾向を助長さえする。

 

一方であなたは、最高の助力を提供するために、作者に多くのコメントを与えたくなるだろう。しかし、もし作者があなたのコメントのほとんどを無視したなら、がっかりすることになる。だから、難しい事柄についてうわべを繕おうとし、相手を脅かすことのない表面的な提案を送りがちになる。

 

ほとんどのシェファーディングは電子メール越しに行われる。電子メールはシェファーディングにとってほぼ理想的だが、互いに離れていて、いくらか匿名性を含んでいる。こういった性質が、電子メールを無視しやすくする。

 

ほとんどのシェファードがパターンの作者でもあるため、次の原則に従うことができる。「私ならすばやく、そして積極的にシェファードに応答するだろう。だから、私の担当している作者もおそらく同じように私に応えてくれるだろう」。しかし、模範例はそこまでだ。そこには保証など全くない。私たちは他人を相手にしているのであり、彼らに対して何の実行力も持っていない。

 

それゆえ:

 

直ちに作者との交友関係を築くことから始めよう。そしてシェファーディングの期間を通して、維持しつづけよう。まだパターンを読んでいなくとも、すぐに作者と連絡を取り、あなた自身について作者に語ろう。作者があなたから何を期待できるか(たとえば《三度の繰り返し》)、そしてそのお返しにあなたが作者に何を期待しているかをはっきりさせよう。とりわけ、あなたが約束したことを最後まで守り通そう!

 

シェファーディングを個人的なものにすることは大切だ。作者にとって必要なのは、あなたのことを知っていて、あなたを信用することができるといった感触だ。もし、あなた自身が羊役の経験があることを知り、何を期待するかを知るなら、それも役に立つだろう。あなたは、本当の意味で、作者に対して〈安心できる舞台〉[4]を確立しているわけだ。

 

初めのふれあいは重要だ。作者は、あなたの世話振りを聞かされていて、あなたから何か聞かせてもらえることを期待するだろう。迅速に交友関係を築くことが、あなたの気遣いを示すことになる。それにより、作者はあなたのコメントを快く聞こうとするだろう。これは古いことわざを表している:「あなたがどれだけ彼らのことを気遣っているかわかるまで、彼らはあなたのことを気遣うことはない。」

 

あなたが意見を送る態度によって、時が過ぎても個人的な交友を維持することができる。改善の提案ばかりでなく、肯定的な応援も忘れないようにしよう。〈まずは肯定的な応答〉[5]を述べ、そして、それぞれの提案を〈肯定的な結び〉[6]で締めくくってみよう。

 

交友関係の重要な側面は、双方が相手の期待を互いに理解しあうことだ。あなたがすることと作者がするとあなたが期待することを含んだ基本原則を取り決めよう。たとえば、旅行の予定やすぐには返事がだせなくなる行事なども盛り込もう。ついでに、電子メールのエチケットに関する好き嫌いも、あなたにとって重要なことであれば、述べておいてもいいだろう。

 

                   

 

このようにすれば、進むに従ってシェファードと作者の両者が啓発されるだろう。あなたはシェファーディングの期間の後にも続く交友関係を築こうとするだろうが、それはまさに〈信頼の共同体〉[7]を築くことと同じだ。あるとき、私は作者と彼の作品について長期間に渡って作業を行った。その後のPLoPで、作者は、私がフォークミュージックを好きなことを知っていたので、感謝の気持ちとして、彼の故郷のフォークミュージックが入ったCDを私にくれた。

 


3.       半分のパン

 

シェファーディングは、今や進みだしている。《三度の繰り返し》を使うことで、おおよそのスケジュールを固め、あなたと作者は互いに何を期待するかを理解した(《羊飼いは羊を知っている》)。今や、作者はあなたからの最初のコメントを受け取る準備ができている。

 

                   

 

作者を手助けするという熱意から、しばしばシェファードはありったけの校正を作者へ直ちに送りつける。しかし、これは作者を圧倒し、スケジュールを台無しにしてしまう。

 

作者に対して、包括的なコメントの分厚い束をすぐに送りたいというのも、もっともなことだ。しかし、そんなことをすれば、あなたはこまごまとしたすべてのことにコメントをつけることができないばかりか、三度の繰り返しも守ることもできない。実際、そんなことをしている時間などない。仮にあなたができたとしても、作者はそれに合わせて対処することはできないだろう。なんと言っても、改訂作業は批評よりもさらに手間がかかるのだ!

 

全ての訂正が同等というわけではない。いくつかは確かに重要だが、それ以外は些細なことだ。しかし、もし全てのコメントを一度に受け取ったら、どれが重要なものなのか判断するのは困難だ。作者は、小さな変更に時間を使いすぎて、重要な変更にかける時間を失うかも知れない。次のことももっともなことだ:文法や綴りを訂正することは簡単で、そして私たちは簡単なことから始めたがる。

 

それゆえ:

 

作者に少しずつコメントを送ろう。最も重要な論点から始め、最も些細なことに向かって進めよう。もしあなたが、望むような全てのコメントをまとめきらないうちに時間が尽きてしまったら、今できている分を送ろう。あなたが送ってくれたものが何であれ、ともかく作者は作業を始めることができる。半分のパンでも、ないよりはましだ。

 

コメントはソフトウェアと違い、送る前に完全にしておく必要はない。実際、デバッグする必要などない!作者はコメントの意味が理解できるだろう。そして、もし作者が理解できなくとも、説明を求める何がしかの電子メールが送られてくると想定してよい。

 

スケジュールを守ることの方が、コメントを完璧にすることよりも重要だ。ひとつには、もし時を逃せば、コメントの繰り返しを危うくし、そして完成できなくなる。もうひとつは、作者があなたの送ったもので作業を始めることができるからだ。大部分のコメントを送って数日経っても、必要ならばいつでもコメントを完全なものにすることができる。

 

                   

 

今やあなたは走り出している。まあ、そうかもしれない。それでもまだ、あなたを悩ます問題がある。最も重要な論点から始めようと思っても、それが何かどうすればわかるのだろうか?どこから始めようか?その答えは《全体的眺望》の中に見つかる。

 

David DeLano Jutta Eckstein そして Dirk Riehleに感謝する。

 

4.       全体的眺望

 

今やあなたは作者にちょっとした返事を送る準備ができているだろうが(《半分のパン》を見よ)、まずすべきことは、そのパターンを理解し、最初に強調すべき最も重要な論点を見つけ出すことだ。しかし、これを実行することは、口で言うほど簡単ではない。

 

                   

 

どこからシェファーディングを始めるか判断しづらいことがしばしばある。あなたは効果的な提案をするためにパターンを理解する必要があるのだが、草稿段階のパターンはかなり不可解な場合がある。この段階で、小さく、簡潔なパターンは、しばしば内容に欠ける。他方、大きなパターンは、要点となる考えを覆い隠してしまう無関係な細部が含まれている。

 

最初に一読すれば、草稿段階のパターンの中に改善すべき多くの箇所を見つけることができる。しかし、時間は限られている。だから、最初に最も重要な論点を読み上げ、はっきりと理解することが決定的となる。さらに、重要でない論点は今後変わるかも知れず、あなたが大きな論点に取り込めば、なくなってしまうかもしれない。そうはいっても、いつも何がもっとも重要な論点であるか、はっきりするとは限らないのだが。

 

草稿段階のパターンはかなりはっきりせず、そのパターンが一体全体どういうものか見極めることが難しい場合もまれではない。パターンを世に出すために偉大な奮闘というものがあるかもしれないが、それを発掘するには大変な作業を要する。遠慮なしに言えば、技術者の多くはものを書くのがお粗末だ。

 

もちろん、シェファードがパターンについて最初に経験することは、一般の人が経験することと変わらない。最初の印象がなかなか消えない。だから、パターンが提出される仕方に相違が生じるのだろう。

 

それゆえ:

 

主要な考えを捉えるためにパターンの問題と解法を読むことから始め、そしてまず問題と解法についての意見を作者に送ろう。そのことにより、問題と解法がパターンの全体的眺望を与えるだろう。

 

あなたがこのことから出発するには3つの理由がある。第1に、すぐにそのパターンの考えが得られ、次に続く調査を組み立てるのを助けてくれる。第2に、作者がそのパターンをどのように理解しているか(もしくは理解しているかどうか!)を知ることに役立つ。第3に、パターンの本質はパターンそのものから容易に見つけられるべきである。読者がそのパターンについて比較的簡単に理解できる必要がある。ちなみに、あなたの最初の印象を作者に伝えるには、〈レビュー直前に読む〉[8]と同様に、全体的眺望を読み取った直後が最も良い。

 

この核心となる情報を探すのに適した場所は、問題と解法の節の始まりだ。各節の最初の一、二文に目を向けよう。最初の一読で、そのパターンの基本的な考え方が理解されるはずだ。このことは、〈一度で読み取れるパターン〉[9]を呼び起こす。もしそうでなければ、あなたは作者に可能な限り簡潔にそのパターンがどういうものか説明してもらい、そしてそれをパターンの中に組み込むよう依頼することもできる。また、あなたは作者にパトレット形式を使ってもらい、しばらくの間はそのパトレットを相手に進めてもいいだろう。

 

注意しなければならないのは、本書のパターンのように、あるパターンでは明示的に「問題」と「解法」といった節を含んでいない。それにもかかわらず、それらを見つけることはそれほど難しくないだろう(〈見つけやすい節〉[10]を見よ)。そういったパターンでは、たとえば問題と解法がボールド体になっている。問題と解法が〈提示すべき必須要素〉[11]の鍵となる要素であることに注意しよう。

 

                   

 

《全体的眺望》から始めると、シェファーディングはより効果的になる傾向がある。それはシェファードと作者を同じ話題につかせる手助けをする。早晩、高価になる誤解を避け、最初に最も重要な論点に焦点を当てる場所を提供する(《問題と解決のマッチング》を見よ)。

 

論文のレビューに関する興味深い同様のパターンとして、Jens Parlsbergによる〈すばやく論文を評価する〉[12]がある。

 

 


5.       持ち主としての作者

 

シェファーディングは、今や航行の途についた。あなたはパターンを通読し、多分《全体的眺望》を使って、そのパターンの最も優先順位が高い論点を確定するのに役立てている。さあ、あなたは作者に最初のコメントを送る準備ができた。

 

                   

 

作者と深いつながりを発展させるに従って、作者があなたに依存しすぎるようになるかもしれない。とりわけ、作者はあなたの提案を一言一句そのまま使うかもしれない。

 

いくらかお世辞のつもりで、作者があなたの表現をそのまま使うかもしれないが、これは良くない結果につながる。まず第一に、あなたはそのパターンの専門家ではない。だからあなたのコメントは完全に正確なものではないだろう。なんといっても、シェファードではなく、作者が専門家のはずだ。

 

二番目の問題は、ささやかながらもあなたを作品の持ち主にしてしまうことだ。これは、普通ふさわしくなく、ほとんどのシェファードが望まない重荷となる。

 

おそらく、もっと重大な問題は、作者があなたの提案を単にコピーするだけでは何も学ばないことだ。パターンの文体上の課題はもちろん、技術論文に取り組むことも上達する最善の方法のひとつだ。そして作者からこの機会を奪ってはならない。

 

しかし時間が迫ってくると、作者は深く考えることもなく、シェファードの提案を単純にパターンの中に埋め込んでしまうだろう。

 

それゆえ:

 

甘やかさない態度で作者に回答を送って、作者をその作品の紛れもない持ち主であることを確認させよう。別の方法として、正しい方向へ作者をそっと押してやるような質問をするのもよい。あなたの応答の多くを示唆に富む質問で表してみよう。

 

あなたの批判を、作者が答えを見つけ出すのに役立つ質問に変えることはしばしば難しい。「なにが」、「いかに」、そして「なぜ」といった質問を考えよう、たとえば、「あなたが解こうとしている問題は何なのだろうか?」、「どのようにして、その解法は問題を解くのだろうか?」、または「なぜこのフォースは重要なのだろうか?」といったように。その他の新聞雑誌で使われる“W”で始まる質問さえ用いてもかまわない、たとえば、「この解法はどんなときに役に立たなくなるのだろうか?」といったように。

 

あなたの言葉を深く考えることなく取り入れさせるのではなく、質問を投げることにより、作者を問題について考えさせ、そして、正しい表現(と概念!)に作者を辿りつかせることだ。その結果、作者はたいてい、そこにある主題とパターンについて学ぶだろう。その一方で、あなたは過度に巻き込まれることなく、作品の陰の見えざる手となる。

 

                   

 

このアプローチは単に作者へひと束の提案をさっと書き上げるよりも、より多くの作業がかかることに注意しよう。シェファードとして、作者に尋ねる質問について注意深く考える必要がある。これはまた、作者にとっても作業を増やすことになる。しかし、この余分の時間と努力は、より一貫した、完成度の高いパターンという成果を上げる。

 

質問の副作用として、あなたのコメントが作品に対する直接的な攻撃とならず、従って、作者を傷つけることも少なくなりそうだ。

 

 

 


6.       問題と解法のマッチング

 

一旦《全体的眺望》により道を歩みだせば、次に何を行うべきかを明らかにする必要がある。シェファーディングにかけられたほとんどのパターンは、《全体的眺望》にまとめ上げるためにいくらか手を加える必要がある。

 

                   

 

しばしば未完成なパターンは、辻褄がうまく合っていない。解法が問題を探しているような感じを受けたり、あるいはそのパターンの目的がどうもはっきりしなかったりするかもしれない。

 

パターンは、始めから終わりへと順序良く書かれているわけではない。作者はパターンを書くに従って、その中を跳び回る。だから、そのパターン−問題と解法−の《全体的眺望》は、しばしば異なった時期に書かれている。しかし、読者は始めから終わりへとパターンを読む。これは、しばしばゆがめられた、もしくはぼやけた《全体的眺望》へ読者を導く。

 

私たちは、解法に焦点を当てがちになる。いや実のところ、パターンは解法に関する記述だ。解法に焦点を当てることは、後からの思いつきとほとんど変わらないような問題記述を従えた、ゆるぎない解法へと導く。しかし、私たちはそのパターンをいつ適用すればよいのか知るために、しっかりした問題記述を必要とする。

 

いくつかのパターンはとても複雑で、自然に理解することが難しい。それらは大量の詳細記述を必要とするが、この詳細がパターンの意味を覆い隠してしまう。さらに主題の専門家である作者が細部に焦点を当てがちになるという事実が事態を悪化させる。いまでは作者にとってパターンの要点が明白なため、ほんの少ししか注意が払われないのだ。たとえ、読者にとって明白でなくとも。

 

それゆえ:

 

問題と解法を一緒に読んで、それらがつり合っていることを確かめよう。解法は、問題のすべてを指し示し、問題に書かれた以外のものを指し示してはいけない。問題と解法の2つの節を比較して、他方について劣っている方を明らかにし、それをよりゆるぎないものにしよう。通常、最初に解法について、それから問題へと移る。

 

これはバランスの問題だ。問題と解法は、パターンが全体としてひとつに感じられるよう、互いがぴったりと調和しなければならない。ひとつの見方は、パターンの広さだ。問題と解法は同じ広さの場所を覆っていなければならない。広範な問題は一般的な解法を要求し、限定された問題は特定の解法により扱われる。もうひとつの見方は、争点の深さだ。解法と問題はここでも同様につり合っていなければならない。もし解法がひとつの争点に深く取り組んでいて、争点が解法と密接に関係しているなら、それは問題の中にも映し出されるか、さもなくば文脈の中に反映されなければならない(問題における深さも同様だが、実際問題としてはまれだ)。

 

この時点では、あなたはようやくパターン全体を初めて読み通したといったところなので、問題と解決だけを読み、他の節を読み飛ばすだけでも有益かもしれない。これはパターンのバランス感覚を身に付けるのに役立つ。しかしながら、あなたは、欠けた穴を埋めるために、それ以外の取り巻く、フォース、文脈、そして実現に関する情報を取り入れ始める必要があるだろう。

 

私たちは自分の解法についての経験をもとにパターンを書いているので、最初に解法を書いてしまいがちだ。

少なくとも、私たちの心の中に最初にあるものだ。解法は、私たちにパターンを記述するよう動機付ける。だから、解法は通常、問題よりも熟している。これはなぜ私たちが解法から始めるかという理由だ。

 

                   

 

このパターンは、パターンのどの部分に手を加えなければならないかをあなたにわからせてくれる。また、作者にとっては、問題と解法の相互作用を理解するのに役立つ。しかし、この識別作業を超えて、解法と問題を定着させるため、あなたには特別な作業が必要だ。次のステップのために、《納得できる解法》と《フォースが問題を定義する》を参考にしよう。

 


7.      納得できる解法 (アハァ効果)

 

今ではもうパターンの形ができつつある。しっかりした《全体的眺望》を手に入れた。問題と解法は−《問題と解法のマッチング》により−ひとつになって機能し始めている。シェファードとして、これらのパターンを適用して作者の手助けをしているだろう。しかし多くの場合、パターンがあなたの手元に届いたとき、既にこれらの特性を持っており、表面上、よく見えるかもしれない。

 

しかし、そのパターンについて、どうも何かおかしいという感じがする。特にその解法が疑わしくなる。あなたはそれがうまく機能すると納得できない。多分問題は、果たしてそのパターンを使えば上手くいくのかはっきりしないことだ。それとも、そのパターンが世界平和症候群を呈しているのかも知れない。つまり、解法は、「言うは易く、行うは難し」というわけだ。時たま、解法は実際に間違っているように見える。

 

                   

 

時には、その解法の根拠が実に乏しい場合がある。あなたにとって、まさに何の役にも立たない。

 

パターンは、実証された知識を捉えたものであるべきだ。しかし、時に作者は、唯一の解決策としてパターンを書き上げる。まれではあるが、解決の提案として書き上げる場合もある。つまり、一度もうまく機能しなかった解法を(それらは世界平和を求めているように見える)。ライターズワークショップでは、作者を信じがちになる。その結果、後でその困惑から目をそらせる場面が、実際にシェファードの身に降りかかってくる。

 

作者はしばしばパターンが身近すぎて、幾つかの重要な解法の側面が明白で、取るに足らないものにさえ見える。だから、それらは述べられない。しかし、そのことは、パターンの信憑性を傷つけることになる。パターンの適用に役立つ情報が失われているため、パターンを世界平和の解法のように見せてしまう。

 

ある人たちは、アンチパターンに夢中になっている。これは、共通の問題を述べたもので、破壊的な振る舞いをしないように助言するものだ。しかし、アンチパターンは、それなら代わりにどうすればよいのかを教えてくれない。パターンはどのように機能するかについて、情報と洞察を伝えるべきだ。私達のほとんどは、失敗する多くのやり方を既に知っている。

 

それゆえ:

 

強力で、なるほどとさえ思える解法を探そう。理想的には、解法は「アハァ効果」をもたらすべきだ。もし、そうでなければ、作者に直接、この効果をどのようにもたらすべきか求めてみよう。たとえば、作者にその解法がどうしてもうまく機能すると納得できないことを告げよう;私を納得させてくれないか、と。どのようにそれを実装するのかや、実際にそのパターンをどこで見つけたかを尋ねよう。

 

隠されたものに注意しよう。たとえば、「すべきである」といった表現や、どのように使うかはっきりしないものに。とりわけ、自分自身の直感を信じよう。もし余りにも素晴らしく真実だと心に響く何かがあれば、おそらくそれだ。

 

過度に汎用的な解法は、信憑性に欠けがちになる。特別な使用例について尋ね、解法をより狭く、より深くするよう、作者を助けてやろう。また、反例を提示して、それらを除外することにより、解空間を狭いものにすることができる。

 

                   

 

これは作者に対する露骨な挑戦だ。ここには、信頼関係を壊してしまう危険がある。これが作者との信頼関係を確立しておくことが重要である理由だ(《羊飼いは羊を知っている》を参照)。しかし、尻込みはしないでおこう。今、率直に懐疑的であることを表明しておけば、後に作者と際限のない紛争をすることを避けられる。

 

解法が、無理なくよい形になれば−そしてその後でさえあれば−、《フォースが問題を定義する》と関係する問題に進むことができる。


8.       フォースが問題を定義する

 

通常、作者と一緒に《納得できる解法》に取り組んだ後は、パターンの解法は、よい形になっている。だが、これはやさしい部分だ。パターンは既に何度も見てきたように、解法から出発しているので、解法は現れ出てきたパターンの最も目立った部分となっている。しかし、解決される問題の本質とは何なのだろうか?

 

                   

 

多くのパターンでは問題の記述が貧弱だ。時には余りにもあいまいだ。さらに、たとえその記述がまさに解法を指し示していても、解法しか示していない。ある場合には問題の記述を見つけることさえできない。

 

問題は、パターンにとって鍵となるほど重要なものだ。つまり、解法がパターンの心臓とするなら、問題は精神といえる。注意深くたくみに作成された問題の記述は、その問題の解法を探している人にとって恩恵となる。しかしながら、多くの作者はこれを理解せず、かわりにもっぱら解法だけに焦点を絞る。

 

問題を記述することは難しい。私達は解決指向に傾きがちだ。一旦、問題を解いてしまえば、後は解法のことだけを考える。このため、通常解法を書くことから始め、その後で付け足したように問題を記述する。これは解法を前提にした問題の記述に導いてしまう。極端な場合、問題の記述は解法の言い直しに過ぎない。

 

形式上、問題がまず初めに来るので、作者は時折、解法を書く前に問題を記述する。だが、これもまた問題を含んでいる。解法をよく理解しないままに、問題を衝動的に記述する。しかし、作者が解法について詳細に考え抜かない限り、そのような問題の記述はあいまいで、非常に大雑把なもになりがちだ。

 

問題は複雑に入り組んでいる。同じく解決に達するが異なるアプローチ−全てが上手く働くとは限らないが−を提案できる様々な見方がある。その上、問題の外見上の表現は、しばしば問題自身ではない。つまり、はしかは皮膚に小さな赤い斑点を呈する肉体上の病気だが、斑点は病気それ自体ではない。

 

それゆえ:

 

問題の記述は、そこで上手くいかないものを目に見えるように描写すべきだ。その後、フォースは問題の中身と兆候の背後に潜むものへの洞察力を与える。作者はフォースと問題の記述を共に改善するために、2つの間を行き来しなければならない。

 

本パターンにおいて言うならば、問題の記述で、問題記述が(見えはするが)不十分になりがちになることを指摘し、次の段落(フォース)で、その背後の意味を示していることに気をつけよう。また、この特殊な記述形式においては、フォースに明示的に名前を与えていないことにも注意しよう。あなたはシェファードとしてパターンの中にフォースを捜し求める必要がある。

 

もし作者が問題について上手く切り出せてはいるが、フォースが不十分なら、何が問題を難しくしているのか尋ねよう。また、問題のなかで述べられている兆候の背後に隠れている本当の問題が何か尋ねてみよう。しかし、問題の記述が外見上の兆候に焦点を絞っていることを確認しよう。なぜなら、これは読者が今後遭遇し、そして関係付けることができるものなのだから。

 

もしフォースが記述されているのだが、問題がはっきりしていないならば、問題を述べたひとつひとつの文についてフォースを要約するように作者へ依頼しよう。もしそのパターンのフォースと問題が共に不十分なら、作者に、「で、君が解決しようとしている問題は一体なんなんだ」とか、「このパターンが解決するのに一体全体何がまずいんだ」といった質問を始めてみよう。

 

もしフォースが全然見つけられなければ、《わかりやすいフォース》[13]を適用してみよう。

 

争点となる問題の記述に特に用心深くあろう。それらは誤用されやすいから。もし問題が「それをするにはどうしたらいいのか?」といったように読めるなら、それはほとんど解法を前提にしている。フォースの中に隠れている本当の問題があるかどうかを見るためにフォースを読もう。

 

                   

 

あなたは、シェファーディングの努力の大半を問題に関する作業に費やしていることに気がつくかもしれない。しかし、それは適切だ。一旦、問題と解法がよい形になれば、パターンが明らかになる。私は、実にパターンがそこから抜け出そうともがく、多くのパターンと称するものを見てきた。パターンは問題が具体化されるに従って、明らかになっていった。


9.       バランスのとれた文脈

 

パターンは、《問題と解法のマッチング》、《納得できる解法》、そして《フォースは問題を定義する》を通して、形ができているので、パターンがどこで適用でき、どこでできないかが以前に比べてよりはっきりしてきた。問題はよく理解された。いまや、解法は、よりよく定義された。つまり、パターンはその適用性に対して自然な制約を加える。しかし余りにもしばしば、私達は解法の効果について考えず、それが当然問題を解決すると考え、それで終わる。しかし、そのような仮定は実際にはだまされやすい。完璧によい解法を適用することを含め、どのような行為も帰結をたずさえている。パターンは利用者にそれを説明する義務がある。

 

                   

 

そのパターンは「そして人々は末永く幸せに暮らしました」症候群にかかっている。つまり、もしこのパターンを適用すれば、全てがあまねく上手くと。それとも、「特効薬」症候群にかかっているのかもしれない。つまり、ちょうど今あなたの身に起こったどのような問題にも利用することができると。それとも、両方にかかっているかもしれない。

 

これらの2つの症候群は、実際には同じ問題だ。つまり、パターンの文脈がうまく述べられていないのだ。他方、パターンを適用する文脈は不十分か余りにも大雑把かも知れない。さらに他方では、帰結、もしくはパターンを適用した結果としての文脈が無視される。共に忘れられやすい。特にそのパターンとたいへん親密な作者にとっては。

 

多くの場合、パターンはありとあらゆるものに対して効果を試してみようとする。作者は、そのパターンが様々な状況に適用できるかも知れないという他人からのコメントを受け取り、そして新しい領域をカバーしようとパターンの拡張を試みる。そのため、パターンは大きくなり、そして焦点が失われがちになる。

 

パターンが適用される場所がはっきりしなければ、一体何の役に立つのかもはっきりしなくなる。この主要な原因は、パターンの結果がほとんど付け足しのごとく最後に追加されることだ。それは、論戦の核心を軽視することになるだろう。

 

それゆえ:

 

パターンを適用した結果としてどのように目の前の状況が変化したかを見るために、解法の前と後ろの文脈を見つめよう。発端と結末の文脈をそれぞれ比較しよう。また、問題の発端となる文脈と解法の結末となる文脈を比較しよう。

 

発端となる文脈では、土台を築き、来るべきもの−すなわち問題−のお膳立てをする。結末となる文脈では、解法の適用を通してどのように目の前の状況が変わるかが説明されなければならない。そして最終的な文脈では、フォースがいかにバランスを取っているかが示されなければならない。

 

発端と結末となる文脈を比較しよう。それらは列挙できるので、結果が発端となる文脈全体を説明しているかどうかわかる。過度にばら色の結果となる文脈記述は、通常詳細がかなり不足していて、文脈がどのように変化したかやフォースがいかにバランスを取っているかが示されていない。だから、それぞれのフォースがどのように対応付けられているか作者に尋ねて自らを導こう。そして、詳細とサンプルを要求しよう。《体験談》が手助けしてくれるかもしれない。

 

文脈に全てを取り込むことは至難の技だ。このため、しばしば非常に厳密な文脈を述べることは不可能か、もしくは現