1997年11月4日号(No.191)
Nutsの表紙です
目次
*『わしらは見てるよ』
*『Nutsコラム』
・コラム『ジャパレスの匂い』
・コラム『若きOLの悩み』〜彼女の東京〜
・コラム『NYJJ=ニューヨーク在住日本国籍日本人』
*『編集後記』
*『グリーンカードへの道・第17話』
*『今週の歌』
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『わしらは見てるよ』
カタい内容でおなじみの「在外投票」の話です。
さて、そろそろ日本の国会が動き出しそうなのであります。
すでにこの秋の「さあ、議員の皆さん、集合していろいろ話し合いましょ
か」の場である臨時国会は始まっていたのですが、犯罪者が大臣になった
り、その人がまた引きずり下ろされたりした騒ぎのせいで、なかなか落ち着
かなかったのであります。
それが、ここにきて、少しずつ安定へと向かっているような気がするので
す。
でも、あくまでもそれは、「Nuts在外投票部」の見解でありまして、永田
町の皆さんには、「ガッハッハ、あまいのう」と笑われてしまうと思うので
すが、こちらとしましては、「笑っとるヒマがあったら、しっかり働けや」
というツッコミを入れさせていただきたいと考えております。
というわけで、わたくしどもは、「永田町の皆さんも、そろそろ気合い入
れて働き始めるのではないか」という読みのもとに、今回動き出すことにし
たのであります。つまり、今、国会に提出されたままになっている「在外投
票法案」をホントの「在外投票制度」にするために攻撃を開始するというこ
となのですね。
その名も、「わしらは見てるよ」作戦。
先の通常国会で与党が国会に提出した「在外投票法案」は、現在、衆議院
の「公職選挙法改正に関する調査特別委員会」というところにブッ止まって
おります。この委員会のメンバーである議員さんたちにがんばっていただか
ないと、この法案は前に進んでくれません。
以下にその委員会の委員長と理事の方々のお名前をご紹介します。
「衆議院・公職選挙法改正に関する調査特別委員会」
委員長:葉梨信行(自民・1)
理事:住博司(自民・2)、林幹雄(自民・1)、細田博之(自民・2)、
八代英太(自民・1)、遠藤和良(新進・2)、武山百合子(新進・1)、
山本譲司(民主・2)、東中光雄(共産・2)*敬称略
これらの議員さんたちが本気になれば、「在外投票法案」は動き出しま
す。逆に言うと、この方たちがボーっとしてる間は、その法案は国会の置き
モノでしかないということです。
そこで、その議員さんたちを少し刺激することにしました。「あなた方が
本気にならないと在外投票は実現しません。それは海外にいてもよ〜く分か
ります。だからがんばってください。でも油断しちゃダメよ。努力するにし
ても、知らんフリするにしても、あなた方の動きをしっかりと”わしらは見
てるよ”」というコンセプトのもとに、彼らに対するアプローチを始めま
す。
とりあえずは、手紙やFAXなどを使って刺激しようと考えております。「わ
しもやりたい」という方がいましたら、おヒマな時にでも、ちょっとキツめ
のファンレターなど出していただけたら幸いです。
送り先:衆議院議員会館
第一議員会館:〒100 東京都千代田区永田町2-2-1
第二議員会館:〒100 東京都千代田区永田町2-1-2
上記の各議員さんの所属政党の後にある「1」とか「2」という数字は、
「どちらの議員会館か」ということを意味します。
まあ、ボチボチ行きましょ。
ところで、近々、マレイシア在住の日本人の皆さんが、この件に関する署
名を国会の方に提出されます。奥津美智子さんという方が中心となって集め
たそうです。
以下にご紹介する文は、「Nuts在外投票部」がその奥津さんに「何か書い
ていただけませんか」とお願いして書いてもらったものです。署名運動する
のにも、いろんなお国事情があるもんだなあ、と考えさせられます。
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『海外在住者投票制度の実現に関する署名運動を終えて』
ずいぶんの週、月遅れではありますが、『週刊金曜日』を端から端まで読
んでいる自称”社会派”の私でしたが、実際この様な運動をしたのは初めて
でした。始める、と宣言はしたものの、日本人会に所属している訳でも無
く、友達といえば同じように国際結婚をしている女性――ある意味で日本人
社会から外れている人――ばかりですし、どこからどうやったら良いもの
か、まずは 知人に聞いてまわる事から始めました。
出だしで問題となったのは、ここマレイシア政府との絡みでした。こちら
では、政治運動や、結社の自由がないそうで、ある数以上の人が集会を開く
にも 許可が要るそうです。Associationと名前をつけてみたところ、たとえ
邦字新聞であろうと、公の紙上に、その言葉を使うのは100%安全とは言
えなが それでもいいのか、と新聞社の方に言われました。日本人が集まって
いる所の掲示板等へ、張り紙をしようかとも思いましたが 外国語のみで書か
れたものは、警察に目を付けられるかもしれないとか、 「余り目立った事を
すると 永住権を取る時に問題になるかもしれないわよ」とまで言われたりし
て。こちらの弁護士さんへの確認でそれらは杞憂であること、大先輩の「日
本人ってそうやって足を引っ張り合うのよね」という一言で踏ん切りがつき
ました。そして今のところ(幸い?)何の問題も起きていません。
内容的には、二ヶ月余りという短期間でもあり、要領の悪さ、体調を崩し
たりと、なかなか思うようにはいきませんでした。が、私の知らない所で運
動が盛り上がっていたり、ゲリラ的に送った署名用紙に応えてくれた方が
思ったより多かった事、応援の言葉を掛けてくれた方、等々嬉しかった事も
多く、「やって良かった、機会があればもう一度してみたい」というのが今
の感想です。
署名に協力してくださった方、助言を頂いた方、良い勉強になりました。
この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。有り難うございまし
た。
在マレイシア 奥津美智子
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私たちも負けずにがんばりましょ。
てなわけで、「わしらは見てるよ」作戦のスタートです。
では。 「Nuts在外投票部」
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『Nutsコラム』
『ジャパレスの匂い』
このまえ、あの”アムロ”が店にきた。店を出るまで気がつかなかった。
時は日曜の午後4:00前。
店はガラすきで、みんなで大あくびをしていたら、暗いかんじの若い男性
が、いきなり入ってきて(実は、これは付き人の人かなんかだったみたい
で)、一番奥の席が空いているのを見ると、ものも言わずにまた店を出て
いった。
次に5人程のこれまた暗〜いかんじの男女の団体を連れて来て、また人の
目も見ずにドカドカとその奥の席に入ってきたのだった。
ウエイターが一通り注文をとり、しばらくした後、次の接客をしていた私
は、その団体が出ていくのを知り、”ありがとうございます”と声をかけよ
うとしたとき、先頭を歩くネイティヴ・インディアン系の浅黒い顔に見覚え
があった。
”あれ、確か・・・SAM(サム)・・・”
それまでサムのサの字も知らなかった私。彼は私にとってはバックダン
サーの一人でしかなかったが、先週のアムロの入籍報道に突然有名人になっ
た彼と知る私もその一人だった。
そして逃げるように去るその団体の真ん中に、ちっちゃくてうす汚ないチ
ンケな女がいた。それがアムロだった。
”えっ! えっ、今のアムロ、アムロちゃう〜ん!”というはやる気持ち
をはける仲間もそこにはおらず、でも立場をわきまえつつ、こっそり外に小
走りした私は、突然有名人サムに小脇に抱えられながら、寄り添う”生”の
ちんくしゃアムロを認識した。まだ気持ちの整理がつかなかった。
唯一そこにいたチャイニーズのウエイターにこのはやる心を話してみた。
彼はなんとアムロ(安室)の事を知っていた。中国の新聞でもその人気ぶり
と今回の電撃入籍の事は報じられていたらしい。
二人でアムロ軍団の去った席に走った。チャーシューとメンマとラーメン
3本くらいすすったと思われるアムロの残したのは、うちの木久蔵ラーメン
だった。まだ湯気の立つどんぶりにアムロの使った割り箸とスプーンがつき
ささっていた。その横には中身だけほじくり出されたこんぶと明太子のおに
ぎりの無残な姿もあった・・・。
そのあと入ってきた日本人のお客様とその話をした。その女性2人連れ
は、とてもわいていた。
そしてなんとアムロは「おめでた」でNYにハネムーンに来てるという事も
教えてくれた。
私は遅きながら、なんだかコーフンしてきた。せめて使った箸だけでも
とっておこうと思った時は、もうチャイニーズのウエイターがすでにそれら
を処分していた後だった。
家に帰るとルームメイトがアムロの事でにぎわうワイドショーがちりばめ
られた、朝日新聞の番組欄を見せてくれた。
またくやしさが込み上げてきた。
2日たっても、おしい事をしたと思う。
カメラも持ってたのになあ・・・。
SAKURA
『若きOLの悩み』〜彼女の東京〜
ふぅっ。彼女はため息をついた。会社帰り、マンションまでの道を急ぐ。
高校を卒業してすぐ東京にきた彼女。地方の4年制大学を選択する友人た
ちを横目に、彼女は東京の短大を選んだ。「東京に行けば何かがあるは
ず・・・」それが、彼女に短大を選択させた唯一の理由だった。
青山から代官山までの道を歩く。ブランドのショップを横目に見る。青山
の並木道、雑誌の中でしか見たことのなかった代官山や下北沢のこじゃれた
お店。
渋谷の雑踏までもが、彼女の気持ちを満たしてくれた。彼女にとっての
「東京」という場所を満喫させてくれた。
そう、彼女の何かはこんなものだった。彼女の何かは、雑誌に書き写され
た「東京」という偶像でしかなかった。
そして彼女はそんな気持ちに気付くことなく、東京での就職を決める。
「東京で働けば何かがあるはず・・・」
高い賃貸マンション。月半分はかかる外食費や交際費。シーズンが変わる
ごとに増えていく服や靴、そしてクレジットの請求書。いつしかそんなもの
が、彼女のOL生活の象徴となっていった。
偶像と現実の狭間で彼女は悩む、「こんなはずじゃなかったのに・・・」
彼女を東京に留めている何かを、まだ彼女は見つけようとしていた。何も
ない何かなんて見つけることができないのに。
缶ビールの入ったビニール袋がかさかさと鳴る。秋の夜風が少し肌寒かっ
た。
はな
『NYJJ=ニューヨーク在住日本国籍日本人』
以前から疑問に思っていたことがあります。
アメリカで発行されている日本語情報紙「US JAPAN ビジネスニュース」
の中にアラン村上さんという方が書いている「NY裏話」というコラムがあり
ます。
このアラン村上さん、「ニューヨーク日本人評議会」という日本人のため
のホットライン的な役割を持つ団体の副理事長をなさってるそうです。
同ビジネスニュース東部PR版10月号のこのコラムには、レイプされた日
本人女性の話があります。それは、こういう文で始まります。
『A子さん(25才)から差し迫った声で「今レイプされた」という電話が
あった。』
先にも書きましたように、この方は日本人のためのホットラインをやって
る団体の副理事長です。その人が「電話があった」と書いてるということ
は、もしかして、それって、ホットラインにかかってきた電話について、こ
のコラムで書いてるってことなのでしょうか。
以前にも「それらしき」内容のものがありました。
私が疑問に思っていたのは、まさにそのことです。
日本にもアメリカにもホットラインはたくさんありますが、そこにかかっ
てくる電話のことを堂々と書いたコラムには、私はお目にかかったことがあ
りません。
やはりプライバシーの問題があります。
「そんなカタイこと言わずに・・・」という話もありますが、自分を「A子
さん(25才)」の立場に置き換えますと、それがいかにシャレにならないか
がよ〜く分かります。
レイプによって傷ついたココロとカラダを抱えながら、ふと読んだ日本語
情報紙上で、今度は自分のプライバシーがレイプされてるのを発見す
る・・・。
普通の感覚を持つ人間だったら、たまらんでしょ。
今度から、そのホットラインの電話番号にこういう但し書を添えたらどう
でしょうか。
「いただいたご相談は、US JAPAN ビジネスニュース紙上にて一般公開さ
れる可能性があります。プライベートは厳守しません。さあ、あなたの悲惨
な体験をみんなでシェアしましょう」
世の中、なにごともスジを通すべきです。
徹
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『編集後記』
先週もお話ししましたように、来たる11月6日(木)午後6時半より日
系人会(15 West 44th St. 11th Fl.)にて、「Nuts楽しい文章講座」を開
きます。対象は、Nutsライター軍団及びその他興味のある人。ヒマな方はお
立ち寄りください。
次は、Nutsライターの皆さんへの事務連絡です。
編集部が調子こいて募集した結果、今現在、Nutsライター数は、22名と
なっております。
当初は、「なんとかなるだろう」と考えておったのですが、最近、スペー
スの問題がなんともならんようになってきたのであります。要するに、掲載
スペースが足らんのです。
で、私たちは考えました。
掲載スペースが足らないのは、あくまでも「紙Nuts」の話でありまして、
「インターネットNuts」の方には、まだまだ土地が余っておるのですね。
そこで、今度から紙に入りきれないものは、インターネットの方だけに掲
載することにしました。
Nuts読者1万人のうち、紙で読んでる人は、全体の10%、約千人になり
ます。残りの約9千人の人たちはインターネット上で読んでおります。
てなわけで、掲載場所について多少の変更があるかもしれませんので、そ
の件、ご了承ください。
そんなところです。
では、また来週。
「週刊Nuts」編集部
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『グリーンカードへの道・第17話』
その時、面接官は言った。
「ところで、あなたの指紋についてだけど・・・」
グリーンカードの申請の際には、自分の指紋も提出することになってい
る。通常、それはテキサスのFBIに送られ、犯罪暦がないかどうかの確認後、
その結果がイミグレの方に送られてくることになっている。
私が集めた情報によると、指紋がFBIに行って戻ってくるまでに、約4ヵ月
ほどかかるらしい。もし、指紋の写りが悪かったりしたら、もう一度送り直
さねばならない。そうなると、簡単に6ヵ月以上は待つことになる。
この話を聞いて以来、私はテレビの「The X Files」を観るたびに、「あん
たらが、いつまでもUFOとか化け物なんか追いかけとるから、わしらの指紋が
なかなか返ってこないんでないの」とモーダーやスカリーに話しかけるよう
になってしまった。
まあ、ワシントンDCで働いてる彼らには、罪はない。
ところで、私の犯罪暦だが、一応、ないはずである。
一度、サッポロ・レストランの近くで200ドルとカナダ・ドル100ド
ルを拾って、そのままネコババしたことがある。でも、あれは、私の犯罪と
いうよりは、一緒にいたかみさんの犯罪というべきだ。
その時、私は近くにいたパトカーに拾った金を届けようとした。そした
ら、かみさんに強引に「ポリスに届けてもあいつらが勝手に使うだけだ。そ
れならば私たちが使ってあげるに限る」と論理的そうでまったく非論理的な
ことを耳打ちされ、また、「これはイタズラの可能性もあるから、あの角を
曲がったら一気にダッシュしろ」と言われ、その通りに行動しただけなので
ある。
つまり、私は無罪なのだ。
なにはともあれ、私には、FBIで指紋がひっかかるような華麗な過去はない
のである。
場面を戻す。
面接官の「あなたの指紋ついてだけど・・・」という言葉の後、かみさん
が、すかさず言った。
「なに、指紋がどうしたの」
そのヒトコトの裏には、「おめえ、ここまで来といて、今さら何か問題が
あるって言うんじゃねえだろうな」という思いが、堂々と潜んでいた。
私の頭の中には、「いや、やめて、お願い」という声が響き渡っていた。
そして、そこには、虫取り網を持ってUFOを追いかけるモーダーとスカリーの
姿があったのである。
・・・・・・・・・・・あるわけないわな。
ひろ
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『今週の歌』
「アメリカの Christmas Cardの ダサさには
さすがの我も メマイをおぼえる ひろ」
下のアドレスを押すとメイルが送れまっせ
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