1998年8月18日号(No.232)
目次
*『円安だからこそ・・・』
*『英語Nutsの可能性』
*『編集後記』
*『グリーンカードへの道・第48話』
*『今週の歌』
***********************
『円安だからこそ・・・』
皆さん、円安でございます。こちらで働いてドルで給料をもらってる人た
ちにとってはどーってことないのですが、日本から持って来た円をドルに替
えて使ってる方々、例えば日本人留学生などには、非常に厳しい展開となっ
ております。
でもですね、人間というのはこういう時にこそ積極的に攻めねばならんの
であります。「あ〜あ、円がどんどん安くなってる。日本も終りだ」などと
グチってる暇はないのです。時代が円安に流れてるのであれば、それをうま
いこと利用してハッピーになろうでないの、というココロが大切なのです
ね。
はっきり申しまして、これまで日本は態度がデカ過ぎました。この機会を
利用して、初心に戻り、再び新人気分でアグレッシブに動き出してみてはい
かがなものでしょうか。
最近、アメリカ企業が盛んに日本上陸しておりまして、政府もマスコミも
国民も、表面上は歓迎しながらも、内心は「えらいこっちゃ、えらいこっ
ちゃ」状態であることがうかがえます。
しかしながら、アメリカ企業の進出の話の際に、「ほんなら、日本企業も
この際アメリカ上陸したらどないだ」ということが提案あるいは議論される
ことはほとんどないのであります。
相変わらず、アメリカで成功したビジネスを日本に持ち帰って、それで小
銭を稼ぐという日本人は山ほどおるようですが、私たちから見ますと、「金
がない人間同士でぼったくり合ってどうするわけ?」と思わざるをえませ
ん。だって、それって価値が落ちてきてる円を身内で回してるだけじゃな
い。
やはりこういう時はですね、日本の外からお金を持ってくるように努力す
べきだと私たちは考えるのであります。
そこでNuts軍団では、在日日本企業の皆さんにひとつ提案したいと思いま
す。その名も「攻め攻めアメリカ」作戦。
その昔、アメリカを攻め攻めした日本企業と言えば、車屋さんとか電化製
品屋さんが挙げられます。皆さんご存知の通り、彼らは見事に成功いたしま
した(失敗した企業もあるはずだけどね)。
彼らの成功は、日本全体にとって非常にハッピーなことだったのですが、
一面では「アメリカで成功するのは、車とか電化製品だけ」というイメージ
を日本人に植え付けてしまったんじゃないかしら、という心配もあります。
確かに日本企業は、車や電化製品だけではなく、食品やその他の分野でも
きっちりしっかりアメリカ進出しています。ただ、こちらに住む私たちの感
覚では、「日本の食品やソフト(マンガやアニメ)がもっともっとアメリカ
で販売されていいんじゃないかしら」という気がするのです。ドルが稼げる
商品が、日本にはまだまだ眠ってると考えるのであります。
ただ、「じゃあ、どんなもんが売れそうなの?」と聞かれても、「はい、
これとこれです」とクリアーに答えることはできません。が、日本の製品が
受け入れられそうな可能性をぼんやりと感じてるのは事実です。
「”ぼんやり”じゃダメなのよ。ビジネスっていうのは先がある程度見え
てないとね」。まあ、それはもっともですな。でも、「できるだけ安い費用
でその可能性を探る」という提案に反対なさる方はそれほど多くはないで
しょう。その低コスト可能性探り技こそ、私たちがこれからお話ししようと
している「攻め攻めアメリカ」作戦なのであります。
Nuts軍団が現在展開中の作戦の中に「がんばれ地方連合(がん地連)」と
いう企画がありまして、一応その内容をご説明しておきますと、日本の地方
を海外から元気づけることによって、日本全体をパワーアップさせようでな
いの、というものなのですが、その「がん地連」作戦のひとつの案として、
「ニューヨークに日本の都道府県商店街を作りましょか」というものがあり
ます。
つまり、ひとつのストリートに石川県なら石川県の、熊本県なら熊本県の
店を開いて、そこで各都道府県で生産されている商品や名産物を売り、同時
に文化発信(”Japan”としてじゃなく、沖縄なら”Okinawa”としてね)
を行なう、という案です。
今回の「攻め攻めアメリカ」作戦は、その「都道府県商店街」案を改良し
たものになります。
簡単に説明しますと、アメリカに未進出の日本製品のためのパイロット・
ショップ(実験店舗)をニューヨークに作るのです。
まず、「アメリカにこれから進出してみたいなあー」と考えてる日本企業
を集めます。最初の入会金として500ドルぐらいもらって、その後は月
100ドルぐらいの会費にします。
それと同時進行で、マンハッタンのどこかにパイロット・ショップ用の空
き店舗を見つけます。できれば2階分のスペースを確保したいですね。
店舗が見つかったら、適当に内装し、日本の参加企業から各社の商品を
送ってもらいます。この時、その商品の代金及び郵送料は各社持ちになりま
す。
商品が届いたら、それらを1階のスペースに陳列します。そして、オープ
ン。ニューヨークの人々に実際に商品を売り始めます。
店内にカメラを設置して、その画像をホームページ上で公開し、日本の参
加企業が自社の製品がどのように陳列されているか、どのくらいお客さんが
入っているかを常時日本からチェックできるようにします。
また、POSシステム(日本のセブンイレブンなんかのレジでバーコードを
ピコピコ読んで、どの商品がどのくらい売れたかなどを教えてくれるシステ
ムね)を導入して、その数字もホームページ上で公開するようにします。
商品の売れ行きや客の反応についても、毎月各社に報告します。
日本との連絡は、インターネットを通じてのみ。FAXなどの金のかかること
は一切しません。
別の階のスペースは、日本の映画を見せたり、イベントを行なうためのス
ペースとして使用します。要するに、それによってアメリカ人客を呼び寄せ
るわけです。
最近、アメリカ進出を狙ってる日本の映画人も多いようですから、その人
たちのための市場調査も兼ねての映画上映になります。
商品の売上は、店舗側のものになります。ただ、それらはすべてパイロッ
ト・ショップ自体の広告費及びイベント費用などに回します。
店舗の家賃及び人件費は、毎月各社から集める会費から支払います。この
方法ですと、基本的にこちらではお金(ドル)を稼いではいけないことに
なっている日本人留学生なども堂々と働けるわけです。だって彼らの人件費
は日本から入ってくる金(円)で支払われるからね。
ニューヨークには、マーケティングを勉強する日本人学生がたくさんいま
すので、彼らに働いてもらって、同時に勉強がてらマーケット調査もやって
もらいます。
いかがなものでしょうか。月100ドルでアメリカ進出ができるのです。
ついでに、そこで働く学生もお金が稼げてハッピーですし、アメリカにはな
いさまざまな商品を手にすることができる現地人(アメリカ人)の皆さんも
きっと喜ぶのではないかと私たちは考えるのであります。
つまり、「みんなハッピー」というビジネスとしては申し分のない展開が
期待できるのです。
NYJJ(ニューヨーク在住日本国籍日本人)の悪いクセは、アメリカで何か
をやろうとしている日本の企業からやたらとお金をぼったくろうとすること
なのであります。そのため、日本側もアメリカ進出に嫌気がさし、結果的に
日本人全体の「攻め攻めアメリカ」パワーがダウンしてしまうのですね。
いつまでもそういうアホなことを繰り返していてる場合ではありません。
ぼったくり合うのではなく、一致団結して、このアメリカという巨大な市場
に殴り込みをかけようじゃあーりませんか。隣同士で庭の柿の実を盗み合う
のはヤメにして、お互いに協力して道向こうの豪邸のオレンジの実をごっそ
りいただくのです。
また、このような案を提示しますと、「そういうことは日本政府が率先し
てやるべきだ」という意見の方がいたりするのですが、私たちとしまして
は、「もう、お国を頼るのはヤメにしよや」と言わせていただきたいと思い
ます。
お国がしっかりしてたら、今の日本のような状況は生まれなかったわけで
して(当然国民にも責任はあるけどね)、そのしっかりしない方々に物事を
頼むこと=時間の無駄なのであります。だから、こういう作戦は、私たち
(=民間)の力だけでやるべきなのです。
以上が「攻め攻めアメリカ」作戦の全貌になります。
それでは、円安のこのチャンスを利用して、みんなでアメリカに攻め込み
ましょう。
では。
Nuts電電映営部
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『英語Nutsの可能性2』
さて、「英語Nutsの可能性」話の第2弾なのであります。
今回は、現存の日系英語媒体についてお話したいと思います。
ニューヨークには、日本人が出してる英語の発行物というのはほとんどな
いようです。以前は、日本語と英語で書かれた新聞があったのですが、数年
前になくなってしまいました。
ロスやサンフランシスコの場合は、そういう日英使いの新聞が今でもあり
ます。ただ、それらは過去の遺物的なところがありまして、対象としてる読
者は、昔からいる日本人及び日系アメリカ人が大部分のようです。
ホントに英語だけで書かれた出版物としましては、「NIKKEI WEEKLY」な
どの専門紙が挙げられますが、発行部数はおそらくハナクソでしょう。一般
のアメリカ人は死んでも「NIKKEI WEEKLY」なんて読みませんからね。
最近、日本でよく見かけるのが、ホームページを使った英語での情報発信
です。日本の各新聞社も英語版のホームページを持っています。
確かにそれはそれでとっても大切なことなのであります。ただ危険なの
は、その程度の英語による情報発信で満足してしまうことです。
ここからの話は非常にインポータントです。英語Nutsの根底に常時横たわ
る理念(シャレた言葉ですのう)と呼んでも構いません。ですから、読者の
方々にもしっかり読み込んでいただきたいと思います。
今現在、アメリカを動かしてる人々の中に、日本に興味を持つ人はほとん
どいないはずです。逆に言いますと、日本の新聞社のホームページに入っ
て、日本のニュースを見てるようなアメリカ人は、一種の変態です。そうい
う人は、アメリカ社会の本流には乗っていません。
でも、これまで日本人は、その変態の方々だけを対象に情報発信してきま
した。
さらに、何を血迷ったのか、彼らを必要以上にありがたがり、崇拝し、特
に日本のマスコミなどは、彼らを「日本に興味を持っていただいてる大切な
お方」として扱ってきました。その傾向は、日本のことを研究するアメリカ
人の学者さんたちに対して顕著ですね。大してスルドイことを言ってるとは
思えない日本研究家を頻繁にその紙面及び画面に登場させ、ちょっと気の利
いたこと、そしてたま〜に厳しいことを言わせて満足しておるわけです。
話を戻します。
先にも書きましたように、今アメリカを動かしてる人間たちは、日本など
眼中にありません。金を稼ぐ「場所」としては興味があるかもしれません
が、アメリカとパートナーシップを組むなどの「国」としての日本にはほと
んど無関心なはずです。
これまで私たち日本人は、こういう人たちに積極的にアプローチしてきま
せんでした。主に、「日本が好きなんです〜」「日本に興味があるんです
〜」と向こうから寄ってきたアメリカ人ばかりを相手にやってきたのであり
ます。
勘違いのないようにご説明しておきますと、私たちは「そういう変態たち
の相手なんかやめてしまえ」と言ってるわけではありません。それはそれで
いいのです。でも、アメリカに対して本気で「日本」として自己主張するの
であれば、彼ら以外のアメリカ人=日本に興味のないアメリカ人を相手に勝
負していかんばあかんね、と考えるのであります。
ですから、英語Nutsの対象も当然「日本に興味のないアメリカ人」中心に
なります。はい。
次回も日系英語媒体の現状についてお話しします。
では。
「週刊Nuts」編集部
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『編集後記』
今月の「Nuts井戸端会議」についてのお知らせです。
日時・場所は以下の通りになります。
「8月のNuts井戸端会議」
日時:8月27日(木)7:00PMより
場所:CAFE LOON LOON
162 E. 25th St. (3rd Ave. 寄り)
参加希望の方は、編集部(TEL:212-982-3348)までご連絡ください。
では、また来週。
「週刊Nuts」編集部
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『グリーンカードへの道・第48話』
この物語が始まって約1年が経とうとしている。
前回お話ししたように、私はなんとか労働許可書をGetとすることに成功し
たのである。申請したのが97年の8月15日、実際それを手にしたのが同
じ年の10月20日だった。
ちなみに、私のプラクティカル・トレーニング・ビザが切れたのは、その
翌日の10月21日である。まったく人生綱渡りだわ。
労働許可書をGetしたオカゲで、私は仕事をなくすこともなく、じっと指紋
の結果を待つことに専念できたのである(別にそんなことに専念したくはな
いのだけれど)。
しかしながら、指紋は、一向にFBI(確かテキサスにあるのよね)から戻っ
てくる気配はなかった。ちまたには、指紋検査のコンピューターが壊れただ
の、ニューヨークのイミグレの係官がグリーンカードの横流しのため大量に
逮捕され、彼らが担当したケースの書類がそれぞれの机の上に無雑作に放置
されている、などのウワサが飛び交っていた。
そのうち、指紋の追い越し現象が私のまわりに現われ始めた。要するに、
私よりあとに申請した人の指紋が、すでに検査を完了してニューヨークに戻っ
て来ているのである。
「私の指紋、戻ってきたみたいなんです。で、ウン月ウン日にパスポート
にスタンプもらいにいくんです」
「あ、そう。よかったじゃない・・・」
と口では言うものの、そうやって私を追い越して行った人間たちから話を
聞く度に、私の心は「地獄に墜ちろ、この野郎」「ダメ、そんなこと思っ
ちゃ」「不幸の手紙送ってやる」「なんてことを」「こいつの書類がなくな
りますように」「いやゃゃゃゃ〜ん」と乱れるのであった。
労働許可書が下りてから1ヵ月が経ち、2ヵ月が経ち、私は指紋が戻らぬ
まま98年を迎えたのである。
その間、うちのかみさんとの激しい鍔迫り合いはなかった。敵も非アメリ
カ人と結婚したことについて諦めがついた様子だった。しかし、結婚相手を
探してる人間には、相変わらず「フォリナー(外人)とだけは結婚すんな
よ」とアドバイスしていた。
そして、私はとうとう自分を面接した係官に直接電話することにしたので
ある。
ひろ
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『今週の歌』
「ビルちゃんの 股間話で 盛り上がる
この国は今 平和なのよね ひろ」
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