1996年8月13日号
(No.127)
Nutsの表紙です
目次
*『チップの話です』
*『英語環境Nutsです』
*『今週の歌』
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『チップの話です』
さて、はじめは、「チップ」の話から参りましょう。
3、4週間前に、わたくし、「チップを少なく置いていったお客さんがいた場合、
ウエイター&ウエイトレスは、そのお客さんに対して、”あの〜、チップが少ない
んですけど・・”と言うべきなのでしょうか?」と、読者の皆さんに問うたので
あります。
それに対して、これまでに2通の投書を頂きました。(その中の1通は次回
ご紹介します。)
その2通の投書は、どちらもなかなか興味深い内容で、わたくし、編集人と
しまして、大変嬉しかったのであります。
ただ、です。いかんせん、投書の数が少ないのであります。これは、やはり、
私の読者の皆さんへの問い方が悪かったのでしょう。
そこで、わたくし、再び、読者の皆さまにお願いがあります。
どんな内容でも構いませんので、この「チップ」の件に関するご意見、経験談、
裏話、批判、悪口、同情などを投書して頂きたいのです。文章の長さは、自由
です。短い文でも、じぇんじぇん構いません。
突然、なぜこんなお願いをすることにしたかと言いますと、私、最近、ある
ことに気がついたのであります。
それはですね、簡単に言いますと、こういうことなのであります。
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ワシ、思うんですけど、チップの件に関して、お客さんとウエイター、
ウエイトレスの間で起こるイザコザっていうのは、なかなか表には出てこない
んじゃないですかね。
確かに、この問題に対して、積極的に取り組んでるレストランもあるし、
何とかしようとしてるウエイター、ウエイトレスもいますけど、少なくとも、
イヤな思いをしたお客さんの気持ちっていうのは、あんまりウエイター、
ウエイトレス側には、伝わってないですよね。(中には、思いっきり文句言って
帰るお客さんもいますけどね。)
反対に、ウエイター、ウエイトレスたちの苦労というのも、お客さん側には、
伝わってないですな。
てことは、まず最初に、ワシらがやらなくっちゃいけないことは、「お互いが、
どんな経験をして、どんな気持ちでいるか」ってことを話し合うことなんじゃない
ですかね?
お客さんとして、ホントにイヤな目に遭ったことのある人は、その経験談を。
ウエイターとして、すんげえやな客に遭遇したことのある人は、その怒りを。
観光客と間違われて、勝手にチップを付けられて、悔しいから何も置かなかっ
たら、ウエイターが後ろから追いかけてきて、短距離には自信があったので、
いきなりダッシュかけたら、相手は長距離が得意技で、約30ブロック走った
ところで見事に捕まってしまい、そしたら、急に気分悪くなって、さっき食った物、
みんなもどしちゃって、それを見たウエイターに「チェ!」とか言われちゃって、
彼が去った後もそのまま一人でゲーゲーやってたって人は、その口惜しさを。
チップも何も置かずに出ていった日本人客を追いかけて行って、「あの〜、
こちらの方、サービス料は、含まれておりませんのですが・・・」と丁寧に
切り出したら、「人のほどこしを受けるでない!」などと言われてしまい、「いや
、ほどこしとかじゃなくて・・・」と説明したにもかかわらず、「うるさい!
消えろ!」と怒鳴られて、「分かりました。」と店に戻るフリをして、相手が
向こうを向いたスキに中指立てて、口の中で「F・・・!!」とか言っちゃったら、
いきなり相手が振り向くからビックリしたなあ、もう、って人は、そのドキドキ感を。
何とも言えぬ、すばらしいウエイトレスに会って、「あの〜、今度、食事でも
行きませんか?」とか聞いたら、「え? でも、このレストラン以外でね。」
なんて照れながら言ったりして、「この子、すっごいいい子なんじゃないの。」
てなふうに思ってしまい、その子もその子で、「こんな目をした人、初めて・・・。」
なんてこと考えたりして、そして、その時、気合い入れて、Taxの3倍ぐらい
チップ置いてったら、彼女が追いかけてきて、ハアハア言いながら、
「ハイ、これ。」って多い分のチップ、彼に差し出して、彼は彼で、
「これ、って言っても・・・」とかなんとかモジモジしてると、
「今度のデートの時に・・・」なんて彼女がちょっと照れながら言っちゃうから、
二人でモジモジしちゃって、ふと見上げると、マンハッタンの夜空に流れ星が、
ヒューっと飛んでて、それが縁で二人の淡い恋物語が始まって、なんと今では、
上は、5歳、下は2歳の、元気な2児のチチハハよ、てなカンジの人々は、
その恋愛物語を。
これらのような経験談をいっぱいいっぱい紹介することによって、お互いの
気持ちを理解し合い、そこから、より良い「お客さんとウエイター、ウエイトレス」
の関係を築いて行こうではないか、と思うのです、ハイ。
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どこが「簡単に言いますと」じゃ。
要するにです。「チップを少なく置いていったお客さんがいた場合、
ウエイター&ウエイトレスは、そのお客さんに対して、”あの〜、チップが
少ないんですけど・・・”と言うべきなのでしょうか?」という問題だけではなく、
「チップ」に絡むできるだけ多くの話を、このNuts紙上で紹介したのです。
私は個人的に、この「チップ」の問題は、日本食レストランにおける日本人客と
日本人ウエイター、ウエイトレスの問題だと考えています。つまり、これは、
アメリカ人と日本人の間の問題ではなく、日本人間の問題だと思うのです。
なぜなら、私の今までのお客及びウエイターの経験から言いますと、他の
レストランで、あるいは他のお客さんと、「チップ」についてほとんどモメた
ことがないのです。日本食レストランの日本人客=日本人ウエイター、
ウエイトレス間は、「チップのモメ事」多発地帯なのであります。
で、その原因は、「お互いの不理解、及び、コミュニケーションの欠如」だと、
わたくし、考えます。
そういうわけで、「お互いが何を考えてるか、なんでもいいから言って
みよやないか」ということを今回の文では言いたかったのであります。
(長かったのう。)
ということです。
私も、このチップの件に関しては、いろいろ言いたいことがありますが、
それは、追々お話しします。
では。 編集人
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『英語環境Nutsです』
次は、「英語環境でも日本語で読める週刊Nutsのホームページ」について
なのであります。
ご存じない方のために、少しご説明しておきますが、この「週刊Nuts」は、
インターネット上にホームページを持っています。そのアドレスは、
http://www.interport.net/~hiro/Nuts/
です。
そのホームページの中にですね、この度、「英語環境でも日本語で読める
週刊Nutsのホームページ」なるコーナーをオープンしたのであります。
すばらしい。
このページは、その名の通り、英語環境のコンピューター、つまり、
日本語環境の整ってないコンピューターを通しても、「週刊Nuts」が”日本語”で
読めるのであります。
では、なぜ読めるのか?
え〜とですね、え〜なんだったっけ? あ、そうそう、このページでは、
日本語を”画”として取り入れたのであります。文字としてではありません。
”画”としてです。ですから、そのコンピューターの言語環境というのは、
関係ないのであります。
要するに、写真なんです。Nutsの文を何枚かの写真に撮って、それをノート状に
したものが、この「英語環境Nuts」なのであります。
このホームページを作ったは、インターネット上の「NY Nuts メーリングリスト」
に参加してる富山のNさんという方の「アメリカの地方で勉強している日本人学生は、
日本語に飢えている。だから、そんな人たちでも日本語で見れるホームページを
作ったらどないだ」という発言がキッカケでした。
確かにそうです。アメリカの地方の大学に通っている日本人学生、及び、
同じく地方に住む一般の日本人の方々は、基本的に日本語に飢えています。
「日本語飢餓状態」というヤツです。
ここから、少し話が逸れます。
日本に住んでいる方は、あまり経験がないと思いますが、海外に住んだことの
ある方は、この「日本語飢餓状態」というものが、どんなものであるか、よく
ご存じのことと思います。
「日本語飢餓状態」というのは、その言葉の通り、日本語に飢えている状態の
ことなのであります。(そのままや。)
でも、この「日本語飢餓状態」の症状というのは、普段は、あまり表れません。
いつ表れるかと言いますと、日本語で書かれたものを手にした時に、一気に
表れるのであります。
もしそれが新聞であれば、その新聞の隅から隅まで読んでしまいます。
記事だけではありません。テレビ欄から広告の部分に至るまで、すべてに目を
通してしまいます。もし、重度の「日本語飢餓状態」である場合は、それを同じ
新聞で2、3度繰り返します。
私が初めてこの病気(?)にかかったのは、インドでガンジス川を眺めてる時
でした。
宿泊先で、ふと日本の雑誌を見つけたのですが、読み始めたら、これが止まら
ないのよ、アナタ。大して面白い雑誌じゃなかったんですよ。でも、隅から隅まで
読んでしまいました。それは、まるで乾いた大地に、コップの水を垂らしたみたいに、
私の脳にキューっと吸収されて行きました。
この「日本語飢餓状態」の原因についてですが、私は、これは、「普段の生活に
おいて目の中に入ってくる日本語の量」に強く関係してると考えています。
私、以前、この病気の重度の患者だったのですが、ちょうどその時、日本に
一時帰国することになりまして、「よ〜し、日本に帰ったら、日本語で書いてある物
、片っ端から読んだるぞ〜。」と意気込んで帰ったところ、行って2、3時間後には
、この病気はすでに完治してたのであります。日本語に対する恐ろしいほどの
飢餓感も一気に失せてしまいました。
私、思うんですけど、日本では、日本語というのがやたらと目に飛び込んで
来ますよね。看板にしてもそうだし、電車の中の広告にしてもそうだし、スーパーに
行ってもみんな日本語で説明してあるし、なにはともあれ、わざわざ新聞とか
雑誌を買わなくても、日本語がそこらじゅうに溢れてるのであります。
一方で、海外では、日本語がそんなに簡単には目に入ってきません。日本語で
書かれた看板というのもあまりありませんし、電車やバスに乗ってても、そんな
簡単には、日本語にお目にかかることはできません。そういう日本語がない環境での
生活が積もり積もって、知らない間に、日本語への激しい飢餓感へと発展するの
ではないでしょうか。
だから、「日本語飢餓状態」というのは、「何か日本語で書かれたものを読み
たいという強い感情」というよりは、「日本語をとりあえず目の中に入れたいと
いう強い感情」だと、私は、考えるのであります。
話を戻します。
なにはともあれ、「日本語飢餓状態」にある日本人の皆さんが、その飢餓感を
少しだけ癒せるように、このホームページを作ったのであります。
一方で、読者の皆さんには、こういう疑問があるかもしれません。
「そんなもん、日本語でインターネット見れりゃ、わざわざ”英語環境Nuts”
なんか、作ることないべな?」
その通りなのであります。もし、アメリカに住む日本人の皆さんが、日本語で
インターネットが見れれば、わざわざ地獄のように面倒くさい「英語環境Nuts」
作りをやる必要などないのであります。
でも、現実は、ちと違います。アメリカに住む日本人の中で、インターネットを
日本語で見れる人というのは、まだまだごく一部です。雰囲気的にかなりいそうな
感じがするのですが、私は、大した数ではないと思います。
そして、この数字は、アメリカ全体で見た場合、今後、急激に伸びることは
ありません。ゆっくりとは、伸びていくはずです。でも、いきなりドッカーンと
増えるということは、考えられません。
確かにニューヨークやロスなどの都市部では、その数は、かなりのスピードで
伸びています。でも、地方では、非常に緩やかです。
また、その人が、日本語環境を整えたとしても、そこには、いつも「帰国」の
可能性があります。これは、大変重要なポイントです。
例えば、大学生。通常、彼らは、自分が通う大学において、無料でe-mailの
アドレスを持つことができます。で、彼らは、大学のコンピューターを使って
インターネットにもアクセスできます。
しかし、です。そこには、日本語環境の整ったコンピューターというのは、
普通、存在しません(個人で持ってるモノは、別ですよ)。ですから、最初は、
「英語環境でのインターネット」となります。
その後、自分でコンピューターを持って、それを使って日本語でインターネットに
アクセスできるようになるかもしれませんが、その頃には、「帰国」、
ということもありがちです。
で、また新しく来た学生たちも、同じ事を繰り返す、というわけなのであります。
なにはともあれ、アメリカに住む日本人の皆さんが、日本語でインターネットを
見れるようになるのを待つよりは、こちらから、その英語環境の中に攻め込もう
という作戦なのであります。
どんなもんですかね?
まあ、とりあえず、お暇がありましたら、のぞいてみてください。でも、
日本語環境Nutsの読める方は、間違っても「英語環境Nutsをみんな読んだろ。」
とか思わないように。読みづらくて疲れるだけです。
そんなとこです。
今週は、ほとんど事務連絡Nutsになってしまいました。
どうもすいません。
「これでもか! これでもか!」と書いてるうちに、スペースがなくなって
しまいました。
ハッハッハ。(笑ってごまかすな。)
なにはともあれ、また来週。 編集人
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『今週の歌』
「" How many days left ? "
という問いが
"・・hours・・?" にかわる
ときの寒さよ ひろ」
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