1999年5月11日号(No.269)
目次
*『NYJJクール作戦99・その1』
*『NYJAは滅びるよ6』
*『VOICE』
・投書『サッポロにて』
*『グリーンカードへの道・第72話』
*『今週の歌』
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『NYJJクール作戦99・その1』
お待たせいたしました。とうとう「NYJJクール作戦99」話がスタートす
るのであります。
ここでちょっと「NYJJクール作戦99」について復習いたしますとです
ね、これはニューヨーク在住の4つの日本人軍団を応援しようという作戦で
して、それらの4軍団をご紹介しますと、「American Book Jam軍団」
「イタショー軍団」「ジパング軍団」「劇団浜田軍団」になるのでありま
す。
というわけで、まずは「American Book Jam軍団」から始めることにい
たしましょう。
皆さん、「American Book Jam(ABJ)」という雑誌をご存知でしょう
か。レターサイズの半分ぐらいの大きさの日本語の季刊誌です。紀伊國屋や
OCSでも売っております。
ちなみにその表紙には、「アメリカの雑誌・洋書を読む人の雑誌」と書か
れております。だからと言って、「ABJ」が単にアメリカの雑誌・洋書の紹
介本かと言いますと、それもちょっと違うのであります。
確かに「ABJ」の軸になるのは、その部分=「アメリカの雑誌・洋書」に
ついてなのですが、それだけではなく、「アメリカの雑誌・洋書」を取り囲
む空気みたいなものまで伝えてしまおうという気配が、この「ABJ」にはあ
るのであります。
例えば、ブルックリンのポエトリー・リーディングのレポートだとか、
ニューヨークのミニコミ(「ABJ」では”ZINE”と呼んでおります)紹介な
どもやってしまうのです。
なかなかすばらしいですね。
ついでに、ジパング軍団がブチ上げた「ニューヨーク・タイムズちゃんの
偏った日本報道」論に関しても、すでに97年の「ABJ」夏号にてスルドく
取り上げていたのですから、大したもんなのであります。
しかしながら、「ABJ」の本当の威力と言いますか、歴史的意味と言いま
すか、私たちNuts軍団が、これぞパチパチパチものだわと拍手してしまうの
は、それらの点ではありません。
「ABJ」軍団がやらかしたことの中で最もパチパチなのは、現地人の情報
収集力のスゴさを証明したことなのであります。
通常、日本にお住まいの方々は、雑誌や本、テレビなどでアメリカの情報
をGetしております。そして、それを主導するのは通常日本のマスコミの編集
軍団になります。
アメリカではなく日本に住み、毎日、日本の新聞を読んで、日本の交通機
関にゆられて、日本に位置する企業で働く日本人情報屋軍団がリードして
作ったのが、これまでのアメリカ特集、あるいはアメリカ本だったのであり
ます。
いくら現地の日本人ライターや編集者、制作会社が「これなんかいいんで
ねえの」などと日本側にいろんなアイデアを提示しても、その窓口にいる人
間たち(=上記のような日本に住みまくっている在日情報屋)が「ノー」と
言えば、すべて「ノー」だったのであります。
つまり、これまで日本の皆さんが見たり聞いたり読んだりしていたのは、
日本にバリバリ住んでいる日本人軍団が「あれとこれとそれ」と選んだアメ
リカ情報だったのであります。
おそろしいですね。
で、そこにさっそうと現われたのが「ABJ」軍団だったのであります。
「ABJ」は、既存のアメリカものとは対照的に、モロ現地主導で作られて
おります。書き手も在米日本人ライター及びアメリカ人ライターがほとんど
ですし、記事や特集の切り口もアメリカ側で決めておるようなのでありま
す。
日本の出版業界の一部には、「ABJ」に関して、「あれをやられたらオレ
らには勝ち目はない」という意見もあります。
ま、それは当然と言えば当然なのであります。
地球の裏側に住む人間たちが作ったニューヨーク特集と、朝、地下鉄に乗
る前にニュース・スタンドでその日のニューヨーク・タイムズとデイリー・
ニュースの第1面の記事を確認して、街角のドーナツ・カートでドーナツ
買って、道端歩けば肌の色の違う人間がいっぱいで、ふと見上げたらエンパ
イアーとかクライスラー・ビルがそこにあって、夜ヒマだからちょっとダウ
ンタウンのポエトリー・リーディングに参加してしまうような人間たちが
作ったニューヨーク特集のどちらをあなたは読みたいと思いますか。どちら
がおもしろいと思いますか。
もちろん後者でしょう。
そういう当たり前のことが、これまではタブーとされてきたのでありま
す。その殻を破ったのが、我らが「ABJ」だったのです。
こういうことを言いますと、日本の情報屋の皆さんは、「何言ってんだ
か。現地の人間はやたらとマニアックなことに走りがちのくせしてよお。そ
んなんじゃ、日本の読者はついて行けねえんだよ」的なことをお考えになる
かもしれません。
確かに、日本の情報屋の皆さんは、消費者=読者及び視聴者の近くにいる
わけでして、彼らのニューズというのにいつも目を光らせており、その点に
関しては、現地組は完敗なのであります。
ははははははは。
ただですね、最近はインターネットというものがありまして、その辺の素
人でも日本にいながらアメリカの情報をガンガンGetできてしまうのでありま
す。
こういう状況になりますと、ちょっとやそっとのアメリカ特集やニュー
ヨーク特集では、読者の欲求を満足させることはできません。深々とテーマ
に踏み込むとか、コテコテにマニアックなものを探す、あるいは情報に対す
るする瞬発力などの「さらなる現地化」が必要になるわけでして、そういう
時に日本に基地があるのと、アメリカに基地があるのとでは、だいぶ差が出
てしまうのですね。
で、「ABJ」はそれを逸早くしっかりと証明してしまっちゃったのであり
ます。
とりあえず今回はこのくらいにしておきましょう。
では。
「週刊Nuts」編集部
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『NYJAは滅びるよ6』
さて、「NYJAは滅びるよ」シリーズの第6弾なのであります。
今週は、前回お話しした「日本語の問題」に関連するネタ、「日系アメリ
カ人家庭では、なぜ日本語を話さないのか」について考えてみたいと思いま
す。
私たちNuts軍団の見解では、日系アメリカ人家庭で日本語が「標準語」と
して使われてる割合というのは、中国系や韓国系に比べると、異常に低いの
であります。
その見解の根拠となっているのは、ある在米の広告代理店が行なったリ
サーチの数字なのですが、ちなみに私たちはだいぶ前にその資料を捨て
ちゃっております。ですから、皆さんにここでその詳細をご紹介するのは不
可能なのであります。
ただ、その資料を入手した頃にNuts軍団のメンバーがこの件に関して書い
た文章等を確認しましたところ、確かに「日系アメリカ人家庭で日本語が話
されてる割合は、他のアジア系アメリカ人家庭でそのもともとの言語は話さ
れてる割合に比べると、異常に低いわ」的なことを書いております。
ついでに、実際に私たちがニューヨークに住んでる感触から言いまして
も、それは明らかに事実であると、私たちは強く信じておるのであります。
私たちは別に「すべての中国系及び韓国系アメリカ人家庭で中国語や韓国
語が話されている」と言ってるわけではありません。これは、「日系アメリ
カ人家庭では日本語を話さない」「その他のアジア系アメリカ人家庭ではそ
のもともとの言語を話す」という両極端な「白か黒か」論ではなく、あくま
でも「あれとこれを比べた場合・・・」的な「どのくらい灰色か」論なので
あります。
本題に戻ります。
ではなぜ日系アメリカ人家庭では日本語を話さない割合が高いのでしょう
か。
理由はいろいろと考えられます。例えば、「日本は敵だったのよ」説で
す。
皆さんよ〜くご存知の通り、私たちの母国・日本は第2次世界大戦の際、
アメリカ合衆国と戦ったのであります。つまり、この国にとって、日本は敵
だったのですね。
その影響で、ここの日系アメリカ人の方々は、他のアメリカ人にイジメら
れたり、収容所にブチ込まれてたりしてしまったのであります。
日系アメリカ人がそういう目に遭ったのは、単純に彼らが「日系」だった
からです。やたらと態度がデカかったとか、何か悪いことをしたからではあ
りません。
もしあたながそのような状況に追い込まれたら、どういう行動に出ます
か。意地でも「わしは日本人じゃけん」と日系であり続けようとしますか。
それとも、日系であることを否定して、限りなく「アメリカ人」になろうと
しますか。
私たちには詳しいことはわかりませんが、実際にはおそらく両方のケース
が発生したと思われます。「日系であり続けようとした人たち」と「日系で
あることをやめようとした人たち」です。
で、ここで私たちが注目したいのは後者のケースなのであります。
日本でご活躍の右翼の方々の中には、「日本人をやめるなんてどんでもね
え!」という意見の方もいるかと思いますが、そりゃアンタ、そんな状況に
追い込まれたら、誰だって日系をやめたくなりますがな。別になーんにも悪
いことしてないのに、日系ってだけで村八分にされちゃうんですよ。彼らが
自分たちのバックグラウンドを否定しようとしたことを責める権利は誰にも
ないのであります。
さて、今あなたは日系であることをやめようとしています(と仮定しま
す)。でもあなた自身は日本生まれの日本育ち。自分の中の日本を消すこと
はなかなかむずかしいのであります。
ただ、自分の子供はまだ小さく、日本語も話しません。この子にはできる
だけ日本を染み込ませないようにしたいところです。
その時、考えられる方法(=子供を日系にしない方法)の中で、一番簡単
に実行できるのは、「日本語を教えない」ということです。前回お話ししま
したように、言語というのは自分のアイデンティティーと強く結びついてい
ます。とりあえずそこを切ってしまうのです。
一度、「日本語」を切ってしまいますと、再びそれが生えることはまずあ
りません。要するに、「日本語」が次の世代、その次の世代で突然復活する
ことはほとんどありえないのであります。
その結果、日系アメリカ人の「日本語しゃべり率」はどんどん低下し、現
在に至っておるのであります。
第2次世界大戦による「日本語なんかしゃべらない」人口の増加及びその
次世代への影響。「日本は敵だったのよ」説を一文でまとめますと、こうな
りますね。
というわけで、来週も「日系アメリカ人家庭では、なぜ日本語を話さない
のか」ネタについて考えてみたいと思います。
最近、「週刊Nuts」の発行日が火曜日っぽくなっておりますが、それは事
実です。以前より1日遅れております。ついでにたまに2日ぐらい遅れ
ちゃっうときもあったりして反省しております。ゴメンナサイ。
では、また来週。
「週刊Nuts」編集部
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『VOICE』
@投書『サッポロにて』
前略
ラーメンと言えばサッポロ、そのサツラメが喰べたうなったんで早速
BW49丁目へ喰べに行った。出来上がるまでの数分間、時間を無駄にしたく
なかったんで入口に山と積んである読み物を物色しに。新聞は無し、だが目
玉に飛び込んで来たのが”ナッツ”という奇妙な名の広告紙。オヤ、これは
なんじゃ? 木の実、ドングリ、栗、くるみ? それともブレイン・クラッ
ク・アップしたいかれぽんち連中が作った広告紙か。くだらんもんじゃろ、
どうせ。けど読み物は三度のメシ以上に好きじゃから読んだ。意外と面白く
てカンカラカンと心の中で笑ったが、とうとうその笑いが口元を横一文字に
引いてしまった。左利き右利きの記事もなかなかウンチクあるもんじゃっ
た。左利きは天才なぞという言葉も知っとるからオドロキ。あれは昔、日本
にあったが、今の日本には左利きも右利きも天才なぞというもんは居らん。
オチンポ作家で知られた石原のシンちゃんが東京都知事に選ばれたくらい
じゃけん、都民の目は横か後についとったんじやろうな。カナシキ限りじや
ナモ。まあ、それにしても今のジャパニーズ青年は大したもんよ。食も物も
学も性も飽食したあげく、このニューヨークくんだりまでやっチ来チ、こげ
んもんを印刷して公の場所まで出すようになって大したくそ度胸じやと思っ
たバイ。その昔、テンノウヘイカ、バンザイなぞと叫んで死んじしまったよ
うなバカもんは今は目くじら立てて探してもおらんじやろ。本当、よかった
ナモ。そげな世に生きんで。新世紀も目の前じや。ま、これからも大いに
ナッツを喰べチ、活を入れがんばっチおくれ。ゆめく本物のクラック・アッ
プにならんごとな。
一読者より
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『グリーンカードへの道・第72話』
彼女との会話は、まるでこれまでの道のりの反省会のようだった。
私は、紀伊國屋で偶然会った友人に、グリーンカードに関する今までの経
過や現在のシチュエーションを説明した。
「いつグリーンカードを申請したか」から始まって、面接日、その結果、
指紋のこと、政治家を使った必殺技のこと、そしてスタンプGetまで、私は簡
単に彼女に話した。
彼女も同じ「グリーンカードへの道」のランナーだったせいもあるかもし
れないが、私にとってその時ほど詳しく具体的にこれまでのことを他人に話
したことはなかった。
何かピクリとするものがあった。でもその時は、それが何であるかはわか
らなかった。
私たちは10分以上立ち話をしていた。と言っても、ほとんど私が一方的
に話していただけだった。
「そんな感じよ」
私は、カンバセーションを終わらせるためにそう締めくくった。
「ふ〜ん。でも、がんばってね」
「ま、なんとかさるさ。じゃあね」
そう言って、私は紀伊國屋の出口に向かった。
外に出ると、空には雲ひとつなかった。
1998年10月16日の昼下がり、ニューヨークは快晴だった。
ひろ
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『今週の歌』
「”日本にも 母の日あるの?”と かみさんに
聞かれ 慌てて 電話をかける ひろ」
下のアドレスを押すとメイルが送れまっせ
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