1999年1月12日号(No.253)
目次
*『NY病でおま10』
*『今週の歌』
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『NY病でおま10』
さて、「NY病でおま」話の第10弾なのであります。
本来は、先週の続きの「99年度の作戦2」をお話しするところなのです
が、この「NY病でおま10」を先に終わらせないと、その作戦話に突入でき
ないのであります。
「NY病でおま10」で問題提起して、それを「こんなふうに解決しよう
ぜ」というのが「99年度の作戦2」になるのですね。
てなわけで、今週は、まずNY病の話からスタートすることにしましょう。
で、その後に今年の作戦話をお話しします。
今回は、私たちNuts軍団がNY病の原因と考える問題群の最後のネタ、
「仕事及び日本人マーケットの問題」についてお話ししたいと思います。
復習のため、一応他の5つの問題たちをご紹介しますと、「挑戦都市・
ニューヨークの問題」「日本人的気質の問題」「ビザの問題」「日本人社会
とアメリカ人社会の問題」「日本人コミュニティの問題」となります。
私たちは、上記の6つの問題の中で今回お話しする「仕事及び日本人マー
ケットの問題」が最も重要なのよと考えています。
そのココロはと申しますと、こいつが一番手を出しやすいと言いますか、
解決の可能性があるのであります。他の問題はちょっとデカ過ぎて、私たち
ではどうしようもない部分があるのですが、この「仕事及び日本人マーケッ
トの問題」は、実際かなり手強いにもかかわらず、それなりのやっつけ方と
いうのが存在するのであります。
というわけで、早速その問題の全貌をご説明することにしましょう。
私たちがここで言う「仕事及び日本人マーケットの問題」というのはです
ね、ひとことで言いますと、「ニューヨークの日本人社会には、おもしろい
仕事があんまりないのよね」ということになります。
で、なんでおもしろい仕事がないかと申しますと、相手にしてるマーケッ
ト=日本人マーケットが小さ過ぎるのですね。
だから、「仕事及び日本人マーケットの問題」なのです。
私たちは、この「仕事及び日本人マーケットの問題」がNY病にひじょーに
強く関与してると信じております。つまりNY病患者の皆さんの精神というの
は、「仕事及び日本人マーケットの問題」にユサユサと揺さぶられてるのよ
と考えておるのです。
通常、社会人というのは、1日約8時間ほど働いておりますね。要するに
1日の3分の1は仕事に費やしておるのであります。その「1日」を「人
生」に置き換えることもできます。
その仕事がおもしろければいいのですが、おもしろくない場合、それは
「人生の3分の1はおもしろくない」ということを意味します。
さらに、ニューヨークで働きたいと考え、それを行動に移した日本人とい
うのは、ほとんどが「ニューヨークでおもしろい仕事がしたい」と考えてた
人たちなのであります。彼らは、「人生の3分の1をおもしろくしたい」人
たちなのです。
それなのに、それなのに、ニューヨークの日本人社会にはおもしろい仕事
が少ない。でもせっかくニューヨークまで来たんだから、このまま日本に帰
るわけにはいかないわ。その結果、おもしろくない仕事に就き、1日8時間
=人生の3分の1を我慢しながら生きていく。でもでもなんでニューヨーク
でこんなことしなくちゃいけないの。あたしがニューヨークに来た目的は、
今やってることとまったく正反対のことだったじゃない。おもしろいことを
やりにわざわざニューヨークまで来たのに、やってることは日本にいた頃の
仕事よりおもしろくないのよ。一体どーなってるの。いや〜ん。
そして、人々はNY病に走るのです。
「仕事及び日本人マーケットの問題」とNY病の絡み、おわかりになりまし
たでしょうか。
それではここで、「ニューヨークの日本人社会には、おもしろい仕事があ
んまりないのよね」について、もう少し詳しくお話しすることにしましょ
う。
まず最初に、ニューヨークに住む日本人が就ている仕事についてですが、
私たちがここで「おもしろい仕事があんまりないのよね」と言う仕事という
のは、主にこちらでGetする仕事、つまり駐在員仕事じゃなくて現地採用仕事
のことになります。
はっきり言いましょう。こちらの現地採用仕事は平均的に言ってあんまり
おもしろくありません。確かにおもしろい仕事も存在します。ただ大部分
は、どちらかというと「つまんな〜い」部分に属します。
「そんなことはない。例えば、米系の企業に就職できれば結構おもしろい
仕事ができるはずだ」という声もあります。しかしながら、ニューヨークの
米系企業における日本人の雇用数というのは大体決まっておりまして、また
悪いことに日本人にはビザの問題というものが付いて回るわけでして、トド
メに最近は就労ビザを取るのがだんだんむずかしくなってるという状況でし
て、今後、米系企業が現在の数以上の日本人を雇用することはちょっと想像
できんのであります。
「そんなことはない。仕事なんか気持ちの持ちようでいくらでもおもしろ
くできるもんだ」という根性論も存在します。ただ私たちNuts軍団は、基本
的に「具体性のない気合い入れ論=根性論」というのがキラいですので、こ
こでは無視させていただきたいと思います。
「そんなことはない。オレの仕事なんかすんげえおもしろいぞ」と言って
しまう人もいることでしょう。そうなんです。ここの日本人社会にもおもし
ろい仕事は存在するのです。でも全体的に見た場合はそうではないのです。
中には、「それはその人間に能力がないからさ」とバッサリやってしまう身
の程知らずもいるかもしれませんが、私たちにはそういうウンコタレ野郎に
付き合ってるヒマはありませんから、ズンズン話を先に進めることにしま
しょう。
では、なぜここニューヨークの日本人社会には、おもしろい仕事が少ない
のでしょうか。
ここから日本人マーケットの話になります。
まず、ニューヨーク近辺には約10万人の日本人が住むと私たちは言い
切ってしまいます。
日本の外務省は約6万と言っておりますが、それはあくまでも領事館に在
留届を出してる日本人の数でありまして、現実にはその数字よりも多いのは
明らかなのであります。
10万人。一見多そうに見えますよね。でも、ひとつのマーケットとして
見た場合は、たったの10万人なのであります。
10万人と言えば、日本のちょっと大きめの地方都市の人口になります。
その街には、いろんな仕事が存在するはずです。
でもですよ、ニューヨークに「何かやろか」という意志を持って来た日本
人の欲望を満足させてくれる仕事が、その人口10万人の街にどのくらいあ
るでしょうか。
ちなみにニューヨーク市全人口は、約6百万人と言われています。もしそ
の仕事が、6百万人を相手にするものであれば、きっとおもしろいことで
しょう。
しかし現実には、ニューヨークの日本人の仕事の多くは、ここに住む10
万人の日本人を相手にするもので、その日本人人口自体もこれからそんなに
伸びるとは考えられんのであります。
少ない人口を相手にするということは、それだけ稼ぐお金の額も低くなる
わけでして、そしたら自然と、奇抜なものよりも安全にお金を稼げる方法が
好まれるはずなのであります(失敗したらヤバイからね)。
一般的に言って、熊本よりも東京のほうがいろんな仕事がありますし、お
もしろい仕事の数も多いのであります。私たちがここで言いたいのは、そう
いう意味での「10万人ぐらいじゃ、おもしろい仕事はあんましないよね」
なのであります。
また、人口10万であれば、ノリ的には保守色、もう少しくだけた言い方
をしますと「新しいことはヤよ。このままタダレるようにやっていきましょ
う」色が強くなるわけでして、そういう場所では実力よりも人間関係、アイ
デアよりは気遣いが重要視されがちなのであります。
ニューヨークに来る日本人というのは、どちらかと言うとそれとは逆の
「人間関係よりも実力、気遣いよりはアイデア」を求める人間たちですよ
ね。そんな人たちが、上記のような空気の中で仕事をせねばならんです。
やっぱ苦しいでしょ。
私たちは別に田舎の仕事をバカにしているわけではありません。ただ、こ
こで働く日本人の中に、「ボクはニューヨークに住む日本人10万人を相手
にする仕事に就くぞ」という目標を持ってこの街にやってきた日本人は、ほ
とんどいないんじゃないかしらと私たちは考えるのであります。
でも現実には、ニューヨークで日本人が就く仕事の半分以上はこの街の
10万人の日本人を相手にする仕事なのであります。
米系企業に就職しようとしてもなかなか仕事がありませんし、かと言って
日系企業だとあんまりおもしろい仕事はないわけで、でもアメリカに残るん
であればビザが必要だから何が何でも就職しなくちゃけないし、ただそれだ
とニューヨークに来た目的とはやたらとかけ離れちゃうけど、そうやってる
間に時間ばかりが経っていく・・・・
さて、陰気な話はこのくらいにして、そろそろ今回の「仕事及び日本人
マーケットの問題」をどうやって解決するかをご説明したいと思います。
私たちが考えますに、ポイントはですね、「いかにしておもしろい仕事を
作るか」ということになるのであります。
おもしろい仕事をいっぱいいっぱい作ることによって、人々の1日8時間
=人生の3分の1をこれまたおもしろくしてしまい、ついでにNY病もやっつ
けてしまおうという作戦です。
前記のように、米系企業が採用する日本人数は今後大して伸びないでしょ
うから、彼らには期待はできませんね。
自分で会社を作るという方法も存在しますが、現実的にはビザの問題など
がありますので、この方法も却下してしまいます。
てなわけで、残されたのは既存の在ニューヨーク日系企業内におもしろい
仕事をクリエイトしてしまうという方法になります。
それでは、どうやって日系企業内におもしろい仕事を増やせばよいので
しょうか。その答えは「マーケット」にあります。
マーケットの大きさとおもしろい仕事の数というのは、基本的に比例して
おるのであります。つまり、マーケットが大きくなれば、おもしろい仕事も
増えるという構図です。
具体的には、現在ニューヨークの10万人の日本人を対象にビジネスして
いる日系企業が、ニューヨーク市の6百万人、あるいはアメリカの2億4千
万人 or 日本の1億人を相手にする企業に変わってしまえばいいのでありま
す。ビジネスのマーケットをデカくしてしまうのですね。
その移行がうまくいきますと、当然企業内の雇用も増えるはずですし、大
きなマーケットを相手にするわけですから、いろんなアイデアが生かされる
可能性も出てきます。要するに、仕事がおもしろくなるわけよ。
「仕事及び日本人マーケットの問題」を解決するためには、既存の日系企
業がより大きなマーケットを狙い始めることが必要なのであります。
ここで少し話がズレます。
私たちNuts軍団は、ニューヨークのチャイニーズやコリアンたちを強く尊
敬しております。
彼らは、この街におけるチャイニーズならチャイニーズ人口、コリアンな
らコリアン人口を徹底的に増やし、同民族内でビジネスするのと同時に、自
分たち以外のニューヨーカー相手にもビジネスを展開し、それでしこたま金
を稼ぎ、それをもとに新しいビジネスや雇用をそのコミュニティ内でクリエ
イトし、最終的に子供を弁護士、医者、大学教授、政治家などにすることに
よって、ニューヨークにおけるいろんな意味での発言力を確保するのであり
ます。
はっきり申しまして、ニューヨークにおけるマイノリティのサバイバルの
仕方はそれしかないのであります。それがこの街の常識なのです。
ところが、この街の日本人は、そういうことにはまったく無頓着でした。
ビジネスに関しても、日本から来た企業は、どちらかと言うとアメリカで物
を売ることだけを考え、その金を日本人社会内で還流させようとはしません
でしたし、一方で現地の日系企業は日本人内だけのお金のやり取りに終始
し、その外への攻めをおろそかにしてきました。
本来は、両者がうまくかみ合って、そこにできるだけ多くの雇用とおもし
ろい仕事を産み出せばよかったのですが、結果としてそうはならなかったの
であります。
また、ニューヨークの日本人社会には、仕事に関して、「アメリカ人相手
の米系企業か」、あるいは「日本人相手の日系企業か」の2つの選択肢しか
存在しないのよという空気が漂っておりまして、ここでなぜ日本から来たア
メリカ人を相手にしてる日系企業が出てこないかといいますと、彼らはこち
らでは、ほとんど採用を行なっておらんわけでして、採用したとしても事務
職の女の子どまりなのでありまして、話を戻しますと、ニューヨークの日本
人が就職する場合、「アメリカ人相手の米系企業か」or「日本人相手の日系
企業か」というふうになりがちで、もちろん前者のほうが後者よりもベター
と考えられておりまして、そこで「アメリカ人相手の日系企業っていうのは
ないのかしら。なぜないの。もしないのなら今の日系企業をそういうふうに
変えたらいいじゃない」などと大それたことを企み、それを成功させた人は
ほとんどいないのであります。
要するに、私たちがこのズレ話の中で言いたいのは、これまでニューヨー
クの日本人社会には、ニューヨークの他の人種から金を稼いで、それを自分
たちの中で回して雇用を創り出そうぜという動きがなかったのよということ
なのですね。
唯一それをやったのは、ニューヨークの日本食レストラン業界のみなので
した。私たちNuts軍団は、そういう意味で、彼らにはパチパチしてしまうの
であります。
ここで話を大きく戻します。
というわけで、前記のように「仕事及び日本人マーケットの問題」を解決
する=雇用とおもしろい仕事の数を増やす=NY病をやっつけるためには、こ
の街の日系企業が、在ニューヨーク日本人10万人だけでなく、もっと大き
なマーケットを攻めるようになればいいのであります。
去年数回に渡ってお話ししてきましたように、NY病の他の5つの原因、
「挑戦都市・ニューヨークの問題」「日本人的気質の問題」「ビザの問題」
「日本人社会とアメリカ人社会の問題」「日本人コミュニティの問題」たち
をやっつけるのはかなりむずかしいのですね。まず第一に具体的な解決方法
というの思い浮かばんのです。
しかしながら、この最後の「仕事及び日本人マーケットの問題」だけは、
比較的クリアーな解決方法が見つかりました。
そこでNuts軍団では、その「仕事及び日本人マーケットの問題」をやっつ
ける方法を正式に「NY病の治療法」と認定し、今年からそれに関する具体的
な行動を起こしていきたいと考えるのであります。
それが「99年の作戦2」でお話しする「NYJJ雇用倍増計画」及び「Nuts
塾」の2つの作戦なのであります。
いや〜、ぶりぶり書いてたら知らない間にスペースがなくなってしまいま
した。カタい話が続いて誠に申し訳ありませんが、上記の2つの作戦ついて
は来週お話しいたします。
では、また来週。
「週刊Nuts」編集部
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『今週の歌』
「ミチミチと となりで用足す 大男
”くらえ”とばかりの ニオイとサウンド ひろ」
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