1999年4月13日号(No.265)
目次
*『NYJAは滅びるよ3』
*『Nuts TV作戦14』
*『VOICE』
・投書「3月30日号(NO.263)のMr. Fukudaさんへ」
*『編集後記』
*『グリーンカードへの道・第69話』
*****************************
『NYJAは滅びるよ3』
さて、「NYJAは滅びるよ」シリーズの第3弾なのであります。
先週もお話ししましたが、このネタに対する反応が異常な盛り上がりを見
せておりまして、日本人の方からも日系アメリカ人の方からもいろんなご意
見をいただいております。
日系アメリカ人の方々からのリスポンスに関しては、ご本人が日本語が読
める、または日本人から内容を聞いて「わしはこう思う」メールをお送りい
ただいたようです。
「きっと”こんな文、書いてんじゃねえよ”メールがたくさん来たに違い
ないわ」とお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、実際はまったく違い
ます。
フタを開けてビックリ。なんと、お互い、つまりNYJAとNYJJの批判合戦
が始まってしまったのであります。
NYJA側からは「日本人は日系アメリカ人を見下だしている」などの意見が
寄せられ、NYJJ側からは「日系アメリカ人は日本人に冷たい」的な批判が湧
き出てきたのですね。
う〜ん、大変なことになってきたぞー。
まあ、その辺のことは別の機会にお話しすることにして、この号から本格
的に「NYJAは滅びるよ」説の詳細に突っ込んできたいと思うのであります。
まず第一に、私たちNuts軍団の「NYJAは滅びるよ」説は、以下のような造
りになっております。
「ひとつのコミュニティを維持するには、いろいろと必要なファクター
(要素)があるのよ」
↓
「さてさて、NYJAコミュニティはそれらのファクターをきっちりしっかり
押さえているのかしら」
↓
「あらまあ、押さえてないじゃないの」
↓
「そしたら、この人たち滅びちゃうわ」
↓
「いや〜、困った」
今回のようなタイトルを付けますと、世の中には「Nuts軍団はNYJAの滅亡
の望んでおるんでないの」と取る人もいたりして大変おもしろいのですが、
残念ながら私たちにはそういう願いはありません。
前にもお話ししましたように、私たちは感情的にこういうことを言ってる
わけではないのであります。
冷静に客観的事実だけをかき集め、それらを積み上げますと、「このまま
行くと、NYJAに未来はないわね」という答えが自然と出てきてしまうので
す。
で、ここで言う「客観的事実」というのは、私たちNuts軍団がこの「週刊
Nuts」紙上で昔から「ニューヨークの日本人社会には・・・が足りないの
だ」などとウダウダ言ってきました「コミュニティ創りのココロ」的なもの
をベースにしております。コミュニティという人間集団をうまく機能させ維
持するための必要条件みたいなものです。
それがNYJAの場合はうまく揃ってないのであります(NYJJも似たような
もんやけど)。
というわけでここからの話の展開ですが、まずは「ひとつのコミュニティ
を維持するために必要ないろんなファクター」をひとつずつご説明しまし
て、そこに「NYJAの場合」をかぶせみたいと思います。
それでは参りましょう。
1)「”リトル・トーキョー”の問題」
最初は、”リトル・トーキョー”の問題、つまり場所の問題から始めるこ
とにします。
ニューヨークのようなミックス都市において、一般にひとつの民族が自分
たちの生活を経済的及び政治的に安定したものにするために使用するのが、
「わしらの街を創りましょう」法なのであります。チャイナ・タウンやコリ
アン・タウンのように自分たちの街を創ってしまうのです。
これは、マイノリティ軍団がニューヨークのような都市で生き残るにはベ
ストな方法でありまして、ニューヨーク・サバイバル術の基礎中の基礎と言
えるでしょう。
なんと言っても、自分たちの空間を持ってしまうというのがおいしいじゃ
ないですか。「チャイナ・タウン」などと呼ばれるようになれば、チャイ
ニーズだけに限らず、いろんな人間が「どれどれ、行ってみよかい」という
ことになるでしょうし、そこには当然お金や情報も落ちることになります。
また、そういう場所があれば、みんなが集まるわけですから、同民族内で
の世代を越えたお付き合いというのが可能になります。シニアからヤング
(これは死語ね)への歴史や文化に関する情報の伝授が行なわれるのであり
ます。
ついでに、本国から来たばかりの人たちもそこに流れ込むことになりま
す。要するに、新しい血が入るのですね。
こういう感じで、ナントカ・タウンを持っちゃうことは、ニューヨークの
マイノリティにとってはひじょーに重要なサバイバル手段のひとつなのであ
ります。
で、問題のNYJAですが、ニューヨークにはロスの”リトル・トーキョー”
のような日系アメリカ人+日本人のなわばりが存在いたしません。
これは痛い。とっても痛いのであります。
”リトル・トーキョー”がないってことは、日本の関係者が集まる場所が
ないわけでありまして、同時にそれはお金も情報も落ちないということを意
味しており、もちろんそこには世代を越えたお付き合いなんていうのも存在
しませんし、新しい血の受け皿もないのであります。
コミュニティというのは基本的に会社と同じでありまして、それを維持し
ていくためには、お金やお互いのコミュニケーション、新入社員などが必要
なのであります。
今現在、NYJAは”リトル・トーキョー”を持っていません。コミュニティ
を維持するためのベリー・インポータントなファクターが欠けておるのであ
ります。
それはとってもノー・グッドなのよ、という感じで今回は終わりにしたい
と思います。
続きはまた来週。
では。
「週刊Nuts」編集部
*************************
『Nuts TV作戦14』
さて、「Nuts TV作戦」シリーズの第14弾なのであります。今回も「”
パブリック・アクセス”リポート」の続きになります。
それではどうぞ。
「週刊Nuts」編集部
* * * *
『”パブアク”リポート』〜怒涛のビデオカメラ3〜
さっきから、気の弱そうなヒスパニックのおにいちゃんが私の前をウロウ
ロしている。
一体こいつは何者なんだろう。バッグも何も持ってないところを見ると、
きっとManhattan Neighborhood Network(MNN)の人間に違いない。
私のことをチラチラ見てるぞ。気があるのかな。わしってよくゲイに間違
えられるから、その線のアプローチかもしれない。
無視するか。
なんてことを考えていると、その彼が急に言ったのである。
「あの〜、今日ビデオのクラスを受けに来た人いますか」
私は右手の人差し指を立て、その右手をちょっとだけ上げて「イエス」
と言った。
もしかしたら、このおにいちゃんが今日の先生かもしれないぞ。
彼のその問いに「イエス」と答えた人間は、私の他にもふたりいた。太っ
た黒人女性とヤセ型ノッポの白人男性だった。
「数人遅れてるみたいだから、もう少し待ちましょうか」
最初は気がつかなかったが、そのおにいちゃんはヒスパニックなまりがバ
リバリ効いた英語を話すのであった。
それは通常のヒスパニックなまりをはるかに越えたなまりだった。
彼はおそらくアメリカ生まれではないね。30は行ってないな。まだ20
代だろう。
その黒人女性と白人男性はおそらく40代だ。ふたりとも企業で働いてる
タイプには見えない。限りなく自由業って感じである。
「ふー」とお疲れ系のため息つきながら、別の黒人女性がその場に現われ
た。
彼女にヒスパニックにいちゃんが声をかける。
「ビデオのクラスに来たんですか」
「そうよ。まだ始まんないの?」
その黒人女性が ぶっきらぼうに聞いた。
「もうちょっと待ってもらえますか」
すでに時計の針は、予定の6時半を10分ほど過ぎていた。
私たち5人、黒人ふたり、白人ひとり、ヒスパニックひとり、東洋人ひと
りは、お互いにしゃべることもなく、まだ現われない遅刻者を待っていた。
ひろ
************************
『VOICE』
@投書「3月30日号(NO.263)のMr. Fukudaさんへ」
Dear Mr. Fukuda,
I can't disagree with you more. If you feel that your
girlfriend should wear her Dutch clothes, and play only Dutch
music, then she should only eat Dutch food, and she should only
speak Dutch. Oh hell, she shouldn't even be living in America, she
should go to Holland where all the other Dutch people live.
And you shouldn't be writing that article in English, you
shouldn't even speak English. Do you ever take a taxi? If you do,
you shouldn't because they are all Fords. That means they are
American cars not Japanese. For that matter you should go back to
Japan. If things were your way everyone should go back to where
they came from and where their roots are. The only people who
should be left here are the Native Americans.
Luckily for you I disagree with you though. You see, America
is about remembering your own values but also learning new ones.
It's about living a life where you make your culture. What is
American? No one knows, because Americans are made up of
different people from all over the world. Technically the only real
full blooded American who was originally from here is the Native
Americans; however I don't think that means everyone else is less
then an American. If YOU feel that way YOU shouldn't be even
dating a Dutch girl. YOU should stick to your own kind, in your own
land. To hell with your love, if your beliefs are that strong, then
love shouldn't even come before your beliefs in your case. It's
because of people who think like you that the whole "Kosovo
Crisis" is going on, and the "Holocaust Crisis" did happen.
Let me tell you something about my husband and me. I am
American, with the blood of Irish, Italian, English, and American
Indian flowing through my veins. My husband, whom I love more
then anything in this world, is Japanese. We are making our own
heritage, bringing my background and his together. Oh, and by the
way, he POKES me every morning and every night. You want to know
something else, we both enjoy it very much.
Mrs. Colleen Marie Eustice-Sakai
*************************
『編集後記』
グリーンカード待ちの皆さんへ。
問題を1日も早く解決したい方は、すぐに住んでる地区選出のコングレス
マンに電話してください。ボーっと待ってても何も解決しませんよ。
では、また来週。
「週刊Nuts」編集部
*************************
『グリーンカードへの道・第69話』
スタンプ、もらっちゃったもんね。
そうなのである。今、バッグの中に入ってる私のパスポートには、「こい
つにグリーンカードをくれてやるぜ」スタンプがしっかりと押されているの
だ。
はっはっは。
私は、スタンプもらいの儀式が終わり、ジューイッシュの面接官にサン
キューした後、待合室に戻ろうとしたのである。
正確には、待合室を通って、そのままエレベーターのところまで行くつも
りだった。
その時、私は思ったのだ。
「もう一度、私たちが最初のインタビューを受けた場所を見てみたいわ」
本来、出ていくべきドアの前を通り過ぎ、私はあの場所へと向かった。
確かあれは、待合室の後ろ側のドアから入って、左手に行ったところだっ
た。
その問題の「待合室の後ろ側のドア」を確認して、私は奥へ奥へと歩いて
いく。誰も止める者はいない。しめしめ。
そこは相変わらず乱れたオフィスだった。どこを向いても書類の山、山、
山。この書類の分だけグリーンカード待ちの同志たちがいるかと思うと、何
やらムカムカしてくる。
例の場所が視界に入った。私たちの面接官だったSさんの席である。今は出
産のためにお休み中。できたらトットと元気な子供を産んで、トットと職場
復帰してほしいところだ。
私は彼女の席の前で立ち止まった。私とかみさんが座った席の位置が変
わっている。机の上はきれいに片づけられており、そのヌシがずっぽしお休
み中であることを物語っている。
窓越しに見える向かいのビルは、あの時と同じだ。ただ、ビルに反射する
日の光は、ずいぶん弱く感じる。
そりゃそうだ。だって、あれは8月だったからね。
いつまでもこんなところに突っ立ってたら、「何者じゃ」と怪しまれる可
能性がある。そんなことになって、スタンプなんか取り上げられちゃった日
には、かみさんに八つ裂きにされてしまうわ。
私はドアへと向かった。それは、待合室ではなく、廊下に通じるドアだっ
た。
そのドアを出ながら、私は「もう2度とここには戻って来ませんように」
と願った。
が、よく考えたら、2000年に再びインタビューを受けなくっちゃいけ
ないわけで、イミグレとの関係は来年まで続くのであった。
むなしい。
ひろ
*****************************
『今週の歌』
「午前5時 慌てて作る 今週号
かみさん寝言で ”離婚だ!”と怒鳴る ひろ」
下のアドレスを押すとメイルが送れまっせ
投書、意見、感想もどうぞ
Return to Home Page