1997年12月2日号(No.195)


                     Nutsの表紙です



目次

*『NYJJクール作戦2』
*『在外投票の動き』
*『Nutsコラム』 ・コラム『ミラー家のヨメ』〜イミグレ奮闘記第一話〜 ・コラム『寄り道』〜イスラエル編7〜
*『編集後記』
*『グリーンカードへの道・第21話』
*『今週の歌』
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『NYJJクール作戦2』

 さて、「NYJJクール作戦2」なのであります。
 先週は、「NYJJクール作戦」の目的についてお話ししました。今週は、 (2)の「具体案:戦うものを持つ」について、ダラダラと語ってみたいと 思います。
 では、始めましょう。
 この「戦うものを持つ」ですが、これは別に「武器」を持って乱暴なこと をしようと意味ではなくてですね、正確には「戦う相手を持つ」ということ になるのであります。
 つまり、NYJJ(ニューヨーク在住日本国籍日本人)は、戦う相手を持たん といかんよー、ということなのです。
 沖縄をご覧ください。日本にケンカを売りまくっております。また、在日 コリアンの皆さんも「訴訟」という武器で日本とドンパチやっております。
 はっきり申しまして、こういう戦いというのは、ひじょーにおもしろいの であります。血が騒ぐとでも言いましょうか、かなりのドキドキワクワク感 を伴なうのですね。
 しかしながら、今の日本のマジョリティーたちは、こういう戦いに参加し たくてもできない状況にあるのです。仕事その他の事情も関係してきます が、まず第一に戦うものがないのです。
 そういう彼らが、沖縄や在日コリアン軍団を見ますと、とってもとっても うらやましく思えるのです。
 「フン、そんなもんうらやましくないわい」という方もいるかと思いま す。でも、ホントにそうですか。どこかココロの奥の方で、「いいな、いい な、うらやましいな」という声が、コダマするのが聞こえてきませんか。
 え? 聞こえない? あっそ。
 てなわけで、NYJJも戦う相手を探さんといかんのですが、でもあんまり 「戦うぞ、戦うぞ」というのもダサイのであります。
 安保とか全共闘の時代は、「ヌオ〜」調で戦ってれば、それでカッコよ かったのでしょうが、今、そんなことやっても誰も振り向いてくれません。 そういう亡霊たちには、サッサと消えていただいてですね、この時代に合っ た戦い方というのを私たちは探していかねばならんのです。
 おそらく、その「戦い方」というのは、安保・全共闘時代の「ヌオ〜」調 から「ヌボ〜」調に移るのではないかと、Nuts編集部では読んでおります。
 で、NYJJのその「ヌボ〜」調の戦いなのですが、今のところ、在外投票訴 訟軍団の方々が、日本政府と戦ってくれております。ですから、NYJJや他の 海外在住の日本人が無理して戦う必要はなく、とりあえずしばらくの間は 「ヌボ〜」っとしとこか、と思うのであります。
 そんなわけで、「戦うものを持つ」に関しましては、「一応、今は、ちと ばかり戦っとるからええか」ということなのですね。
 Nuts軍団としましても、戦うことに関して、その時期が来るまで、たまに 日本の議員さんたちに不幸の手紙・FAX・Eメールを送る以外は、「ヌボ 〜」っとした態度でのぞみたいと思うのでありました。
 以上が、(2)「具体案:戦うものを持つ」になります。
 じぇんじぇん具体案でないでないの。
 ま、そんなこともありますな。
 では。
                 「週刊Nuts」編集部
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『在外投票の動き』

 在外投票の件がとうとう動き出したようなのであります。
 衆議院公職選挙法改正に関する調査特別委員会が、先週の11月27日に 開かれました。簡単に言いますと、この件を担当してる議員さんたちが集 まって、「さて、どうすっべかのう」と話し合ったのです。
 で、次の展開としましては、「参考人質疑」、つまり、「この件に詳しい 人や当事者たちを呼んでですね、その意見を聞いてみようでないの」のイベ ントがその委員会にて行なわれる予定なのであります。
 一部の噂によりますと、今週中にその「参考人質疑」があるのではない か、という話もあります。
 それが、もしうまく行きますと、来週ぐらいに衆議院で「わしらはこれに 賛成。この法案なら作ってもいいべ」採決が行なわれ、その後、この法案成 立の最後の段階である参議院に送られるのであります。
 しかしながら、今やってる臨時国会は、12月の半ばで終わってしまいま すので、参議院でケリをつける時間はありません。したがって、参議院の皆 さんには、この法案を是非とも継続審議=「次の国会に回してそこで審議し よか」を決めていただかねばなりません。それをやりませんと、法案という のは、「廃案」=「捨てちゃいましょ」になってしまうのです。
 というわけで、この法案の成立を心から願っている「Nuts在外投票部」と しましては、衆院の同委員会のメンバーに対する「この臨時国会で決めて ちょうだい」メッセージ送り作戦を考えております。それがうまく行った ら、次は、参院の担当委員会のメンバーに対する「廃案はやめて。継続審議 でよろしくお願いします」メッセージ送りですな。
 ここで改めて「Nuts在外投票部」の今回の法案(比例代表区のみの投票及 びグリーンカード保持者排除の可能性アリ)に対するスタンスをお話ししま す。
 私たちは、この法案は成立させるべきだと考えています。確かに、不完全 な部分もあるのですが、とりあえず「箱」を作ってしまうべきです。
 「でも、一度作ってしまったら、なかなか改正するのはむずかしいんで しょ。だったら、最初からいいモノを作ってもらうほうがいいんじゃない」 という意見の方もいます。
 ただ、その「いいモノ」を作るのには、やたらと長い時間がかかります。 同じ長い時間をかけるのなら、私たちは、「最初からいいモノを作るための 長い時間」よりも、「とりあえず作っておいて、それを改正するための長い 時間」の方を取ります。
 私たちの読みによりますと、おそらくどちらも同じくらいの「長い時間 (10年くらいかな)」になるはずです。だったら、後者がいいに決まって ます。
 少なくとも、この法案によって、海外に在住する日本人の半数以上は、選 挙に参加できるようになります。まずは、そこから始めましょう。
 ちょっと付けたしますと、「グリーンカード保持者排除の可能性」につい ては、今回の法案に「グリーンカードを持ってる人たちには選挙させませ ん」と明確に書いてあるわけではありません。
 ですから、まずはこの法案を通してですね、実際の選挙の場になって、 「グリーンカード保持者の方は選挙できません」「なんでじゃ、そんなこと 法律には一言も書いてないやないか」「でも、ダメなんです」「なにお〜、 責任者を呼べ、責任者を! 一揆じゃ、一揆じゃ!」という状態にした方 が、世論も喚起されるわけですし、法案を作る際に、永田町の皆さんに「あ のね、グリーンカードっていうのはね・・」と延々と説明するよりは、その 方がずーっと分かりやすいのであります。
 そんなわけで、「Nuts在外投票部」では、この法案を成立させるために、 これからも日々努力してく所存なのでありました。
 在外投票法案が無事衆議院を通過しますように・・・
 では。
                        Nuts在外投票部
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『Nutsコラム』

『ミラー家のヨメ』〜イミグレ奮闘記第一話〜
 「300ドル払って面接を待つだけ」というおいしい法律機関の一室で、 ダンナは出来立てほやほやの申請書を前にはしゃいでいた。マンガ専門の彼 にとって申請書は読解不能、作成不可能なシロモノ。最大の難関を通過した 気分らしく、「これでバッチリ!」だと宣言した。
 それから六ヵ月後、私達は逞しい黒人女性面接官の前にいた。私が尋ねら れたのは住所と名前を言えるか?ということのみで、後はダンナが仕切っ た。写真はあるか?と聞かれた彼はその説明をした。彼女はうんざりと遮 り、ガスと銀行預金の紙を捜すように命令した。分厚い書類を手にして「も う少しで見つかりますから!」と連発し、震える指先でページをめくる彼。 面接官は哀れな下僕を前にふんぞり返った。
 やがて、パスポートが開かれ、書き込みが加えられた。「最後にアレが必 要だわね」。彼女はボロボロの机の引き出しに手を伸ばした。やった!!永 住権のスタンプとご対面!面接なんてちょろいもんね・・・。所要時間20 分。彼が書類と格闘していた時間を除けば実質10分で私達の面接は終わろ うとしていた。
 「おめでとう!」面接官は言った。私達は目前のモノを凝視した。彼女の 掌にはメタルのちっぽけなクリップがあった。・・・・・・・・・。私はお ずおずと尋ねた。「あのー、スタンプは?」「指紋の判定結果がまだなの よ、あなたはペンディング(未定の身分)。それより今一番必要なものはコ レよ!」なめとんのか、糞ババァ!そんなもんいらんわい!と言える身分で ない私は笑顔でクリップを受け取った。入試に合格して入学を無期延期され た気分であった。
                       香月葵
『寄り道』〜イスラエル編7〜
 ジリリリリリッリ〜ン
 電話の音がどうだったかはもう忘れた。
 が、とにかく早朝、電話で起こされた。同居人の母親から「うちの息子は 今どこだ?」と。今朝エルサレム市でテロ爆弾があったからだ。
 「Constant state of war」
 ほとんどの人はイスラエルは常に戦争中であると思い込んでいるかもしれ ない。でも、戦争というのは両方の国々が戦っている状態のことで、それか らするとイスラエルはテロ行為の渦の中だが、戦争中という感じではない。
 イスラエルでは、ユダヤ人とパレスチナ人が「これはもともとわしらの土 地じゃ」と聖なるエルサレムを取り合いしている状態なのである。
 「Suiside bomb」
 「自殺爆弾」と呼ばれるテロ。これはかなりエグイ。パレスチナ人が自分 のからだに爆弾を巻つけて何知らぬ顔をしてバスに乗り込む。その後、じぶ んの身体、命ごと、他の乗客をふっとばすのだ。パレスチナ人達の中では、 ひとりでも多くのユダヤ人を殺せば殺すほど、その死後天国に行けるという 考えがあるらしい。
        言っておくがエルサレムには沢山の外国人が住んでいる。わたしもその中 のひとりだったわけだが、テロ爆弾なりがあるとき誰も「Excuse me! ユダヤ 人以外の人は逃げてくださ〜い」とは言ってくれない。
 運悪くあたってしまえば、他の人共々こっぱみじんなのだ。バスを2台ご とふっとばす爆弾の威力を想像してほしい。
 わたしが住んでいた年、かなりの数のテロがあった。その一年を通して早 朝同居人の家族から電話で起こされることになる。ジリリリリリ〜ンだった か、リリリンだったかあれだけ何度も起こされたのに人間忘れるものであ る。
 わたしの眠気まなこの声はいつもこう答えた。「いつもどおり大学に行っ たよ」
                   KOBAYASHI
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『編集後記』
 再び忘年会の話です。
 来たる12月6日(土)午後6時より「Nutsチンタラ忘年会」を行ないま す。詳細は以下の通りです。
 日時:12月6日(土)午後6時より  場所:なとりレストラン     58 セントマークス・プレイス(1番街と2番街の間)  会費:20ドル  形態:立食ダラダラ宴会
 人数の確認が必要ですので、参加希望の方は、編集部(212-982-3348) までご連絡ください。
 そんなところです。
 では、また来週。
                    「週刊Nuts」編集部
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『グリーンカードへの道・第21話』

 一応、私たちは、将来離婚することになっている。
 でも、すぐにではない。
 結婚したばかりの頃、私とかみさんの間でこんなカンバセーションが持た れた。
 「今から死ぬまで夫婦っていうのもなんですから、50年契約というのは いかがなものでしょうか。」
 「別にいいわよ」
 そんなわけで、正確に言うと、今から48年と数ヵ月後に、私たちはおそ らく離婚する。
 日本の民主党が、「私たち民主党は、”時限政党”です」というような言 い方をするが、それで行くと、私たちは、さしずめ「時限結婚」ということ になるのだろうか。いやいや、なかなかさびしいような、嬉しいようなネー ミングである。
 ただ、最近の私たち夫婦間の諸現象を見つめると、その時期がかなり早ま りそうな気もしないこともない。特に、突発的なアクシデントに対するふた りの反応の仕方などを見ると、「長くはないな」という思いが強まるのであ る。
 私は、自慢ではないが、気が小さい。人にそう言うと、「そんなわけない でしょ。文とか書いてるのに・・・」というようなことを言われる。
 確かに書いてはいるが、それはあくまでも、その「気の小ささ」の反動で しかない。虚勢を張っているに過ぎないのだ。
 一方のかみさんは、恐ろしくふてぶてしいヤツである。ガイジン特有の小 さな顔をしているが、ツラの皮の厚さは大したものである。
 ところが、そんな彼女にも弱点がある。味付けノリの値段の間違いを正す ことなどについては、サンライズマートの従業員たちをパニックに陥れるほ どの強靭なふてぶてしさを持つ彼女であるが、突発的なアクシデント、特 に、うまく入るはずのチェックがバウンスした場合などの、不必要な「金」 と「手間」のかかる事故には、極端に弱いのである。そういう場合だと、簡 単にパニクってしまうのだ。
 その特徴が、今回のインタビュー後の展開にも十二分に発揮された。追い 詰められた小心者とパニクった厚顔野郎がぶつかり合ったのである。それは それはおぞましい光景であった。
 考えてもみなさい。気の小さい男とパニクりやすい女が、「すべてうまく いった」と思った瞬間に、「指紋がまだだからダメよ」と言われたのであ る。津波のような動揺が、「ドーヨウ、ドーヨウ」と押し寄せてきたに違い ないではないか。
 ちなみに、こういうのを「ドーヨウ(土用)波」という。
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 一行反省したところで、今週のまとめに入りたいのだが、要するに、こん な調子なら、私たちの離婚時期は意外と早まるだろう、という話なのであ る。
 そろそろ、「グリーンカード持ち逃げへの道」の執筆準備を始めねばなる まい。
                       ひろ
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『今週の歌』

「メキシコに 出張中の かみさんが
      よこしたメールを ゴミ箱に・・・・・・ポイ  ひろ」
   

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「週刊Nuts」編集部


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