1998年1月27日号(No.203)
目次
*『先週のオマケ』
*『Nutsコラム』
・コラム『道端で哲学』〜”ダマされた!”2時間の白日夢2〜
・コラム『優柔不断』
・コラム『寄り道』〜旅歩記風俗事情編1〜
*『VOICE』
・投書『最悪のコンピュータ・ショップ』
*『グリーンカードへの道・第26話』
*『今週の歌』
*******************
『先週のオマケ』
さて、「先週のオマケ」なのであります。
前回お話しました「英語媒体の可能性探し作戦」について、数人の方から
ご意見をいただきました。今回は、それについて少し書いてみたいと思いま
す。
一番多かったのは「日本語と英語のバイリンガル紙にしたらどうかいな」
というアドバイスでした。
Nuts軍団がバイリンガル紙をつくる可能性は、絶対まったく100%あり
ません。これは、興味がないというよりは、バイリンガル紙にしたら見事に
失敗すると考えているからです。
日本語と英語のバイリンガル紙は、それらの言語を勉強する方たちにとっ
ては、ベリーグッドかもしれません。しかしながら、それは内容的に寒いも
のになりがちです。つい、「同じ内容を日本語と英語で書くぐらいだった
ら、片方はずして内容を2倍にせんかい」と言いたくなってしまうのであり
ます。
もしそのバイリンガル紙が20ページの作りだったら、内容的には10
ページしかないわけで、読んでる方としましても、やたらと損したような気
分になってしまいます。
また、日本語から英語、あるいは英語から日本語の翻訳が邪魔くさい、と
いう理由もあります。そんなことに時間をかけるぐらいなら、別のネタを探
して、それを掲載した方がずーっと読者のためになると私たちは考えていま
す。
だからバイリンガル紙は「ノーサンキュー」なのであります。
あとは、「日本文化の紹介などもやったらどうか」とか「アメリカ人と一
緒に作るべきじゃないか」などという声もあったのですが、これらの意見に
対しても私たちは「ノーサンキュー」とお答えいたします。
これまでに発行された日本人による英語媒体は、「国際交流」という言葉
に押し潰されてきたのではないかと私たちは思うのであります。
媒体の基本は、「おもしろさ」です。「国際交流」だとか「相互理解」な
んちゅうのは、その後に来るべきことです。
ですから、私たちは、まず第一におもしろい媒体作りを目指します。アメ
リカ人も日本人も中国人もリトアニア人もおもしろいと思うような媒体、つ
まり、映画「Shall We ダンス?」的な読み物ですね。
「日本文化紹介」や「アメリカ人との共同制作」などのありがたいお話
は、その媒体がうまく踊り出してから考えるつもりです。
てなとこです。
いろいろと偉そうなことを書きましたが、英語媒体を始めるのはまだまだ
先の話です。のんびりお待ちください。
では。
「週刊Nuts」編集部
*****************
『Nutsコラム』
『道端で哲学』〜”ダマされた!”2時間の白日夢2〜
ある月曜日の午後のことだ。特別寒くもない、快晴の日。
早足でアベニューを横切っている。視界には見慣れたピザ屋。何の変わり
もない、いつもの風景が広がっている。
このまま、まっすぐ行けば友人の家につく。約束の時間には遅れずに済み
そうだ。少し安堵しながらも、速度は変えずに歩き続ける。時間にルーズな
性格には、自分でも常々呆れているのだ。今日は遅れたくない。
ふと、後ろで誰かが大声を出しているのが聞こえてくる。
「ちょっと待って、落としものよ!」
自分のことではないだろう。愛用のショルダーバッグのファスナー部分に
手を触れてみる。ちゃんと閉まっている。
関係なければどうでもいいことだ。歩く脚は止めずにいる。しかしその大
声は背後でまた同じことを繰り返している。
それはどうやら自分に向かって発せられているらしかった。何か落とした
はずはないのだが、完全に無視するわけにもいかない。
振り返ってみると、走って来る大柄な中年女性が目に入る。
「サイフ落としたでしょ!」
満足気に、すりきれたサイフを差し出される。だがそれは見覚えがないも
のだ。その人は肩で息をしながら色々とまくしたてている。
「私がちょうど妹の車から降りたら、そこにいた人がサイフを拾い上げて
いたの。ふと周りを見るとあなたが目に入ったから追って来たのよ。ほら、
初めに見つけた人も今やって来るわ。」
痩せ気味の女性がこちらに向かって来ているのが見える。彼女も安心した
様な顔をして笑っている。親切そうな人たちである。
「でも、これは自分のものではありませんよ。」
否定しながらも少し残念だ。それが自分のもので、大金でも入っていれば
よいのだけれど。しかしそれよりも時間が気になる。こんなことに関わって
いる場合ではないのだ。
今にもキビスを返しそうになる自分の前で、そのふたりはサイフの中身を
確かめようとしている。好奇心で、つい中を覗きこんでみる。
「なんてことでしょう!」
目に入ったのは、初めて見る札束の厚み。一体いくらぐらいあるのだろう
か。かなりの厚さだ。しかし全部がドルではないらしい。外国の札らしきも
のも見える。何しろ、大金であることは間違いがない。
3人で顔を見合わせる。最初に口を開いたのは痩せ気味の人だ。
「これは警察に届けるべきよね。みんなで行きましょうよ。お礼として何
割か貰えるかもよ。」
それを聞いた自分の気持ちは傾きつつある。大金の入ったサイフを拾うな
んてめったにないことだ。ただで少しでも貰えればちょっとした小遣いにな
る。少し良心の呵責はある。しかし警察に行ってみても損はない。友人には
遅れて行くと連絡を入れればいい。
「妹の車がちょうどあるから、それで行きましょう。」
一緒に車に乗り込む。疑惑のかけらもない。今日はラッキーかもしれな
い・・・・・
そんなことをぼんやりと考えていた。
Itsuki Sato
『優柔不断』
やっと創刊されました。マンハッタンの公衆トイレ情報紙「ほっとひと
息」(宝鳥社)。もうみなさんはお読みになられたでしょうか。
日本からマンハッタンに来て本当に困った事。それは”公衆トイレがな
い”という事だった。
日本で26年間生活していて、トイレ捜しに本当に困ったという記憶はあ
まりなかった。
ちょっと下腹部に鈍い痛みを感じれば、その辺に存在しているパチンコ屋
に直行。またはゲームセンター。少し余裕があれば、デパートの小奇麗なト
イレに入って充実感をたっぷり味わう。地下鉄や電車に乗っていても、駅の
トイレはマンハッタンより奇麗で安全。
ところが、マンハッタンでは、当然パチンコ屋なんか存在しない。ゲーム
センターも日本の様にそこら中にあるわけではない。また、デパートのトイ
レというと、でかいデパートに2ヵ所しかなく、長蛇の列。またはいつも故
障中。ファーストフードに行けばトイレはあっても扉がない。本当に困って
しまう。
そんなマンハッタンへの旅行者や滞在間もない人達を助けてくれるのが、
この公衆トイレ情報紙「ほっとひと息」。
今回の巻頭は、マンハッタン内の奇麗なトイレが地区ごとにミシュラン方
式の5つ星で評価されている。また、奇麗好き日本人の使えるトイレが地図
で表わされていて、これはすごく便利。トイレの安全度も、色別で表示され
ていて、安心して用を足せる様になっている。
主要デパートのトイレ配置図、ファーストフードのトイレを無料で上手に
利用する方法や、アメリカのトイレの使用法など、これ一冊あればもうマン
ハッタン内で下腹部の痛みや、強力な尿意のモジモジとも戦わないですむ様
になっている。出かける前にバックに入れておけばもう絶対に困りません。
ずっと我慢して、やっとたどりついた紀伊國屋書店のトイレの中で「ほっ
とひと息」ついたあと、便座に座りながら考えた、くさいこの企画。だれか
具体化してくれないでしょうか。
一番に自分買います。
mee
『寄り道』〜旅歩記風俗事情編1〜
「Shame」
日本に3年程住んでいたことのあるSくんによると、一般イスラエル人の若
者にとって、sexを買うという行為はとてもマイナーなことらしい。
日本では、風俗が日常生活の日課になっている人もいるだろうし、また一
種の「社会経験」とでもいうのだろうか。自分の兄は飲会のあと、「仕上げ
はソープだ!」とバイト先の若旦那に引きずり込まれるように風俗エリアへ
「おつきあい」した。
「マイナーっつったって、全然ってことはないでしょ。ほら、国内じゃな
くても外国旅行してるときとか」「もてない男とかおっさん達とかさぁ、ど
うしてんのよぉ」
しつこく丹念にほじくりました。それでもSくんいわく、「いやぁ、ほとん
どないね」と。
「じゃ、興味本位だけでとかは?」
しつこいねえ。ホントは興味があるのは自分なんだけどね。
S:「興味というか、それはshameですね。恥ずかしい行為、女の人買うっ
ていうのは」。
「Some rostitutes and one wife」
言っておくがイスラエルの若者達は特別禁欲的に育てられているわけでは
ない。彼等の日常生活、かつファッションはアメリカン&ヨーロピァンナイ
ズされている。ところがここで忘れてならないのが同じイスラエル人でもユ
ダヤの教えである。
S:「あ、でもね、宗教家の男の人達の間では結構あるかなぁ」
自:「ほらほらでてきたでてきた」
S:「ユダヤ教の十戒の中で、隣人の妻を寝とるなというのがあって、うわ
きは人を殺すのと同じくらいの罪になってる」
自:「でも娼婦はいいわけだ」
S:「そうね、宗教家の世界はすごく禁欲だからぁ」
自:「その分外の世界で発散したいわけ」
S:「宗教家の家で育った人はSEX自体についてよく知らされてないし」
自:「タブーなわけやね」
でも、というか、だからこそProstituteにご用たしするわけなのかな。の
んきに納得している自分がそれにまきこまれようとは...
実際このときは知るよしもなかった。
KOBAYASHI
********************
『VOICE』
『最悪のコンピュータ・ショップ』
5番街などに多い土産品と一緒に電化製品などを売っている店は論外です
が、大手コンピュータチェーンの中にもずいぶんヒドイ店があるものです。
マンハッタンの6番街と40丁目にあるCという店をご存じですか? 今から
あそこで買い物(とくに高価な買い物)をなさろうという方がいたら、決し
て近寄らないよう忠告します。確かに製品は他店に比べ安いのですが、その
分、店員やサービスの質が最悪(要するに人件費などを極力抑えているのだ
と思う)。店員の商品に対する知識は乏しく、店内はDisorganizedの極
地!! そこで運悪くノートブックを買ってしまった僕は先日、フロッピー
ディスクドライブの調子が悪くなったので修理に出しました。というより、
まだ保証期間内だったので、Appleの指定取扱い店であるそのCを通して新し
いドライブを注文したわけです。
修理に出してから2週間たっても何も音沙汰ないので電話してみたら、
「すっかり忘れてた」という返事。今からすぐに注文するということなので
待っていたら、さらに2週間過ぎても連絡なし(この時点で計1ケ月以上待た
された)。そこで2度めの電話を入れたら「担当者が辞めてわからないの
で、とにかくまた1週間後に連絡して欲しい」との返事。これでプッツンき
た僕はすぐにノートブックを取り戻し、別のApple取扱い店であるR.C.S.とい
う店に持っていった。そこは友達が紹介してくれた所で、サービスは雲泥の
差! 結局、フロッピードライブは注文してから4日で届いた。
みなさん、コンピュータを買うときは店構えが大きいだけでダマされない
ように注意しましょう。
新たな犠牲者を出さないために。
H
*******************
『グリーンカードへの道・第26話』
「”仕事をなくすかもしれないのだ”なんて書いてたけど、あれって冗談
でしょ」
最近、そんなコメントをいただいた。
話はこうだ。
このまま行くと、グリーンカードに「インタビュー完了ね」スタンプが押
される前に、私のプラクティカル・トレーニング・ビザは切れてしまう。と
なると、私が働く会社は、一時的にしろ労働許可書を持ってない者を雇うこ
とになる。
中には、「まあ、ちょっとならいいよ」と言ってくれる会社もあるかもし
れないが、その辺にキビしい会社だと、「だったら、辞めてね」攻撃で来る
可能性もあるのだ。
こんなことになったのも、私がグリーンカード申請の際に労働許可書を申
請しなかったからである。
通常、グリーンカード申請者には、労働許可書が発行される。しかし、そ
れはあくまでも当人が「労働許可書ちょうだい」と申請した時に限られてい
る。
今でも私は思い出す。グリーンカードを申請したあの日のことを。
(と、ここで私はNutsのバックナンバーをピラピラをめくってみる。前に
この日のことを書いたような気がするからだ。えーと、書いてないな・・・・
おっ、あったぞ。なんと第1話に書いてるではないか。去年の7
月15日号に掲載されてる。でも、労働許可書には触れてないな。よしよ
し・・・・と本題に戻る)
グリーンカード申請の窓口にズラリと並んだ列の中で、私はとなりの労働
許可書申請の列を眺めていた。
おそらく彼らは先ほどまで、私が今立っている列に並んでいたのだろう。
それが終わって、今度はとなりの窓口に労働許可書をGetするために並ばねば
ならなかったのだ。
+++++++++++++
かわいそうなキミたち。
ボクはね、一応、プラクティカル・トレーニング・ビザを持ってるから、
そこに並ぶ必要はないのだよ。安心したまえ。
ボクの場合、かみさんがアメリカ人だからね、グリーンカードも比較的早
く発行されるはずなのだよ。ハッハッハ。
だから、ボクは労働許可書は申請しない。ボクが申請したら、後の人たち
がひとり分遅くなるじゃないか。ボクは死んでもそんなことはしな
い・・・・いや、死ぬんだったらやるかもしれなが、とりあえず今回はキミ
たちのためにパスするよ。
おや、もうすぐボクの番だね。この窓口が終わったら、ボクはサッサと帰
るよ。悪いね。
・・・・・なんでボクをそんなに強く見つめるのかね。日本では、それを
「ガンをつける」と言うんだよ。気をつけたまえ。私はキミたちのためにそ
こに並ばんのだからね。
フンとはなんだ、フンとは。キミはちと勘違いしてないか。ボクのココロ
の広さがキミには理解できんのかね。まったく。今からそこに並んじゃう
よ、ボクは。
こうなったら、キミより先に帰ってみせるぞ。なんぜボクは、この窓口で
終わりだからね。そして、あっという間にインタビューで、スタンプバッコ
ンだ。キミはいつまでもそこに並でいなさい。
とうとうボクの番が来たぞ。ワ〜イ。ざまあみろ〜。
++++++++++++++++
その私が、労働許可書がなくて苦しむことになろうとは。
じ〜んせい楽ありゃ苦〜もあるさ〜。
水戸黄門の挿入歌は、間違いなく真実である。
ひろ
**********************
『今週の歌』
「オリーブに 種があるとは つゆ知らず
全力で噛んで 歯 捻挫する ひろ」
下のアドレスを押すとメイルが送れまっせ
投書、意見、感想もどうぞ
Return to Home Page