1997年12月30日号(No.199)
目次
*『97年度の反省』
*『ミスターチェンの問題・後編』
*『Nutsコラム』
・コラム『人間動物園、アメリカ』〜魔性の女リズ〜
・コラム『寄り道』〜イスラエル編9〜
*『編集後記』
*『グリーンカードへの道・第24話』
*『今週の歌』
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『97年度の反省』
さて、「97年度の反省」なのであります。
今年の初めにこの「週刊Nuts」紙上にて「97年度はこんなことやん
どー」という作戦軍団を発表いたしました。今週は、それらの作戦たちの結
果及び途中経過をつらつらと軽やかにご紹介したいと思うのであります。
97年度中に処理できずに来年に持ち越されたものにつきましては、98
年に入ってからじっくりご説明しようと考えております。とりあえずここで
は、箇条書き風にサクサクお話ししたいと思います。
では、始めましょう。
1)「ガンバレ地方連合(ガン地連)とニューヨーク発信(ニュー発)作戦
と出ろ出ろニッポン作戦」
この3つは、なかなかよろしい展開を見せております。日本のある地方FM
局では毎週「週刊Nuts」のネタが紹介されておりますし、相変わらずEメール
版「週刊Nuts」を日本中にバラ撒いておりますし、日本の皆さんをニュー
ヨークに誘(おび)き出す作戦も着実に進行中なのであります。詳しいこと
は来週ね。
2)「NYウエイター物語作戦」
「NYのジャパニーズ・レストランの小説を書くべ」という作戦でありま
す。これもやっと始まりまして、現在インターネット上で連載中です。来年
には紙上でも公開する予定です。ま、ボチボチと言ったところでしょうか。
3)「Nuts本作戦」
今までの「週刊Nuts」を本にするという作戦です。これにつきましては、
日本の出版社とすでに話がついておりまして、ホントは今年中に出版される
予定だったのですが、ノンビリしてる間に今年が終わってしまったではない
ですか、アナタ。来年には出ますので、その際はご購入の程よろしくお願い
いたします。
4)「在外投票運動」
今年はかなりいいとこまで行きましたね。永田町に土石流が起きなけれ
ば、来年の夏までには成立するでしょう。祝賀パーティーは屋外でバーベ
キュー。飲み物は当然ビール。アチアチのバーベキューとカチコチに冷やし
たビールのスーパー・コンビネーション。待ちきれませんのう。
5)「ただいまニッポン作戦」
「日本に帰った同胞たちをこちら側から応援しようでないの」という作戦
なのですが、今のところ、まだ本格的には応援しておりません。反省。
6)「その他大勢」
「骨髄移植の危険性調べ作戦」=やってないざます。「政治の虫研究会
(政虫研)」=微動だにせず。「コミュニティ・ラジオ(コミラジ)作戦」
=これは来年行くからね。「日米カウンセリング・センターを助けよう作
戦」=早くやらんといかんのよ。「”日本の祭り”再び作戦」=見事に復
活。Japan Societyの皆さんのおかげです。「”Nuts世界観光案内”復活作
戦」=まだしばらくはダメね。
以上のような感じです。
来年の作戦につきましては、次号から3週連続でご紹介したいと思いま
す。
というわけで、97年度は完了です。
では。 「週刊Nuts」編集部
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『ミスターチェンの問題・後編』
「ミスターチェンの問題」後編なのであります。
今回は、「”ミスターチェン”と呼ばれた私」事件の主役である「ひ氏」
が、そう呼ばれたことによってなぜプッツンしたのか、ということについて
考えてみたいと思います。
あなたは、今レストランにいます。今日着ているセーターはムラサキ。そ
れもとっても濃いムラサキね。それはまるでバーニー(アメリカの子供たち
が愛するムラサキ色した恐竜キャラクター)のようでした。
ウエイターが近づいてきました。そして、あなたを見るなり言います。
「ハロー、バーニー」。
オーダーした飲み物をウエイターが持ってきました。それをテーブル上に
置きながら彼は言います。「はい、どうぞ、バーニー」。
食べ物が来ました。ナプキンを膝の上に置きながら、自分の皿が目の前に
置かれるのを待ちます。そして、そのウエイターは耳元でこうささやくのです。
「お待ちどうさま、バーニー」。
このように3度も「バーニー」と呼ばれながらも、その後の食事を楽しく
過ごせるという人は、よほど心が広いか、あるいは鈍感な方なのではないで
しょうか。
一般常識からいきますと、これは明らかに「しつこい」と呼ばれる行為で
す。通常でしたら、相手が前かがみになりながら、最後の「バーニー」を口
にした瞬間に、そいつのコメカミにスルドい頭突きをお見舞いするところで
す。
というわけで、ひ氏がプッツンした理由のひとつには、「しつこい」とい
う要因が考えられます。
他には、「アジア人をナメとる」というアジア同胞意識が働いたからでは
ないか、という説があります。「おめえ、アジア人はみーんな”ミスター
チェン”だと思ってんだろ。ちったー勉強しろよ」という思いをぶつけるた
めのプッツンですね。
ただ、これにはまったく別の見方もありまして、アジア同胞意識とは逆に
「このウンコタレ、チャイニーズと間違いやがって。失礼な野郎だ。オレを
やつらと一緒にすんじゃねえ。オレはチャイニーズじゃなくてジャパニーズ
なんだぞー」という中国人見下だし攻撃の可能性も考えられるのでありま
す。
もし、ひ氏が「ミスターハシモト」とか「ミスタートヨタ」とか「ミス
ターホンダ」などと呼ばれていたら、彼は「ミスターチェン」の時と同じよ
うにプッツンしたでしょうか。
また、アジア同胞意識のためではなく、はたまた中国人見下だし攻撃でも
なく、ただ単に「私の名前は”ミスターチェン”じゃないんだから、そんな
ふうに呼ばれる筋合はないざんす」というプッツンの原因も考えられます。
う〜ん、意外と深い展開になってしまいました。
「ミスターチェン」と呼ばれた時の反応は、人それぞれだと思います。だ
た、もし自分がそう呼ばれた時にどのように反応するかを考えるのも、なか
なか楽しいものです。自分の中に棲む獣(けだもの)を発見するかもしれま
せんよ。
ちなみに、問題のひ氏は「今後、私を”ミスターチェン”と呼んだ者は、
カンチョウの刑に処す」と言っております。今度会ったら大声で「ミスター
チェ〜ン」と呼んであげてください。
そんなところです。
では。 「週刊Nuts」編集部
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『Nutsコラム』
『人間動物園、アメリカ』〜魔性の女リズ〜
彼女はイタリア人と日本人のハーフ、これまでに婚約及び婚約解消歴3
回。それ以外にも男心を弄んでは捨てた回数は十を越える。ここまで読んだ
限りでは、さぞ絶世の美女を想像したことだろう。しかしその女リズ(仮
名)は厚化粧したバカボンのパパに顔面パンチをくらわしたような、抽象画
を彷彿とさせる容貌だ。リズのことを知らない留学生は皆無に近く、奴はど
んな集まりにも参加する活動家だ。その目的は狩猟である。彼女の狩猟法は
大胆かつ放射線状で、いわば“数打ちゃ当たる方式”だ。
留学生たちのパーティーがあった時、リズの獲物ボブ(仮名)が会場前で
並んでいたところ「Excuse me!」と叫びながらリズが胸を突き出
してそれらをボブに押し付け、ニヤリと笑って去って行ったという。リズは
この時他に恋人がいたにもかかわらず、その後も執拗にボブに迫ったが、彼
は思慮深かったのでリズと交際する羽目にはならなかった。
彼女は男遍歴に関する以上に、その挙動不審さにおいてもファーストクラ
スである。何かの集まりとなるとハロウインでもないのに意味不明のコス
チュームを着て現れる。一時は警察官の制服に制帽といういでたちで現れて、
皆をしばし脳死状態に陥れた。
他には、自分の空想を現実と信じ込みつつ宣伝するというエセ宗教の教祖
のようなこともする。「私は日本語にイタリア語、フランス語が話せるもの
だから、ごちゃまぜになっちゃうの」というのがリズの口癖。普通に英語で
会話している時も「ケスクセ、あらごめんなさい。ついフランス語が出
ちゃった」という具合だ。じゃあ何故日本語の基礎クラスを取ってるのだ?
という疑問は彼女の思い込みパワーによって消される。そして奴はフランス
人とも英語でしか話さない。
リズはかつて米国陸軍に所属していたらしいが、現在は大学でルームメイ
トと男たちを悩ませている。いずれにしても米国は強力な破壊兵器を失った
ものだと気の毒に思う。
文人無行
『寄り道』〜イスラエル編9〜
所変われば正月も変わる。
イスラエルの新年は9月の終わり頃である。「終わり頃」というのは、ユ
ダヤの国では月だか星だかのサイクルによって決まるので毎年少し新年の日
が変わるらしい。
神も御上も信じない自分だが、大自然の存在を信仰する私としてはこのお
空にまかせるシステムはなんだか好きである。
9月半ば頃に入ると、一年を締めくくるような特集がTVやラジオ、新聞な
どをにぎあわせることになる。いやね、正直言って言葉は理解できないんで
すよ。でも、TV司会者のちと気合いの入った出で立ちやしゃべり口調なんや
からで、見ている私のほうまでなぜか心もちセンチになってしまうのであっ
た。
「ああ、一年ももう終わりなのね。今年はなにしたべか?」と。メディア
の魔力である。
新聞に「今年の顔100」という記事があった。写真つきで短い説明がつ
いているものだった。そこで、見つけたものは...!オウム団体のボス。ええ、
またです。あの事件が世界のすみずみまで流れていっていたことを物語る。
もう一人、いまは亡きダイアナ妃もいました。彼女は初めてCNNだかBBC
だかの個人インタビューにでるのを承諾し、私生活や元恋人について堂々と
しゃべっていたのですね。
国際的テロなどの政治問題が多いイスラエルでは他の国の政治家やテログ
ループの大本などの顔が多かったのですが、あまりそこら辺に知識のない私
はあまりピンとくる顔がない。くやしいので、何度も何度も端から懲りずに
見入ると、結局エジプトとヨルダンの首相の顔はどうにか認識できた。
満足。くだらないがやっぱり満足。
こうやって繰り返し観察していると、段々どの顔もどこかで見たことがあ
るような気がしてきてならない。こんないい加減な記憶で頭をかしげなが
ら、異国での年末のひとときは過ぎていくのであった。
KOBAYASHI
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『編集後記』
さて、97年もとうとう終わってしまうのであります。
今年もいろんなことがありました。その中で一番印象深いのはですね、
「NYJJ(ニューヨーク在住日本国籍日本人)社会がひとつのピークを終え
た」ということなのであります。
新移民法の嵐、日本語ミニコミの激減などなど、NYJJは今、少しずつ衰退
への道を歩んでおるような気がします。
サンライズ・マートの無料紙置き場をご覧ください。最近、やたらとさび
しいとは思いませんか。
ただ、Nuts軍団としましては、そのことについてあまり心配はしておりま
せん。おそらく来年、ちとばかりおもしろい波がやってきます。また別の意
味で楽しくなるはずです。その詳細は、来年に入ってからお話ししましょ
う。
Nuts読者の皆さん、今年もお読みいただき誠にありがとうございました。
良い想い出も悪い想い出もみんな97年の記憶袋に入れて、98年に踏み
込みます。来年もきっと良い事と悪い事が起きます。それらをみんな飲み込
んで、最後に「いやいやいやいや、ガッハッハ」と笑ってすまして再来年。
というわけで、今年も「いやいやいやいや、ガッハッハ」。
皆さん、良い年をお迎えください。
次は200号でお会いします。
では、また来週。 「週刊Nuts」編集人
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『グリーンカードへの道・第24話』
ここで少し法的な話をせねばなるまい。
正直言って、私はこの8月6日のインタビューですべてにカタがつくと
思っていた。きれいさっぱりスタンプもらって、これまでの仕返しの意味も
込めて、イミグレの玄関にそっと地雷ウンコでもしてこようかと考えていた
のである。であるからして、私の法的なステイタス、つまり、合法的な滞
在、合法的な労働許可は、8月6日を大体のタイムリミットにして組まれて
いた。
ところが、指紋がまだ戻って来てないからスタンプは押せないとかなんと
か言われちゃったじゃないの。
これで、すべての計画がガラガラと音を立てて崩れ去った。落ち着いた生
活を一日も早く求めていた私は、逆にかなりヤバイ状態に追い込まれてし
まったのである。
滞在に関しては、「指紋の審査待ち」というなんとなく情けない理由のお
かげで、法的な問題はなかった。
ならば何がヤバイのか。
それは、なんと言っても合法的な労働許可においてであった。
その時の私は、「プラクティカル・トレーニング・ビザ(PT)」というもの
でアメリカに居させてもらっていた。大学を卒業する際に発効される「1年
間はアメリカに居て働いてもいいわよ」ビザである。
ちなみに私のPTは、10月21日で切れることになっていた。
「10月21日」ー「8月6日」=2ヵ月と半分。
私たちの面接官によると、私の指紋がFBIから戻ってくるのに約3、4ヵ月
はかかるらしい。ということは、私が正式にスタンプをもらう、つまり、正
式な労働許可で出るのも、当然そのイマイマしい3、4ヵ月の後になるわけ
だ。
するとどうだろう。「2ヵ月と半分」ー「3、4ヵ月の待ち時間」=労働
許可がなくなって一時的にひろぴー堂々の不法就労になってしまうではない
か。
私は別に「不法就労処女」ではない。おそらくどちらかというと経験豊か
な方にカウントされるはずである。
しかしながら、今回の不法就労はおいしくなかった。その時のまわりの環
境が、それをスンナリと受け入れるとは思えなかった。仕事を失う可能性も
あったのである。
グリーンカードの申請の際、多くの人が労働許可書も同時に申請する。で
も、私はそれをやらなかった。「PTがあるからいいや」。そう思ったのであ
る。
そして、今回、イミグレに一発逆転のバックドロップを食らい、このまま
行くと労働許可ナシ→失業で、1、2、3とカウント取られて負けてしまう
かもしれなかった。
ひろぴー、絶対絶命。いや、絶対絶職。ついでにこのせいで離婚されちゃ
うかもしれないから、絶対絶結婚。
その時、目の前には、吠えるかみさん。
問題は、必ずまとめてやって来るのであった。
ひろ
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『今週の歌』
「大晦日 だれといるかで なんとなく
わかる気がする ゆく年くる年 ひろ」
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