1998年10月27日号(No.242)




目次

*『NY病でおま2』 ・投書1 ・投書2
*『グリーンカードへの道・第54話』
*『今週の歌』
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『NY病でおま2』

 さて、先週から始まりました「NY病でおま」話の第2弾なのであります。
 いや〜、いきなり来ましたよ、投書さんが。それもなかなかすばらしい内 容のものが、2つも送られて来たのであります。
 先週掲載した「NY病話にツッ込む際の編集部からのお願い」をきっちりご 理解いただいたようで、私たち「週刊Nuts」編集部にとってもひじょーに勉 強になる内容となっております。
 感謝、感謝でございます。
 というわけで、その投書2つを早速ご紹介することにしましょう。
   *   *   *   *   *
「投書1」
@Nuts 編集部様
 NY病の記事拝見いたしました。
 他の土地と違ってNY在住日本人に特に目立つ心理傾向があるはずだとのこ と。興味があります。挙げられた「諸症状」を参考にし、私なりにNY病を解 明する努力をしてみました。
 これらの「諸症状」の多くは自分を守ろうとする行動だと思います。今の 生活あるいは自分の将来に頼りなさや不安を感じて、必死で確かな足場を求 めている、そんな欲求が表れた行動ではないでしょうか。
 ここで「人間は本能的に自分を守ろうとするものだ。あたりまえじゃない か」などと言い出したところで、編集者の方が言われるように、無意味で す。
 「NYに居ると自分を守ろうとする傾向が強まってくる(らしい)」という 現象に着目し、確かにそういう現象はあるという前提で、なぜそうなるのか を考えてみます。
 私は心理学の知識は全くありませんので、ごく素人的に考えただけなので すが、「自分を守る必要がある=自分はプレッシャーにさらされている」と いうことだと思います。
 プレッシャーといってもいろいろありますが、特に心理面でのプレッ シャーだと考えます。心理的プレッシャーがかかるのは、自分の望む姿と自 分の現実が大きくかけ離れていることからくるのではないかと思います。掲 げた目標が高いからなのか、それとも単に自分のレベルが低いのかわかりま せんが、いずれにしても、このギャップがプレッシャーのもとです。
 「こうでなければならない。本当はこうあるはずなんだ」でもそれに及ば ない現実に苛立っているのです。
 そして、NYに住む日本人の心の中で特にこのギャップが大きくなるのは容 易に理解できるような気がします。
 NYに来ている日本人は、その動機から次の三つに大別できると思います。
1.自分の目指している何かを得るために来ている人(留学、修業等)。
2.駐在員として、会社の命令で転勤して来た人。
3.何となく流れてきただけで、気がついたらNYにいた人。
 1.のタイプの人はとにかく大きく飛躍したくてNYに来ているのだと思い ます。当然大きな夢を描いておられることと思います。それはとりもなおさ ず、現状と目標点との開きが大きいということです。すなわち大きなギャッ プを作りだしているわけです。
 2.のタイプの人は、会社から高い目標を与えられている人たちだと言え ます。NYに限らず海外駐在員は国内に比べ負担の大きい生活を強いられなが ら、結果を出す事を求められます。また幹部候補として育つことを期待され ている人もいることでしょう。いずれにせよ、日本にいるときよりもプレッ シャーは大きいことでしょう。
 3.の人は一見プレッシャーの設定されようが無いように思えます。実際 彼らにはNY病の発生率は低いのではないでしょうか。
 上記 1.2.が仮に正しい説明だとしても、これだけではNY特有の現象と は言いにくいかも知れません。
 誰かがどこかで書いていました。
 「NYは世界の首都である」「NYに居る人はみんな何かに挑んでいる」
 NYは世界でもっとも競争が激しいところのようです。同時に何がしかの希 望を与えてくれるところのようでもあります。
 しかし、NYで結果を出すのは他のどこよりもタフなことでしょう。
 他の土地と違うNYの特殊性がこういった点にあるとすると、NYという、 世界で一番希望と挫折に翻弄される場所に身を置くものの病がNY病と言え るのではないでしょうか。
 これを「勝てると思ってプロの土俵(NY)に飛び込んだものの、何場所終 わってもなかなか結果が出ず、負けがこんでいるときの元アマチュア力士の 精神状態」に無理矢理たとえますと、問題解消策として次の四つの選択肢が 考えられると思います。
1.勝って結果を出せるようになるまでプロで頑張り続ける。
2.勝負に執着するのをやめる。
3.アマチュア相撲に戻ってそこで頑張る。
4.柔道など異種競技にくら替えする。
 以上思い付くまま書きました。ご意見乞う。
                       ひであき
「投書2」
@NY病について書きたいと思います。
 10月20日号(No.241)をよんでなるほど、ふむふむ、と思いました。
 私が2年と10ヶ月前にNYに来た時から何人かの日本人と接触をした 際,確かにNY病の症状を(そんな名前は知らなかったけど)さまざまな 人々を通して感じたことを思い起こします。そのころの在NYの日本人の友 人に多かったのは、
・日本に帰るのがコワくなる。
・聞かれてもいないのに、ニューヨークにいることを必死で理由づけしよう とするようになる。
・いかに自分がニューヨークでがんばっているかを必要以上に他の人に強く 訴えるようになる。
 などの症状でした。
 その後NY滞在半年にして私が働いた、某日本食レストランでは、ひ じょーにネガティブなNY病の人々を垣間見ました。そしてそれに対して、 まだNY病にかかってなかった私としては(それゆえ)共感も同情の一欠け らももちあわせませんでした。
 そこでは特に以下のような点が突出されました。
・「なぜ自分は今ニューヨークにいるのか」ということを考えられなくな る、あるいは、考えるのを避けるようになる。
・日本に帰るのがコワくなる。
・目が常時「怒り目」になる。
・貧相になる。
・人をイジメることに快感を感じるようになる。
・違う意見の存在を許せなくなる。
 という感じでしょうか?
 しかし今となっては私もきっと立派なNY病に犯されているに違いありま せん。そこで、これらの項目は自己チェックの最適な材料となります。
 そこで自己チェック。
・「なぜ自分は今ニューヨークにいるのか」ということを考えられなくな る、あるいは、考えるのを避けるようになる。→ A.今は学校行ってるか ら理由はある。その後はしらない。ここに来たのは休みたかったから。自分 だけになってみたかったから。目的はほぼ達成されてそしてぶち当た る・・・で、なにするんだろ?
・日本に帰るのがコワくなる。→ A.はい。
・目が常時「怒り目」になる。→ A.ときおり。
・貧相になる。→ A.びんぼうになった・・・(しみじみ)。
・人をイジメることに快感を感じるようになる。→ A.・・昔から。
・違う意見の存在を許せなくなる。→ A.人はどうでもいい。
・仕事より遊びを重視するようになる。→ A.金がないから遊べない。
・ニューヨークにおける自分の可能性を直視できなくなる。→ A.直視で きるのはネガティブな面。ポジティブな面はわからない。
・短気になる。→ A.気が長くなった。
・人の話を聞かなくなる、あるいは、聞けなくなる。→ A.これも日本に いたころから。
・自分の意見を”絶対”と思うようになる。→ A.そんなことない・・。 けど自分の意見を自分のために持たないとつぶされる。そのために一生懸命 自分の意見を寄せ集めで作ろうとする。
・聞かれてもいないのに、ニューヨークにいることを必死で理由づけしよう とするようになる。→ A.聞かれると、楽だから、と答えてしまう。
・いかに自分がニューヨークでがんばっているかを必要以上に他の人に強く 訴えるようになる。→ A.日本にいたときのほうがしんどかったからいま は楽。
・言ってることとやってることが矛盾するようになる。→ A.これは危険 だ。そうかもしれないがそうでないかもしれない。これに関係して言えるこ とは自分の周りにかつて存在してた、そういうこと言う人(みじかな人間) があんまりいないので(みんな人のことなんて気にしてないし)、基準がわ かんない。
・権威や権力を求めるようになる。→ A.あるといいが、あまり期待でき ないのであきらめはかなりついてる。
・言ってることが宗教っぽくなる。→ A.あるある。宗教は入ってないけ ど、そういうことに関心が出来る。でも楽しい。
・現実から逃げるための恋愛をするようになる。→ A.あるある。でも恋 愛はレジャーなので、レジャーはどうしたってある意味での現実逃避になら ないだろうか・・・。あんまり忙しいとぴっちょりしたラブラブごっこはエ ネルギーの無駄になるので出来ないし。
・日本いた頃よりもずーっと肩書き主義になる。→ A.権威を求めたとこ ろで、アメリカでも日本でもエリートは若いうちにPh.Dとかとってたり いーっぱい給料もらえるヤンエグしてたりするわけだから、自分と比較する のは全然別だし、自分らへんの人はどっこいどっこいで大差ない。
・社会的成功のみが人生の目的であると考えるようになる。→ A.上の答 えを見ると、あたってるかもしれない。
 以下は略。
 結果。こういう私はよく在NY日本人に「まだまだね」的な目で見られる ことが多かったような気がする。そのころは、「そうね」と言いながらも 「あんたみたいになりたくないもん」的なやっかみ半分さげずみ半分なしん きょうだった。でもいまはこう思う。「楽しければいいじゃない?」
 多くの在NY日本人の私達は自分達の持つなにかを解決したくてここに やって来た人が多い。それは自分の夢の達成であったり、あこがれであった り。でもここに来てから、そんなものは小さい社会の中で誰かから教えられ たり植えつけられたりしたものだったことがわかったりする(少なくとも私 はそうだった)。そしてある人はとても不安になると思う。そしてそこから が自分の始まりなのではないかと思う。
 生まれた国のアイデンテティを持つと言う意味で、日本人である私達は、 どこまで行ってもある部分は日本人であることに変わりはない。だからその ことにこだわる必要はないのではないでしょうか。日本語を通して理解を し、本を読む。別に優れているからでもなんでもなくて、そのほうが楽だか ら。そんな風にしてても、自分にとって楽なことをしていてもちっとも悪い ことなんかじゃない。そういう自分を受け入れてあげればいいのじゃないで しょうか?そんな部分を戒めてしまうところがやっぱり「とっても日本人な 私達発見!」ってかんじかね?
 せっかく生きてんだから、楽しくすればいいんじゃないのかしら?
                     おおた
   *   *   *   *   *
 いかがでしたでしょうか。
 まさに「お手本」投書が2つ揃ったという感じです。
 前者は「分析・提案」型投書、後者は「自分はこうだわ」型投書。このよ うに文の目的がはっきりしている投書というのは、編集側にとっては誠にあ りがたいのであります。そして、議論としても深いところに入っていけるの ですね。
 今後もこの調子でお願いいたします。
 来週は、「どんな人がNY病にかかりやすいのかしら」ということについて お話ししたいと思います。
 また、他の「Nuts TV作戦」や「英語Nutsの可能性」などのコーナーも次 号から復活いたします。
 お楽しみに。
 では、また来週。
                 「週刊Nuts」編集部
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『グリーンカードへの道・第54話』

 イミグレのどこかにある自分の「グリーンカード申請書類」を捜す方法と いうのは、いくつか存在する。
 例えば、「私の書類はどうなってますか?」書類というのをイミグレでは 受け付けている。
 他にも闇ルートで書類の位置を確認してもらうこともできるらしい。約 50ドルぐらいで調べてくれるそうだ。
 しかし、これらの方法には強制力というものはない。
 前者について言えば、イミグレのことであるからして、「私の書類はどう なってますか?」書類を無くしてしまう可能性だってあるわけだし、イミグ レ側に「知らんパー」されてしまうことも十分考えられる。
 後者に関しても、自分の自分の書類の位置がわかっても、私たち申請者が イミグレ・ビルに入っていって、「ほら、ここにある」と指差してあげるこ ともできず、かと言って「私の書類は○○○さんの机の上の書類山脈の左か ら3番目の山の下から16番目にあります」なんていう手紙を送ったりした ら、人を疑うことが商売の彼らなら、書類のことなどそっちのけで、「どこ でこんなこと調べた? スパイはだれだ? 白状しないと、下から16番目 のおまえの書類を一番下に移すぞ」てなふうに脅しかねないのである。
 困ったもんだ。
 でも今回、私が使おうとしている方法は、イミグレに対してかなりの強制 力を持つものなのであった。
 はっはっは。まいったか。
 これまで私がこの伝家の宝刀を抜かなかったのは、ひとえに「グリーン カードへの道」話を盛り上げるためだったのである。つまり私は、読者の皆 さんのためにできるだけグリーンカードGet期を延ばしに延ばしたのだ よ・・・・・というのは真っ赤なウソで、ただ単に私がぬぼーっとしていた 結果なのであった。
 で、ここになって慌ててその必殺技を使おうとしとるわけよ。
 また今回もストーリーが足踏みしてしまった。
 この「グリーンカードへの道」は、今年中に完結したいと考えている。 急がねばなるまい。
 だったら、最初から必殺技使えよ。
 ったく。
                      ひろ
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『今週の歌』

「出張で 泊まったホテルの 石鹸や
            その他もろもろ ”盗め”という妻 ひろ」

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