1998年3月3日号(No.208)




目次

*『”もうひと押し”なのです』
*『Jタウンの意味』〜LAJJ & SFJJ3〜
*『Nutsコラム』 ・コラム『日本政治の馬々虎々』〜第13回 タイタニック〜 ・コラム『ミラー家のヨメ』〜イミグレ奮闘記第二話〜
*『グリーンカードへの道・第31話』
*『今週の歌』
**************************

『”もうひと押し”なのです』

 さて、久々の在外投票についてのお話なのであります。
 2月25日付日本経済新聞の記事によりますと、衆議院の公職選挙法改正 特別委員会、やたらと漢字の多い名称ですが、要するに在外投票に関してな んだかんだと議論する委員会のことでして、24日に行なわれたこの委員会 の与野党協議で、現在、国会に提出されたままになっている在外投票を認め る法案の一部を修正し、なんとか今国会中に成立させてしまおうではないか ね、ということで与野党が合意したのであります。
 まあ、政治家の皆さんが、「私たち、やりますよ」とそのヤル気を表明し たわけでして、それはそれなりに喜ばしいことなのであります。
 しかし、油断はできません。「そうおっしゃったからには、やってもらお うじゃありませんか」的にですね、私たちもその「合意」とやらを前に前に プッシュすべきです。
 そこで、私たちNuts在外投票部では、以前からこの運動をシコシコやって きた「海外有権者ネットワーク・ニューヨーク」と組んで、「在外投票”も うひと押し”キャンペーン」を始めることにしました。
 この「もうひと押し」は、在外投票案成立のための「もうひと押し」です ね。
 で、問題は、何?あるいは誰?を「もうひと押し」するかでありまして、 一応、私たちが押したいのは、上記のなんとかかんとか委員会の理事8議員 の皆さんなのであります。
 ちなみにこの委員会は、委員長、理事、委員の3種類の人間(議員)で構 成されておりまして、今回は、真ん中の理事だけを狙おうとしているのであ ります。
 そのココロはといいますと、私たちがつかんだ情報では、委員会の決定と いうのは、ほとんどが「理事懇談会(略して理事懇)」と呼ばれる非公式の ミーティングにおいて決められるらしいのです。理事懇。まるで合コンのよ うな名前ですが、この委員会で在外投票の件をできるだけ早く始末するに は、まずこの理事懇を攻める必要があると、私たちは判断したのでありまし た。
 理事懇というぐらいですから、そのミーティングにおいてベリー・イン ポータントな役割を担うのは、当然8名の理事議員の方々なのであります。
 ここで、その8議員さんたちのお名前をご紹介しましょう。
 住 博司(自民)、林 幹雄(自民)、細田 博之(自民)、八代 英太 (自民)、田中 甲衆(民友連)、堀込 征雄(民友連)、遠藤 和良(新 党平和)、西野 陽(自由)。*敬称略
 これから私たちは、上記の皆さんを攻めることになります。
 その方法についてですが、郵送あるいはFAXでツンツンしていきたいと考え ております。
 今週から8回に分けて、各議員さんたちの宛名及びFAX番号を下記のように この「週刊Nuts」紙上に掲載します。一応、そのまま切り取って封筒あるい はポストカードに貼れるようなカタチにしてあります。
   〒100 千代田区永田町2ー1ー2    衆議院第二議員会館 311号室    住 博司 衆議院議員様(自民 )    FAX (03)3592-6670    JAPAN
 「私も攻め攻めしたいわ」という方は、左記の宛名部分を封筒かポスト カードに貼って、ご自分の「ひとこと」をサラサラを書き込んで、投函して いただければすべて完了なのであります。FAXの場合は、もっと簡単ですね。 その「ひとこと」を書いた紙を明記された番号に流していただくだけです。
 議員さんに出すということで、非常に形式張った文章を書こうとされる方 もいるかと思いますが、その必要はありません。自然なひとこと、例えば、 「いい加減に決めてください」「投票したいよー」などで十分です。
 また、ポストカードも、絵葉書やその辺のカフェに置いてあるフリーのも ので大丈夫です。気軽にやってください。
 「そんな軽いノリで効果あるのかしら?」という声もあるかもしれません が、心配ご無用です。ある程度の数があれば、必ず効きます。議員さんたち も、海外から手紙やハガキ、FAXをドッともらうことなどないに違いありませ ん。彼らに「私は見られてる」という意識を持っていただければ、このキャ ンペーンの目的の半分は達成したも同然です。
 93年10月から少しずつ積み上げてきたこの在外投票運動にとうとうケ リをつける時がやってきました。
 在外投票の実現にここまで近づいたのは、日本の歴史上、これが初めてで す。”もうひと押し”で待ちに待った在外投票法案が成立します。
 この辺で決めちゃいましょ。皆さんのご支援ご協力のほど、よろしくお願 いいたします。
 では。
                     Nuts在外投票部
********************

『Jタウンの意味』〜LAJJ & SFJJ3〜

 「LAJJ & SFJJ」シリーズの第3弾、「J(ジャパン)タウンの意味」な のであります。
 NYJJの皆さんはすでにご存知のように、ニューヨークにはJタウンが存在 しておりません。ニューヨークにも日本人が密集して住んでいる地域がいく つかありますが、それらはまだJタウンではないのであります。
 LAの「リトル・トーキョー」やSFの「ジャパンタウン」を見れば分かるの ですが、Jタウンと呼ばれる条件のひとつとして、「日系のビジネス(特に 小売・飲食業)が密集していること」というものがあります。
 「日本人がそこにどのくらい住んでるか」ではなく、「日系のビジネスが そこにどのくらいあるか」というのが、重要なポイントとなります。
 日本人がどんなにいっぱい住んでいても、そこに日系のビジネスが存在し なければ、その地域はいつまで経ってもJタウンにはなり得ません。
 ニューヨークではもっとも日系ビジネスが集中的に存在しているイース ト・ビレッジでも、ひとつのストリートがすべて日本語で埋め尽くされてる という状況は、まだ出現しておりませんね。
 ニューヨークにJタウンを作るのには、まだまだ時間がかかりそうです。
 さて、LAとSFのJタウンに関して、まずうらやましいと思ったのは、それ ぞれの地域名、つまり「リトル・トーキョー」や「ジャパンタウン」がその 街の地図に明記されていることでした。
 これはおいしい。とってもおいしい。
 何がおいしいかといますと、その経済的恩恵についてなのであります。
 地図にその地域名が載るということは、それはある意味で巨大な宣伝なの でありまして、それを見た観光客などは「あ、Jタウンがあるわ。行ってみ ようかしら」と足を運ぶ可能性が多分にあるわけで、彼らがお金をセッセと 落としてくれるおかげでその地域は益々繁栄する、という図式なのでありま す。
 要するに、1軒1軒のお店が自分のところで宣伝するのにも限界がありま す。そこで、密集することによって地域規模の経済的効果を引き出すわけで す。
 お金が落ちると、その地域は潤います。そして、また新しい日系ビジネス が生まれ、ついでにそこには雇用も生まれ、新しい日本人たちが流入し、そ こに根付き、今度はその子供たちが弁護士や医者などになることによって、 その地域だけでなく、都市規模で勢力を拡大し、最終的に日系の政治家を生 み出してその民族の発言権を確立する。
 全体の理想的な流れとすれば、こんな感じになります。
 LAとSFのJJ&JAコミュニティの場合、その流れがどこまで実現したかは 私たちには分かりかねますが、少なくともJタウンを作ることには成功した わけですね。
 ところが、両都市のJJの方からよく聞くのが、「ここのJタウンはもうす たれちゃってダメよ」という意見です。昔ほどの勢いがなく、JJもJAも大し て集まらないというのですね。
 ニューヨークに住むJJとしまして、こういう声を耳にしますと、以下のよ うにご返答したくなります。
 「なにゼイタクいうとんじゃ、このアホンダラが!」
 「もうすたれちゃってダメよ」的意見を持つ方というのは、Jタウンとい う物理的武器をまったく理解してないように思えます。また、そういう方々 は大体「私にゃ関係ありまっせーん」という視点でお話しになってますね。 Jタウンの衰退をまるで他人事のように語るのです。
 JJあるいはJAが、その都市で自己主張していくためには、Jタウンは絶対 に必要な「道具」です。そして、使うのはあくまでもそこのJJ及びJAです。
 「ここのJタウンはもうすたれちゃってダメ」なのではなく、「ここに住 むJJ及びJAは、Jタウンをうまく活用できる能力がないからダメ」なのであ ります。
 まったく、ニューヨークのJJ及びJAからしてみればゼイタクな話です。こ こにはまだJタウンさえないんですから。
 今週はとりあえずここまでにしておきます。来週もJタウンについてお話 しする予定です。
 では。
                  「週刊Nuts」編集部
********************

『Nutsコラム』

『日本政治の馬々虎々』〜第13回 タイタニック〜
 映画「タイタニック」、皆さんは見られましたか? 先週、チケットの売り 上げで9億18百万ドルを稼いだといって話題になってましたから、あと 1、2週間もすれば「10億ドル」の大台を突破するのは確実でしょう。
 101歳のローズの回想で始まるストーリーには、ロマンスありスペクタ クルありで観るものを飽きさせませんし、1等客席に乗り込んだローズと3 等客席のジャックによって象徴される当時の階級構造も映画に深みを与えて います。
 豪華客船が沈没して、全体で68%が亡くなられたそうですが、その内訳 では、1等客は40%と比較的少なかった一方で3等客では75%もの方々 が帰らぬ人となったそうです。そしてこうした悲劇の直接の原因は、船の オーナーが航行速度を引き上げるために救命ボートの数を減らしていたこと にあった−−。
 社会のリーダーや裕福な層が自分たちのことしか考えなくなったときに何 が起きるのかを、「タイタニック」はうまく描き出しています。でも、こ れ、決して他人ごとではないですよね。
 豪華客船「日本丸」の航行は、タイタニックよりもひどいかもしれませ ん。救命ボートは積んでない(危機管理がなってない)し、急に舵をきる (六大改革)ものだから、たまたま甲板の端に立っていた乗組員や乗客は海 に放り出されてたまったものではありません。
 安全な操縦席で舵を握る船長(自民党幹部)は乗客(国民)の身の安全に 無頓着。大蔵官僚や国会議員を逮捕するのはいいけれど、最も弱い部分(ノ ンキャリアや無派閥議員)から血祭りにあげていく−−。なんとも見ていて やりきれないものがあります。
 文芸春秋は「ルールは変わったのだ」とうそぶいていましたが、舵をきる (ルールを変える)だけなら誰にでもできます。たとえ自分自身が犠牲に なってでも乗客(国民)だけは守りながらどう「舵をきる」か、それが「政 治」に課せられた真の課題なのではないでしょうか。
*今回のまとめの詩(うた)
 「日本丸 大舵(おおかじ)きって 急旋回
        するならすると 先に言ってよ 勝人」
『ミラー家のヨメ』〜イミグレ奮闘記第二話〜 
 私より一足先に硬直状態から抜け出したダンナは「アポイントメント・レ ター、送ってくれますよね?」と面接官に尋ねた。「面接にはアポの手紙が 必要よー。」というリーガルサービスおばさんの言葉を覚えていたらしい。 彼は今日食べたご飯のメニューも翌日には忘れるくらい記憶力の乏しい人な ので、びっくりした。パニックで脳味噌の奥に押しやられていた記憶が逆流 したらしい。先程まで瀕死の状態であった瞳に「闘魂」の二文字がクッキリ と浮き出ている。「Don't worry! 手紙なんて不必要。追って連絡する わ!」「いらないんですね?」「そっ!」「で、次回はどこから入ればいい んですか?」。彼は食い下がった。
 移民局に入るには幾つかのルートがある。まず、正面。アリの集団も真っ 青という多数の移民希望者達が列をなしている恐怖のエリア。そして、ワー ス・ストリート側に位置する入り口。ここをスンナリと通過するには移民局 からの手紙が要る為、ヒジョーに空いている。彼のネライは、このアポ専入 り口から移民局に入り込むことであった。
 「今度は仮永住権のスタンプを押すだけだから、アポ専入り口からよ。彼 女のスペシャルパスポートを見せればオッケーだからね!」。”PENDING” と面接官のサインが書き込まれた瞬間、私のパスポートは単なる渡航証では なくなったらしい。
 呆気なく面接は終了し、中途半端な気分のまま面接官に背を向けた。とに かく、面接には合格したんだから、あとちょっとだ! 「GOOD LUCK!」。 面接官の嬉々とした声が背後で聞こえた。
                                               香月 葵
****************************

『グリーンカードへの道・第31話』

 いくらケンカ中及び心配事いっぱいの状態でも、腹はへるものである。
 私たちのアパートまで、あと1ブロック半。その先の7丁目の角を曲がれ ばすぐそこだ。
 うちの冷蔵庫には食い物は何も入ってないはずだった。非常時用の「出前 一丁」及び「サッポロ一番」も底をついていた。
 ということは、この1ブロック半の間に、何らかの食物をゲットしなけれ ばならない。この件に関してはかみさんも異論はないはずだった。
 セント・マークスとセカンド・アベニューがクロスする南西の角で信号待 ちしながら、私は右前方に見える店々に目をやった。
 まず一番左手にウクライナ系の大衆食堂。”STOMP”のシアターをはさん でその右横に小汚ないデリ。続いてベーグル屋。ふむ〜。そして、最近でき た7丁目の角のイタメシ屋。
 道の向こう側には、チョイスはこれら4つしかなかった。
 ちなみに、こちら側にはハンバーガー屋、タコス屋、フライドポテト屋な どが軒を並べていた。
 「どちらかというと、こちら側の方が魅力的ではないかね」。私がそんな ことを考えている時、信号が青になった。
 かみさんは、スタートよくセカンド・アベニューをずんずん渡り始めた。 これで、ハンバーガー、タコス、フライドポテトというチョイスはなくなっ た。残るは、ウクライナ、デリ、ベーグル、イタメシのみだった。
 私が声をかける間もなく、かみさんはそのウクライナ系の大衆食堂には目 もくれずに通り過ぎた。
 次に彼女は、”STOMP”シアターの前にたむろしている人々を蹴散らし、 その横にあるデリも無視して歩き続けた。
 「も、も、もしかして、昼間っから景気づけにイタメシですか」。そんな 期待が私の脳裏を走った。
 ベーグル屋の前まで来た時、かみさんが突然その歩くスピードを落とし た。
 「あ、イヤ、・・・」
 かみさんは振り返り、そして冷たく言い切った。
 「ベーグル持って帰るわよ」
 店に入っていくかみさんの後ろ姿をながめながら、ふと見上げると、その 店の名前と思われる”BITE A BAGEL”という文字がデカデカと書いてあった。
 ったく、余計なお世話じゃ。
                         ひろ
********************

『今週の歌』

「グラミーの サリーン・ディオンの あのノリは
            かなり演歌 入ってたなあ  ひろ」

下のアドレスを押すとメイルが送れまっせ
投書、意見、感想もどうぞ

「週刊Nuts」編集部


Return to Home Page