1998年10月6日号(No.239)
目次
*『Nuts TV作戦5』〜”パブアク”レポート4〜
*『英語Nutsの可能性5』
*『ニッポン不況の波』
*『編集後記』
*『グリーンカードへの道・第52話』
*『今週の歌』
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『Nuts TV作戦5』〜”パブアク”レポート4〜
さて、「Nuts TV」作戦の第5弾なのであります。
「”パブリック・アクセス”リポート」をお届けする前にひとつお知らせ
があります。
前回このコーナーでお話ししましたように、実際にManhattan
Neighborhood Network(MNN)のカメラや器材を使って撮影し始めるため
には、まずMNNが開くクラスを取らねばなりません。
現在、「”パブアク”リポート」を執筆中のひろ氏が、最初のオリエン
テーションに参加したのが8月の下旬でして、その時にクラス参加の申し込
みをしたにもかかわらず、MNNからはこれまでなーんの音沙汰もなかったの
であります。
そこで、ひろ氏がMNNに「一体いつになったらクラスを開くのよ」と連絡
しましたところ、「今年の終わりか、来年の初め」という答えをいただいて
しまったらしいのであります。
申し込みが8月で、クラスは12月か来年の1月。
なにやら「グリーンカードへの道」のような展開になってまいりました。
まあ、ノンビリやるしかありませんね。
というわけで、今週も「”パブアク”リポート」をどうぞ。
では。
Nuts電電映営部
* * * *
『”パブアク”リポート』〜炎のオリエンテーション4〜
次にリックは、番組のプログラムについて話し始めた。
「まず、プログラムには2種類あって、シリーズ・プログラムとシング
ル・プログラムがあるんだけど・・・」
リックに代わって読者の皆さんのために説明すると、シリーズ・プログラ
ムはその名の通りシリーズもののことで、シングル・プログラムというのは
単発もののことなのである。
シリーズ・プログラムの場合は、あらかじめ時間枠を確保して、そこで自
分が作った番組を毎週あるいは隔週、月イチなどのペースで定期的に放送す
る。
反対にシングル・プログラムの場合は、自分の番組が出来上がったらMNN
に持っていき、「これ、流して」とお願いし、向こうが適当な空き時間を見
つけて放送するのである。
そんなリックの話を聞きながら、私はある人物のことを思い出していた。
実をいうと、私のアパートの3階には、このMNNで隔週の時間枠を持つ人
間(アメリカ人男性)が住んでいる。私にMNNの連絡先を教えてくれたのも
この人物だった。
今回のオリエンテーションに参加する前のある日、その彼が私を彼の部屋
にインバイト(招待)して、これまでの作品の一部を観せてくれたのであ
る。
それは、どこかのチャンネルから盗んできたとしか思えないアリ(ボク
サーじゃなくて昆虫)のビデオだった。
画面の中で上下左右に移動するアリの大群。その光景にビデオに吹き込ん
だ彼の声がかぶさる。
「逃げろー、大変だー、逃げろー」
「あー、そっちじゃなーい、こっちだよー」
彼はそのビデオを観ながら、ひとりでニヤニヤ笑っている。
私は、次第に気が遠くなるのを感じながら、心の中で叫んだ。
「な、な、なんじゃ、こりゃゃゃ〜!? ぬおぉぉぉ〜!」
おもしろいとか、おもしろくないとかいう次元の話ではなかった。私に
は、彼がそのビデオを作った意味がまったく理解できなかったのである。
「ファニーだろ?」
彼が私に聞いた。
「え? ああ、そうね」
私は彼の目を見ずに答えた。
「もうひとつあるんだ。これはマンハッタンからブロンクスに行くまでを
車の中から撮ったもんなんだけど・・・」
結果は同じだった。
私は再び気が遠くなるのを感じた。
帰り際、私の目をキッと見据えながら彼が言った。
「ビデオを作る時にわからないことがあったら何でも聞いてくれ」
私は、口許まで出かかった「どうやったら、あんなしょーもないビデオが
作れるんですか?」という問いを飲み込みながら、ただ「ありがとう」とだ
け答えた。
プログラムに関するリックの説明が終わると、人々はまた質問し始めた。
彼らの目が、我がアパートの3階に住む彼の目になんとなく似てることを
確認しながら、私はひとり心の中でつぶやいた。
「ふんが〜」
ひろ
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『英語Nutsの可能性5』
「英語Nutsの可能性」話の第5弾なのであります。
今週と来週は、「英語媒体がなくて困ってる人たち」についてお話しして
みたいと思います。
最近、ニューヨークの街中をたらたら歩きますと、よく「Asahi Super
Dry(アサヒ・スーパー・ドライ)」の広告を目にいたしますね。
地下鉄の入口、あるいはバスの横っ腹部分などにデカデカと「Asahi
Super Dry」と出ております。合計すると、おそらく100ヵ所ぐらいある
のではないでしょうか。
他にも、日本の「味の素」が本格的にアメリカの冷凍食品市場に殴り込み
をかけそうな気配ですし、「カルビー」の「カッパえびせん」も完全なるア
メリカ使用で登場し始めたようなのであります。
では、ここで皆さんに質問です。
もしあなたが「Asahi Super Dry」の広告担当者で、アメリカ市場を攻め
るために日本から送られてきたとしたら、ここニューヨークでどんなふうに
広告を打ちますか。
「地下鉄の入口」「バスの横っ腹」は置いといて、それ以外にどんな方法
が思い浮かびますか。
そうですね、まずは新聞や雑誌、テレビなどのメディアを使ってみてはい
かがでしょうか。
でも、いきなり「ニューヨーク・タイムズ」というわけにはいきません。
金がかかり過ぎますからね。テレビの場合も広告料はかなりお高くなりま
す。
それに、あなたが最初に狙うお客さんは「日本のビールを飲んでくれそう
なアメリカ人」です。できればそういう人たちを狙い撃ちしたいところで
す。
う〜ん、なかなかむずかしい。
じゃあ、「日本のビールを飲んでくれそうなアメリカ人」というのは、ど
こにいるのでしょうか。
普通に考えたら、やっぱり日本食レストランですよね。
日本食レストランには、当然「Asahi Super Dry」もあるわけですし、そ
こで「Asahi Super Dry」を飲んだアメリカ人が、その味が忘れられずに家
でも「Asahi Super Dry」を飲む・・・というのが、市場拡大作戦としては
キレイなのではないでしょうか。
そのためには、「日本食レストランに行くアメリカ人」に日本食レストラ
ンで、「Asahi Super Dry」をご指名していただき、その味を試してもらわ
ねばなりませんね。
ではまず、日本食レストランに行くアメリカ人をメディアを使って狙い撃
ちすることにしましょう。
さて、どんなメディアがありますかねえ・・・
こちらの日本食レストランにはいろんな無料誌が置いてありますが、それ
らは日本語の読みモノがほとんどで、アメリカ人が読める英語の読みモノと
いうのはまったくと言っていいほど「ナイナイナイ、どこにもない(トシ
ちゃん風に)」のであります。
参りました。一番おいしい「お客予備軍=日本食レストラン行くアメリカ
人」を攻める手段がないじゃないの。
仕方ありません。そういうメディアがないのなら、既存のでっかいメディ
アを使うしかありませんね。でも、広告料高いんだよなあ。
いや〜、困った困った。
ちなみに、この「困った困った」現象は、「味の素」や「カルビー」の身
にも起こりえる話でありまして、もしかしたら、アメリカを攻めようとして
るすべての日系食料品企業に当てはまるのかもしれません。
というわけで、「英語媒体がなくて困ってる人たち」というのは、上記の
「アメリカを攻めようとしてるすべての日系食料品企業」軍団の皆さんなの
でした。
めでたし、めでたし(めでたくないわい)。
続きは来週に。
では。
「週刊Nuts」編集部
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『ニッポン不況の波』
相変わらず、日本はバリバリの不況のようでございます。
ただ、私たちが住んでるニューヨークはまだまだ好景気でして、「日本の
不況など、我らNuts軍団の作戦にはまったく影響ないざます」と考えており
ましたところ、いやいやとうとうやってまいりました。
今年の初めに”モモコはニューヨーカー”というタイトルの英語学習本の
制作にNuts軍団が参加するというお話をしましたが、皆さん覚えてらっしゃ
いますでしょうか。
この”モモコはニューヨーカー”本、無事完成しまして、旺文社(参考書
関係でお馴染みの)から発行されそうになったのであります。
ところが、そこで不況がやってきちゃったじゃないの。
噂によりますと、旺文社自体もかなりヤバイ状態らしく、”モモコは
ニューヨーカー”本も一応発行されたのですが、その発行部数が削りに削ら
れてしまったのであります。
そうなりますと、当然原稿料のほうも削りに削られることになります。そ
の金を「コミュニティ・ラジオ」作戦にぶっ込むことを予定しておりました
私たちとしましては、全体の計画を変更せざるをえなくなったのであります。
はっはっは(と、この件は笑ってすませる)。
まだ私たち自身も”モモコはニューヨーカー”本の完成版は見てないので
すが、その詳細(値段とかどこで手に入るだとか)がわかり次第、読者の皆
さんにもお知らせいたします。
なんせ部数が少ないですからね、早くしないと売り切れちゃいますし、一
度売り切れたらおそらく絶版の運命にある本です。そう考えたらなかなか貴
重な本ですのう。プレミアがついたりなんかして。う〜ん、結構シブイな
あ。
てなわけで、Nuts軍団の本での初デビューは、日本の不況のおかげで波瀾
万丈の展開となっております。
ま、みんなで不況の波乗りを楽しみましょか。
そんなとこです。
では。
Nuts出版部
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『編集後記』
去る9月27日に開催された「日本の祭り」の総括なのであります。
あー楽しかった。
以上。
主催のジャパン・ソサエティの皆さん、関係者の方々、そしてNutsボラン
ティア軍団のみんな、どうもご苦労さまでした&ありがとうございました。
来年もがんばりましょうね。
では、また来週。
「週刊Nuts」編集部
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『グリーンカードへの道・第52話』
Nuts読者の中には、この『グリーンカードへの道』の先々週号の続きが読
みたくて先週号をピックアップされた方が多かったのではないだろうか。
しかし、先週号にこのコーナーは掲載されなかった。
わざとである。
なぜ「わざと」なのか。
イジワルである。
そんなわけで、先々週のストーリーを続けることにしよう。
ある日、かみさんが突然私の職場に電話してきて言ったのである。
「ねえ、ビッグ・ニュースよ。なんであんたの指紋が返って来ないかわ
かったわよ」
そして、かみさんは熱く語り始めた。
「私たちの面接官、今イミグレにいないのよ」
「え? グリーンカードの横流しかなんかやってクビになったの?」
「違うわよ」
「じゃあ、なんでよ」
「出産」
「は?」
「出産よ。子供産むために今お休みしてるらしいのよ」
「はー、出産ですか。そりゃ、おめでたい話だけど、わしらにとったらあ
んまりおめでたくないなー」
「そうよ。だからあんたの指紋が返ってきたかどうかの連絡もなかったの
よ」
「でも、そんなのよく調べたなあ」
「○○○(かみさんの友達の弁護士)が教えてくれたの」
「ありがとうって言っててな」
「もう言ったわよ」
「出産ということは、数ヵ月はイミグレに戻らんわけやね」
「そうよ」
「う〜ん、どうするかなあ」
「ホント、どうすんのよ」
電話の向こうとこちらでお互いに「う〜ん」と考え込む。
「まあ、そのことはうちで話そか」
「そうね。でさあ、今日の夕飯、何にする?」
「オレ、遅くなるよ」
「じゃあ、サンライズ(マート)でオムライスでも買っとくわ」
「またオムライスですか・・・」
「イヤだったら、自分で買ってきたら」
「オムライスでお願いします」
「じゃあね」
というわけで、今夜の夕飯はオムライスなのだが、そんなことはどうでも
いいのである。
あの面接官が産休・・・
「こんなときに子供なんか作ってるんじゃなーい」と言うわけにもいかん
し、うむ、これは非常に困ったちゃん的状況なのである。
それにしても、今夜もオムライスとは・・・
30男の心はタンタンタヌキのキン○○のように、「産休」と「オムライ
ス」の間をゆらゆら揺れ続けるのであった。
ひろ
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『今週の歌』
「ケンカして 出ていく我に かみさんが
”ロックしてけ”と 冷静にいう ひろ」
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