1997年5月27日号(No.168)


                     Nutsの表紙です



目次

*『VOICE』 ・投書「アメリカ人女性と日本人男性の問題について」 ・編集後記 ・ひとりごと「続・アメリカ人女性と日本人男性の問題」
*『今週の歌』
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『VOICE』

@Dear ヒロさん
 Nutsいつも楽しく読んでいます。
 5月6日号の「アメリカ人女性と日本人男性の問題」についてのヒロさ んの文を読んでまず感じたことは、「すごく的をついてるな」ということ。 そして劣等感を持っていることを素直に認めているヒロさんに拍手を送り たい気持ちになりました。
 たいていの日本人の男性は、「どうして日本人の女はガイジンが好きな んだ」と女性を責めますが、これが「日本人男性はアメリカ人女性にもて ない」という劣等感の裏返しであることに気付かないのです。いや、気付 いても認めたがらないというのが本当のところでしょう。その劣等感を克 服するためにはどうするか。それはアメリカ人女性のガールフレンドを持っ てみることではないでしょうか。アメリカ人女性をガールフレンドにでき ない(しない、ではない)うちは、「アメリカ人女性なんてそんなにいい ものではない」という言葉が負け惜しみに聞こえても仕方ありません。そ の人の劣等感も消えないでしょう。ま、劣等感を消すためにアメリカ人女 性とつきあうというのもバカバカしいことですけどね。でも、一度もアメ リカ人女性をガールフレンドにしないで、「アメリカの女なんて」という のはやっぱりヒガミか負け惜しみになってしまいますよ。それにアメリカ 人の女なんてというあなた、How do you know? です。私は日本人が思 い描いてるアメリカ人女性の(ネガティブな)ステレオタイプのようでは ない、とってもチャーミング(性格が、です)なアメリカ人の女友達を数 人持ってます。
 そういう私は、アメリカに来て8年、何人か持ったボーイフレンドは (現在のパートナーを除いて)アメリカ人ばかりです。日本にいた時は、 ガイジンみたいにしょっちゅう”アイ・ラブ・ユー”とささやいたり、 ドアを開けてくれたりする男は軟弱だと思っていたのですが、実際そう されてみると、実に女として嬉しいものだということを発見しました。 You are so beautiful! と言ってもらうのも、女にとっては嬉しいもの です。愛してる、きれいだといわれるのは、女にとって素敵なことに思 えます。
 日本人のご主人を持っている友達はみんな、「もう年なんだから若作り するな、とけなされる」などとこぼしています。「メシ、フロ、ブス、な んて言ってるけど、おまえには感謝してるんだ」なんていう日本人男性は、 もう私はゴメンです。アメリカ人男性がしていることは、アメリカ人女性 だけでなく、日本人女性にとってもうれしいものだということが多いので す。少なくとも私にとっては、そうです。
 セックスも、日本にいた時はいつも、”男のためにするもの”という気 持ちが潜在的にあったような気がしますが(別に嫌な体験があるわけでは ありません)、アメリカ人のボーイフレンド達を持ってから、彼らが「私 がセックスに関して何を求めているか、どうして欲しいか」を知りたがる のに驚き、感激しました。「男が私のためにセックスしてくれる」という 実感を持ったのは、アメリカ人男性と付き合ってからです。セックスの話 になると問題になるのが”サイズ”のことですが、それは大きなポイント ではない。「問題はあなたたちの”態度”なのよ」と日本人男性に言いた い気持ちです。
 世界的にもてない日本人男性には、ともかく I am sorry です。アメリ カに来てから「日本人女性は最高!」と何回言われたことか! 「日本人 の男性は最高」なんて聞いたことある人いますか? これがもし反対で、 日本人男性がアメリカ人女性にモテモテ。日本人女性がアメリカ人男性に 相手にされなかったら・・・私だってひがみたい気持ちになるかもしれな いなと思います。だから、日本人男性が劣等感を持つのは無理もないこと なんでしょうね。
 でも日本人の男性(特に駐在員タイプ)の口からよく出る「日本人の女 は目先の変わったアクセサリーがわりにされているだけで、ほんとうのア ングロサクソンのアメリカ人はアジア人女なんか相手にしないよ。ウォー ルストリートの奴らなんかは、アジア人女と結婚するなんて、自分のステ イタスに傷がつくと思ってるよ」などという発言には、劣等感とヒガミと ヤッカミを見せつけられているようで気の毒になります。
 最後にもうひとつ、日本人男性がアメリカ人女性にモテないのは、本当 にアメリカ人男性のようにしないからでしょうか。アメリカ人男性のよう にふるまえばアメリカ人女性にホレてもらえるのでしょうか。私の回りに いる日本人男性で、日本人女性にモテる人は、アメリカ人女性からも好感 を持たれています。アメリカ人女性にモテないのは、(端に背が小さいと かは別にして)他に根本的な問題があるような気がしてなりません。アメ リカ人女性にモテないということに強い劣等感を持ったり、日本人女性が アメリカ人とつきあうことにヒガんでいる男性は、日本人女性からもモテ ないんだよ、と言いたいですね。
 ではでは今回はこの辺で。
          現在はフランス人のBFを持っているナッティより
@編集人です。
 最初は、「ぶりてんNuts」紙版の話。
 簡単に言いますと。現在、インターネット上にオープンしております生 活情報掲示板「ぶりてんNuts」の紙版を今度の「日本の祭り」の際にバラ まくために作ろうという作戦なのであります。
 つまり、「ぶりてんNuts」に掲載された情報、たとえば、「こんな仕事 のために人さがしてます。」とか「こういうイベントがこの日にあります」 なんていう情報を紙に落としてきまして、それをクラシファイド紙風にま とめ、「ぶりてんNutsには、こんな情報が載ってるんですよ。おもしろい でしょ。だから、みんなでぶりてんNuts使おうぜー。」というメッセージ をNutsを読んでない人たちにも伝えよう、という話なんですな。だから、 「日本の祭り」でバラまきたいのであります。
 そこで読者の皆さんにお願いがあるのです。もし「この情報を掲載した いな」というものがありましたら、是非「ぶりてんNuts」の方に投稿して ほしいのです。今週、そして、来週の水曜日ぐらいまでに掲載された情報 を「ぶりてんNuts」紙版に落としてくる予定です。発行部数は500。 情報掲載には、お金はまったくかかりません。ただ単に「ぶりてんNuts」 のホームページ(http://www.nyct.net/~nuts/)にアクセスしていた だいて、掲載したい情報を所定のページに書き込んでもらうだけです。
 日本からの情報も大歓迎です。「文通してください」とか「在米のビジ ネス・パートナー求む」なんて最高ですな。
 皆さん、遠慮せずに力いっぱいやってください。
 次は、事務連絡を3つばかし。
 来たる5月29日(木)午後6時半より日系人会(15 West 44th st. 11th Fl. )にて恒例の井戸端会議を開きます。おどろくべきことに、最近、 日本からの参加申し込みが来たりしております。すばらしいではありませ んか。
 続きましては、「正しい異文化講座その1・”正しいサルサの踊り方” 講座」のお知らせ。5月30日(金)午後7時より8th Avenue Studio (939 8th Avenue #4A, bet. 55 & 56, Tel:212-397-0039)にて、 例の初心者用サルサ教室を開催します。会費は5ドル。じわじわと参加希 望者の数が増えております。参加ご希望の方は、この講座の前に映画 「Shall we ダンス?」をご覧になることをおすすめします。気合が入り ますよ。
 最後は、今度の「日本の祭り」をお手伝いするボランティア軍団、 「Nutsオタスケ隊」のメンバー募集のお知らせです。6月8日(日)に 開催される「日本の祭り」を勝手にお手伝いするボランティアをさがして おります。希望者は編集部まで。
 今週はそんなところです。
 では、また来週。              編集人
@「続・日本人がアメリカ人に対して持つ劣等感の問題」である。
 前回は、「アメリカに来る」、「メディアを無視する」、「アメリカを 叩く」、「アメリカ人と結婚する」などの具体的な劣等感のやっつけ方を いくつかご紹介した。今回もその続きである。
 では、始めよう。
方法5「アメリカ人&アメリカに対してずうずうしくなる」
 基本的に日本人は気を使い過ぎるのである。例えば、自分は英語がうま く話せなく、そのせいで相手(アメリカ人)に迷惑をかけるとダブルで信 じこんでいるもんだから、自分の言ってることをその相手が分かってるか どうかいつも心配して、「私の言ってること分からない? ゴメンナサイ、 発音が悪いのよね。」などと自己反省ばかりしてしまうのである。
 また、アメリカに来る日本人の中には、「アメリカに住ませてもらいま す」、「アメリカで勉強させてもらいます」、「アメリカの社会に入らせ てもらいます」などの「・・・させてもらいます」症候群というのが蔓延 している。これを「謙虚な態度」と呼ぶ人もいるかもしれない。でも、今 の日本人の場合は、それは単なる「卑屈な態度」だと私は思う。
 これらの必要以上に遜(へりくだ)った態度というのは、日本人のアメ リカ人に対する劣等感が原因となっている。
 私はここで「だから心の中の劣等感なんか捨てちゃって、もっと自然な カンジで行こー。」と言いたいのではない。心を変える前に行動を変えて しまうのである。その行動を繰り返すことによって、最終的に心まで変え てしまおうという作戦なのだ。
 というわけで、日本人の英語に対する心配性については、たとえ相手の アメリカ人が自分の英語を理解できなくてもアタフタすることなく、「な んじゃい、わしの英語、分からんのかい。何年英語しゃべっとんの、アン タ。まったくかわいそうなやっちゃのう。」という態度でのぞむのである。 すると、まず相手がビビる。で、向こうも「もっと真剣に聞かなくっちゃ」 的な態度を取るようになるのだ。そしたらしめたもんで、変な心配性につ ぶされることなく、もっと自然に相手と話せるようになるのである。
 「・・・させてもらいます」症候群に関しては、その逆の考え方を試し てみる必要がある。つまり、「アメリカを自分のためにどう利用するか」 ということを考えるのだ。
 今の時代、アメリカに来るのに大した努力は必要としない。来ようと思 えばいつでも来れる国なのである。そんな国をいつまでもありがたがって いることこそナンセンスであり、来ることにパワーを必要としなくなった 分、「アメリカをどう使うか」ということについて、もっと私たち日本人 は考えるべきなのである。
 「しばらくチンタラしたいから、アメリカに行こ。」という使い方でも いいし、「アメリカの情報って、日本で高く売れるから、向こう(アメリ カ)に行ってちょっとお金儲けしよ。」でもかまわないし、「ニューヨー クって、いろんな日本人がいて、将来日本で何かやるのにいいコネクショ ン作りになるから、ニューヨークにちょっくら行って知り合い増やしてこ よ。」でもバチは当たらないのである。もっと好きなことを好きなように やっていいのだ。
 日本人はもっともっとずうずうしくなるべきなのである。
方法6「アメリカ人を他のガイジンさんと同等に扱う」
 前々から疑問に思ってきたことがある。それは何かというと、日本では、 アメリカ人と他のガイジンさんの取り扱いが明らかに違うということにつ いてなのである。
 はっきり言って、日本でのアメリカ人の待遇は非常にいい。みんな、ア メリカ人サマサマで扱うのである。反対に、アジア人や中東の国々から来 てる人たちの待遇は、アメリカ人のそれと比べるとハナクソなのである。
 この「アメリカ人=上」、「その他のガイジンさん=下」という構図を 叩き壊さないかぎり、日本人のアメリカ人に対する劣等感はなくならない のである。
 日本の新聞、その他で「不法滞在」だの「不法就労」だの騒がれるのは、 決まって非アメリカ人のガイジンさんたちである。そして、そういうニュー スを聞くと、私たちのイメージの中にも無意識のうちに彼らの姿が浮かん でくるのだ。でも実際は、「不法滞在」や「不法就労」のアメリカ人も山 ほどいるはずである。だからマスコミはもっとそういう「不法アメリカ人」 を他のガイジンさんたちを扱うのと同じように記事として取り上げるべき なのである。そして、日本から叩き出すべき者は叩き出すべきである。も し、それに対して「やり過ぎではないか」という声が上がれば、他のガイ ジンさんたちに対する態度もひっくるめて、「すべてのガイジンさんたち に対する態度」について、私たち日本人は、もう一度、考え直すべきだ。 「これはよし、あれはダメ」なんちゅう差別はナシなのよ。
 また、以前、「上野に集まるイラン人が気持ち悪い」というニュースが あったが、それならば、「渋谷に集まるアメリカ人が気持ち悪い」などと いうニュースもあっていいのではないだろうか。
 これもかなり前の話になるのだが、ハロウィーンの日にアメリカ人たち が仮装して山手線の電車に大集合したことがあった。その時のマスコミの 論調は、「いやいや、お祭り好きのアメリカ人、やることもシャレてます な。」的な論調だった。でも、もしこれが「パキスタン人」だったら、彼 らは同じように報道しただろうか。おそらく「気持ち悪い」調のニュース になっていたと私は思う。
 こういう日本のマスコミの姿勢が、アメリカ人に対するその劣等感を助 長させているのである。
 日本のマスコミは、自分で自分を変える能力がないという意味において、 その国の政治家たちと同じである。だから、彼らは、今後もこのような偏っ た「ガイジン報道」を続けるだろう。だから、私たちは彼らに「更生」す ることを期待できないのである。
 私たちにできるのは、彼らが奇妙なニュースを流すたびに、「アンタ、 そういう報道の仕方はないんでねえの。もっと平等に扱ったらどないだ。」 と噛みつくことである。そして、自分たち自身も、アメリカ人サマサマ扱 いをやめて、他のガイジンさんたちと同じように扱う、または、他のガイ ジンさんたちをアメリカ人と同じようにサマサマ扱いにするように努力し なければならないのである。
 みんな平等に扱うべきなのよ。
 そんなわけで、「日本人がアメリカ人に対して持つ劣等感のやっつけ方」 は以上である。
 いろいろな方法をご紹介したが、一番手っとり早いのは、何と言っても、 「アメリカに来る」という方法である。それによって、自分が持つ劣等感 の存在を知ることもできるし、何の因果でこんなもんを持つことになった のかもボンヤリと分かるし、何よりも実際にアメリカ人及びアメリカと実 際に遭遇することができるのである。
 日本にいる間は、その劣等感になど、なかなかお目にかかれない。する と、この劣等感の野郎は、調子こいてスクスクと成長したりする。で、い い齢になった時には、全身&全心がそいつに支配されてて、何やるにして もアメリカ人及びアメリカに対して卑屈になって、でも卑屈になってる自 分にはまったく気がつかなくて、でもでもその自分の卑屈さに対する無意 識の「逃げ」や「怒り」だけはしっかりとあって、それがジャパニーズ・ ギャルたちを「アメリカ人男性バンザイ信仰」に、日本のオヤジたちを 「イエローキャブ信仰」に、そして、日本男児全体を「パツキン信仰」に 走らせるのである。
 日本人は今からガンガン変わっていかなくてはならない。その時、この 劣等感は、きっとその邪魔をするはずだ。
 みんなで劣等感をやっつけよか。だから、チンタラでいいからアメリカ に来てちょうだい。その時は、電話してね(212-982-3348)。
                         ひろ
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『今週の歌』

「教会で 式挙げる友の 笑顔見て
        妻は言う ”ケッ、何も知らずに・・・”  ひろ」

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Hiroyuki Takenaga ---hiro@interport.net


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