1999年4月6日号(No.264)




目次

*『在外投票の経済的効果』
*『NYJAは滅びるよ2』
*『編集後記』
*『今週の歌』
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『在外投票の経済的効果』

 さて、今週の1発目は「在外投票の経済的効果」という漢字ばっかりのひ じょーにカタイお話なのであります。でもネタ的にはなかなか面白いので、 「つまんなそー」と簡単にあきらめずに、ちょっとだけでもお付き合いいた だけたら幸いです。
 今、ニューヨークの日本食レストランなどに在外投票に関するチラシがバ ラまかれておりますね。それは、「5月から在外投票のための選挙人登録が 始まりますよ」という内容のものでして、こちらで発行されている日本語の 新聞や雑誌でも、もしかしたら来年実現するかもしれない在外投票に関する 説明が、ボチボチ開始されておるのであります。
 「5月から始まる在外投票のための選挙人登録」については、この「週刊 Nuts」及び「ぶりてんNuts」にて近々ご説明するつもりなのですが、その前 にですね、今回の「在外投票の実現」が私たち海外に住む日本人及び、日本そ のものに与える経済的効果ってヤツを考えてみたいと思うのであります。
 要するに、在外投票が実現することによって、どういうお金が生まれて、 どういうふうにお金が動くか、ということです。
 こういうことを言いますと、「イヤ! あたなたちって金が目的で在外投 票の運動をやってきたのね! 不潔!」と反応される方もいるかもしれませ んが、はっきり申しまして、私たちNuts軍団が在外投票運動をシコシコやっ てた理由のひとつには、その「お金」、つまり「経済的効果」っていうのも しっかり含まれておったのであります。
 ところで、在外投票制度が施行されることによって起こる現象を、私たち Nuts軍団は以下のように予想しております。
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1)私たち海外に住む日本人が日本の選挙に投票できるようになると、当然 日本の政治家の皆さんは私たちの票が欲しいわけですから、海外の日本人に 対していろんなアプローチ、例えば講演会とか新聞・雑誌での広告などを仕 掛けてくるのであります。今まで日本の日本人にしか目が行かなかった彼ら が、やっと私たちのことを見つめ始めるのです。
2)日本の政治家の方々が私たち海外組のことを見始めますと、彼らをいつ も取材している日本のマスコミ軍団も海外在住日本人に興味を持ち始めま す。また、なんと言っても在外投票をやるのはこれが初めてなわけですか ら、もちろん取材もせにゃならんでしょう。今後、日本のマスコミが海外の 日本人ネタを今よりもずーっと頻繁に報道することになるのは間違いありま せん。いい展開ですね。
3)日本のマスコミが海外に住む日本人のことを記事にしたり、テレビで放 送したりしますと、その結果として日本の日本人の皆さんも、海外には約 100万人の日本人が住んでることや、その100万人が各国で結構楽しく 生活してることなどを知ることになります。私たち海外組が日本において やっと全国的に認知されるのであります。
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 ここでは単に「海外に興味を持ち始める」とか「海外在住日本人の情報が 日本に伝わる」という言い方をしましたが、私たちは「お金」に関しても似 たような現象が見られるはずだわ、と考えております。
 勘違いのないように言っておきますが、それは間違っても「政治家さんた ちから裏金をもらう」的な不健康かつ陰湿なものではありませんので、そこ のところよろしくお願いいたします。
 まず第一に、日本の政治家の方々が海外、例えばニューヨークで講演会な どを行ないますと、そこには当然お金が落ちることになります。講演会自体 をコーディネイトする業者も必要でしょうし、そのイベントを宣伝するため に広告費も使わねばなりません。
 日本の各政党がニューヨークの日本語新聞や雑誌に自党の政策などの広告 を載せる場合も、こちら側にお金が落ちることになります。
 次に日本のマスコミについてですが、日本のマスコミの皆さんは、基本的 に在外投票のことなんてなーんにも知りません。在外投票制度ができた時は それなりに記事にしておりましたが、ほとんどの報道は在外投票の表面をペ ロリとなめた程度のものでして、このネタに関する日本のマスコミの無知度 はまだまだ高いのであります。
 しかしながら、在外投票は実際に近々施行されるわけでして、でも日本の マスコミ軍団はそれについて何にも知らんし、はてさてどうしたものかい な、という状況になった時に必要とされるのが、海外に住む日本人ジャーナ リスト及びフリーライター軍団なのであります。
 今後、在外投票の影響によって、日本のマスコミから彼らへの仕事の発注 量は増えます。つまり、日本からの「すいませんけど、このネタについて書 いてもらいませんか」的依頼が多くなるのです。
 このことにすでに気がついている海外組日本人ジャーナリスト及びフリー ライターは、限りなく少ないのですが(ほとんどゼロ)、まあそのうち私た ちが言ってることがおわかりいただけると思います。
 なにはともあれ、海外の日本人の書き手たちにお金が落ちるのでありま す。
 トドメに一般の日本国民の皆さんについては、在外投票に関するニュース が日本に伝わることによって、「海外に住む」ということがより近く感じら れるようになり、「ほんならワシも住んでみよか」という人が増えることが 予想されます。
 海外に住む日本人が増えますと、そこの日本人コミュニティに落とされる お金も増えます。
 また、「お、海外にはそんなに日本人がおるんかいな。ほな、ワシらも海 外進出じゃ」と外国に進出してくる日系企業も出てくるかもしれません。そ うなりますと、海外での日本人の雇用も増えることになります。
 というわけで、在外投票が施行されますと、いろんな種類のお金が海外の 日本人に落ちることになるのであります。
 ただですね、同時に私たちNuts軍団は、そのことについて単に「いや〜、 ラッキーラッキー」と喜んじゃダメなのよ、と考えております。
 例えば、政治家の方々がこちらに落とすであろうお金は、もともとは日本 の皆さんが一生懸命働いて納めた税金なのであります。その税金をいただい といて、「いや〜、ラッキー」はありません。
 さらに、在外投票を実施するためには、えらい額のお金が必要なのです が、それらはすべて日本の税金でまかなわれることになります。要するに、 日本で税金を払ってない私たち海外在住日本人のために、日本の税金が使わ れるのであります。
 そういう状況にも関わらず、海外に住む日本人だけが得をするというので はスジが通りません。日本の貴重な税金を使っていただくのですから、それ なりの「ご恩返し」をする必要があります。
 では、その「ご恩返し」とは何か。それはやはり「日本にも金が落ちるよ うにすること」だと私たちは考えるのであります。
 日本の政治家が来たら、日本に金を落とすためのいろんなアイデアを提言 する。日本のマスコミには、日系企業の海外進出を後押しするような情報を 積極的に流して記事あるいはニュースにしてもらう。一般の日本国民には、 彼らが海外に出てくる際に役に立つ情報を提供し、実際にこちらに来てから も彼らをサポートできるよう努力する。日系企業に関しては、彼らの海外進 出をバックアップできるような態勢を作る。
 今回、私たち海外在住日本人は、日本からいろんな種類のお金をいただく ことになります。その際、私たちが考えなくてはならないのは、「お金を もっといただく方法はないかしら」ではなく、「どうやったらお金を日本に 還流させられるのかしら」ということなのであります。
 今、日本は海外からの金を必要としています。そしたら、海外に住む私た ちが何かやらにゃしゃーないでしょう。
 「在外投票制度は本来あって当然なのだから、別に私たちは”ご恩返し” などする義務はない」てなことを言う方もいるかもしれません。
 ただ、現在日本がどのくらい苦しんでいるかは、海外からもよーく見える わけでして、その中で在外投票用の予算を捻出してくれたことについて、私 たちはしっかり感謝すべきですし、日本のために私たちがやれることをウム と考え、実行していくべきなのであります。
 最後にもうひとつ。
 海外に住む日本人というのは、日本からの仕事の依頼の際にやたらとお金 をぼったくる傾向にあります。これはよくありません。「ぼったくり」は未 来に不信感を残すだけです。
 私たちNuts軍団は、これからやってくる「在外投票」景気の中でもその 「ぼったくり」が発生するのではないかと心配しております。
 一応、Nuts軍団では、できる限り「ぼったくり」行為を邪魔するつもりで す。「この業界では、こういうぼったくりが発生している」だとか、「もっ と安くやれるところがあるわよ」的な情報を「週刊Nuts」及び「ぶりてん Nuts」を使って、ガンガン流していきたいと考えております。
 「在外投票の経済的効果」のお話でした。
 では。
                  「週刊Nuts」編集部
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『NYJAは滅びるよ2』

 さて、先週から始まりました「NYJAは滅びるよ」の第2弾なのでありま す。
 実を言いますと、前回の文に関しての読者の反応が結構良く、私たちはゲ ゲゲと驚いておるのであります。日系アメリカ人に対する関心というのが意 外に高く、「もっと早くやりゃよかった」と私たちは思わずチクショーして しまいました。
 というわけで、早速本題に入ることにいたしましょう。
 今回は、読者の皆さんにNYJA(ニューヨーク在住日系アメリカ人)のベー シックな部分をおわかりいただくために、私たちNuts軍団がこれまでに入手 した彼らについての情報や彼らとの出会いなどをご紹介したいと思います。
 まず最初に、日系アメリカ人と言いますと、ロスのリトル・トーキョーな どを歩いてるおじいさん(映画「ベスト・キッド」に出てくる、ナントカ・ モリタさん的人物)を思い浮かべちゃう人もいるかもしれませんが、ニュー ヨークにおいては、ちとばかり事情が違うのであります。
 何よりも日系アメリカ人の数自体が、西海岸に比べると圧倒的に少ないの であります。また、リトル・トーキョーのような「日本街」もありません。
 従ってニューヨークでは、ある意味、日系アメリカ人を探すのがひじょー にむずかしいのですね。
 NYJAの基本その1=「ニューヨークでは日系アメリカ人をあんまし見かけ ませんな」。
 次は、NYJAの世代間のつながりに関してですが、中国系が家制度、韓国系 が宗教(キリスト教)でつながってることと比べますと、一般的に日系アメ リカ人の世代間のつながりというのは、限りなく細く貧弱なのであります。
 特にニューヨークにおいては、NYJAの世代間の交流を促すグループ、団体 もあまり存在しておりませんし、ほぼ完全にお手上げ状態なのであります。
 ま、それはNYJJ社会にも言えることですけどね。
 NYJAの基本その2=「NYJA内での世代間のつながりはほとんどないわ ね」。
 それでは、NYJAの若い衆は一体何をやっているのでしょうか。彼らのグ ループみたいなものは存在しないのでしょうか。
 私たちNuts軍団が知る限りでは、それ系の団体は「Japanese American Citizen League(JACL)」のみになります。
 このJACLは、本部がサンフランシスコにありまして、噂によるとかなり しっかりした団体らしいです。ただ、ニューヨークに住む日本人にはほとん ど知られておらず、Nuts読者の皆さんに「じゃあ、何をやってるの?」と聞 かれましても、私たちでは答えようがないほど、NYJJ社会とはかけ離れたと ころに存在している団体なのであります。
 また、JACLは別に若い衆日系アメリカ人のグループというわけではないよ うで、いろんな世代が参加しているらしいく、そう意味では日系アメリカ人 内の世代を結ぶ団体と言えないこともありませんが、実際に世代間の交流が 積極的に行なわれているかと言いますと、ハタ目にはそんなふうには見えま せんし、少なくともニューヨークにおいては「世代間交流の促進」的なこと はあんましやってないようです。
 ただ、私たちNuts軍団は、このJACLについてまだまだ知らないことが多い のも事実です。実際にはすごくいろんなことをやってたりするかもしれませ ん。JACLに関しては、もう少し詳細を調べてから、あらためてご報告いたし ます。
 NYJAの若い衆と言えば、今から数年前に一緒にデモをやった思い出があり ますね。
 あれはアメリカで「ライジング・サン」という映画が放映された時のこと でした。ご覧になった方はよーくご存知かと思いますが、その映画では日本 人がバリバリのステレオタイプのホントにしょーもないキャラクターで描か れておりまして、ついでに内容もイマイチ、いや、イマニ、いや、イマサン ぐらいだったのであります。
 その封切りの際に、その内容にプッツンきたNYJAの若い衆たちがタイム ズ・スクエアーでデモをやることになったのであります。で、私たちNuts軍 団もそれに参加したってわけなのよ。
 いや〜、これが結構楽しかったのであります。
 デモ自体もきっちりオーガナイズされておりましたし、かなりの数のNYJA が参加しておったのであります。私たちNuts軍団も「いや〜、大したもんや ねえ」と関心してしまいました。
 ただ、その際も、もともとそういうグループがあったわけではなく、自然 発生的にNYJAたちが集まったみたいでして、それ以後もきっちりとした連絡 先を持つような団体は、現われておらんようなのであります。
 NYJAの基本その3=「NYJAの若い衆のグループも見当たらんね」。
 とりあえず今週はこのくらいにしておきましょう。
 では。
                  「週刊Nuts」編集部
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『編集後記』

 今週はカタイ話ばっかりでゴメンナサイ。
 4月の「Nuts井戸端会議」のお知らせです。参加ご希望の方は、編集部 (212-982-3348)までご連絡ください。
 日時:4月15日(木)午後6時半より  場所:CAFE ISSA     246 East 51st st.(2と3の間)
 では、また来週。
                  「週刊Nuts」編集部
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『今週の歌』

 「”お茶ちょうだい” そう言う私を かみさんは
        じっとニラんで ”プリーズ”を待つ ひろ」
   

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