2001年9月30日付号外
目次
*『ドキュメント・テロ6』
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『ドキュメント・テロ6』
事件当日、私がシティーホールを後にしたのは、最初のビルが崩壊した直後
だった。
そのとき、ワールドトレードセンターから押し寄せた塵煙がシティーホール
を覆い尽くした。私はその塵煙の中を北へと走った。
だからツインタワー崩壊後、シティーホールの近くに来たのはそれが初めて
だった。
チェンバー・ストリートにあったチェックポイントを通過して、シティー
ホールの東側を斜めに走るパーク・ロウを歩く。あとでわかったことなのだ
が、実際ここからはメディアも入れなかったのである。ただ、その連絡が同
チェックポイントにいた警官たちには伝わってなかったため、なんなく入れた
のだ。
そのとき、パーク・ロウを歩いていたのは私と数人の警官だけだった。メ
ディアの姿はなかった。おそらく彼らはもっと西の、警備の厳しいほうに集合
していたのだろう。
最初のビルが崩壊したとき、私が塵煙に飲み込まれた場所に立つ。そこには
昨日とはまったく別の風景が広がっていた。
車道はかなりきれいになっていたが、歩道は真っ白だった。その白は、地面
に落ちた灰と書類によって作られたものだった。見た目は火山噴火後の風景に
よく似ていた。
まだあたりには塵煙が舞っている。バッグからマスクを取り出す。チープな
マスクだが、ないよりマシだろう。
シティーホール沿いに続く歩道を歩く。地面には書類が積もっている。ツイ
ンタワーから飛んできた書類であることは間違いなかった。シティーホールの
芝生にも書類が落ちている。
昨夜のテレビのニュースではあまりやってなかったが、少なくともシティー
ホールのまわりは書類の海だった。
その書類の上を歩く。それらは、まだ人の手の温もりが感じられる書類たち
だった。レターヘッド。領収書。議事録のようなもの。
見覚えのあるロゴを見つけた。モルガン・スタンレー。確かツインタワーの
どちらかに入っていたはずだ。
地面の書類の層がどんどん厚くなる。その上を私は歩き続けた。
ひろ
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