1997年5月6日号(No.165)


                     Nutsの表紙です



目次

*『VOICE』 ・投書「夢」 ・投書「あるトイレの活用法」 ・編集後記 ・ひとりごと「アメリカ人女性と日本人男性の問題」
*『今週の歌』
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『VOICE』

@古びた江戸時代の屋敷。
 金色のかみしもをまとう酒を飲むうさぎは、扇子を片手ににぎやかに 踊っている。悪賢いたぬきは、まんじゅうのようなものを頬張りながら 綱渡りをしている。人間の姿はなく、この動物達のみの祭りは、まるで 禁じられたパーティーの雰囲気を漂わせていた。
 壁には無造作に役者絵が飾られ、うさぎとたぬきの奇妙であり皮肉で もあるセンスの良さが伺える。
 眠りから覚め、即座にこの風変わりな夢を詳細に書きとめた。そして 急に日本が懐かしく思え、こたつにあたりながら指が黄色に変色するま でみかんを食べ、「まんがにほんむかしばなし」が見たくなった。次回 は「かっぱ」の夢を見たいものだ。
                          まき
@いつも楽しいこと運んできてくれてありがと!
 何月何日号かはちょっと忘れたけど、バスルーム(トイレ)で食事す るとかいう話、あったでしょう。あのことで私がいつもやってることを 書いてみます。
 バスルームは、私にとって、(A)食堂キッチン、(B)画廊、(C)書斎、 (D)仕事場(アトリエ)、(E)化粧室、(F)洗濯室、そして、お風呂、お 手洗いであります。
 うちのバスルームは、大体三畳くらいの広さです。まずトイレに座り、 お小水(大の場合もあり)などをしながら新聞、本、雑誌などを読むの は毎回です。1日に1度は日記をそこでつけるために、日記帳(その日 のページには赤黒のボールペンがはさんである)をおいてあります。
(A)食堂キッチンについて
 さて、そうしながら、野菜サラダをかじっていたり、お茶、コー ヒー、ジュースなどの飲み物を飲んだり、お菓子を食べたり(フルーツ の場合もあり)、1日1度は、そこで食事をおしりを出したままします。
(B)画廊について
 私は変なものを作るので(2ベッドルームなのですが、ベッドルーム 以外のどこででもモノを作り、モノは2つのベッドルーム、台所、居間 にゴロゴロしている)、最終的にそのバスルームの壁に作り終えたシリー ズをかけてみてフムフムと思います。その作品シリーズをビデオにおさ めたりもします。その時、音楽も入れました(ポトポト、ジー、ポット ンなどの水の流れる音です)。その作品たちを友人達にオープンハウス したりしました。
 バスルームで作ったモノたちに囲まれて、その作品の良し悪しを考え たり感じたり、そのモノたちの生い立ちや、それらに込めた考えをもう 一度確かめたりします。
(C)書斎について
 バスルームで手紙も書きます。これもお小水などをしながら書いてま す。ここまで2度ばかしお小水をいたしました。そこで浮かんだ考えを メモしたり、新聞の切り抜きをしたり(もちろん新聞を読んだあと)、 次の探検場所の案内書や地図も見ます。私は旅行や人に会いに行く際、 ものを拾うことにしてます。そして、そのものたちを使ったモノを作り ます。このごろは、ビデオカメラを忍ばせていたりして、歩いていても 忙しいです。
(D)仕事場(アトリエ)について
 バスルームでものをくっつけたり、洗ったり、ひっぱがしたり、メモ を取ったり、アイデアを記したりします。その際、描くこともあります (アクリル絵具を使う箇所がある時です)。
(E)、(F)は、皆さん、してるでしょうね。
 (A)、(B)、(C)、(D)のいずれも、おしりを出す回数が多いのと、おし りを出したまま、何かをしてるという状態です。トイレに座りながら、 野菜を流しで洗い、それをパンにはさみ、サンドイッチにして、コーヒー 飲みながら新聞を読み、口にくわえたままハサミを持ち、興味がある所を カットしている時は、おしりが出ている場合がほとんどです。
 私はバスルームがいちばん自分ちで気に入っています。
 あるおり、それをしていたら(大をしながら上記のことをしていたら)、 電話が鳴りました。4回鳴ると留守番電話になってしまうので、拭くの を中断して、そのままおしりにペーパーをはさみ、白いシッポをつけた まま電話に出てしまったりしました。
 今日はこんなとこかなあ。
          いつもNutsを楽しみにしているリエおばさんより
  @編集人です。
 さて、最初は、「トイレの問題」の話です。
 私がトイレでパンを食うことについて、いろんな方からご意見、ご質 問をいただきました。「カレーパンをトイレで食ってこそ、”トイレで パンが食える”と言えるのではないか。」、「ホントに出してる瞬間に パンを頬張ることができるのか。」、「とりあえず、あなたは変態であ る。」などなど。
 こう言っては何ですが、ほとんどの皆さんには、私があの「トイレの 問題」の文の中で、本当に言いたかったことというのをご理解いただけ なかったようでした。
 私が言いたかったのは、「すべての人類は、トイレの中でパンを食べ るべきだ」ということではなく、「トイレに関する暗いイメージをどう にかして一新させようではないか」ということなのでした。
 そこんとこ、間違ってもらったら困るのよねえ。
 あの文の中で書いたように、日本の小学校には、トイレに関するイジメ が歴然と存在しております。また、日本人女性に便秘症の人が多いのも、 「トイレ=いけないところ」、「ウンコ=恥ずかしいもの」という日本 人独特のトイレ使用上の罪悪感が深く関係しているからではないでしょ うか。
 そういう諸問題をいろんな方法によって解決しよう、というのが、わ たくしの本意だったのであります。それをみんなで寄ってたかって変態 呼ばわりするんだから。もう、いや〜ん。
 というわけで、みんな、トイレでパン食ってみよか。
 そんなとこですな。
 では、また来週。             編集人
@「アメリカ人女性と日本人男性の問題」である。
 最近、アメリカ人女性と日本人男性のカップルをよく見かける。そう いうカップルを見る度に、私は、「う〜ん、よかよか。」と思うのである。
 この「よかよか」は、「日本人男性もかなり国際化してきて、アメリカ 女性と付き合えるくらい成長したのね。」などというくだらん考えに基づ くものではなく、「異文化に属する女性とガップリ四つに組んで、人間的 な付き合いをするというのは、とっても大切なことなのよ。」という意味 での「よかよか」なのである。
 私が、「日本人男性もかなり国際化してきて、アメリカ女性と付き合え るくらい成長したのね。」という考え方を「くだらんのう。」と言うのに はそれなりの理由がある。そして、それが今回のテーマなのである。
 先に言っておくが、この「アメリカ人女性」というのは、この国で生ま れ育った女性全般を指す。
 私がこの文の中で言いたいことを簡単にまとめるとこうなる。
 「ちまたには、普通の日本人男性がアメリカ人女性と付き合うのは、 なかなか難しいという変な常識が存在する。そして同時に、”日本人男性 もがんばってアメリカ人女性と付き合おー”という意味のない圧力みたい なものもある。それはまるで、アメリカ人女性と付き合うことが、日本人 男性にとって非常にありがたいことのようである。でも、実際は、そんな ことはなくて、それは単に日本人の劣等感意識の表われだったりするのよ ね。」
 アメリカ人女性と付き合ってる日本人男性が、その恋愛関係について他 の人からよく聞かれる質問に、「あなたは、普通の日本人男性とどういう ところが違うと思いますか?」というものがある。これは、その言葉の裏 に「だって、アメリカ人女性と付き合えるってことは、普通の日本人男性 とは、違うってことよね。=普通の日本人男性じゃ、アメリカ人女性とな んか付き合えないわよ。」という暗黙の了解を、静かに潜ませているので ある。
 大体こういう質問をする人の頭の中には、以下のような考えが転がっ ている。
 「アメリカ人女性と付き合う日本人男性っていうのは、きっとアメリカ 人男性みたいなんだと思う。ドアを先に開けてあげたり、フェミニストだっ たり、”愛してるよ”ってしょっちゅう言ってくれたり、要するに、普通 の日本人男性がやらないことをやれる人たちってことね。彼らには、そう いう感覚が備わってるから、アメリカ人女性と付き合えるのよ。つまり、 洗練されてるってことね。」
 結構アホくさい考え方だが、私は、意外と多くの日本人がこういう思考 を共有していると思う。ちなみに、私も前はそんな考え方をしていた。
 また、以前、Nuts紙上で盛り上がった「アメリカ人男性と日本人女性の 問題」に関する議論の中で、「日本人男性もがんばってアメリカ人女性に チャレンジしよー」という意見がいくつか見受けられた。
 その議論の際に、私は、その「がんばろー」意見に対して、何か引っ掛 かりのようなものを感じていたのだが、最近になって、「なんでがんばら にゃいかんの。」という疑問をはっきりと持つようになったのである。
 私は、この「日本人男性もがんばってアメリカ人女性をGet」という意 見の根底には、「アメリカ人女性と付き合うこと=非常に上等なこと」と いうイメージが存在しているような気がするのである。確かに、私が先に 書いたような「他国の女性と付き合うことの価値」を重視した「日本人男 性もがんばってアメリカ人女性をGet」意見もあるのだろうが、過半数以 上は、アメリカ人女性をある意味で奉(たてまつ)った、「アメリカ人 女性信仰」に基づくものだと私は考えるのである。
 この「アメリカ人女性信仰」は、先の「普通の日本人男性じゃアメリカ 人女性はダメダメよ」という考え方と深く関係している。つまり、特別な 日本人男性じゃないと、神棚に奉ってるアメリカ人女性にはリーチできな いわよ、という具合にである。
 ここで、話が少しズレるが、アメリカ人女性と付き合うことは、日本人 男性にとってホントに価値のあることなのだろうか。
 はっきり言わせていただくと、アメリカ人女性というのは、そんなに ありがたいものではない。先にも述べたように、確かに、他の国の女性と 付き合うことは、日本人男性にとって非常に価値のあることだと私は思う。 でもそれは、韓国人女性であってもいいわけだし、コロンビア人女性で あってもいいのである。別にアメリカ人女性である必要はない。
 アメリカ人女性というのは、おそらく世界で一番手強いはずである。 アメリカ人男性たちの苦しみ具合を見れば、それがよく分かる。わがまま、 傲慢、感情的という要素が非常に強い。そんな怪獣みたいな女性と無理し て付き合うことなどないのである。
 ある知人が言っていたが、日本人男性には、何に関してもガタガタうる さいアメリカ人女性よりも、のんびりゆったりの南米系の女性の方が合っ ているらしい。これは彼の個人的な意見なのだが、そう言われてみればそ んな気もしないこともない。
 話を戻す。
 てなわけで、私たち日本人の中には、「アメリカ人女性信仰」というも のがあり、それに対する「日本人男性もがんばってアメリカ人女性にチャ レンジしよー」という勧誘も、ちまたに比較的多く存在しているのである。
 ところで、である。その「アメリカ人女性信仰」に強く勧誘された日本 人男性たちが何をするか、というのを分析するのもこれまたおもしろいの である。
 私が思うに、「日本人男性もがんばってアメリカ人女性にチャレンジし よー」と勧誘された我が日本人男性軍は、まず間違いなく、「盲目的なア メリカ人男性化」に走るのである。つまり、アメリカ人男性の真似事をし ようとするのである。たとえば、先に書いたような、「ドアを先に開けて あげたり、フェミニストだったり、”愛してるよ”ってしょっちゅう言っ てくれたり」などということを盲目的にやり始めるのだ。
 所詮、真似事は真似事である。いつかはバレるのである。そしたら、 それは単に時間の無駄なのである。
 私は、まず第一に「アメリカ人女性信仰」が嫌いであるし、その信仰に 基づいたアメリカ人女性とのお付き合いが、それほど意味のあることだと は思えない。ついでに、アメリカ人男性の真似事をシコシコ始めるのも、 気に入らんのである。なぜなら、それらはすべて、「劣等感民族のマスター ベーション」以外の何物でもないからだ。
 この「アメリカ人女性と日本人男性の問題」の根底にあるのは、アメリ カ人に対する日本人としての劣等感である。それは、明白過ぎて、ここで こうやって書くのが恥ずかしいくらいだ。
 「普通の日本人男性じゃアメリカ人女性はダメダメよ」問題も、「アメ リカ人女性信仰」問題も、「アメリカ人男性の真似事」問題も、すべて劣等 感が原因なのである。
 ここまで書いてて思ったのであるが、私が、「日本人男性もかなり国際 化してきて、アメリカ女性と付き合えるくらい成長したのね。」という考 え方を「くだらんのう。」と言うのも、アメリカ人女性のことを「大して ありがたいものではない」と言い切ってしまうのも、実は、劣等感の裏返 しかもしれない。
 参ったのう。
 最後は、きれいに「だから、劣等感に基づいた”アメリカ人女性をGet” 作戦は、ダメダメよ。」と言うつもりだったのだが、そんなことを書い てる自分自身も劣等感の海で溺れてるんだからしょーがねえよなあ。
 結局、どの問題を突き詰めても日本人としての劣等感にブチ当たる。 それならば、わしらは、そろそろ本気で「その劣等感をどうするか」を 議論し始めなければならないのかもしれない。
 そんじゃ、始めよか。
                         ひろ
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『今週の歌』

 「締切と 戦う我に ”皿洗え!”
            吠える妻いて 殺意覚える   ひろ」

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Hiroyuki Takenaga ---hiro@interport.net


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