1997年11月25日号(No.194)
Nutsの表紙です
目次
*『NYJJクール作戦』
*『Nutsコラム』
・コラム『優柔不断』
・コラム『日本政治の馬々虎々』 〜第6回 「大変な日本」〜
*『編集後記』
*『グリーンカードへの道・第20話』
*『今週の歌』
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『NYJJクール作戦』
さて、「NYJJクール作戦」なのであります。
先週、「クールになろう」という話をしました。今回のネタは、「それを
私たちニューヨークに住む日本人が実行に移すための作戦」とお考えいただ
ければ分かりやすいかと思います。
ただ、Nuts編集部でも、「これとそれとあれをこんなふうにそんなふうに
あんなふうにやってみようでないの」というところまでは、アイデアが固
まっておりません。ですから、今週から数回に渡ってお届けする「NYJJクー
ル作戦」は、「なんとなくこんなふうに考えてんだけど・・・」程度のもの
になります。限りなくグダグダ及びチンタラした語りになる予定です。そこ
んところ、ご理解ください。
では、始めましょう。
先週号に掲載しました「クールになろう」文の主旨は、「日本のマイノリ
ティーたちが、今後、そのマジョリティーたちに対して力強く自己主張して
いくためには、とりあえずクールになってしまうのが一番なのよ」というこ
とでした。要するに、日本のマジョリティーが「いやん、彼らってとっても
クール」と考えるようになれば、自然と注目が集まって、その声に耳を貸す
人も増えるんだから、マイノリティーたちは、早いとこクールになろか、と
いうことなのでありました。
Nuts編集部では、海外に住む日本人=在外日本人も「日本のマイノリ
ティー」の一員と考えております。そこから、マイノリティーがクールにな
るのどうのこうのという話が出てきたのですね。
最初からマイノリティーとかマジョリティーなどの社会学的コムズカシイ
用語が出てきて、何やらカタイ話になりそうな予感がする方もいるかもしれ
ませんが、そんなことはないのであります。一応、便宜上、その手の言葉を
使いますが、内容的には、コムズカシイ系が嫌いな方でもフムフムと分かる
ように書きます。もし、それでも「分からんわい」という方がいましたら編
集部までご一報ください。「そういう方にも読んでいただけるためにはどう
したらいいのか」ということを、寄せられたご意見をもとに検討したいと思
います。
本題に戻ります。
今回の「NYJJクール作戦」の内容については、以下の順序で説明していき
ます。ただ、フワフワした気持ちで書きますので、話すネタが多少行ったり
来たりするかもしれませんが、基本的にはこのラインになります。
1)「NYJJクール作戦」の目的
2)具体案:「戦うものを持つ」
3)具体案:「固有の文化(言葉や音楽など)を持つ」
4)具体案:「その文化や地域性をしっかりと背負っている著名人を育て
る」
5)具体案:「カラっとした明かるさを持つ」
最初は、1)「NYJJクール作戦」の目的について。
以前にも説明しました通り、「NYJJ」というのは、Nuts編集部が勝手に
作った「ニューヨーク在住日本国籍日本人」の略語なのであります。それに
「クール」を付けて「NYJJクール作戦」。なんか、そんな名前のラッパーが
いたような気がするのですが、それはまた別の話です。
「NYJJクール作戦」を簡単に説明しますと、「ニューヨーク在住日本国籍
日本人が、日本にいる人たちにとって、カッコいい、つまり、クールな存在
になるようにいろいろやってみようでないの」ということになります。
当初は、海外に住む日本人全体を抱え込んでの「クール作戦」を計画した
のですが、とりあえず地元から手をつけることにしました。他の土地のこと
はよく分からんしね。
では、なぜNYJJは、クールにならんといかんのでしょうか。
・・・・・・・・・・・・はて、なんでだったかな。
あっ、そうそう、思い出しました。日本の皆さんにNYJJのことをもっと
もっと知っていただくために、私たちはクールにならんといかんのです。
先にも書きましたように、クールになりますと、人々が注目します。これ
がおいしいのです。今までなかなか日本の表舞台に出れなかった私たちNYJJ
に、一気に注目が集まるのです。それも、これまでの「イエローキャブ」だ
とか「遊学生」だとか「ピアノバー通いの駐在員」などという、ありがたく
もないイメージではなく、「クールな人々」というヒジョーに明かるい解釈
で私たちのことを見てくれるのです。
そうなりますと、NYJJ側としましても、大変おもしろい展開となります。
「イエローキャブ」騒ぎ以後、日本ではどちらかというと否定的に捉らえ
られていた「ニューヨーク帰りの日本人女性」の帰国後の受け入れ態勢も、
きっとプラスの方向に変わるでしょう。
「遊学生」に関しても、これまでの「ニューヨークでただただ遊びまくる
日本人学生たち」という見方から、「ニューヨークにひとりでやって来て、
本当の自分を探そうとする修行型日本人学生」というふうに、おそろしいほ
どのイメージ転換が行なわれるはずです。
また、彼らの中には、才能のある若い衆たちもおります。NYJJに注目が集
まることによって、それらのダイヤモンドの原石たちが発掘され、活躍の場
を与えられる可能性もあります。
トドメに、駐在員の方々に関しても、彼らが抱える諸問題、例えば子供の
教育等の日本側の協力を必要とするネタに関して、もっと効果的に主張でき
るようになるのであります。
これらの他にも、NYJJが注目されるということはビジネス的観点から見た
場合、日本にとって一種の「和僑」が出来上がるわけでして、新しい「金を
回すシステム」誕生の可能性が、そこには眠っているのであります。
すばらしいではありませんか。
以上が、「NYJJクール作戦」の目的の説明になります。
ちょっとつまんなかったかな。
続きはまた来週。
「週刊Nuts」編集部
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『Nutsコラム』
『優柔不断』
自分がそのテレカを見るのは電話を捜し始めてから、その時5回目だっ
た。
友人との待ち合わせ場所のチャイナタウンに約1時間前に着いた自分は、
L.A.に電話をすることにした。今の時間は午後4時前。時差を考えても電話は
5時までにしなくてはならなかった。
「1時間は余裕があるな」
マルボロと、デリで買ったコーラで一服。その間約10分。
「さて電話でもしましょうかね」
幸先よく、約1ブロック先で公衆電話を発見した。
「うっそー」。故障である。
「まっ、N.Y.の公衆電話なんて半分以上は故障してるからね」
と自分に言いきかせて、次の電話を捜す。3台発見したが、すべて話し中
であった。
「3台あるから1台くらいはすぐに空くでしょう」
5時まであと45分。10分以上待っても空く気配がない。少し焦って次
の電話を捜す。2台発見。ダッシュ。先を越される。
それから約20分以上の間、かなりの数の電話を見つけたが、すべて話し
中であった。
5時まであと25分。焦りの中、元来た道を引き返すことにした。自分の
中では、いくら何でももう話し終わった電話が1台くらいはあるだろうと
思ったのである。
甘かった。
最初に発見した3台の公衆電話にたどり着くまで、すべての電話が使用中
であり、すべてが同じ顔ぶれであった。
5時まであと10分。自分が電話を捜してる間、彼らはずっと話しをして
いることになる。
その約1時間の間、電話をしている彼らの50%以上の人が手にしていた
緑色のテレカが気になっていた。
確かではないが、本当は彼ら全員が使用しているのではないかと思われる
くらいそのテレカを目にした。小銭を使用している人がいなかったから、皆
そのテレカではないだろうか。
その時思ったのは、実はそのテレカにものすごい秘密が含まれているので
はないかということだ。
自分がいつも使用しているもっとも安いとされているテレカでも、$10
で日本まで約40分、アメリカ国内でも約60分である。通話コストが安い
といわれるアメリカで$10をかけての長電話は、かなりの割高ではない
か。それを彼らはやっているのである。
彼らの手の中にあり、ちらりとしか見えなかった緑色のテレカ。彼らの中
だけでささやかれる秘密のテレカの存在の噂。きっとチャイナタウンの路地
裏あたりのうすぐらい工場で秘かに作られているテレカ。お互いの目も合わ
せずに取引されるテレカ。きっと公には公表できない様な秘密を持ったその
テレカ。
そんな想像をかき立てられたチャイナタウンの午後だった。
mee
『日本政治の馬々虎々』 〜第6回 「大変な日本」〜
日本の友人たちと話をすると、皆「日本は大変だ」といいます。政治も経
済も悪いニュースばかりで社会も乱れていると。しかし、いろいろ話を聞い
ても、ニューヨークにいる自分には、結局一体何が悪いのか一向に見えてこ
ないのです。
例えば政治が悪いという。最近でた某新聞社による世論調査によると、日
本国民の八割近くが「族議員」が「問題」だと言っているらしい。でも、そ
うした「族議員」は、選挙になるとちゃんと半数以上の支持を得て当選して
くる訳ですよね。日本の人々は、やはり「それでいい」と思っているのでは
ないでしょうか。違います?
それに経済。証券会社の摘発や銀行の経営破綻があって大変なのは分かり
ますが、今までのように地下に潜ってるより、ちゃんと摘発を受けて健全に
なっていく方がいいに決まっています。最初に逮捕者を出した野村証券が念
願の世代交代を成し遂げて、今最も活気を取り戻しているのです。
それでも、きっとみんなは言う。「社会が悪い!」と。凶悪犯罪が増えて
来たと。でも、いったい「社会」って何なんでしょう。誰もわかりませんよ
ね。結局、考えても「悪もの」を発見できなかった人たちが、仕方なく「社
会がおかしい」と叫んでいるとしか思えないんです。
こうして改めて「日本の何が問題か」を考えてみますと、結局、ちょっと
何かあると皆が大袈裟に「ダメな日本の社会」を連発する、当にそのこと自
体が最大の問題ではないかと思うのです。
今、求められているのは、「社会」とか「政治」とか訳の分からない「逃
避語」を使わずに語り、しっかり自分の直面している課題と向き合っていく
姿勢ではないか。一億総「社会がおかしい」現象の陰で、静かに、しかし着
実に次の時代に向けて準備している人たちがいること信じて、私も自分の足
元を固めていこうと思う昨今でありました。
*今回のまとめの詩(うた)
「この社会 悪い悪いと 嘆いても
それは”逃避語” 何も変わらぬ 勝人」
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『編集後記』
早々と忘年会の話です。
来たる12月6日(土)午後6時より、イーストビレッジの「なとりレス
トラン」にて、「Nutsチンタラ忘年会」をやってしまいます。
詳細は以下の通りです。
日時:12月6日(土)午後6時より
場所:なとりレストラン
58 セントマークス・プレイス(1番街と2番街の間)
会費:20ドル
形態:立食ダラダラ宴会
Nutsライター、NY Nutsメーリングリストのメンバー、Nuts読者、及び
Nuts編集部軍団の参加を予定しております。参加希望の方は、編集部(212-
982-3348)までご連絡ください。
また、Nuts読者の中に、ラジオのDJをやりたい人、ドキュメンタリー映画
をプロデュースしたい人、ニューヨークでポストカードを作ってみたい人な
どがいましたら、是非とも参加していただきたいと思います。ちょっとお話
ししたいことがあるんです。来年に向けての作戦をそろそろ練り始めんとい
かんからね。
そんなところです。
では、また来週。
「週刊Nuts」編集部
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『グリーンカードへの道・第20話』
実を言うと、計算がズレてしまったのである。
このストーリーを始めたのは、今年の8月である。それから今、約4ヵ月
が経とうとしている。
先週話したように、私の指紋がFBIから送り返されてくるのには、約4ヵ月
ほどかかる。「7月に送った」という面接官の証言を信用すると、そろそろ
結果が出てもおかしくない時期なのである。
当初の予定では、前回書いた一応の結末は、結果が出たあと、つまり、イ
ミグレから「指紋、大丈夫だったよー」の手紙が来て、それを持って再びイ
ミグレに乗り込んで、例のスタンプを押してもらい、邪魔くさいことすべて
にカタがついてから、すがすがしい気分でサラサラと書くつもりだったので
ある。そして、話は「インタビュー編」から「人間ここまでサイテーになれ
るのか編」「国際結婚・危機一髪編」「労働許可書のもだえ編」「そして再
びイミグレへ編」「スキップ・スタンプ・ランランラン編」へと軽やかに流
れて行くはずだったのだ。
ところが、実際は、まだ指紋の結果さえ判明していないというスローペー
スなのである。
先ほども、この文をコンピューターに向かって書いていたら、かみさんが
やってきて、「もうすぐ12月よ。グリーンカードの件、どうすんのよ。自
分が移民だってこと、よく分かってんの」などと耳元でほざいてくれた。い
つもひとこと多いのが、この人の最大の特徴である。
とりあえず、ここでは、私が未だにスタンプを押してもらってないことを
白状しておこう。
ただ、今後、イミグレから手紙が届いたり、スタンプをもらいに行ったり
することについては、逐一報告するつもりはない。あくまでも、ストーリー
の流れに従いつつ、お知らせしていく予定である。再び結末隠しの深い潜行
に入るのだ。
「早く結果おしえて〜」という声が、また私のところに寄せられることだ
ろう。
でも、今回もその期待にはこたえられない。前回と同じように、4ヵ月ほ
ど待っていただくことになるはずだ。
読者の皆さんにも、私と同じ「待つ」苦しみを味わってもらおうではない
か。ハッハッハッハッハッハ・・・・・・
笑っとる場合か。
ひろ
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『今週の歌』
「白飯と 味付けノリと マヨネーズ
日曜に食う そんな夕食 ひろ」
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