在外投票の出来上がり
20年近くウダウダ言われて来ました在外投票問題にとうとうカタがつい
たのであります。
日本時間の4月24日(金)午前10時に開かれました参議院本会議に
て、在外投票法案が可決されたました。この法案は、すでに衆議院でも可決
されておりますので、これで在外投票をやるための法律が完全に出来上がっ
てしまったのであります。
バンザーイ。
いやいや、長いような短いような4年半でございました。
93年10月に署名運動を始めて以来、様々な作戦を仕掛けてきました
が、法案成立のポイントとなったのは、やはり訴訟を起こしたということで
しょう。あれは効きましたね。
それと、与党が在外投票法案を出す前に野党側が自力で在外投票法案を作
り上げてしまったことも全体の流れに大きく影響しました。関係者の話によ
りますと、そのせいで与党側もかなり慌てたらしいです。で、野党に対案を
ぶつけてきた結果、その法案が比較的スイスイスイと通ってしまったので
す。
そして、1998年4月24日、待ちに待った在外投票法案が成立したの
であります。
成立のポイントとして、「訴訟」と「野党案」を挙げましたが、実を言い
ますと、この運動を展開してきた私たちにも、なんでこの制度が実現したの
かイマイチわからん部分があるのであります。確かに訴訟は効いたと思うの
ですが、例えば、「与党の中で誰がこの件に関して積極的に動いたのか」な
どの詳細が、私たちにはさっぱり見当がつかんのですね。
また、永田町に対して仕掛けたいろんな作戦が、実際にはどのくらいの効
果があったのかも、私たちにはまったくわからんのであります。
こういう運動をやってますと、どうしても政治家さんや官僚さんを敵視し
がちなのですが、現実にはそういう方々が積極的に動かないと法案なんてで
きないわけでありまして、在外投票法案の成立にも多くの政治家や官僚の皆
さんが絡んでいるのではないかと私たちは読んでおるのであります。
それらのアンクリアーな点については、「近々クリアーにせねばならんの
う」と考えております。永田町の方々にインタビューしたりなんかして、
「在外投票の謎」に迫ってみたいと思います。わかったら、ちゃーんとご報
告しますからね。お楽しみに。
ここで今回成立した法案の内容を少しご説明しておきますと、「投票方法
は在外公館と郵便の併用」「永住権の有無に関係なく投票可能」「当初は衆
参の比例代表区のみの投票」となります。
一時期、「永住権保持者は投票できんらしいぞー」という噂がありまし
て、そのせいでドタバタしたこともあるのですが、今回の法案では、その件
については上記のように「永住権の有無に関係なく投票可能」なのでありま
す。
実を言いますと、衆議院で審議された法案には、「帰国の意志を有する者
に限る」という但し書、つまり「永住権なんか持ってるヤツはどうせ永住す
るつもりなんだから、日本の投票権なんていらんべな」的な意味合いがあっ
たのですが、国会の皆さんも「帰国の意志を有する者」の「帰国の意志」と
いうのを法律として明確に定義するのが不可能なことにやっと気がつきまし
て、ラッキーなことにその部分が吹き飛んでしまったのであります。
いや〜、ギリギリ土壇場での修正でしたね。
さて、在外投票の今後の展開についてなのですが、先にもお話ししました
ように、今回成立しました法案では、海外に住む日本人は衆参の「比例代表
区」にしか投票できないのであります。
これに関しましては、「全国300区の候補者名を海外の人たちに知らせ
るのは無理だから、最初は比例代表区だけね」などの理由が挙げられている
のですが、でもホントのところは、都市部を基盤とする自民党の長老議員た
ちが「海外に住む人間が小選挙区に投票できるようになったら、わしらヤバ
イじゃん」と反対しているのが原因のようです。
なぜ彼らが「ヤバイじゃん」と考えてるかといいますと、海外に住む私た
ちが投票するのは基本的に「日本での最終所在地」の選挙区になるわけでし
て、その場合、海外に出てる日本人というのは、東京や大阪から送られてき
てる「駐在員及びその家族」が多く、その人たちが「日本での最終所在地」
の選挙区に投票するのであれば、どうしても東京や大阪などの都市部に票が
集中してしまうのであります。つまり、都市部出身の国会議員、特に海外の
ことはよくわからん長老議員にとって、まったくコントロールできない票が
海外にいっぱい生まれてしまう可能性があるのであります。それを彼らは怖
がっておるのですね。
ですから、私たちが小選挙区での票もGetするためには、それらの自民党の
長老議員を黙せんといかんのであります。
では、どうやって黙らせるか。
たっぷり時間をかけて彼らが自然と黙ってしまう時期を待つという方法も
あります。彼らの政治家としての死を待つのですね。
でも、それはあまりにも時間がかかり過ぎます。
こういう場合は、やはり明かるく正面から攻めるしかありません。
まず最初に、彼ら、要するに在外投票への小選挙区導入に反対している都
市部出身の自民党長老議員の名前をリストアップし、在外投票に関するイン
タビューを行ないます。インタビューの目的は「在外投票についての本の執
筆」でも「雑誌への寄稿」でも構いませんが、ポイントは「そのインタ
ビューが海外に住む日本人の目に触れる可能性がある」ということです。
そのインタビューの際には、できるだけ大胆な質問をするように心掛けま
す。例えば、「在外投票への小選挙区導入に関して、あなたが反対している
という噂があるのですが、ホントのところはどうなんでしょう?」「海外に
住む日本人が小選挙区にも投票できるようになると、あなたのような都市部
を基盤とする議員は困るんじゃないですか?」などなどです。
もしそれらの質問に対して、「はい、反対してます」「そうです。とって
も困るんです」と正直に答えられる議員がいたら、まずパチパチと拍手して
あげましょう。その後、世界中から寄ってたかっての集中攻撃に入ります。
でも実際は、「いえいえ、賛成ですよ」「そんな困るわけないじゃないで
すか。大歓迎ですよ」という方が多いと思います。で、そのセリフを本や記
事の形で保存します。そして、彼らが裏で小選挙区導入阻止のために動いた
時に、「あ〜! 言ったこととやってること違うんだあ〜」とスルドく指摘
し、ここでも世界中から寄ってたかっての集中攻撃するのです。
これらの方法で反対分子を潰します。そしたら、小選挙区の導入なんて
チョチョイのチョイなはずです。
ここまで来たら、やっぱり小選挙区も入れるべきです。早速、「世界中か
ら寄ってたかっての集中攻撃」イケニエ・リストの作成に取り掛かることに
しましょう。
在外投票絡みのイベントは、もうしばらく続く予定なのでした。
しかしながら、なにはともあれ、在外投票の最初の「箱作り」は、とりあ
えず1998年4月24をもって完了いたしました。
先にも書きましたようにニューヨークで在外投票に関する署名運動が始
まったのは、1993年10月のことでした。それから4年半の間、私たち
は悲壮感を漂わせることもなく、いつも楽しく元気に「在外投票やらせて
やー」と日本に向けて叫んで参りました。正直言って、とってもラブリーな
4年半でした。
当初の予定では、3年ほどでケリをつけるはずだったのですが、世の中そ
んなにうまく行くはずがなく、予定よりも1年半も遅れて実現しました。
お待たせして誠に申し訳ありません。
なにはともあれ、数年後には私たちも日本の選挙に参加できるのです。
「別にそんなもんに参加したかぁねえや」という意見の方もいると思います
が、まあ、ドンマイドンマイ。楽しくやりましょや。
皆さん、これまでご支援ご協力いただきまして誠にありがとうございまし
た。
わたくしは、アサヒ・スーパードライで乾杯させていただきます。
乾杯。
では。
竹永浩之
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