1998年3月17日号(No.210)
目次
*『日本語読み読み事情』〜「LAJJ & SFJJ」シリーズ4〜
*『Nutsコラム』
・コラム『弱肉強食』〜こばなし〜
・コラム『ミラー家のヨメ』〜イミグレ奮闘記第三話〜
*『VOICE』
・投書『ミスターチェンについて』
*『グリーンカードへの道・第33話』
*『今週の歌』
*『在外投票"もうひと押し"キャンペーン』
〜今週の攻め攻め理事議員3〜
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『日本語読み読み事情』〜「LAJJ & SFJJ」シリーズ4〜
さて、「LAJJ & SFJJ」シリーズ第4弾、「日本語読み読み事情」なので
あります。今回は、LAとSFの日本語無料誌などについて語ってみたいと思い
ます。
このテーマにつきまして、私たち「週刊Nuts」編集部はかなり熱いものを
持っております。この「週刊Nuts」も日本語無料紙のひとつでありまして、
同時に、日本語媒体の充実度は、その地区の日本人コミュニティの熟度を明
確に表わすと信じておりますわたくしどもとしましては、今回のネタについ
ては、特に深く深く斬り込んでいかねばなるまいと考えておる次第です。
というわけで、早速始めることにしましょう。
まずLAの日本語媒体についてですが、私たちが注目しているのは以下の1
紙及び3誌になります。
日刊サン(月から土の週6回発行、約1万2千部)
Bridge USA(月2回発行、約2ー3万部)
Lighthouse(月2回発行、3万7千部)
Gateway(月2回発行、約2ー3万部)
これらの他にも羅府新報という昔からある有料の日本語新聞が存在するの
ですが、それはここでは無視しておきます。
ちなみに、日刊サン以外の3誌につきましては、時々ニュージャージーの
ヤオハンに置いてあったりします。もし、川向こうに行く機会がありました
ら、Getしてみてください。
上記の1紙及び3誌のLAJJコミュニティにおける影響力の順位をご紹介し
ますと、1位「日刊サン」、2位、3位を「Bridge USA」と「Lighthouse」
が争い、4位が「Gateway」となります。
日刊サンは、その名の通り、日刊の無料紙です。内容はほとんど日本のス
ポーツ新聞ですね。ウワサによりますと、サンケイ・スポーツの記事を相手
の許可を得て転載しているらしいです。
ページ数は、ここの「OCSニュース」(有料)の3分の2ぐらいの量にな
ります。大きさもOCSと同じタブロイド版です。OCSニュースの発行部数も
1万数千部ですので、その点も似ておりますね。
ですから、イメージとしてはですね、ちょっと薄めのOCSニュースを月曜
日から土曜日まで毎日その辺の日系食料品店や日本食レストランに無料で約
1万部ほど配りまくる、という感じになります。
皆さん、信じられます? あのOCSがサンライズ・マートとかサッポロ・
レストランに毎日山のように積み上げられるんですよ。で、さらに恐ろしい
ことに、LAではその日刊サンが毎日出切っちゃうらしいのです。
もう少し具体的な例をご紹介しますと、サンライズ・マートやサンボクに
無料誌を置くための腰の高さぐらいのラックがありますよね。あれには、
「US JAPAN ビジネスニュース」でしたら、約200から250部ほどが入
るはずです。
先日、US JAPAN ビジネスニュース無料版の新しい号がサンライズ・マー
トに配達されました。私たちの観察によれば、それらは約5日間でなくなり
ました。もし、最初の時点でそこに250部あったとしたら、1日約50部
のペースでハケた計算になります。
あの日本人がいっぱいいっぱいやってくるサンライズ・マートでさえ、1
日約50部しかハケないんですよ、あなた。毎日1万部配るのであれば、サ
ンライズ・マート並の店が約200軒必要になります。
まったく、冗談じゃない。
しかしながら、LAでは日刊サンが実際に存在しておるわけでして、それを
考えただけでも、LAJJコミュニティの巨大さが分かるというものです。
トドメに、LAJJコミュニティには、毎日、日本からの情報が無料で約1万
数千部バラまかれておるわけで、それはLAJJの日本への「近さ」をしっかり
証明しておりまして、また、日刊サン紙上に掲載されるコミュニティ及びク
ラシファイド情報は、LAJJの暮らしの上での便利さを憎たらしいほど表わし
ておるのであります。
たまらんね。
日刊サンについては以上になります。
と終わろうと思ったのですが、ここですね、「ニューヨークで日刊サンは
可能か」ということについてちょっとだけ考えてみたいと思います。
前記のように、ニューヨークで日刊の無料紙を約1万部配るのは、おそら
く不可能に近いのであります。
ただ、それが5千部であればやれる可能性はあります。
やり方はこうです。
まず基本として日系食料品店及びレストランはおさえます。この場合、そ
の範囲は、ニュージャージーのヤオハン、コネチカットのフジマートまで含
めます。
次に、マンハッタン内の日系企業のビジネスオフィスを攻めます。日系企
業のオフィスはミッドタウン及びワールド・トレードセンター付近に集中し
ておりますので、配るのは比較的簡単なはずです。
最後に、街角を攻めます。ミッドタウンの交差点によく無料紙設置用の
ボックスみたいなものがありますよね。あの方法を使うのです。日本人が通
りそうなところに地雷的に設置します。
以上のような方法で、約1年間ほど我慢します。読者の方々が毎日無料紙
をピックアップすることに慣れるのに、そのくらいの時間はかかります。
でも、一度慣れたらもう大丈夫。毎日着実に5千部はハケるはずです。
誰かやってみませんか。
今週はこんなもんで。
では。
「週刊Nuts」編集部
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『Nutsコラム』
『弱肉強食』〜こばなし〜
最近、女性学に興味があります。
あんまり彼女が細いので
どうしていいのかとまどった。
細い足に、長い指
くびれた腰に、赤い爪。
淡い三月 彼女は言う
愛してるわ。
光る五月 彼女はうなずく
理解ってるわ。
月明かりの下の溜息に
大きな時計の刻む声。
僕の腹の下でうめく舌
太陽はまだこない。
信じられない八月に
あんまり彼女が細いので
どうしていいのかとまどった。
腫れた目に、蒼い月
破裂する白いあわ。
−−−−−だから
あんまり彼女が細いので
どうしていいのかとまどった。
横たわる肉のかたまり、
冷たい床
描く赤にとまどう僕の大きな親指の爪。
ねえ、あんまり彼女が細いので
どうしていいのかとまどった。
だれかとめてよ、
まだ動いてる二つのおびえた目。
Stop domestic violence
I
『ミラー家のヨメ』〜イミグレ奮闘記第三話〜
コーヒーを握り締める移民達の最後尾に私はいた。「あとどれくらい待て
ば入れるんだろ」。絶対に並ぶことはないだろうと思っていた移民達の行
列。その最前列に羨望の眼差しを向けた私は落ち込んでいた。とっくにスタ
ンプ貰ってるはずなのに・・・。
1月3日午前9時45分。面接官にウレシイ呼び出しをかけられた私はル
ンルン気分でアポイントメント専用入り口の回転ドアを押した。愛想を振り
まきながらパスポートを取りだす私を引き留めたのはケビン・ベーコン似の
守衛。「手紙!!手紙はっ!」という彼に「PENDING」と書かれたページを
差し出した。これさえ見せればアポ専入り口もオッケー!と(面接官に)太
鼓判を押された「どこでもパスポート」を見た彼は「ダメ!次」というリア
クションを返した。「これ持って10時に来るようにって言われたんですけ
ど」「次!」。ケビンは私を完全に無視すると、アポの手紙を持った移民達
を通し始めた。残された道は一つしかなかった。並ぶしかない。そんなに行
列は出来ていなかったはず。すぐに入れるだろう・・・。
正面にある回転ドアを押し、一階にたどり着いたのは午後2時を少し過ぎ
た頃だった。「とにかく急ごう!」。8階へ続くエレベータの通路にはロー
プが張り巡らされており、守衛が立っている。ロープ無しで通れるのはアプ
リケーションセンターだけ。事情を説明して8階にたどり着いたのは4時に
なってからだった。
面接官を見て、疲れが吹っ飛んだ私はパスポートを開いた。いよいよだ
わ!
「はい!」。目の前に指紋取り用紙が置かれた。「もう一度ね」
「・・・!」。持参するようにといわれたパスポートは一度も活躍すること
もなく、手元に戻された。六時間も並ばされて受け取ったのはどこででも手
に入るシロモノだった。
香月 葵
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『VOICE』
『投書・ミスターチェンについて』
久しぶりにNutsに復活しました。益々いろんな問題をあーだこーだ考えて
楽しんでいます。
さて、私も2月24日号のNeutralのつもりさんの言う通り、2月10日号
のナッティピンクさんはちょっとばかり頭に血がのぼってしまったかなあと
思いました。
でも、この”ミスターチェン”が人種差別又はアジア人に対するステレオ
タイプでないとNeutralのつもりさんが言うのだったら、これは世界を丸く見
すぎていると言うよりは、現実を見ていない気がします。
”ミスターチェン”と呼んだのは、あきこさんをよしこさんと呼んだのと
は、まったく違う精神構造だと思いませんか? これは明らかにアジア人全
体に対する差別からの出来事でムッとするのは当然です。でも、このムッと
するのは、2つの違う種類の感情がオーバーラップしていると思います。
1つは、アジア人全体に対する差別又は一般に人種差別という現実を目の
あたりにつきつけられた不愉快さ。もう1つは、「私は中国人とは違う」と
いうナショナリズム的怒り。
この2つの感情の割合は人によってもちがうし、同じ人でもその時その場
で違うでしょう。「ナショナリズム的感情は私にはない」という人もいるか
もしれないし、そのことだけでプンプンしてしまう人もいるかもしれない
し、ほとんどの人はまざった気分で後者の感情に対して「いかん、いかん」
と思ったりするのではないでしょうか。
NYに住む日本の人達は、生活していくにしたがって自分達を日本人とくく
るよりはアジア人とくくるようになってくる人が多いのではないでしょう
か? 多かれ少なかれ、日本は一番と思う事はあるにしても、あからさまな
人種差別をするNY在住日本人は少ないと思う私はあまちゃんですか?
だから自分の奥深くにひそむナショナリズム的な思いにフォーカスして反
省するのもいいけれど、私はこういう人を平気で侮辱できるウエイターの様
な人がどのように発生するのかが知りたい(日本にもこういう人いるもん
ね)。そのウエイターの言い分を教えて下さい。
あとアジアに対する無知さもなんとかしたいねえ。みんな他の国や文化の
事学ぶようにしたいよねえ。そしたらだんだんわかってくるかなあ、中国人
と日本人のちがい。大阪人と東京人のちがい。山の手と下町のちがい。川む
こうとこっちの・・・ははは。
P.S. 聞く所によると、アジアの男の人を”ミスターチェン”と呼ぶのは
チャーリーチェンという主人公がいる昔の人気TV番組から来ているとか。
佐助
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『グリーンカードへの道・第33話』
私たちはすっかり遅くなった昼メシを買うためにその”BITE A BAGEL”
というベーグル屋に入った。
かみさんは入るなり、レジのところに立っていた中近東系の顔をした男性
にオーダーした。
「エブリスィング・ベーグルとクリームチーズひとつ。あんたは?」
「オレも同じでいいよ」
「同じヤツ、ふたつちょうだい」
「OK」
彼はエブリスィング・ベーグル2個をカゴの中から取り出し、私たちに背
を向けながら、カッティング・ボードの上のベーグルに今にもナイフを入れ
ようとしていた。
その時、かみさんが彼の背中に向かって冷たくいった。
「ちょっとあんた、手袋つけないの?」
彼の背中がビクリとするのが分かった。そして、彼はゆっくりと振り向い
た。
かみさんは攻撃の手をゆるめなかった。
「普通、手袋つけるじゃない。ちゃんとつけてからやってよ」
彼の目には「ちくちょう、このアマー」という言葉が浮かんでいた。が、
彼は何も言わず、横にあったビニール製の手袋をつけ、再び2個のエブリ
スィング・ベーグルに向かった。
そこでまた、かみさんのひとこと。
「ねえ、そのベーグル、取り替えてくれる? 素手で触ったんでしょ」
その言葉を聞いた時、彼の身体が一瞬完全に静止するのがわかった。
彼はそのままかみさんとは視線を合わせずに、その2個のベーグルをカゴ
の中に戻し、新たに2個を取り出した。
カッティング・ボードに戻ろうとする彼と私の視線が一瞬交差した。そし
て、私はそれを合図とするかのように、かみさんに言った。
「ほら、あれとあれが素手で握ったベーグルぜ。よく覚えとけよ」
再び彼の身体が硬直した。
おそらく彼にとって私たちは最悪のカップルであったに違いない。まあ、
ちょっと運が悪かったのね。
それ以後、私たちは2度とその店に戻ることはなかった。
ひろ
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『今週の歌』
「冬くんの 悔しさ非常に わかるけど
今ごろ雪じゃ 遅すぎるよキミ ひろ」
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『 在外投票"もうひと押し"キャンペーン』
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