2001年9月25日付号外
目次
*『ドキュメント・テロ5』
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『ドキュメント・テロ5』
あんなガラガラなカナル・ストリートを見たのは初めてだった。
いつもは観光客やチャイニーズ軍団でにぎわっているカナルが、事件翌日の
その日は、店もすべて閉まっていて、人の姿も少なかった。
まさにチャイナタウンが死んでいたのである。
そこのチェックポイントで再びプレスパスを見せる。警官の数がハウストン
とは違うのでちょっと緊張した。
が、ここも問題なく通過。シティーホールに向かって歩き始める。
1ブロック行ったところにアーミーのお兄さんが銃を持って立っていた。横
には装甲車が控えている。
そこから数ブロック南下したところでデリを見つけた。その周辺でやってた
のはこの店だけだった。結構、客が入っている。特に警官や消防士がよく出入
りしてた。レジのところに立っていたのは3人ともアジア系だったので、おそ
らくコリアンのお店なのだろう。
デリを後にして再び南下する。チェンバー・ストリートの2、3ブロック手
前で、今度はアーミーによるチェックを受ける。
これまでチェックポイントに立っていたのは、すべてNY市警の警官たちだっ
た。私のプレスパスは、NY市警に発行してもらったものだ。それがアーミーに
対して通用するか、ちょっと不安だった。
しかし、ここも問題なかった。そのアーミーの男性も人の良さそうな白人の
おじさんで、ニコニコしながら通過させてくれた。
ブロードウェーとチェンバー・ストリートの交差点まで来る。このままブ
ロードウェーを下ることもできたが、昨日、つまり事件当日に私がいた場所
が、いまどういう状況になっているかを見ておきたかった。
チェンバーで左折して東に向かって歩く。そのままパーク・ロウまで行け
ば、6番ラインのシティーホール駅に出る。昨日、最初の写真を撮ったのはそ
の場所だった。そこに立って、再び同じアングルで写真を撮りたかった。
昨日最初に撮った写真の構図を思い出しながら、立つ位置を探す。おそらく
ここだろう。デジカメのモニターをオンにし、レンズをワールドトレードセン
ターのほうに向ける。
まだ煙が立っている。よく見えない。でも、はっきりわかることがひとつだ
けあった。
昨日、このモニターの中にあった炎上するツインタワーは、もうそこにはな
かったのだ。
ひろ
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