1997年4月8日号(No.161)
Nutsの表紙です
目次
*『VOICE』
・編集人「グダグダと・・・」
・ひとりごと「日本に帰る人たちの問題」
*『今週の歌』
**********************
『VOICE』
@編集人です。
さて、今週は投書がないので、最近のNuts及びその周辺のことをグダグ
ダとお話ししたいと思います。
まずは、Nuts本の話。
1ヵ月ほど前に、Nuts本の企画書とテスト版をいくつかの出版社に送り
ました。そして、この2週間ほどの間に、それに対する出版社からの「お
断り」の返事が、続々と私のもとに届いております。ハッハッハ。
いやいや、世の中、そんなに簡単には行きませんな。
でも一方で、Nuts紙上にて、「本作りにもだえてる。」だとか「出版社
に冷たくあしらわれてる。」などと書いたおかげで、何人かの方に知り合
いの出版社を紹介していただきました。中には、本の編集方法についてい
ろいろと助言してくださる方もいて、ひろぴー、しあわせ状態なのであり
ました。
そんなこんなで、相変わらずもだえておるのですが、もうひとつ、Nuts
本作りにおいて、私がもだえなければならないテーマがあるのであります。
それは、Nuts本の内容をどう構成するか、という点についてなのでありま
す。
私は、このNuts本を「ガイドブック」にするつもりはありません。でも
反対に、Nutsをそのまま本にしても、日本の方にはナニがナニやらさっぱ
り分からんでしょう。
本の編集方法について助言してくださった方とのEメールでのやりとりの
中で、私はこんなことを書きました。
『このNuts本の目的は、日本にいる人たちに NY生活を”模擬体験”し
てもらうことです。「このようなケースにブチ当たった時、この人はこん
なふうに感じました。あなたならどう感じますか?」。それがこの本の背
骨になります。』
文中に出て来ました「模擬体験」というコンセプトが、このNuts本にお
いて重要な意味を持つと、私は考えております。
「模擬体験」と言いましても、その環境、つまり、周りに何があって、
どんな風景があって、なんてことを細かく説明することによる「環境の
模擬体験」ではなく、いろんな日本人がこの街で感じたこと・思ったこと
をタラタラと並べることによって、本の読者の方々にも、「もし私がNYに
いたら、どんなふうに感じるかしら・・・」と考えてもらうための「心の
模擬体験」を、このNuts本の中で展開したいのであります。
ただ、です。本の読者の方々にその「心の模擬体験」を体験していただ
くためには、ある程度の基礎情報というものが必要なのであります。彼ら
が、彼らのアタマの中で、イエローキャブが吠える街角に立ってる、ある
いは、天井の高いアパートに寝転がってる自分自身を想像できるために必
要な基礎情報も、Nuts本には含ませなくてはなりません。でないと、いき
なり「ハイ、あなたは今、NYにいます」なんて言っても、なかなか想像で
きんのであります。でも基礎情報ばっかだったら、それは「ガイドブック」
やからね。そのへんのバランスが非常に難しいのであります。
そんなわけで、現在、わたくし、読者に対するNuts本のプレゼンテー
ションの仕方について、いろいろと考えとるのです。
続いては、「NYウエイター物語」の話。
例の小説執筆のためのインタビュー作戦は、ボチボチ進行しております。
これまでに約20名の方にインタビューしまして、そのインタビューの内
容を書いたノートが、「早く私をきれいに整理してちょうだい。」とファ
イルの中で騒いでおります。
とりあえずは、これまでの約20名分をきれいに整理しなくてはなりま
せん。インタビュー第2弾が始まるのはその後ですな。
次は、「ぶりてんNuts」の話。
インターネット上の生活情報掲示板「ぶりてんNuts」の新たな展開につ
いては、先週お話しした通りなのですが、前回はそのアドレスを書くス
ペースがありませんでした。てなわけで、ここにご紹介します。
NY版=http://www.nyct.net/~nuts/
LA版=http://www.nyct.net/~nuts/LA/
SF版=http://www.nyct.net/~nuts/SF/
シアトル版=http://www.nyct.net/~nuts/Seattle/
ボストン版=http://www.nyct.net/~nuts/Boston/
NY以外の各都市の情報を集めるために、各地の日系情報紙の購読を始め
ることにしました。NY以外の都市には、どこにも無料のコミュニティ紙が
ありまして、それぞれの日本人社会において非常に重要な役目を果たして
おります。それに目を通すことによって、各地の日本人社会の状況、たと
えば出張マッサージの充実度などを比較してみようと考えとるのでありま
す(そろそろ倦怠期)。
ところで、よく考えますと、NYには「無料の本格的コミュニティ紙」と
呼べるものが皆無なのであります。これには、いろんな理由があるのです
が、結果として、「NYには本当に力のある日系メディアが存在しない=NYに
住む日本人全体に声の届くメディアが存在しない」という状況を生み出して
おるのですな。これについては、別の機会にでもお話しします。
で、最後は「在外投票運動」の話。
この件について話すのも久々ですな。とりあえず、ここでは、最近の動き
について少しばかりお話ししましょう。
昨年の11月、我らが「在外投票訴訟団」が、日本に訴訟をブチかましに
帰った際に国会議員の方々と懇談会を開きました。ちなみに、その懇談会に
は自民党議員の参加はありませんでした。
その席で、新進党の石井一衆議院議員がこんな意味の発言をしたそうです。
「私たち新進党は、在外投票の法制化をやるって言っている。だから、私た
ちよりも、この法案に反対してる自民党のところに行くべきじゃないのか。」
そう言われて、私の仲間たちはカチンと来たらしく、「これは、政治論で
はなく、人権問題である。」的な意味のことを言い返したらしいのです。そ
したら、この石井さん、「それなら10年でも20年でも運動してたらいい。」
てなことを言っちゃったんだと。
結果として、私の仲間たちは、「けしからん、けしからん。」と怒ってた
らしいのですが、でも私は、石井さんが言ってることは正しいと思うのであ
ります。
まあ、これは、私がその場にいなかったから言えることなのでありまして、
もし私がそこにいて、「それなら10年でも20年でも・・・」なんて言われ
た日には、プッツン来てたかもしれません。
でもです。石井さんの言う「わしらじゃなくて、自民党に行きなさい。」
というのは、本当にスジの通った話でして、私自身も「もっと自民党を攻め
なくっちゃ。」と考えております。だって、この法案に反対しとるのは、自
民党だけなんやから。
そんなわけで、わたくし、先月ぐらいから、自民党及び他党の骨のありそ
うな政治家十数名に対して、「FAXお願い作戦」を開始したのであります。
最初のFAXは、「あんたら、在外投票法案、持ってるんでしょ。何を出し惜
しみしてんのよ。早く国会に出してよ。」という内容でした(どこが「お願い」
じゃ)。
で、結果としまして、返事が返ってきたのは、鳩山由起夫衆議院議員から
だけでした。
この鳩山さんという人は、ホントに律義な人でありまして、こういう問い
合わせには、いつもしっかり応えてくれるのでありました(今回応えてくれ
たのは、鳩山さん本人ではなく、彼の指示を受けた民主党本部の方でしたが)。
おそらく、鳩山さん自身も、海外在住経験者であるという要素が多分に作用
しているのでしょう。
在外投票に関する最新のニュースとしましては、新進党と太陽党が、在外
投票制度を含む「公職選挙法改正案」を今国会中に共同で提出することで合
意しました。要するに、新進党と太陽党が一緒になって、在外投票法案を国
会に出すってことね。
これは、ある意味で、非常に記念すべきことなのであります。なぜなら、
この法案が国会にお目見えするのは十数年ぶりだからなのです。
現在、この両党は、民主党にも「ねえ、一緒にやろうよー」とアプローチ
しているらしいです。もし、民主党も絡んでくるとなると、展開的にはすっ
ごくおもしろくなるのであります。
で、一方の自民党は、今のところ(4月6日現在)は何も動く様子がなく、
相変わらずの沈黙と言いますか、無視を続けております。まったく、自民党
本部にサリンガスでもブチ込みたい気分です、ハイ。
在外投票運動については、そんなところです。
最近、投書が少ないのであります。投書がいっぱいありますと、わたくし
もかなり楽になります(それが目的かい)。それに、私がひとりでグダグダ
書くよりは、いろんな人のいろんな声があった方がやっぱり楽しいでしょ。
そんなわけで投書お待ちしております。
以上が、グダグダ話となります。
今週は、こんなところでしょうか。
では、また来週。 編集人
@「日本に帰る人たちの問題」である。
今、ここアメリカでは、「新移民法の嵐」が吹き荒れている。
昨年、それまでの移民法が、私たちヨソ者にとっては悪い意味でパワー
アップした。つまり、「厳しく」なったのである。それが、悪名高き「新
移民法」である。
この「新移民法」の影響及び最近のアメリカ政府の傾向として、私たち
日本人にとって、アメリカに入ることも滞在することも戻って来ることも、
ここ数年、平均して難しくなった。
また、働くことに関しても、かなり困難な状況になりつつある。NYに住む
日本人若い衆にとって、これまでメジャーな職業であったウエイター・ウエ
イトレス業にも「新移民法」の波が押し寄せており、最近では、労働許可書
を持つ人しか雇わない日系レストランも増えて来ている。
入れない、滞在できない、戻れない、そして、働けない。これではまるで
私たちに「帰れ、帰れ」と言ってるみたいなものである。実際NYに住む多く
の日本人が日本に帰り始めている。
この「新移民法」に関しては、いろんな意見がある。「しばらくしたら、
またゆるくなるよ。」という声もある。一方で、「いや、このままドンドン
厳しくなるよ。」という意見の人もいる。
確かに、「新移民法」について、私たち日本人は少し騒ぎ過ぎの観もある。
日本人というのはどちらかというと心配性であるからして、こういう事態でも
しっかりとその国民性を発揮する。
しかし、その「新移民法」が、本当に根性の悪いものであり続ける可能性も
あるわけで、一概に「心配すんなって。」とは誰も言えないのである。
と、ここから本題に入る。
先にもお話ししたように、ここ最近、日本人が山のように日本に帰国して
いる。これは「新移民法」の影響によるものでもあるし、今回の「嵐」をきっ
かけにいろいろ自分の人生や将来を考えてみて、日本に帰った方がいいと判断
した人たちの動きなのである。
その大量帰国によって、東京の「NY帰り日本人」人口が一気に増加すると読
む人もいる。結果的には、東京だけでなく、日本の各地に「NY帰り日本人」が
出現するはずである。
中には、NYとの縁を完全に切って、まったく新しい人生を歩んで行こうする
人もいるかもしれない。それはそれでいいと思う。反対に、自分のNY生活を積
極的に捉らえ、日本にいながら「NYと組んで何かやれんかな。」と考える人も
いるはずである。その人たちが、私が書いているこの文章の主役なのである。
今の時代、日本から見たNYは、太平洋の向こう側のアメリカ大陸のさらに向
こう側にある街ではない。情報的には、すぐそこにある街なのである。それは
下手をすると、同じ日本の中にある街よりもずーっと近い場所かもしれない。
少なくとも、東京に住む人たちにとって、私が以前住んでいたことのある沖縄
の北大東島より、NYの方がずーっと近く感じるはずである。
私たちには、今、インターネットという武器がある。こいつが、これまでの
既存の距離感というのをブチ壊したのである。その証拠に、このNutsの読者の
約8割は、日本にいる。ついでに、私自身が日々コンタクトする人に関しても、
NYに住む人より、日本に住む人の方が多いのである。
となると、日本に帰るというのも、まんざら悪い話ではない。NYの情報は、
日本にいても集めようと思えばいくらでも集まるし、ビザの心配をする必要も
ないし、労働許可書を取るために身もだえすることもない。要するに、法的に
身軽な隣り街に引っ越したぐらいの感覚でいいのである。おそらく「帰る」と
いう言葉が、不必要な悲壮感を製造しているのかもしれない。それならば、
「引っ越す」と言おうではないかえ。
ところで、である。日本に「引っ越し」て、そこでNYに絡んだ作戦を展開さ
せようとしている人たちが、日本でその仲間を捜す時に、意外と効果的な方法
というのは、実を言うと、このNutsに投書することなのである。ハッハッハ
(いばるな)。なぜなら、Nutsの読者の中には、NY大好き、あるいは、NYに
在住経験のある在日日本人が、かなりいるからである。であるからして、東京
で下手にチラシをバラ撒くよりは、Nutsの読者を攻めた方が効果的なのである。
また、「ぶりてんNuts」を使う方法もある。一応「ぶりてんNuts」は、基
本的にはアメリカに住む日本人のための生活情報掲示板なのだが、私の予想
通り、日本からのアクセスもかなりある。そこで宣伝することもできるし、
同時にそれは、私が「ぶりてんNuts」を作った目的のひとつでもあるのだ
(いや〜ん)。
てなわけで、「NY帰り日本人」の中の「NYに絡らめて何かやろか」という
人たちに、このNutsを効果的に使っていただきたいのである。また、何もや
らない人たちにも、たまの息抜きなどに使っていただいたら幸いだ。
日本に「引っ越す」ことをネガティブに考える人もいるかもしれない。でも、
人生において大事なのは、「どこに住むか」ではなく、「何をやるか」である。
そういう意味で、私たち日本人にとって、ビザも労働許可書も滞在年数も気に
する必要のない日本というのは、すごく幸せな場所なのかもしれない。一応、
何でもやれるんだから・・・。
結局、こういうジジくさい結論に落ち着いてしまう、近頃、説教癖のついて
る竹永浩之31歳なのであった。
ったく、しょうがねえなあ。 ひろ
************************
『今週の歌』
「”金がない どうにかしろ”と 言う妻は
それでもNutsを やめろと言わず ひろ」
下のアドレスを押すとメイルが送れまっせ
投書、意見、感想もどうぞ
Return to Home Page