1997年12月16日号(No.197)
目次
*『NYJJクール作戦4』
*『Nutsコラム』
・コラム『Choking Victim』 = Do the right thing =
・コラム『寄り道』 〜イスラエル編8〜
・コラム『道端で哲学』〜”ダマされた!”:2時間の白日夢1〜
・コラム『人間動物園、アメリカ』〜炎のルームメイト編〜
*『グリーンカードへの道・第23話』
*『今週の歌』
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『NYJJクール作戦4』
さて、「NYJJクール作戦」シリーズの第4弾なのであります。
今回は、「NYJJとしての著名人を育てる」についてお話ししましょう。
Nuts軍団が、今現在シコシコやっております在外投票運動に関して、「も
し・・・だったら、もっとうまく行ったのになあー」と思うことがいくつか
あるのですが、そのひとつに「もし著名人がこの運動に絡んでいたら、もっ
とうまく行ったのになあー」というものがあります。要するに、ミュージ
シャンでも作家でも役者でもいいから、そういう名の売れた人たちが「在外
投票させろやー」と公(おおやけ)にバンバン発言していたら、この運動も
今以上にスクスクと育っていただろう、ということなんですな。
このように、なかなか表に出て来ない意見や主張を一般の人たちに届けた
り、議論を巻き起こしたり、運動を育てたりする際、一般の人たちに向かっ
てデカイ声で叫べる人=著名人の存在というのは、ベリーインポータントな
のであります。
勢いのあるムーブメントには、必ずそれに首を突っ込んでる著名人の存在
があります。彼らが一種の「広告塔」として、あーだこーだと発言しまくっ
ておるから、前にズンズン進んで行けるのですね。
ところが、在外投票運動に関しましては、そういう広告塔的役割を担う著
名人が皆無だったのであります。
なぜそういう著名人がいなかったかと言いますと、「まず海外に住む著名
な日本人なんて大していない」「さらに”私は海外を基地にしてるのよ”と
いう認識を持つ著名人があんまりいない」「トドメに在外投票に強い思い入
れのある著名人がほとんどいない」という感じになるのであります。
在外投票問題に関して、かなり積極的に動いてくださった在外の著名人と
しましては、作家の米谷ふみこさんが挙げられます。米谷さんには私たちも
感謝感謝しております。
で、話はここから「NYJJとしての著名人」に突入していくのであります。
今現在、日本にまで影響力のある「NYJJとしての著名人」は、ほとんど存
在しておりません。確かにニューヨークには、坂本龍一さんや久保田利伸さ
んなどが住んでいますが、彼らに「NYJJ=ニューヨーク在住日本国籍日本
人」としての意識があるかどうかは、まったく分からんのであります。ちな
みに、彼らがそういう類いの発言をしたという噂は聞いたことがありませ
ん。
一度本人に聞いてみんといかんですね。
てなわけで、私たちは、これから日本に対しても影響力を持つ「NYJJとし
ての著名人」を育てたいのであります。
今のところは、これといった具体的なアイデアはありません(おいお
い)。とりあえず、この時点で私たちにできるのは、NYJJそれぞれの才能を
アメリカ方向及び日本方向に開花させてあげられる環境作りではないかと考
えております。彼らが少しでも活躍できる場を作るのですね。
その詳細については、「98年度の作戦」の中で改めてお話ししたいと思
います。結構おもしろい作戦になりますよ。
なにはともあれ、今週もいっぱいしゃべったわりには、大して内容のない
文になってしまいました。
ドンマイ、ドンマイ。ま、面倒くさいことは、来年考えよか。
では。 「週刊Nuts」編集部
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『Nutsコラム』
『Choking Victim』 = Do the right thing =
大学から寮へ帰るバスの中で、俺はふとした事から知り合いになった黒人
のにーちゃんと会話を始めた。その中で、俺が日本人だという事を発見する
や否やこのにーちゃんは俺に向かって質問を乱射した。
「日本人の名前には意味があるそうだが、おまえのは何だ?」
「wisdomだよ」
「おまえカラテやるのか?俺の弟はショウトウカン流だぜ」
「いやおれはやらんよ」
「俺はジャッキー・チェンとかが好きでよー。アチャー」
「・・・・」
一通り自分の知識的欲求を満たした後、彼はこう切り出してきた。
「日本では仏教徒が多いらしいが、おまえはどうなんだ?」
この質問に対し俺は自分を仏教徒とカテゴライズするが、別にそれを信じ
ているわけではない事を説明した。そして最後に言った。
「今のところ宗教の必要性は感じとらん。ま、正しい事をしとりゃええん
じゃないかと思うよ。」
この瞬間、このにーちゃんの目がキラッと輝いたのを俺は見逃さなかっ
た。しまった、と思ったが後の祭り。正しい事という言葉にすばやく反応し
たにーちゃんはおもむろに聖書を取り出し「おまえに正しい事が分かるの
か、ん?」というような顔で説明を始めた。俺は心の中でつぶやいた。
「やれやれ、またか・・・」
この「正しい行ない」という物は結構曲者で、考えれば考えるほど何が正
しくて、何がいけない事かわからなくなってくる。しかし、神を信じる者は
それが分かってるのだ。
彼らは神のみが何が正しい事かを知っていると言う。
そう、正しい行ないという信念のもと、十字軍は聖地奪回のため他教徒の
シマに殴り込みをかけ、イスラムの原理主義者は異宗派に爆弾のお仕置きを
し、最近では、鳥のような名前のついた宗教の信徒がひげづらの現人神の言
葉を実行にうつし、電車の中でガスをぶちまけ何人かの人を死に至らしめ
た。
そして俺も寝ている間に布団の中でガスをぶちまけ、いっしょに寝ていた
女を悶絶死に至らしめる所だった。
俺は、何も神を非難しているわけでも否定しているわけでもない。ただ、
多くの人に見られる神に対する「神様の言う事が絶対だもーん」という盲目
的な信仰に対し疑問を感じているだけなのだ。
昔、敬謙なキリスト教徒であった大学の教授が言っていた。反キリスト教
の人々が間違ってるという事はできない。彼らは彼らなりに神との対話を始
めている、と。
人々は神との対話によって信仰を深めていくものだが、盲目的な信仰は決
して対話ではないのだ。
もし、俺が神と対話をする機会を持てるのなら、布団の中での放屁殺人に
ついて熱く語り合いたい、と思っている。
MediaBlitz
『寄り道』〜イスラエル編8〜
日本人にとって爆弾テロなどピンとこないかもしれない。それとも必要以
上に怖がるか、どちらかであろう。
私の友人はいつもイスラエルの訪問にジョイントしたい、する、と数年間
言い続け、結局こなかった。そして私のほうも、「大丈夫、大丈夫、テロは
運だから」と軽くかえす自分の言葉にある日ぞっとする。
万が一、この友人がその運に当たってしまった場合、お気軽に誘った私の
責任はたいしたものになってしまう。親に責められるのはご免だ。と、正直
に思った。
イスラエルでは、デパートや大きなドラッグストアー、はたまた大学には
いるとき警備員にかばんの中をチェックされる。あちらにはヘブライ大学と
いう一つの街くらいに大規模な大学があるが、そこでさえ、誰もがかばんの
中をみせない限りはいれないのである。
なんとまあ、非生産的というか面倒っこい話である。
イスラエル人や現地の各国々から集まったジュウイッシュのやからと最近
のテロ井戸端会議になる。
「なにせ日本では平和はただであたえられてるから」。
とため息つく自分に、友人は「Not any more though...」と必ず返されるあ
る時期があった。
そのある時期とは東京地下鉄毒ガステロである。
「もう東京なんて怖くて気軽にいけないよ」と。
おまえにだけは言われたかないと本気で思うが、確かにあの時期オウム団体
が異常な動きをしていた。
ケーブルTVを通して映る東京地下鉄。担架に運ばれるOLの乱れた足などの
映像に見入る。
「おいおい無差別かよ、怖いよなぁ」
カウチに横になりミントチョコアイスを口に運ぶ。映像が終わったとたん
チャンネルはMTVに変わる。いや、自分で変えたのだが。
まぁ、日本でいうと、どこかの戦争の様子をTVで見ながら、すき焼きなべ
を家族皆でつつく感覚と同じであろうか。
「やだ、こわいわねぇ。」
KOBAYASHI
『道端で哲学』〜”ダマされた!”:2時間の白日夢1〜
世の中に、うまい話は絶対にない。そう確信させられるような事件にあっ
てしまった。自分だけは被害に遭わないだろうと、うぬぼれていたのが裏目
に出た。よく考えれば陳腐な詐欺の手口ではあったが、相手の巧みな演技と
演出にすっかりだまされてしまった。あさはかであった。
はっきり言って、その直後は人間不信に陥りそうだった。どんな人でも、
どこまで信用していいのか判からなくなった。自分だってそうだが、人間の
心の奥深くというのはまさしく本人しか知り得ないものなのだ。邪悪な部分
をさらけ出したって得することは何もない。だが、それを隠して善を利用す
ることはできるのだ。
わずか2時間くらいの出来事から、本当に色々なことを学ぶことができ
た。世の中には実際に体験してみないと理解できないことばかりだ。詐欺の
手口や体験談など山ほど聞いたり読んだりしていたのだが、その状況下にお
いて、そんなものはまったく役に立たなかった。他人の経験など、真実味が
全然ないものなのだと実感した。
だまされてみてから、詐欺などで善を利用しようとする人々を見逃してい
るべきでないと気がついた。勝手な都合で、人が人を信じようとする心を傷
つけるなど許されないことだ。だまされるほうだって悪いかも知れない。だ
けど、化かし合いをする必要がない生き方だってできるのだ。
しかし現実には、人はお互いに心から信頼し安心して生きられないのだろ
うか。でも、人間同士で信用しあうことは必要だと思う。たとえひどい目に
遭ったとしても、まだ人を信じれるといい。ひとりひとりに良心は必ずある
と信じていればまだ許すことはできる。
多分これからも詐欺を繰り返すだろうあの人達にも、良心の呵責はあると
信じたい。そしていつか心の病に気づくことを願いたい。それからもっと大
事なのは、詐欺などが通用せず存在しない社会を造っていかなければならな
いのは、自分たちだということだ。
つづく
Itsuki Sato
『人間動物園、アメリカ』〜炎のルームメイト編〜
初めて来米した人の感想というと、「なんて広大な景色だ」などが一般的
だろう。しかし私の感想は「なんて変態密度の高いところだ」だった。これ
は単に文化の違いなどという言葉では片付けられない問題で、アメリカ人に
限らず他国からの留学生や日本人も含まれる。
まず最初は私を変態界の入口へと誘ってくれたアメリカ人ルームメイト、
ルイザ(仮名)を紹介しよう。美人で活発な彼女は、一見して私が想像して
いたアメリカ女性像そのものだった。彼女のBFも男前で、「私もついにビバ
リーヒルズ90210の世界の一員」などと感動していた矢先、「一緒に教会に
行かない?」と誘われた。どうせ教会と言っても我々が寺参りに行くような
感覚だろう、と考えつつ私は異次元の世界に迷いこんだ。
ルイザの話によると、その教会はロックンロール調の賛美歌が中心のカ
ジュアルなミサらしい。教会の中には数十人の老若男女が和やかに談笑して
いてミサという厳(おごそ)かさは感じられなかった。やがてロック調賛美
歌が始まり、「神は万能さ、イエーイ」と歌うバンドが現われ度胆を抜かれ
た。客もノリノリで歌詞さえ聞かなければ普通のロックコンサートとなんら
変わりない。余興に入った頃、突然バラード系の曲調に変わった。すると今
まで楽しげに歌い踊っていた人のうち何人かは両手を挙げて目を閉じ、恍惚
の表情で「おお神よ、神よ」とつぶやきながら涙を流し始めた。私はここで
「ブッダ万歳!」とでも言おうものなら火あぶりにされるかも、などと脅え
つつ聖書を読む振りをしていた。
その後、数週間にわたってルイザは私の改宗作戦に燃えていた。「私は神
の声を聞いた」などの体験談を聞かされる日々が続き、もはや私は「ビバ
リーヒルズ90210」の一員から「Xファイル」の被害者役へと降格されたよう
だ。あげくの果てには「私の神は愛を重んじるから隣人のあなたを救うこと
が私の使命」と弁舌をうった。でも彼女の隣人愛よりも、彼女のために洗濯
したり論文を書いてあげたりしていたBFの愛のほうが偉大だと思う。
文人無行
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『グリーンカードへの道・第23話』
「最近、奥さんの悪口が多いんじゃないですか」
先週、そんなコメントをある読者からいただいた。
そうなのである。その通りなのである。
8月6日のインタビュー後のストーリーを書き始めるにあたり、あの日の
出来事を思い出そうとすると、なにやらいたたまれないほどの怒りに包まれ
てしまうのだ。
インタビュー後のかみさんの気持ちを一文で表わすと、
「何を血迷って私は移民なんかと結婚したんだか」
ということになる。
でも、そういう気持ちって普通、簡単に表に出さないのがエチケットって
もんじゃない。
もし、そう思っていても、「でも、私はこの人と一緒に歩いてくって決め
たんだから、泣き言なんて言わない。今、”この移民野郎が”なんて言った
らお仕舞いよ。こんな時こそふたりで励まし合わなくっちゃ。それが愛なん
だから」という態度を見せる、あるいは、少しは見せようと努力するのが、
平均的夫婦のような気がする。
しかしながら、うちのかみさんは、その本当の気持ちをストレートに表現
してくれたのである。
すべては、面接官の悪口から始まった。
「どこの国から来たかだと〜。てめえこそどこの馬の骨だが分かんねえく
せに、偉そうに言いやがって。」
「あのアマ、せっかくこっちがウエディングの時の写真を見せてやろうっ
ていうのに、見ようともしねえじゃねえか。だったら、何が嬉しくてこんな
重いアルバム持ってこなくちゃなんねえんだ」
「指紋ができてないんだったら、サッサとそう言えよ。最後の最後に”
で、指紋がまだなの”だと〜。殴るぞ、おめえ」
エレベーターの方に歩きながら、彼女は吠えまくっていた。
その途中、私たちは、10分ぐらい前まで座っていた待合室の前を通り過
ぎた。
その部屋は、10分前とちっとも変わらない姿でそこにあった。それに比
べて私たちときたら・・・
「ねえ、聞いてんの!」
かみさんの声が後頭部に突き刺さった。
ひろ
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『今週の歌』
「”ミスターチェン” ”ミスターチェン”と 我を呼ぶ
ウエイター連れ出し 説教かました ひろ」
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