1998年8月4日号(No.230)
目次
*『がんばれ永田町リスト5』
*『白男&日女問題投書集3』
*『Nutsコラム』
・コラム『ミラー家のヨメ』〜イミグレ奮闘記第8話〜
*『VOICE』
・投書『エリス島移民博物館にて・その3』
*『グリーンカードへの道・第47話』
*『今週の歌』
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『がんばれ永田町リスト5』
さて、「がんばれ永田町リスト」作戦の第5弾なのであります。今週は、
前回お話ししましたリスト掲載の基本条件:”ナンシー”の詳細について、
チンタラ語ってみたいと思います。
念のため、ここでもう一度それらの6つの条件をご紹介しますと、1)頑
固であること、2)無茶ができること、3)弁が立つこと、4)挑戦的であ
ること、5)カラっとした性格であること、6)選挙に弱いこと、となりま
す。
それぞれの説明に入る前にこの作戦が目指すものを復習しておきますと、
私たちNuts軍団が今回の「がん永リスト」を通してやろうとしているのは、
日本の政治の中に「変わる力」を植え付けることなのであります。もっと詳
しくいいますと、その時その時の状況を変えることのできる政治家を育てる
ことなのです。
ですから、”ナンシー”の6つの条件に関しても、そういう視点、つまり
「その時その時の状況を変えることのできる政治家を育てる」という意図が
色濃く出ているはずです。
それでは、そろそろ6条件の説明に入ることにしましょう。
1)頑固であること
これは、政治家がお互いに主義主張をぶつけ合う際の非常にインポータン
トな要素なのであります。特にですね、日本では物事をグイっと変えようと
する場合、まわりから激しいバッシングを受けがちですから、フラフラした
考え方の持ち主では、周囲の意見に左右されて、結局何もできんということ
になりがちなのです。やっぱり政治家はしっかり頑固でないといけません。
2)無茶ができること
物事を変えるということは、それまでのやり方を否定して、新しいアイデ
アをある意味「押しつける」ことなのであります。出る杭は打たれ、前例が
ないことは認めない日本文化におきましては、そのような行為を一般に「無
茶」と呼んでおります。ただ、物事というのは、それまでと同じようにやっ
てたらフォーエバー変わらんわけでありまして、本気で変えるのなら、誰か
が無茶せにゃならんのであります。
民主党の菅直人党首が厚生大臣だった時にやったことは、それまでの日本
政治文化においては明らかに「無茶」だったのであります。でも、菅さんの
「無茶」のおかげで状況がグググーっと変わったのですね。「無茶」やらん
と日本は変わりません。
3)弁が立つこと
これは本来、政治家の基本ですね。ただ、日本の政界には「言語明瞭・意
味不明」の人間が多過ぎまして、さらに「それが政治家だ」という空気が
漂ってるんですから、涙が出てまいります。
国会で働いてる政治家の第1のお仕事というのは、国民に語りかけること
なのであります。仲間内でウダウダ作戦会議やるのは、そのずーっと後に来
ることなのです。そこんとこをクリアーに理解しとる政治家というのが、日
本にはあんまりおらんのですね。ですから私たちが応援する人には、きちん
とした語り部であってほしいのです。
4)挑戦的であること
状況に対していつも従順である人間には、物事を変えることはできませ
ん。だってその人は大きな流れに乗ってるだけですからね。私たちが欲しい
のは、その流れに逆らって泳ごうとする人たちなのであります。いかに流れ
が速くても、そこに喜々として飛び込んでいくような政治家です。そういう
人は日本人全体の中にも少ないですね。でも、時代が必要としているのは、
そういうマゾ的な「明るい変態」なのであります。
5)カラっとした性格であること
これは論争する際に関係してくる要素なのであります。
日本人というのは、ディベートする時、感情的になり過ぎるきらいがあり
ます。反対の意見をぶつけられると、自分の人間性を否定されてるように感
じるのですね。そして、その怨みを持ち続けるのです。要するに、「これは
これ、それはそれ」という見方ができんのです。困ったもんですな。
で、そういう心をコントロールできない人たちっていうのは、物事を客観
的にじゃなくて、感情を十分込め込めの主観的に見がちなのであります。感
情中心で動く政治家は危険です。はっきり言って、そんな政治家いらんのよ
ね。
ですから、少なくとも私たちは、物事を鉄のような心で冷静に見れる、8
月の沖縄の空のようなカラっとした性格の政治家を応援したいと思うのであ
ります。
6)選挙に弱いこと
日本の政治の不幸な点は「日本をどうのこうのしたい」という人間ではな
く、「政治家になりたい、政治家でいたい」という自己中心主義的な輩が永
田町に集合しておることなのであります。
このような人たちは、通常、自分が政治家であり続けるために必要なこと
だけにその政治生命を捧げます。簡単に言えば、「選挙民のご機嫌取り」で
すね。
新幹線の駅作ったり、道持ってきたり、橋作ったりなど、自分の地元の
人々がハッピーになることのみに全力を尽くし、国政を無視しがちなのであ
ります。
反対に、日本全体のことを考えてる政治家というのは、どうしても「駅・
道・橋」3点セットなどの地元へのお持ち帰りがユルくなってしまいますの
で、選挙民たちにそっぽを向かれる傾向にあります。まあ、そっぽを向いて
しまう選挙民にも十分問題があるのですが、それについては、ここでは言及
しません。
ただ現実としまして、今の日本に必要なのは、後者のような「日本全体の
ことを考えてる政治家」です。で、その人たちを応援できるのは、やはり
「日本全体のことを考えてる選挙民」になります。
「では、そういう選挙民がどこにいるのか?」という話になるのですが、
そりゃアナタ、海外にいっぱいいるじゃないですか、「日本全体のことを考
えてる選挙民」が。
日本の人たちが「日本全体のことを考えてる政治家」を応援し始めるのに
は、少し時間がかかります。彼らは、もうしばらくはそういう視点を持ちえ
ないと私たちは考えています。
でも、今、時代が必要としているのは、永田町に出稼ぎにきてる地元主義
の「選挙に強い」人たちではなく、日本を考える「選挙に弱い」政治家たち
です。そして、そういう政治家を応援することこそ、私たち海外に住む日本
人の役目じゃなかとね、と私たちは思うのであります。
皆さん、”ナンシー”の全体像がおわかりになりましたでしょうか。
というわけで来週は、私たちNuts軍団が、「この人たちは結構いい線行っ
てるわね」と考えてる政治家及び政治家予備軍をご紹介したいと思います。
お楽しみに。
では。
Nuts政虫研
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『白男&日女問題投書集3』
『投書』〜日本人男性について〜
ちょっと古いんですけど、去る5月19日付けの『The Village Voice』
の「Woman seeking Man」コーナーにこんなのがありました。
Japanese Man Only
SWF 32 *独身白人女性 32才
Ph.D, Slim *細身の博士号取得者
ISO *In Search of(探してる)
nice, intellectual & tall Japanese man
" Shall We Dance? " Type
Non Smoker please TEL:*********
友人がTELして教えてくれ、「驚いた! 日本の男がいいって人もいるの
ねェ」「このTypeって、まさか竹中直人じゃないよね」「竹中直人はnice
だったか!?」というぐあいに会話をし、めったにないことと思ったので書
きとめてしまいました。
この肩書きの人とちゃんと会話するには、相当の英語力がいるだろうけ
ど、日本人と指定してるくらいだから別にかまわないのかも・・・とりあえ
ず日本男性も捨てたもんじゃないとちょっとうれしかった覚えがあります。
レモネードさん(6月23日号掲載)のいう通り、日本男性を見直さなくて
はいけませんね。
ホンダのピカピカの車に乗る時、油にまみれてバイクを修理してた本田さ
んを、紅花で食事をする時、裸一貫アメリカに来て、ハーレムで屋台をひっ
ぱって歩いたという(なのだそうだ)ロッキー青木さんを忘れてはいけませ
ん。底力があるんですね、とくに敗戦後の日本の復興に力をそそいだ人達
は。
ところで先日、知り合いからTELがあり、表現豊かなA子さんは突然日本に
帰ることにしたのだそうです。何が彼女に里心をおこさせたかはわかりませ
んが、心を決めたA子さんは、この不況の日本に勇敢にもレジメを送りまく
り、帰国後の職場を見つけてしまったそう。
彼女の英語力はというと、アメリカ人と対等にガンガンけんかできる程
(スラング使わず)というから、彼女なりに頑張って生きた英語を身につけ
たのだと思います。
日本人とは一生SEX しないと言ってた彼女ですが、帰国後はどうするの
か。私は直接の友人ではないのでわかりません。
Kumiko
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『Nutsコラム』
『ミラー家のヨメ』〜イミグレ奮闘記第8話〜
ダンナは50ドルの話を聞いてあきれながら、突然言った。「うちの地域
を統括するコングレスマン(下院議員)に電話しよう! なんとかなるよ」
私は当たって砕けろ!に近い心境でうなずいた。
落ち着かない日々を過ごして5日がたった。私達のコミュニティ担当の議
員のオフィスはハーレムのど真ん中にあった。とまどいながら125丁目を
東目指して歩いていると、物売りの人達が目に付いた。
「うらやましいなあ!」道ばたでサングラスを売っているラスタのブラ
ザー達は私にとって憧れの存在になった。彼らは生まれたときからアメリカ
市民なのだ。イミグレで苦労しなくてもいい。「サングラス買わない?」
「いらない(それよりあんたの市民権売って!)」5分ほど歩くと、目的の
ビルが見えた。
移民問題担当の係員は席に座ってラジオを聞いていた。楽しげな音楽が流
れている。リズムをとる気分じゃない私達は彼女に声をかけた。
「移民の申請をしてもう1年近くになるんですけど、指紋のところでトラ
ブッてるんです」「不合格だったの?」「そうじゃなくて、不鮮明だって
突っ返されましてね、それ以来何の進展もないんです。もう7ヵ月になるん
ですよ」彼女はリズムを取りながら調書を取り続けた。
「ところで、いつ結婚したの?」「はっ? 確か9月だったかな?」突然
の質問に夫は寝ぼけたような口調で応対した。「違うでしょ! あの、5月
16日です!」「へーえ」
素早く間違いを訂正した私と目があった係員の瞳は、最初とは違う疑惑の
色をしていた。私達夫婦は「明らかに挙動不審な偽装結婚のカップル」とい
うレッテルを貼られてしまった。移民の味方のあねさん口調から、尋問口調
になったことに気付いた私達は、お互いの顔を見合わせた。ホントに結婚し
てるんですってば!
ココロの叫びは、サルサの音に掻き消された。
香月 葵
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『VOICE』
『投書』〜エリス島移民博物館にて・その3〜
この後、戦争の影響で二世たちの地位は「下の下」までおとしめられ、50
年代までは市民権はおろか土地の所有権まで奪われたといった話が続いた。
友人「ところで日本に7年住んだと言いましたが、日本はどうでしたか?」
J「もちろん嫌な経験も少しあったけど、全体的にはとてもいい印象を持っ
ています。人々も親切だし。アメリカでは私達のことをみんな“ジャパニー
ズ”と呼びますけど、日本人から見れば私達は“アメリカ人”なんですね。
それにはちょっとガッカリしました。特に最初のうちは日本語もあまり話せ
なかったので苦労しました」
二世が拒否した日本人としてのアイデンティティーを、いま、三世以降が
必死に取り戻そうとしている。今回の話からは、そんな印象を受けた。この
国で長期間生活した人ならわかると思うが、アメリカにおいて民族的アイデ
ンティティーがないというのは、プールに浮かべたタライの上に立っている
ようなもので何となく落ち着かないものだ。しかし同民族(人種)に対する
愛情は時に、他民族(人種)への憎しみと変わることがあるから厄介だ。そ
ういえばトィンビーも「愛国心は敵を憎むことから始まる」みたいな事を
言ってたっけ。ふと、W杯サッカーのフーリガンのニュースを思い出す。こ
の問題を根本的に解決するにはやはり徹底した混血政策しかないのだろう
か? 世界の人間が完全に混血化するにはあと何世紀待てばいいのだろう?
うーん、むつかしい。
原口光弘
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『グリーンカードへの道・第47話』
「つまり、なんだね、私のプラクティカル・トレーニング・ビザ(PT)が
切れる前に、今申請しようとしてる労働許可書が発行されれば、私は安心し
てこの忌々しいイミグレ・ビルを出れるわけよ。もし今日この場で発行して
くれちゃったりしたら超ラッキー。お祝いにかみさんと一緒にサッポロにご
飯食べにいくね(うむ、サッポロというところがシブイな)」
「私のPTは、97年10月21日に切れることになっている。ちなみに今
日は8月15日。あと2ヵ月以上あるではないか。心配することはないわ
ね」
「でも、相手はイミグレよ。気をつけなくっちゃ」
「そうよ、そうよ。ビー・ケアフルよ」
私は、以上のような会話をひとり頭の中で展開しながら、自分の番がくる
のを待った。
そして、とうとう私は、23番窓口の列の一番前に来たのである。
一応、「ハ〜イ」と挨拶し、持ってきた書類と自分のパスポートをガラス
の向こうにいる若僧に渡す。
若僧、その書類をチェックする。彼の視線がナメるようにして紙面の上か
ら下へと流れていく。視線の立ち止まりはなかった。問題ナシということ
だ。
それから彼は、私のパスポートを手に取って開いた。おそらく私が、グ
リーンカードの面接の時にもらったケース・ナンバーを探しているのだろ
う。
「もうちょっと後ろのほう。そう、その次のページ」と思わず声をかけて
しまった私。
彼は机の下からある書類を取り出し、それに何やら書き込み始めた。
なんとなく見覚えのある書類だ。グリーンカードの面接日にイミグレ・ビ
ルの入口でそこのガードマンたちに「ボク、今日面接だも〜ん」と提示した
紙も確かあんな感じだった。ということは、またその紙を持ってここに戻っ
て来なければならんわけだ。おそらくその時に労働許可書が発行されるに違
いない。う〜ん、サッポロはなしね。
今日もらえるという可能性が消えると、私の興味は当然、「では、いつも
らえるわけ?」という点に移った。
彼のペンが「DATE」という欄に置かれた。そしてペンは、走ったのであ
る。
「Oct. 20 '97」
97年10月20日。
慌ててPTを見る。「EXPIRES : 10-21-97」
97年10月21日。
1日違いは大違い・・・
嬉しいような、腹立たしいような、そんな複雑な気持ちで、私は、彼のペ
ンが走った後をぼんやりとながめていた。
ひろ
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『今週の歌』
「見た目には ギラギラ太陽 夏だけど
日差しにはもう 秋のニオイが ひろ」
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