1996年11月19日号(No.141)


                     Nutsの表紙です



目次

*『VOICE』
・投書「骨髄提供者募集」 ・投書「コインの裏表」 ・投書「NO.140について」 ・投書「チップについて」 ・編集後記 ・ひとりごと
*『今週の歌』
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『VOICE』

@前略Nuts様
 お願いがありペンを取りました。
 自分の友人Mさんが、白血病(Lukemia)に冒され、一年半前より入退院を繰り 返し、今は最後の手段の骨髄移植を待つだけとなりました。これが受けられないと 延命の希望はありません。
 しかし彼とMatchする同じ特性の組織を持った人は、まだ見つけることができ ません。そこでNuts紙上を借りて骨髄提供者となりえる可能性を持った人の ボランティアを募集して欲しいのです。
 これは一人でも多くの人に血液検査を受けてもらい、同じ特性の組織を持った人を 捜し出すしかなく、血縁者でも100分の1、一般では10,000分の1という適合率 ですが、他に方法はありません。
 ボランティア希望の方は、NYC BLOOD CENTER(1-800-692-5663; 310 E 67TH ST. BET. 1 & 2 AVE.) に電話をかけアポをとり、そこに出向いてもらい (MON.- FRI. 8AM-5PM )、簡単なペーパーワークの後(血液に関連した遍歴が あるか、HIV POSITIVEか、ドラッグ常用者か、など)、約30ml、カレーライス 用スプーン2杯分ぐらいの血液を採取されるだけです。費用は、無料。時間は 約20分で終了します。
 自分は仕事場の同僚など数人で行ってきました。そのうちの一人の日本で献血 マニアだった友人によると、採られる量は献血よりずっと少ないそうです。もし あなたが自分の友人といわず、同じ病気で苦しむ他の人とマッチし、骨髄提供者 (DONOR)になった場合、麻酔後、腰骨から背骨に注射され、少量の骨髄 (MARROW)を注出され、その量は何ら健康に及ぼす影響はなく、2、3週間で 自然に戻り、その後の生活には何の支障もありません。注射ですから何の跡も 残らず、人によっては2、3日、軽い鈍痛を感じる事があるそうです。
 今、骨髄提供者を待つ彼は、最近、7年かかってやっとグリーンカードを取得、 アメリカ人の彼女もでき、本当に人生これからというところです。友人の一人と して、できる限りの事はしてあげたいと思いペンを取りました。万に一つの可能性 でもあれば、それに対してベストが尽くせればいいです。是非、読者、友人の 皆様の協力お待ちしています。
                   Hideaki Suzuki 718-204-0192
@140号で、私の投稿(135号掲載)を批評した原田さんへ。
 「コインの裏表」と「硬貨の裏表」の違いは気がつきませんでした。ご指摘に 感謝します。偏執的という形容詞が不適当だったからかもしれません。
    原田さんの指摘をきっかけに考えてみたのですが「硬貨の裏表」という表現を、 私はこれからも選ばないと思います。それは、コインを投げて何かを占うという 習慣の源流は、日本ではなく欧米にあるような気がするからです。
追記:もしや原田さんは本多勝一の愛読者ですか?
                       石井政之
@Nuts NO.140 (11/12/96 )の「ソショウの心」は、最初から最後まで同感。 編集人と一緒に活動している人達に、”これからもがんばって”と声援をおくります。
 次に、”日本人と日本語について・・・”の石井氏について。これまで、この テーマについてどうような文章を書かれていたのか覚えていないので、前後関係が はっきりつかめませんが、私の誤解だったら、ごめんなさい。
 ”アメリカ人と結婚している日本人女性の生活ぶり”、という、人から聞いた 話しについて意見されていますね。単に、”彼女は家庭の中で一言も日本語を話さ ない、英語の勉強のために毎日ニューヨークタイムズを読んでいる”という状況 だけで、これを情けないこと、というような気持ちを持たないでください。
 この女性がやっていることを私も毎日しています。ただ私の場合、他にコミュニ ケーションの方法がないという理由があります。でも、日本語を捨てたとは思い ません。これは、特におおげさに考えるほどのものではなく、日本語を話さない アメリカ人と結婚した、というだけのこと。
 東京ー地方文化の比較は、石井氏自身が言っておられるように、全く、”乱暴な 論理”。説得力がまるでない自己満足としか思えません。
 最後に、今書いている私の文章の日本語としての自信は、あまりありません。
                 Yuko
         @私のチップに対する考えは、すこーしずつ変わりました。
 最初は、サービスに対する感謝の気持ちとして、10〜15%を可変して置くものと 思っておりました。
 私は去年12月に旅行者としてNYに来まして、ガイドブックに出ていたGrand Central Stationにあるオイスター・バーに行きました。ロブスターを食べ、 支払う段になって連れと相談し、サービスの評価をし、約10%を加えクレジット カードの伝票に記入しました。サインを渡したところ、ウエイターは15%を 要求し、カード伝票を書き直せと言うのです。やや納得できない気持ちながらも 、彼の言うとおりに致しました。
 その時までは、客側にサービスの評価をする自由、そしてその評価に応じた チップを置く自由が与えられているのかと思っていたのですが、そうとも限らない 場合があると思い知らされたのです。
 その後、在住者となり、概(おおむ)ね同席した人の行動では、「常に15%置く」 というものでしたので、その後、私は義務として15%置く様になりました。 サービスが気にいらない時(コップの水が空のまま、つがれることがない、 チェックを要求したのに途方もなく待たされる=これがいちばん嫌い)、 13〜14%になることもあります。大変気持ちのよいサービスをうけた時も15%を 大きく越えることはしておりません。ちなみに15%の計算に正確をきす為に、 私は15%チップ換算表を持ち歩いてます。
                    KEN
  @編集人です。
 さて、新しい情報なのであります。
 わたくしの母校(まだきれいには卒業しておりませんが)、City University of New York (CUNY) の同窓会ができます。名前を「Cuny's」といいます。
 ニューヨークにも日本の大学の同窓会というのが、けっこうあるのであります。 稲門会とか三田会なんちゅうのがありますな。
 ところが、アメリカの大学の日本人の同窓会というのは、あんまり見かけんの ですね。大学によっては、かなりの数の日本人が卒業しておりまして、同窓会など つくった日には、相当デカイものが出来上がってしまうのが予想されるのですが、 私が知ってる範囲内では、そう派手にやってるところはないのであります。
 特に、CUNYなどに日本人の同窓会ができたりしたら、さぞかし大規模な同窓会が できるはずなのであります。このCUNYというのは、十数校のカレッジで構成されて おりまして、そこでは、たくさんの日本人学生が日々勉強し、または、私のように 授業中に司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んで、ひとり感動しておるわけなのであり ます。そういう彼らが、毎年卒業しておりまして、その数を合わせると、かなりの 数になるのであります。
 私が通ってる City College でも、以前、「日本人の同窓会作ろうぜ」という 動きがありました。私もそんな風景を眺めながら、「同窓会あったらいいわよね。」 などと考えておりました。
 そしたら、アナタ、今度、CUNY全体の日本人の同窓会ができるっていうじゃ ないの。
 すばらしい。
 その同窓会、「Cuny's」の目的は、「日本人卒業生同士、あるいは、卒業生と 在校生との情報交換」でして、それによって「CUNYの日本人卒業生の活躍の場を 増やしていきたい」とのことでした。
 また、将来は、日本にも支部を開き、アメリカだけでなく、日本在住の卒業生との 情報交換も行なっていく予定だそうです。
 まあ、今はインターネットがあるから、やろうと思えば簡単にできますな。
 てな感じで、CUNY卒業生の同窓会、「Cuny's」が、近々発足するのであります。
 で、早速、最初のイベントのお知らせなのであります。
 来る12月6日(金)、日系人会にて、この「Cuny's」の設立パーティが行なわれ るのであります。詳細は以下の通りです。
『CUNY同窓会「Cuny's」設立パーティ』
 日時:12月6日(金)午後6時半〜9時半  会場:日系人会ホール     15 West 44th Street, 11th Floor (bet. 5 & 6 Ave.)  会費:10ドル(在校生、友人なども大歓迎)
 一応、予約が必要だそうです。つきましては、参加ご希望の方は、Nuts編集部 (212-982-3348)までご連絡ください。
 さて、続いては、例の「ソショウ」の話なのであります。
 日本時間の11月20日(水)午後1時、東京地方裁判所にて、とうとう提訴が 行なわれるのであります。最終的な原告数は、50数名(これを書いてる時点では、 まだはっきりした数は分かりませんでした)。実際に、日本にこの提訴のために 帰国したのが、その中の6名。参加国は、イギリス、アイルランド、フランス、 ドイツ、イタリア、オーストラリア、フィリピン、グァテマラ、アメリカなどです。
 その提訴の後、場所を司法記者クラブに移して、記者会見が行なわれます。 帰国した原告6名と弁護士団が参加します。
 今回の作戦には、NYからの参加はありませんでした。旅費はすべて自腹、 という状態では仕方のないことなのであります。
 でも、NYの日本人がひとりも参加しないというのは、少しさびしいのでありま した。
 そこで、です。わたくし、誰かNYの知り合いをこの記者会見に送ろうと思い、 いろいろ考えたのであります。
 そして、私は見つけたのであります。うってつけの人物を。
 今回、NYの声を代弁する役を、「ガーディアン・エンジェルス」の小田ちゃんに 頼むことにしました。
 彼とは、かなり前からの知り合いでして、いつも会うたびに「何かできることが あったら言ってよ。」と言われていたのであります。
 その彼が、今ちょうど東京にいるのであります。これは、頼むしかないわよね。
 ちなみに、この恩は、紀伊国屋さんのカフェの「コーヒーとケーキセット」で ペイすることになっております。はい。
 なにはともあれ、NYの代理人として、「ガーディアン・エンジェルス」の 小田ちゃんが、記者会見に参加します。
 さてさて、どうなりますやら。楽しみですね。
 この提訴と記者会見については、来週結果報告いたします。
 そんなところです。
 では、また来週。              編集人
@先週、数人の知り合いから、続けてこういう内容の質問を受けた。
 「アメリカ人女性と結婚したことに関して、他の日本人男性に優越感のような ものを感じるか?」
 私は、アメリカ人女性と結婚したことに関して、他の日本人男性に優越感を感じ たくない、あるいは、感じてはいけないと思っている。しかし、それは、「感じて ない」という意味ではない。
 自分のかみさんがアメリカ人であることを他の日本人に話す時、私はよく 「やったじゃない。」、「やるなあ。」という反応を受ける。なぜなら、日本人 男性がアメリカ人女性を「落とす」のは一般的に難しいと考えられているからだ。
 そういう反応を受けた時、私は、一応、「そんなことないですよ。」と答える。 しかし、同時に、私は、心のジャングルの奥の方から、「優越感」というナマ ぬるい風に乗って、「キキキキキキキ」という笑い声が聞こえてくるのを感じて いる。そして、その笑い声の後に、「ヤツ」は、こうささやくのだ。
 「そうだよ。オレって、やるんだよ。」
 ここで言う「ヤツ」とは、アメリカ人女性と結婚したことに関して、私自身に 優越感を感じさせている「原因」のことだ。
 私は、「ヤツ」の存在を否定したいと思っている。できることなら、「ヤツ」の ことなど考えたくもない。
 しかし、私の心の中には、間違いなく「ヤツ」が住んでいる。そして、「ヤツ」は、 紛れもなく私自身でもある。
 私は、私の結婚に関して、他の日本人男性に優越感を感じている。感じたくない、 感じてはいけないと思っていても、それは明らかに私の心の中に存在している。
 私がアメリカ人のかみさんを持ったのは、ほとんど偶然である。結婚した女性が、 偶然アメリカ人だったのだ。それは、別に私が「やる」からではない。
 そのことを一番良く分かっているのは、私自身である。でも、分かっていながら、 優越感を心の中に飼っているのも、この私だ。
 矛盾の中に住むのは、あまり心地の良いことではない。そこで私は、その矛盾から 逃れるために、優越感を否定し、それを持つことを「悪」と考えようとする。
 しかし、その優越感を否定すれば否定するほど、「ヤツ」の笑い声は大きくなり、 優越感を感じることを「悪」だと考えれば考えるほど、「ヤツ」の存在は、強固な ものとなる。
 一体、「ヤツ」とは、何者なのだろうか。
 なぜ、私は、他の日本人男性に対して、優越感を感じているのだろうか。
 これから、私は、優越感を感じるべきではないのに感じてしまう矛盾と、どう 付き合っていけばよいのだろうか。
 「アメリカ人女性と結婚したことに関して、他の日本人男性に優越感のような ものを感じますか?」
 「はい、私は感じます。”ヤツ”の笑い声が聞こえるんです。ほら、”ヤツ”が 笑っていますよ。”キキキキキキキ”ってね。」
                       ひろ
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『今週の歌』

「ある人が ”最初の3ヵ月だよ”と
     言ったミツキは 屁のようなミツキ  ひろ」

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Hiroyuki Takenaga ---hiro@interport.net


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