1998年5月12日号(No.218)




目次

*『菅さんと小池さん』
*『日系人とはオサラバね4』
*『Nutsコラム』 ・コラム『ミラー家のヨメ』〜イミグレ奮闘記第五話〜
*『編集後記』
*『グリーンカードへの道・第39話』
*『今週の歌』
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『菅さんと小池さん』

 さて、「菅さんと小池さん」のお話なのであります。
 先々週から先週にかけて、民主党代表の菅直人衆議院議員と自由党の小池 百合子衆議院議員が、ニューヨークで講演されたのであります。今回は、そ れについてグダグダと語ってみたいと思います。
 このふたつの講演会に関して、Nuts軍団が注目していたのはですね、「海 外の日本人という新しくオープンした票のマーケットに対して、どのように 1発目のアプローチをかけるのかしら?」ということだったのであります。
 結果から先にお話ししますと、「無残」のひとことに尽きます。
 ニューヨークでは、過去に何回も日本の国会議員による講演会が行なわれ てきたのですが、これまでは「日本の状況説明でございます」的なものばか りでした。今回の2つの講演会もその延長線上にあります。
 ただ、菅さんの講演の後、今回菅さんと一緒にいらっしゃった民主党議員 の方にNuts軍団のひとりが「今日の講演会、どうだった?」と聞かれ、その 者が「いや〜、ちょっとユルかったんじゃないですか」とコメントしたとこ ろ、「でも、他の政治家よりもずっといいんだよ」と言っておられたように ですね、菅さんはこれまでニューヨークで講演した政治家の中では、かなり いい方なのであります。
 でも、私たちが注目していた「海外の票マーケットに対するアプローチ」 という点においては、ユルユルだったのであります。
 小池さんの場合は話にもなりませんでしたね。
 確かに、在外投票もできたばっかりですし、こちらに住む日本人のことな んて永田町の方々はほとんどご存知ないわけでして、いきなりニューヨーク に来たのをつかまえて、「ほら、わしらに関してなんか気の利いたこと言 え!」というはちょっとヒドイかしら、と思わないこともないのですが、で も、もしNuts軍団が民主党あるいは自由党のアメリカにおけるキャンペー ン・マネージャーだったら、在外投票できたてホヤホヤ状態のこのグッド チャンスを最大限に活用したわね、と考えるのであります。
 繰り返しになりますが、在外投票は先月の終わりにできたばっかりなので あります。ですから、今、こっちに住む日本人、特に日系マスコミは、今回 のような講演会においては「在外投票について、あるいはこっちの日本人が 抱える問題について何か言ってくれるんじゃないかしら」的に待ち構えてい るのであります。
 また、こちらの日系マスコミは、日本のマスコミとは違って、こちらに来 る日本の政治家に非常に好意的なのであります。いきなり噛みついたりはし ません。ですから、いつもマスコミに悩まされている永田町の皆さんにとっ て、アメリカというのは夢のようなところなのであります。
 ところがドッコイ、永田町の方々は、そこんところがわからんもんですか ら、2000年か2001年に行なわれる初の在外投票に向けた党のイメー ジ向上のためにそういうラブリーな日系マスコミを積極的に利用しなくっ ちゃ、てなとこまでは気がまわらんのですね。
 もし今回、菅さんなり小池さんなりが、海外に住む日本人が抱える問題、 たとえば海外子女教育について、「わしらは、ちゃ〜んと考えてるのよ」風 な発言をひとことでもしたならば、こちらの日系マスコミは大政翼賛会的に 「おー! 私たちのこと考えてくれてるんだわ。すばらしいザマス。パチパ チパチ」報道をしたはずなのであります。それってすんごい党の宣伝にな るって思いません?
 「でも、2000年までまだ2年もあることだし、まあ、ノンビリ行きま しょか」というのが、永田町の海外票に関する一般的な考え方かもしれませ んが、物事にはやはりタイミングというものがありまして、それをいかに効 果的に活用するかというのがポイントになるわけで、また海外というのは日 本ほど日本語メディアが充実してないせいで宣伝というのが非常にやりにく く、だからこそ限られた機会をフルパワーで生かしていかねばならんのであ ります。
 しかしながら、今回のおふたりといいますか、2つの党は、この好機を見 逃し三振しっちゃたんだから、まー呆れちゃうわよねー。
 先にお話した民主党議員の方が「選挙の時は、私たちは海外までキャン ペーンに来ますからね」とおっしゃってたらしいのですが、それは当然他の 党も考えることなのであります。ですから、その方法だけでは、他党とは差 別化できんのです。
 「できるだけ金と時間と手のかからない方法で、他の党に差をつける」。 これしかありませんね。
 そう考えると、今回の菅さん小池さんという顔ぶれ及び在外投票できたて ホヤホヤ状況というのは、とってもとってもおいしいオポチュニティーだっ たのですが、いやはや残念なのであります。
 各党の皆さん、海外に住む日本人はすでに皆さんのお客さんです。100 万人の新しいカスタマーなのです。余計なお世話かもしれませんが、そこの ところを少しご考慮いただければ、海外に住む日本人にとっても皆さんに とってもかなり幸せな展開になると思うのですが、いかがなものでしょう か。
 では。
                   Nuts在外投票部
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『日系人とはオサラバね4』

 さて、「LAJJ & SFJJ」シリーズ第5弾、「日系人とはオサラバね」の4 回目なのであります。
 ここ数回にわたって、「海外日系人大会」についてグダグダ文句タレとる わけですが、ちょうどいい具合に今年の「海外日系人大会」が先日閉会いた しまして、同大会に関する記事が5月8日付けの朝日新聞に掲載されたので あります。
 この記事は、今回この大会に参加した海外に住む日本人(Overseas Japanese=OJ)及び日系ナニナニ人の方々から日本政府に提出される予定の 要望書について書かれたものなのですが、その要望の中にこの「海外日系人 大会」が抱える問題点が潜んでおりますので、ここで少し取り上げてみたい と思います。
 本題の「要望」に入る前にひとつだけ指摘しておきますと、この記事は 『十三ヵ国の海外在住日系人三百人余りが参加し』という言葉で始まるので すが、「週刊Nuts」紙上で度々お話ししましたように、この大会には、日系 ナニナニ人だけではなく、OJも山のように参加しておるのであります。
 ですから、『十三ヵ国の海外在住日本人及び日系人三百人余りが参加し』 という表現が新聞紙上では正しいのですね。
 今年の「要望書」の最初には、在外投票のことが明記してあります。「在 外投票をできるだけ早く完全なカタチにしてチョンマゲ」という内容です。 まずこれがおかしいですね。普通に読みますと「なんで日系人が日本の選挙 権のことをグダグダ言っとるわけよ」ということになるのであります。
 また、別の要望として、「現地語を母国語とする二世、三世のための日本 語教育への支援」というのがあります。
 Nuts軍団としましては、これはとってもいいアイデアだと思うのですが、 一方で、それと同時に話し合うべきこともあるんじゃないかしら、とも考え るのであります。
 ある資料によりますと、日系アメリカ人の家庭は、他のアジア系アメリカ 人に比べて、家庭での祖国語の使用率が異常に低いのであります。他のアジ ア系の家庭では、80%以上が祖国語、たとえば中国語とか韓国語、ベトナ ム語をしゃべってるのにもかかわらず、日系の家庭では40%ぐらいしか日 本語を話してないらしいのです。
 二世、三世のための日本語教育を支援するのは、すごくいいことだと思い ます。ただですね、それと同時に「なんで日系アメリカ人は、他のアジア系 に比べて、家庭の中でその祖国語を使う率が低いんでっしゃろ」ということ を話し合うべきなのであります。
 そして、そういうことこそ、この「海外日系人大会」でワイワイガヤガヤ 議論したらいいのであります。
 トドメに、今年の要望書には「日本人留学生の問題行動や不法行為に対す る教育界や関係業界の有効な対策」というのが入っております。
 この要望に関する詳細を記事から抜粋しますと、『さらに米国やカナダか らの参加者から「最近、大学生、高校生の無自覚な留学生が増え、麻薬や金 銭トラブルに巻き込まれて、長年の日系社会の信用を落としている」などの 苦情が相次ぎ、留学あっせん業界を含めた対策を求めた』となるのですが、 これにつきましては、元留学生及び現役留学生で構成するNuts軍団も真剣に 受け止めねばならんと思うのであります。
 ただですね、この要望がサウンド的に「日本政府さんよ、ちゃ〜んとそっ ちで教育してから大学生とか高校生とか送ってちょうだい」と言ってるみた いで、私たちはちょっぴりムカムカしてしまいます。
 先にもお話ししましたように、この大会には「海外日本人大会」的要素も あるわけでして、それならば海外で勉強する留学生たちも当然その一員なの であります。
 しかしながら、実際には日本人留学生はこの大会にほとんど参加しておら ず、といいますか、その大会名上、「なんでわしらが参加せんといけんの よ」状態でして、完全に仲間ハズレにされとるのであります。
 確かに海外の日本人留学生がいろんな問題をクリエイトしてるのは事実で す。そのことは、当事者である留学生も、どちらかというとその味方である Nuts軍団もしっかりと噛みしめるべきなのですが、本来なら留学生が参加し ててもおかしくないこの大会で、彼らヌキで「留学生はけしからん」とプン プン怒ってる図を見ますと、正直言って、「あんたら、一体ナニサマのつも りじゃい」と思ってしまうのであります。
 Nuts軍団とすれば、この大会に日本人留学生も参加できるようにして、少 しは彼らの言い分も聞いてあげたらいいのにと考えるのですが、どんなもん でしょうかね。みんなで話し合いながら問題解決の糸口を見つけるのです。
 また、いくら日本政府に「留学生をなんとかしてや」と言ってみても、日 本政府自体が留学生たちを模範的日本人にするために教育できるわけがない のですから、これについてはOJも含めた日本人全体の問題として取り上げた ほうがいいのではないでしょうか。で、まず手初めとして、この大会で日本 人留学生問題について「みんな」で話し合うことからスタートするのです。
 以上、今年の「要望書」に関する私たちNuts軍団の感想でした。
 では。
                    「週刊Nuts」編集部
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『Nutsコラム』

『ミラー家のヨメ』〜イミグレ奮闘記第五話〜
 「こーなったら徹底的にやったろーじゃん!」。従順になってバカをみた 私達はアメリカ的に脅しをかけることに作戦を変更した。親戚に政治的有力 者がいない私達は「作戦その一、弁護士を雇う」を実行に移すため、とある 弁護士事務所に電話した。事情を話し終えた後、秘書らしき女性は言った。 「指紋待ちの状態なら、私共は何もできない状態なのですが・・・」 「・・・・・・」
 やっと弁護士を雇う決心をしたのに見事に玉砕したので、「NYANA」とい うひいきの格安リーガルサービスの担当者に連絡を取った。以前払った報酬 の元を取らなきゃ。「最後まで面倒見る」のがポリシーのはずだし・・・。 しかし、担当者ミセス・スコットに会うためのアポは二ヵ月先までふさがっ ていた。「作戦二、リーガルサービスに何とかさせる」はあっけなく失敗し た。
 「何とかしないと、強制送還させられてしまう!」。学生ビザが切れて、 7ヵ月になる私は新移民法によると立派な不法滞在者であった。「結婚を通 じて永住権を申請中の者でも国外退去」というニュースは私の脳裏にピタ リ、とくっついて離れない。「くそーっ! 子供でも生んどくんだっ た!!」。作戦三が浮かばない私は頭を抱え込んだ。
 「良いアイデアがあるよ」。私達と同時期に面接をしたカップルが思わぬ 情報をくれた。自分たちの手続きが何処まで進行しているか調査してくれる 機関があるという。私達は早速そこへ向かった。調査会社はチャイナタウン のエリアにあった。「調査の結果は面接官次第だけど、今より新しい情報が 手に入ると思うよ」。一通り説明し終わった調査員氏が料金表を差し出し た。
                    香月 葵
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『編集後記』

 今週はカタい話ばかりになってしまいました。誠に申し訳ありません。
 「コミラジNuts」作戦の続きも今号に掲載する予定だったのですが、ス ペースがなくなってしまいました。それにつきましては、再来週号に掲載し ます。
   なんで来週号じゃなくて、再来週号かといいますと、Nutsh編集部では、来 週号で「白人男性&日本人女性問題」に関する投書を特集するのでありま す。
 ナッティ・ピンクさんの投書以来、この論争に火が付いてしまいまして、 その件に関する投書がガンガン送られてきております。中にはかなり過激な ものもあったりなんかして、私たち編集部もなにやらウキウキしてしまうの であります。
 それらを次号で一気に掲載します。お楽しみに。
 では、また来週。
                   「週刊Nuts」編集部
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『グリーンカードへの道・第39話』

 長い半日だった。
 今日できることはすべてやった。インタビューは見事にパスしたが、指紋 でコケた。ついでにかみさんもキレた。
 でも、一応、今日のすべては終わった。
 私がキッチンのテーブルについた時、かみさんはそのエブリスィング・ ベーグルの最後の一口分を食べるところだった。
 私も自分の分を袋から取り出し、無言のままそのベーグルにかぶりつい た。
 キッチンにベーグルを噛む音だけが響く。
 お互いに視線は合わせないで、ただ黙々とベーグルを噛む。
 かみさんは、その最後のベーグルをゴクリと飲み込んだ後、私をジロリと 見た。私もベーグルに噛みつきながらかみさんをジロリと見返した。
 しばらくの沈黙。そして・・・
 「ガッハッハッハッハッハ」「ハッハッハッハッハ」
 ふたりは堰を切ったように大声で笑い始めた。
 お互いに右手を中に差し上げ、パチンと合わせてハイ・ファイブ。
 ふたりはそのまましばらく笑い続けた。
 彼女の笑顔を見ながら、私は心の中でつぶやいた。
 「うちのかみさんは、ボクの親友なんです・・・」と。
   そうやって私たちの8月6日は終わったのでした。
 はい。
                     ひろ
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『今週の歌』

「この街に 来て3年の 君の死を
            悲しむように 降る涙雨  ひろ」

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「週刊Nuts」編集部


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