1998年1月20日号(No.202)




目次

*『どうもスイマセン』
*『Nutsコラム』 ・コラム『日本政治の馬々虎々』〜第10回 イシュー・ネットワーク 〜
*『今週の歌』
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『どうもスイマセン』

 さて、「98年度の作戦」のトドメのご説明になります。
 皆さん、3週間もお付き合いいただき、誠にありがとうございます。これ で最後になるのですが、今週はかなり長くなるのであります。ですから、先 に謝っておきます。
 「どうもスイマセン」。
 今回は、総勢11コの作戦のラスト4コ、「在外投票運動」「ぶりてん Nuts作戦」「NYJJクール作戦」「英語媒体の可能性探し作戦」についてお話 ししようと思います。
 まずは「在外投票運動」から。
 一応、わたくしどもは、この5月ぐらいには今、国会に寝ております在外 投票法案が見事に通過して、海外に住む日本人もとりあえずバンザイではな いかと読んでおります。
 その雰囲気を日本のメディアの方々もお感じになってる様子で、最近にな りまして、彼らから「在外投票法案成立後の活動予定は?」という質問をよ く受けるのであります。
 そうですね、何をやりますかね。
 まず、成立した法案がイマイチの場合は、そのイマイチの部分について再 びガタガタ騒がねばなりません。例えば、グリーンカード保持者は投票でき ないとか。
 他には、日本の政治家の方々にお願いして、「出張国会」「出前国会」を ここニューヨークでやっていただくことを考えております。つまり、各党の 代表の方に来ていただいてですね、国会的にワイワイガヤガヤ議論して、つ いでに私たちもそのワイワイガヤガヤに参加して、要するにみんなでワイワ イガヤガヤなのであります。
 海外でこういうことをやろうというのには、いろいろとワケがあります。
 皆さんもとっくにご存知だとは思いますが、日本の国会では、「日本の将 来」ということについてじっくりと腰を据えて議論できない雰囲気がありま して、まあ、政治家の皆さんは、自分の地元や後援者たちのご機嫌取りでい つも大忙しですし、「日本の将来」を語るよりは、橋や道路の一本でも地元に 持ち帰った方が、自分の政治生命保険になるわけですので、「そんなこと 話しとるヒマなんかないわい」という気持ちは、私たちにもよ〜く分かるの であります。
 そこで、「橋持ってこい」とか「新幹線の駅作れ」なんて無茶なことを言 わない日本人が住む場所、「海外」に来ていただいてですね、細々したこと は横に置いといて、日頃のウップン晴らしも兼ねて、力いっぱい「日本の将 来」について語ってもらおうでないの、という話なのであります。
 日本の政治家の皆さんも、自分が考える「日本の将来像」を思う存分語れ る場所を探してるんじゃないですかね。
 だったら、来ていただきましょ。
 それに、政治家の方々が来る度に、政府派遣添乗員的に働く日本領事館の 皆さんにとっても、国の金使って観光に来られるよりは、そういう意味のあ る訪NYの方が、お世話のしがいがあるのではないでしょうか。
 話がだいぶズレましたが、在外投票運動に関してはそんな感じです。
 次は、「ぶりてんNuts作戦」の話。
 すでにサンライズ・マートやサンボクで見つけられた方もいるかと思いま すが、先週、タブロンド版「ぶりてんNuts」がとうとうデビューしました。
 月刊で4ページ、発行部数三千。クラシファイドあり、コラムあり、イラ ストありの写真あり。また、広告のスペースもしっかりあったりするのでし た。
 この「ぶりてんNuts」は「週刊Nuts」の姉妹紙なのであります。当然「週 刊Nuts」側としましては、新しく生まれた妹がかわいくてしょうがないので すが、よく考えてみますと、とんでもないライバルを生み出したことになる わけでして、その辺に関しては「週刊Nuts」編集部も危機感を持っておりま す。だってアナタ、向こうはクラシファイドも写真もあるのよ。
 や、や、や、やばい。
 今後、「ぶりてんNuts」は、Nuts軍団の主軸となって大活躍していく予定 です。かわいがってあげてください・・・・適当に。
 3番目は、「NYJJクール作戦」について。
 この作戦につきましては、去年さんざん吹きましたので、ここでは簡単な 説明だけにしておきます。
 「NYJJクール作戦」というのは、NYJJ=ニューヨーク在住日本国籍日本人 をクールにするためのものでして、そのために日本と戦ったり、固有の文化 や言葉を確立させたり、その地元性をしっかり背負った著名人を育てたり、 そして最後に、カラッとした明かるさを持とうではないの、というのがその 主旨なのであります。
 何をどうやるか、今のところはまったく分かりませんが、ボチボチやって る間にそれなりの道ができてくると思います。それまではチンタラしてま しょ。
 最後は、「英語媒体の可能性探し作戦」についてです。
 この作戦に関しては、かなりみっちりしっかりお話ししますので覚悟して ください。
 実を言いますと、この英語媒体の話=Nuts英語版の話というのは、だいぶ 前からあったのであります。
 「週刊Nuts」編集部としましても、ニューヨーク数百万の英語リーダーた ち相手になんか一発やってみよか的希望がありましたし、その他にも多くの 日本人及びアメリカ人の方々から、「これ、英語で出したらおもしろいのに ね」てなことを言われ続けてきたのであります。
 私たちは、このアイデアについて、とってもポジティブに考えてきたので すが、なかなか始めるチャンスも時間も根性もなく、頭の中で転がしている 間に数年が経ってしまったのですね。
 それでは、まず最初に私たちが作りたいと思っている英語媒体について、 現存の日本人による英語媒体との比較を織り混ぜながらお話ししたいと思い ます。
 今現在、フツーのアメリカ人、つまり日本に興味のないアメリカ人(彼ら の大部分は日本になんか興味持ってないからね)向けに発行されている日本 人による英語媒体は、この世には存在しない、とわたくしどもは言い切って しまうのであります。
 「ひらがなタイムス」や「JAPAN TIMES」、「NIKKEI WEEKLY」に 「ASAHI EVENING NEWS」など、日本人が作る英語媒体には、いろいろな ものがあるのですが、これらはすべて日本に興味のある人、及び、しがらみ のある人を対象としたものなのであります。
 ということは、フツーのアメリカ人の方々には、まったく関係のない読み 物なのですね。
 最近では、インターネットを使って英語情報を発信する日本人も増えてき ましたが、それも上記のケースと同じことで、あくまでもアクセスするの は、Japan関係者たちが大部分なのであります。
 日本人というのは、日本に興味を持ってくれるアメリカ人というのをすご 〜く大切にします。彼らに対してのみセッセと英語で情報提供するのですね。
 私たちは、「まずそこが間違っとるのではないかね」と思うのです。
 今、日本人が情報発信に使ってる英語というのは、「守りの英語」です。 つまり、外から攻めて来るJapan関係者の欲求を満たしてあげるだけの英語な のですね。
 私たちがここでおススメしたいのは、「攻めの英語」です。日本に興味の ないアメリカ人=フツーのアメリカ人の中に殴り込みをかけるための英語で す。
 言い換えますと、現在、日本人は、来店されたアメリカ人客たちの相手ば かりしておりますので、そのエネルギーを外回りの営業の方に振り分けたら どないだ、ということになるのであります。
 それに、彼ら=日本に興味のアメリカ人というのは、私たちが特別情報 サービスしてあげなくても、自分たちで勝手に好きな情報を捕まえて持っ てってしまうものです。
 彼らはいい意味で貪欲です。だから、ちょっとぐらいほっといても大丈夫 なのです。
 アメリカを動かしているのは、フツーのアメリカ人たちです。アメリカ人 の中で日本に興味を持つ人というのは、明らかに、そして、バリバリの少数 派です。さらに悪いことに、今後、その数は増えることはなく、減少の一途 をたどるでしょう。
 こういう時に減りつつあるお得意様の相手ばかりしててもしょーがないで す。アメリカの本丸を握るフツーのアメリカ人たちの中に攻め入って、新規 の顧客を開拓せねばならんのです。
 要するに、私たちが何を言いたいかといいますと、自己満足的及び日本の ご紹介的な「守りの英語」はもういいから、これからはフツーのアメリカ人 を相手にした「攻めの英語」的媒体を作らにゃいかんのう、ということなの であります。
 「攻め」という言葉で思い出したのですが、これからアメリカを攻めよう としている日本企業にとっても、そういう「攻めの英語」を使った媒体とい うのは、是非とも必要なものではないでしょうか。つまり、「広告媒体」と してですね。
 例えば、ビール。
 今、キリン、サッポロ、アサヒが盛んにアメリカ進出しておりますが、彼 らの広報活動を見ておりますと、「いや〜、ご苦労さまですねえ」という気 分になってしまうのであります。彼らの戦略に合う広告媒体がないのです。
 私たちが思いますに、彼らが狙っているのは、あくまでもアメリカ人マー ケットです。それは、アメリカに住む日本人マーケットではありません。 だって、日本人は何もしなくったって、キリン、サッポロ、アサヒを飲むわ けだし、オマケにアメリカに住んでる日本人の数なんて知れてるし、そんな マーケットに働き掛けたって、アメリカにおける会社の未来は切り開けない のは、素人にだって分かるのであります。
 ということで、アメリカ人を対象とした媒体に広告を載せなければならな いのですが、いきなり「NY TIMES」とか「NEW YORKER」に出すのは、ち とツライですね。対象がワイド過ぎますし、広告費も山ほどかかります。
 彼らとすれば、もう少ししぼり込まれた対象にアプローチできる媒体が欲 しいはずです。
 そこで、日本人による英語媒体の登場なのであります。
 さて、この辺でそろそろNut軍団が企んでいる英語媒体像を、「攻めの英 語」媒体、及び、日本企業の広告媒体という観点を絡ませながらお話しする ことにしましょう。
 私たちが考えている英語媒体というのは、ニューヨークの日本食レストラ ンや日本の食料品店に山積みにできる無料紙です。読者はそこに来るアメリ カ人客。部数はできるだけ多い方がよく、理想的には月刊。大きさはタブロ イド版サイズで、中身はすべて英語。広告も当然取れるようにします。
 これまでのようにJapan関係者だけに買っていただくシステムを採用します と、どうしてもその購読者がしぼられてしまいます。ですから無料です。
 「日本食を食べるようなアメリカ人はやっぱりJapan関係者で、フツーのア メリカ人ではないのではないか」という声もあるかもしれませんが、それは ニューヨークでは当てはまりません。すでにこの街では、日本食は市民権を 得ておりまして、日本には興味はないけど、スシやチキンテリヤキは食うとい うアメリカ人の方がいっぱいいっぱいいるのであります。ニューヨークの 日本食レストランには、フツーのアメリカ人もやって来るのですね。
 また、広告の観点から言っても、これはかなりおいしいのであります。
 日本企業、特に先にお話ししたビール会社などがアメリカ人マーケットに 攻め込む際の入口として、日本食レストランに来るアメリカ人というのは、 最適な獲物なのですね。
 少なすぎず、多すぎず、日本ファンではないが、日本食はしっかり食え る。
 こういう人たちをぎゅっとつかまえられる広告媒体があれば、彼らの広報 活動もずーっと楽に、そして、効果的になるはずです。
 てなわけで、媒体の性質についてはそんな感じになります。
 で、問題の「内容」の話です。
 この英語媒体は、基本的には「週刊Nuts」の英語版になります。
 例えば、「日本人のアメリカ人に対する劣等感の問題」「日本人とアメリ カ人の屁の音の違いについて」「アメリカ人男性に簡単にだまされ利用され る日本人女性について」「”イエローキャブ”というイメージを作り上げた 日本人男性のヤキモチ加減について」、そして、最近で言えば「ミスター チェンの問題」などを取り上げたいですね。
 その他にも、「グリーンカードへの道」なども掲載する予定ですし、新し いネタも随時加えていくつもりです。
 私たちとしましては、できるだけコテコテネタで攻めたいと考えていま す。日本の経済や政治などについては、他の媒体が扱っておりますので、私 たちがあらためてグダグダ書く必要はありません。どの媒体も取り上げな い、しょーもない話題についてウダウダ書いていきたいと思います。
 長くなりましたが、以上が「英語媒体の可能性探し作戦」の詳細になりま す。
 これで、Nut軍団の「98年度の作戦」11コのすべての説明が終わったの ですが、それらの他にもオマケ作戦として「ガンバレ地方連合(ガン地連)」 「骨髄移植の危険性調べ作戦」「政治の虫研究会(政虫研)」「日米 カウンセリング・センターを助けよう作戦」「”Nuts世界観光案内”復活作 戦」などがあります。
 このオマケたちも「週刊Nuts」紙面上にてボチボチ転がしていく予定で す。お楽しみに。
 そんなわけで、「98年度の作戦」発表会を終わります。長々と付き合い いただきまして誠にありがとうございました。来週からは通常の「週刊 Nuts」に戻ります。
 それらの作戦のうち、一体どれくらいが実現するんですかね。私たちとす れば、半分行けば上出来ではないかと考えております。
 また、今週の「グリーンカードへの道」はお休みさせていただきました。 ちと調子こいて書きすぎましたね。
 てなとこです。
 では、また来週。
                  「週刊Nuts」編集部
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『Nutsコラム』

『日本政治の馬々虎々』〜第10回 イシュー・ネットワーク 〜
 前回は小沢一郎への賛歌みたいなことを書いてしまいましたので、今回は 民主党の菅直人にからめてお話をします。もちろん、いずれ自民党の長老さ んたちのお話もするつもりです。
 菅直人が理学部出身の弁理士であり、様々な市民運動に参加してきた人で あることは有名ですが、今の政界ではとても珍しいキャリアの持ち主という ことになります。その彼がよく「ネットワーク型政党」ということを叫んで おるのですが、なかなかその本意が国民に伝わっていないようであります。
 ところが、アメリカにいますと、この「ネットワーク」というのが非常に 身近なものでありまして、「菅ちゃん、なかなかええこと言うやん」と思っ てしまうのであります。
 アメリカでも、日本と同じように政官財のアイアン・トライアングルはと ても強固で既得権益を守ろうと必死ですが、その一方で、問題別の人的つな がり=イシュー・ネットワーク(IN)がとてもよく発達しています。IN とは、環境、エイズ、人権、女性などの各分野で「利害」はないけど「関 心」のある、あるいは「問題意識」のある人たちが集まってつくるネット ワークで、活発に運動を展開しています。
 そして、これらのINのおもしろいところは、政府や政党から距離をおく のではなく、むしろ積極的にそのリソースを政党に提供していることです。 日本では、全共闘世代の影響もあって体制へのアレルギーが依然根強いよう ですが、アメリカでは、ゴア副大統領のブレーンとして多数の環境NGOが ワシントン入りするなど、その関係はたいへん緊密です。
 日本では、官僚の特殊法人への「天下り」などが批判されて久しいです が、アメリカでは、政府高官がNGOに「横滑り」し、またNGOの活動家 が政党の人材供給源となっているわけで、その関係に学ぶところは多いよう な気がします。どんなもんでしょうか。
*今回のまとめの詩(うた)
 「悪党の 鉄の団結 批判する
        暇があったら イシュー・ネット 勝人」
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『今週の歌』

「Kマート マクドナルドに 紀伊國屋
         トイレ探して さまようこの頃    ひろ」

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「週刊Nuts」編集部


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