1999年2月9日号(No.257)




目次

*『NYJJ2000計画でおま』
*『ジパングに続け!3』
*『VOICE』 ・投書『投書について』
*『グリーンカードへの道・第62話』
*『今週の歌』
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『NYJJ2000計画でおま』

 さて、「NYJJ2000計画」なのであります。
 このコーナーでは、2000年に向けてニューヨークの日本人社会がこんなふ うに変わったらいいわね、こんなサービスが始まったらもうサイコーだわ、 ということを私たちNuts軍団と読者の皆さんで考えていきたいと思うのであ ります。
 やわらかいものからカタイものまで、どんなネタでも結構です。何かいい アイデアがありましたらドシドシお送りください。
 というわけで、初回は、私たちニューヨークに住む日本人にとってひ じょーに切実な問題から始めさせていただくことにしましょう。
◆NYJJ2000計画・その1「お好み焼き屋がほしい」◆
 今現在、ここニューヨークにはお好み焼き屋がないのであります。
 数年前まで、グラセン(グランド・セントラル・ステーション)の近くに 「Chibo」というお好み焼き屋があったのですが、どういうわけかつぶれてし まいました。その関係者の方々がまだニューヨークに残っていらっしゃるの なら、是非とも「つぶれた理由」というのを聞かせていただきたいのです が、まあそれは横に置いとくとして、ニューヨークではその「Chibo」以降、 お好み焼き屋は出現しておらんのであります。
 前回の「Nuts井戸端会議」でもこの話が出まして、ある方は「ニューヨー クでタコ焼き屋をやりたい」てなことを言ってました。
 アメリカ人にはタコ嫌いが多いですから、「その問題は中にチーズなんか を入れることで解決よ」「それってなかなかいいアイデアよね」なんて話を しておったのであります。
 ニューヨークでタコ焼き屋。かなり魅力的な案です。
 ただ問題は、その「タコ」の部分でありまして、名前を「オクトパス・パ ンケーキ」なんかにした日には、おそらくアメリカ人は寄り付かないでしょ う。
 まあ、名前はどうにでもなるのですが、でもそういうことを考えますと、 やはり初めはお好み焼き屋のほうが妥当のような気がいたします。
 ニューヨークでお好み焼き屋をやる長所は、なんと言ってもその材料コス トの安さでしょう。その点については、日本でやるよりはずーっとコスト減 になること間違いなしです。
 短所とすれば、「アメリカ人問題」がありますね。彼らはお好み焼きの食 い方も作り方も知らんわけでして、それを教えるのにちょっと時間がかかる かもしれません。
 また、アメリカ人には猫舌が多く、アツアツのお好み焼きをフーフー言い ながら食べる喜びというのが彼らにはわからんのではないか、という不安も あります。
 ただ、お好み焼き作りに関しては、「目の前で作る」とか「自分で作る」 などの要素が魅力となって、結構受けるかもしれませんね。こちらのしゃぶ しゃぶ屋がアメリカ人で賑わっているのも、そのイベント性が受けてるから なのであります。
 実際にニューヨークでお好み焼き屋をやるのなら、できるだけ外から中の 様子が見えるようにしてほしいですね。
 ニューヨークで人気のある日本食レストランに共通するのは、「外から中 がよく見える」という要素です。アメリカ人にとって日本食というのはまだ まだ不思議な食べ物ですから、その不安を取り除くという意味においても 「外から中がよく見える」というのはひじょーに重要なポイントなのであり ます。
   また、お好み焼き屋には、フツーのレストランにはない空気が存在しま す。それは限りなく「近所の駄菓子屋」に近いもので、「愛着」とでも言う のでしょうか、そのお店と客との一体感というものがお好み焼き屋の場合、 強く感じられてしまうのであります。
 そういう愛着を感じられる食べ物屋というのが、ニューヨークには数える ほどしかありません。
 そこでお好み焼き屋です。お好み焼き屋なら、客がなんとなくホッとでき るお店になりえるのであります。
 てなわけで、最後に「さて、だれがやるの?」という話になるのですが、 お好み焼きと言えば、やはり大阪か広島でしょう。「お好み焼きを愛する 心」という点において、その他の日本人は彼らにはかないません。
 そうなりますと、ここニューヨークでお好み焼き屋を始めるのも、彼らが ベストではないかと私たちは無責任に考えてしまうのであります。
 ヒンシュク覚悟で言わせていただきます。ニューヨーク在住の大阪人及び 広島人の皆さん、ここでお好み焼き屋を始めるのはあなたたちの役目です。 使命と言ってもいいでしょう。
 あなたたちほどお好み焼きを愛する日本人が他にいますか。いないで しょ。食い物屋というのは、その食い物に対する愛がなければやっていけな いのであります。
 もし大阪府や広島県がアメリカとの国際交流を考えているのなら、 「ニューヨークへのお好み焼き屋出店による文化発信」てな感じで皆さんが 両自治体に働き掛けてほしいですね。うまく行けば資金的な援助が受けられ るかもしれませんよ。変なアンテナ・ショップを作るよりは、お好み焼き屋 のほうがずーっとおもしろいし効果的ですしね。
   広告等に関しては、私たちNuts軍団が全面的に協力します。
 2000年に向けてニューヨークにお好み焼き屋を開店する。なかなか夢のあ る話だと思うのですが、いかがなものでしょうか。
 今回はこんなもんで。
 では。
                 「週刊Nuts」編集部
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『ジパングに続け!3』

 さて、「ジパングに続け!」シリーズの第3弾なのであります。前回の 「なぜ私たちNuts軍団は、米系メディアの日本報道をチェックする組織作り にあまり積極的ではないのか」話の続きを今週もお届けすることにしましょ う。
 これからお話しすることは、私たち”イケイケ”Nuts軍団にしては珍し く、ひじょーに消極的な内容になります。ついでに、保守的でもあります。 でも、実際ニューヨークの日本人社会にはそういう現実もあるということを 読者の皆さんにもおわかりいただければと思います。
 私たちが米系メディアの日本報道をチェックする組織案に乗り気でないも うひとつの理由は、その組織がつぶれた時がコワイからなのであります。
 ニューヨークのような小さな日本人コミュニティでは、上記のような組織 がつぶれますと、その痛みというのがいつまでも残ってしまうのでありま す。
 もう少し詳しく説明しますと、その参加者の心の中には「あ〜あ、つぶれ ちゃた。もうこんなことやりたくな〜い」という思いが残り、他の日本人は 「やっぱりダメだったか。そういうのって無理なんだよね」てなふうに考え てしまうのですね。
 つまり、未来に痛みが残るのです。
 これが東京のような日本人がやたらといるところなら、組織が1コや2コ つぶれても、どーってことないのであります。つぶれた痛みを知らない人が 山ほどいますので、その人たちの中からまた新しい動きが生まれるはずで す。
   しかしながら、ニューヨークの日本人社会は東京とは比べものにならない くらい狭く、ただでさえ新しいことがやりづらい場所なのであります。そう いうところでの失敗というのは、未来に強く影響してしまうのですね。
 だから、ニューヨークで社会問題やっつけ型の組織を作ったり、運動を起 こすのであれば、何よりもまず「つぶれない」ように努力しなければなりま せん。でないと、下手に組織をつぶしたりすると、人々の頭の中にその記憶 が長い間残ることになり、それは「問題をやっつけようぜ」という動き自体 を、その間止めると言うか、押し戻すことになってしまうのであります。
 要するに、組織を作ったことがマイナスに働いてしまう場合もあるので す。
 「でも、物事はやってみないとわかんないじゃん」「失敗することによっ て学ぶことだってあるじゃない」という声もあると思います。
 そうなんです。その通りなんです。私たちNuts軍団は、これまでそういう ノリでやってきました。失敗することをガンガン奨励してきたのでありま す。
 ただ、私たちは、「失敗した後のことなどまったく心配する必要なし」と 考えているわけではありません。
 物事というのは、通常その環境に強く影響されます。例えば、日本人が百 万人いる場所と十万人しかいない場所では、日本語雑誌の作り方も日本食レ ストランの経営の仕方もまったく違ってくるのであります。
 また、それが日本国内か海外かでもだいぶ違ってきますし、そこに住む日 本人がどう人たちか(会社員か学生かなど)、そして現在の出来事の未来へ の影響度というのも重要なポイントになります。
 何か物事を始める場合は、そういう外の要因っていうのもしっかり考える 必要があるのですね。
 というわけで、私たちが、今回の「米系メディアの日本報道をチェックす る組織案」とそれを取り囲むいろんな環境を足したり掛けたり割っり引いた りモンだりシバいたりしますと、「今はその時期じゃないわね」という答え が導き出されてしまうのであります。特に、その組織がつぶれた場合の未来 への痛みを一番心配してしまうのです。
 「そんなこと言ったら何も始められんやん」。私たちもそう思います。失 敗することをコワがり、ついでにその失敗が未来にどう響くかなんてことを 考えてたら、フツーは何もできんのであります。
 でも、それらのことを無視するのも間違っています。まわりの要因を無視 すると、単なるマスターベーションに陥る危険性があるからです。
 目標に向かってしっかり行動に移しつつ、まわりの環境にも目を配る。 これがベストであると私たちは信じるのであります。
 私たちNuts軍団が、今回の組織案の失敗をコワがる理由、皆さんおわかり になりましたでしょうか。結構後ろ向きの考え方ですが、ここの日本人コ ミュニティにおいては、現在の失敗が未来の足を強く引っ張ってしまう可能 性もしっかりくっきり存在しておるのであります。
 ところでですね、今回の組織案を考える際に私たちが最も「大切だわ」視 するのは、「どうやって始めるか」ではなく、「どうやって続けるか」なの であります。ですからこれまでの「Nuts軍団がその案に賛成しない理由」:
1)ニューヨークには「口だけ日本人」がいっぱいおって、通常こいつらが 組織をつぶす。
2)批判や攻撃を目的にする組織は続かない。
3)組織がつぶれたら、それが未来に痛みとして残る。
 も、すべて「どうやって続けるか」に関連したネタになっておるのであり ます。
 来週は、なぜ私たちが「どうやって続けるか」にフォーカスを置いている かをお話ししたいと思います。
 では。
                「週刊Nuts」編集部
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『VOICE』

投書『投書について』
 このところNutsがあまり面白くないと思ったら、読者の投書の掲載が 少ないのである。年末年始の号なんかはまるで社内報を読んでるような気が した。
 投書を読むのが好きな私はOCS Newsを買えばまずオープンレターから読 み始める。595号の投書は鋭かった。”縁結び”ではナッツでよく話題にな るなぜ日本人男性がもてないかをうまく言い当ててるし”お金で考える国際 結婚”の最後のくだりにはその身である私はドキリとさせられました。興味 があれば読んで下さい。
                    元NYJJより
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『グリーンカードへの道・第62話』

 1998年4月のある日、1枚のFAXが私の自宅に届いた。
 それは、今回私たちがお世話になったコングレスマン・オフィスから送ら れてきたものだった。
 正確には、イミグレからそのコングレスマン・オフィスに送られてきたも のを私のところに転送してくれたのだ。
 私はその紙に見覚えがあった。それはいつもイミグレに呼ばれる際にアポ イントメントの証明としてイミグレから送られてきた紙だった。
 イミグレの入口でその紙を提示するのである。それがあるのとないとでは 大違いで、ない場合はイミグレのビルに侵入するだけで数時間を要するのだ (あれは拷問よね)。
 そこに書かれていた内容を一文でまとめると、「おめえのパスポートにス タンプ押してやるから4月23日午前10時にイミグレに来い」ということ だった。
 とうとうスタンプである。そのスタンプさえあればアメリカ国外に出れる のだ。かみさんのおふくろさんの実家のドミニカン・リパブリックだって行 けてしまうのである。いや、その前に日本だ。最後に日本に帰ったのはいつ だろう。確かあれは95年の5月だったな。そろそろカラータイマーが鳴り 始めている。日本の空気を1日も早く吸わねばならない。でも、金がない ぞ。おそらくかみさんも「連れてけ」と言うに違いない。となると、当然実 家にも帰らねばなるまい。まだうちのおやじとおふくろはかみさんに会って ないのだ。両者の対面・・・うむ〜、コワ過ぎる。でもこれは避けて通れま い(避けてどうする)。義理とは言え一応親子なんだし。とりあえず私は両 者の通訳か。きっと大変だぞ。困ったな。今さらおやじとおふくろに「結婚 したって言ったけど、あれ冗談ね」と言うわけにもいかんし。ふむ。
 ドミニカン・リパブリックが先か、日本が先か、などとはひとことも言わ ずに、私はそのFAXをかみさんに見せた。
 かみさんはすでにそのコングレスマン・オフィスから連絡を受けてたよう で、別に驚くこともなく、「あ、そう」とだけ言った。
 「おめえ、向こうの人と話したのか」
 「今日電話もらったのよ。それと同じものがイミグレから郵送で送られて くるんですって。それを持ってイミグレに行けって言ってたわよ」
 「なるほど」
 「スタンプもらったら外に出れるんでしょ」
 「イ、イエス」
 「最初はどこに行こうかなあ」
 と言って、かみさんは私をジロリと見た。
 人生は、一難去ってまた一難なのである。
                       ひろ
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『今週の歌』

「40を やたらと近く 感じ出す
                微妙な年頃 33才 ひろ」
   

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