1998年9月22日号(No.237)
目次
*『英語Nutsの可能性4』
*『Nuts TV作戦4』〜”パブアク”リポート3〜
*『編集後記』
*『グリーンカードへの道・第51話』
*『今週の歌』
**********************
『英語Nutsの可能性4』
さて、「英語Nutsの可能性」話をそろそろ復活させねばなりません。
一応これまでの展開を復習しておきますと、今お話ししているのは、「英
語Nutsの可能性」作戦を取り囲む”現状”についてになります。で、今回も
その”現状”話の続きになります。
それでは、早速始めることにしましょう。
アメリカには、日系アメリカ人という人たちがおります。この国に移民し
てきた日本人及びその子孫たちですね。英語でいうと、Japanese American
(JA)になります。
で、片一方にアメリカ在住日本人という人たちがおります。ここでは、
Japanese Japanese(JJ)と呼ぶことにしましょう。
このJAとJJですが、他の民族に比べると、非常に関係が薄いですね。例え
ば、CAとCC(中国人のことね)やKAとKK(当然韓国人)などは、両者がか
なり密接に関係し合っておるようです。
その差は、この国におけるそれぞれの民族の自己主張度に明確に表われて
おります。
日本に住んでおられる方にとっては、その辺の度合いを肌で感じることは
ちとむずかしいのですが、「アメリカにおける日本関係者の自己主張度」を
「世界における日本の自己主張度」に置き換えてみればおわかりになるかも
しれませんね。
自分の意見を持たず、自己主張が超ヘタ。それが「アメリカの日本関係
者」なのであります。
というわけで、アメリカにおいてJA+JJ軍団は、他の民族が「○○系アメ
リカ人+○○人」のカタチで組んでワイワイ言ってるのに比べるとちっとも
自己主張できてないのです。その理由のひとつは、JAとJJのつながりがユル
いからなのです。
ちなみに、中国関係者というのは通常「家」でつながっております。家族
とか親戚のキズナが強いのですね。それがCAとCCをつなぐ基礎となっておる
ようです。
韓国系は「宗教」です。あの国はキリスト教信者が多いですから、その関
係でKAとKKが比較的仲良しであると私たちは見ております。
今回は、「家」と「宗教」しか取り上げませんでしたが、中国軍団&韓国
軍団が日本軍団よりもその内部での関係が強いことに関しては、その他にも
いろんな理由が考えられます。移民の歴史だとか、そのアメリカにおける人
口などです。
ただ、その他の要素はさておき、まず日本軍団には、中国軍団における
「家」、韓国軍団における「宗教」のようなJAとJJをきっちりつなげるもの
が存在しないのであります。文化的にそういうものを持っとらんのですね。
だったら、自分たちの手で作ったらいいのです。JAとJJがうまくコミュニ
ケーションを取れるようにするための道具作りです。
そこで、英語媒体案というのが出てくるのであります。
あとはもう説明しなくても皆さんおわかりですね。
つまり、英語媒体をJAとJJをつなぐための道具として使うのです。一応、
スジは通ってるでしょ。
てなわけで、アメリカの日本関係者の世界も、英語媒体を必要としておる
のであります。
なんとかせねばなりません。
では。
「週刊Nuts」編集部
*************************
『Nuts TV作戦4』〜”パブリク”リポート3〜
さて、「Nuts TV」作戦の第4弾なのであります。今回も「”パブリッ
ク・アクセス”リポート」の続編になります。
リポートに入る前にひとつお知らせがあります。
以前、「Nuts TV」の1回目のネタとして、この9月27日(日)に行な
われる「日本の祭り」を取り上げたいという話をしましたが、諸事情により
この「日本の祭り」撮りは取りやめになりました。
別に「日本の祭り」が中止になったわけではありません。裏話をご説明し
ますと、パブリック・アクセスでは、その施設や機材を使うにはまず所定の
クラスを取る必要がありまして、カメラなどもそのあとでないと貸し出して
くれないのであります。
今回カメラをパブリック・アクセスから借りるつもりだった私たちとしま
しては、お祭りの前になんとかクラスを取るつもりだったのですが、いやは
や、それがお祭りに間に合わんのですよ。
残念です。
というわけで、「Nuts TV」の最初の撮りは延期になりました。代わりの
ネタが決まりましたら、またお知らせします。
では。
Nuts電電映営部
* * * *
『”パブアク”レポート』〜炎のオリエンテーション3〜
「ちょっとこの辺でパブリック・アクセスとしてのManhattan
Neighborhood Network(MNN)のポリシーについて話したいんだけ
ど・・・」
そう言って、リックはMNNの心意気について語り始めた。
彼の話をまとめるとこんな感じになる。
「テレビというのは、視聴者にとって、ある意味非常に遠いメディアだよ
ね。なぜなら、新聞や雑誌などに比べてどうやって作ってるかがサッパリわ
からないからね。
「新聞とか雑誌の真似事っていうのは、基本的に誰だってできるわけで
しょ。紙に何か書いてそれをコピーすればミニコミの出来上がりだからね。
でも、テレビっていうのはコピーすれば済むってもんでもないし、なんか特
別な機材が必要で、普通の人たちには手が出せないものっていうイメージが
あるじゃない。ついでにどうやって番組を作ってるかもよくわからんし。
「それってあんまりいいことじゃないよね。視聴者とすれば、自分たちに
送られてくる情報がどうやって作られてるかを知ってるほうがベターで
しょ。だったら自分たちで作ってみるに限るよね。
「もうひとつ、テレビにおける表現の手段をテレビ局だけが独占してるの
も問題だよね。世の中には、いろんな人間がいていろんな考えが存在してる
わけだし、テレビに出てくるものって、その中のほんの一部でしょ。でも、
テレビを観てると、それだけって感じになるじゃない。それは危険よね。
「だから、テレビにはなかなか出ない、そういうマイナーな主張や表現を
発表する場が必要になるわけ。何も気にしないで、自分の好きなことをテレ
ビで表現できる環境を提供する。それがMNNの役目なのよね」
私は、このリックの言葉を聞いて、ココロの中でパチパチパチと拍手して
しまった。その心意気とこういう組織の存在を許すアメリカに対してであ
る。
「う〜ん、感動ものだわ」
そんなことを考えながら、私はココロの中でうるうるしていた。
その時である。私のななめ前に座っていた、よくしゃべる白人+Tシャツ
男が、いきなりリックに質問し始めたのである。
「ところでさあ、さっき見たEXPRESS STUIDIOについてなんだけ
ど・・・」
EXPRESS STUIDIOについて少し説明せねばなるまい。
以前書いたように、このMNNには何種類かの撮影用のスタジオがあるのだ
が、その中のひとつにEXPRESS STUIDIOと呼ばれるものがある。
これは簡単にいうと、ひとりでテレビ番組を制作するためのスタジオなの
である。
そこにはイスがひとつあり、テレビカメラがその正面に据え付けてある。
カメラは、そのイスに座った人物を撮るためのもので、その操作もイスに
座ったまま行なうことができるのである。要するにですね、制作者兼出演者
がそのイスに座って、カメラに語りかけながら番組を制作できちゃうワケな
のよ。
白人+Tシャツの彼は、そのEXPRESS STUIDIOの使い方について質問した
のである。
すると、あらま、他の人たちもEXPRESS STUIDIOについて質問し始め
ちゃったじゃないの。
「そこでは生放送もできるんでしょ?」
「もし新聞の紙面を映したい場合は、どうすればいいの?」
「自分の後ろに番組のタイトルをはり出したいんだけど、それって可能な
のかな?」
などなどである。
質問は質問でよろしい。そのことについて私はもうつべこべ言うつもりは
ない。
しかし、私はEXPRESS STUIDIOの件について質問した人たちの顔を見回し
て、ひとりムムムと思ったのである。
「こ、こ、こいつらが作った番組なんか見たかねえな」と。
彼らが作ろうとしているのは、自作自演の番組である。その中では、当然
彼らがカメラに向かって語りかけてる風景がメインとなるはずだ。
私はその画面を想像してしまったのである。
ここで私が言いたいのは、彼らの顔が不細工だとかそういう問題ではな
い。
ひとことで言うと、彼らは”アブナイ”のである。特に、その”目”が、
かなりきてるような気がするのだ。
前々回お話ししたように、このオリエンテーションに参加した人たちの多
くはオタク系人種だった。
ただ、私はオタクそのものに対して悪意を持ってるわけではない。私がコ
ワイのは、オタク軍団の一部に見られるコミュニケーション能力及び自分自
身を客観視する能力の欠如なのである。
自分だけが興味のあることを一方的にまくしたてるゆがんだコミュニケー
ション方法。相手の立場にたって物事を考えるという客観的な思考の欠落。
なにやらわたくし、オタクのことをボロクソに言っとりますのう。
でも、そういう人たちがテレビの画面からあなたに語りかけてくる風景っ
て、コワくありません? コワイでしょ? そうでしょ、そうでしょ。
ついでに、そんな彼らに自己表現の場を提供するパブリック・アクセスと
いう存在もコワイし、それを許すこの国っていうのもある意味コワイよね。
う〜ん、感動していいのか、コワがっていいのか、よくわからんように
なってきた。
やはりこういう番組作りはね、私のように長年言いたいことだけを一方的
に言ってしまうミニコミを、読者がいるいないにかかわらずシコシコやって
来た変態野郎に任せて・・・
うむ〜、私自身も十分アブナイではないか。
なーんだ、おアイコじゃん。ボクもこいつらと同じなんだー。
ははははははは。
あんまりうれしくない。
ひろ
**********************
『編集後記』
事務連絡がいくかあります。
最初は、9月27日(日)に47丁目の1と2の間で行なわれるジャパ
ン・ソサエティ主催「日本の祭り」のボランティア集めをまだしつこくやっ
てしまうのであります。
当日、Nuts軍団では、祭り全体のお手伝いと自分たちのテーブルでの「週
刊Nuts」&「ぶりてんNuts」の無料配布を行なう予定です。「手伝ってもい
いよ」という方がいましたら、「週刊Nuts」編集部(TEL:212-982-
3348)までご連絡ください。
続いては、今月の「Nuts井戸端会議」のお知らせです。日時・場所は以下
の通りです。
日時:9月30日(水)午後7時ー8時半
場所:CAFE LOON LOON
152 E 25th St. (Bet. Lex & 3rd)
参加希望の方は「週刊Nuts」編集部まで(上記参照)。
よく「井戸端会議ってどんなことしゃべるの?」という質問を受けるので
すが、簡単に申しますと、限りなくくだらないことをおしゃべりしておりま
す。
ちなみに前回は、かなり下ネタ色が強かったですね。屁、トイレの話に花
が咲いたといいますか、主催者側が参加者を無視して突っ走りました。すば
らしい傾向です。今回もがんばりましょう。
最後に故黒澤明監督作品の無料上映会のお知らせです。
MOMAの前にある図書館では、9月29日(火)に黒澤監督の作品である
「DERSU UZALA」の無料上映会を行なうそうです。詳細は以下の通りです。
Donnell Media Center Presents
Akira Kurosawa's DERSU UZALA (1974):137 minutes
In Japanese & Russian with English Subtitles
Tuesday, September 29, 1998 at 12 noon
At Donnell Library Center Auditorium
20 West 53rd Street (between 5th and 6th avenues)
正午っていうのイマイチですが、興味のある方はどうぞ。
今週はこんなもんです。
では、また来週。
「週刊Nuts」編集部
**************************
『グリーンカードへの道・第51話』
そしてまた月日が経ったのである。
いくら待っても「指紋が届きましたよー」連絡は、私の元には入らなかっ
た。
「一体どうしたっていうの? もしかして、あたしの指紋、なくなったん
じゃない?」
そんなことを考えそうだが、ここまで来るとイチイチ心配する気も起こら
なくなり、私はグリーンカードのことなどすっかり忘れて、あははははとい
う日々を送っていた。
実際、たまーにそのことを思い出すこともあったが、私が考えてもどうな
ることでもなし、とりあえず労働許可書があるからしばらくは大丈夫だべ、
でもこの国を出れないっていうのは、結構精神的牢獄感を感じるもんなんだ
なあ、てな具合だった。
要するに、”悟り”ってやつですね。
いや〜、この域に達するのに半年もかかりましたよ、あなた。
Nuts読者に「グリーンカードどうなったんですか」と聞かれても、私は平
然と「まだよ」と答えていた。すると向こうが心配して、「まだって、グ
リーンカードまだ取れてないんですか」と聞いてくる。そこでもすかさず
「まだよ」と答える。相手が今度は遺憾の意を表して、「大変ですね」と言うと、
「ううん、結構楽しんでるよ」とトドメを刺すのである。
ところが、かみさんは私のこのふてぶてしい態度が気に入らないらしく、
ついでに、このグリーンカードの問題を一日も早く片づけて、私をかみさん
のおふくろさんの実家があるドミニカ共和国に連れていきたがっていた。
そんなわけで、かみさんは友達の弁護士に頼んで、イミグレの様子をさ
ぐってもらうことにしたのである。
数日後、私の仕事場にかみさんから電話がかかってきた。
「ねえ、ビッグ・ニュースよ。なんであんたの指紋が返って来ないかわかっ
たわよ」
「え?」
そして興奮しながらかみさんは語り始めたのだった。
イジワルして今週はここで終わる。
ひろ
*********************
『今週の歌』
「ゴミ箱が 異常にくさいと 感じつつ
相手の出方を うかがうふたり ひろ」
下のアドレスを押すとメイルが送れまっせ
投書、意見、感想もどうぞ
Return to Home Page