1999年6月2日号(No.272)




目次

*『ジパングに続け!最終回』
*『英語Nutsの可能性・最終回』
*『NYJAは滅びるよ9』
*『グリーンカードへの道・第74話』
*『今週の歌』
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『ジパングに続け!最終回』

 さて、かなり前に連載しておりました「ジパングに続け!」シリーズの最 終回なのであります。話が途中になっておりましたので、ここら辺で終わり にしたいと思います。
 このシリーズのココロをちょっと復習いたしますと、ジパング軍団が ニューヨーク・タイムズの偏った日本報道批判のために発行した本、「笑わ れる日本人」はなかなかのヒット作でありまして、私たちニューヨークに住 む日本人も彼らを見習って、アメリカのメディアが日本に関して歪んだ報道 をしてるのを見つけたら、「そりゃアンタ、違うんでねえの」と言ってやる べきだけど、そこで大切なのは批判ばっかしじゃなくて、ちゃんと建設的な こと、例えばアメリカのメディアにいつまでも頼ってないで、日本人自身が 日本のことをアメリカ人に対して英語で発信する、なんてことも一緒にやっ てく必要があるのよ、というものだったのであります。
 要するにですね、私たちNuts軍団がこのシリーズを通してやりたかったの は、「アメリカのメディアをきっちりと批判する方法を見つけること」及び 「日本人が英語で日本のことを発信する方法を確立すること」だったので す。
 で、最近その「やりたかったこと」の具体案がやっと出来上がりましたの で、それらをここで発表して、この「ジパングに続け!」シリーズも完了 よ、というわけなのであります。
 まず最初に「アメリカのメディアをきっちりと批判する方法」についてで すが、これは今月からスタートする英語Nuts紙上で展開していく予定です。
 私たちが考える攻め方としましては、日本に関するとんでもない記事が出 た場合、それを細かく分析し、日本人から見ておかしいところをチクチクと 刺しちゃうわよ、というものがあります。
 ただその場合、私たちはあくまでも記事の事実関係だけにこだわるつもり です。もし議論を「アメリカのメディア全体の日本報道」なんてふうに広げ ちゃいますと、収拾がつかなくなりますし、アメリカ人側から突っ込まれた 時にテーマがデカ過ぎてうまく切り返せなくなってしまうのであります。
 例えば、私たちが「ニューヨーク・タイムズの日本報道は偏ってる」なん てことを言いますと、アメリカ人側は必ず「証拠を見せろ」と言ってくるは ずです。
 で、その証拠をいくつか見せると、「これだけで”ニューヨーク・タイム ズの日本報道は偏ってる”なんて言い切れるのか」と来ます。
 こうなりますと、もうダメですね。アメリカ人っていうのは議論慣れして ますから、「アメリカのメディアばかり批判してるけど、日本のメディアも 似たようなことしてるじゃねえか」的な反撃を食らって議論はお仕舞いで す。
 そういう事態を避けるために、私たちはじぇーったいにその記事のみにス ティックするつもりなのであります。
 記事の詳細にあやしい部分があれば、それに関してウダウダ言います。幸 い私たちは日本人ですから、日本についてはアメリカ人よりも知識がありま すので、攻めるのは簡単です。そういうしつこい攻撃を半永久的に繰り返し ます。決して「だからアメリカのメディアはどーのこーの」という議論は行 ないません。
 この方法ですと、アメリカ人側から突っ込まれた場合でも簡単に切り返す ことが可能です。だって、先に書いたように日本のことだったら私たちは負 けないのであります。
 以上のようなチクチク作戦を続けることにより、アメリカ・メディアの日 本報道におけるイイカゲンな部分を少しずつ明らかにします。で、あとの判 断は読者の皆さんにお任せする、というスタイルで行きたいと思うのであり ます。
 次に「日本人が英語で日本のことを発信する方法を確立すること」につい てですが、これにも英語Nutsを使いたいのですが、でも私たちはその辺の新 聞が書くようなことにまったく興味がありませんし、日本のことを丁寧にア メリカ人に説明するつもりもじぇんじぇんないのであります。
 ただ幸いなことに、最近、朝日新聞がこちらでアメリカ人を対象に英語の 無料紙を発行し始めまして、ついでにそれが日本についての新聞と来てます から、「日本のことを英語で情報発信する」に関しては、そのほとんどを朝 日新聞にお任せしたいと私たちは考えております(わしらもちょっとはやる けどね)。
 というわけで、「ジパングに続け!」シリーズは、前記のような具体案で 行くわよ、という感じで終わりたいと思います。
 まあ、本番はこれからですけどね。
 では。
                  「週刊Nuts」編集部
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『英語Nutsの可能性・最終回』

 さて、「ジパングに続け!」シリーズに続いて、この「英語Nutsの可能 性」シリーズも終わらせてしまうのであります。
 と言いますのも、先週お話ししましたように今月から英語Nutsをスタート することになりまして、もうその「可能性」なんてことをグダグダ言ってる 場合ではなくなったのですね。
 だから今回で終わらせちゃいます。
 この英語Nuts話を始めた頃、私たちが「週刊Nutsを英訳するわよ」という こと言ったために、今でも「へー、この週刊Nutsを英訳するんだ」とお考え になってる方が山のようにいらっしゃることが先日判明いたしまして、私た ちはとりあえずゴメンナサイせねばらなんのであります。
 それは違います。ゴメンナサイ。
 今月から始まる英語Nutsは、この「週刊Nuts」の単なる英訳版ではありま せん。ノリは同じかもしれませんが、語りかける相手はあくまでも非日本人 です。「週刊Nuts」紙上でやってるような「日本人から日本人へ」的なもの は排除いたします。
 また、表現方法も文章だけに頼らず、マンガや写真などを多用するつもり です。その部分も「週刊Nuts」とはまったく違いますね。
 最初は「週刊Nuts」を英訳したもので英語Nutsを作るつもりだったのです が、同じ内容を日本語と英語で書くというのは作り手にとってひじょーに ボォーリングな作業でありまして、つまんねえことはやらない主義のNuts軍 団としましては、それは死んでもやりたくなくて、結局やらないことにして しまったのであります。楽しくないことはイヤなの、あたしたち。
 ところで、以前お話ししましたように、英語Nutsは、現在月刊で発行して いる「ぶりてんNuts」にはさむカタチで出すつもりなのであります。
 その理由は前にご説明しましたのでここでは繰り返しませんが、ただ英語 Nutsを非日本人の方々に読んでいただくためには、日本人の皆さんのご協力 がどうしても必要ですので、今回もう一度お願いしたいと思います。
 いつも「ぶりてんNuts」をその辺のレストランでお拾いになってる皆さ ん、今度の号からその真ん中に英語Nutsが入ってまいります。私たちが書く ものですから、むずかしい英語ではありません。また、ネタは「週刊Nuts」 の使い回しではなく、それ用のものを使っております。お楽しみください。 で、皆さんが読み終わったあとにひとつお願いがございます。その英語Nuts を「ぶりてんNuts」から抜き取って、近くにいる非日本人にホイと渡してほ しいのであります。お忙しい中、お手数をおかけして誠に申し訳ないのです が、これもすべて世のため人のため・・・ではなく、私たちNuts 軍団のため なのであります(とはっきり言ってしまう)。「なんでおめえらのためにそ んなことせにゃあかんわけよ」なんて冷たいこと言わずに、英語Nutsホイ運 動にご参加いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 というわけで、ちょっと変則な発行スタイルになりますが、とりあえずは そんな感じでスタートします。
 さてさて、どうなりますやら。
 「英語Nutsの可能性」話はこれでオシマイ。
 では。
                       「週刊Nuts」編集部
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『NYJAは滅びるよ9』

 さて、「NYJAは滅びるよ」シリーズの第9弾なのであります。今週は、 この件についての日本人側からの声をご紹介したいと思います。
@「日系アメリカ人は、日本人に対して冷たい」
 私たちは、このシリーズが始まって以来、上記のような意見を多くの日本 人から聞きました。ついでに、私たちNuts軍団も今回の取材(というほどの もんじゃないけど)を通して、そのように感じております。
 では、彼ら日系アメリカ人は、ホントに日本人に対してアイス・マン、 あるいはアイス・ウーマンなのでしょうか。
 「日本人が日系アメリカ人に必要以上のやさしさを期待してんじゃない の?」という見方もあります。「根っ子は同じ日本人なんだしー、きっと他 のアメリカ人なんかより、ずーっとボクたち日本人に良くしてくれるに決 まってるだも〜ん」という漠然とした思い込みが日本人側にあるのでは、 という意見です。
 私たちNuts軍団は、「日本人側にそういう気持ちがあるんじゃないの?」 と聞かれれば、「ありまんにゃわ」と答えます。
 はっきり申しましょう。私たちは、日系アメリカ人にある種の特別なやさ しさを無意識のうちに期待しています。それは紛れもない事実です。
 だって、先に書いたように、彼らも、もともとは日本人なんだしー、お互 い似たような血が流れてるわけだしー、見た目だってほとんど変わらないわ けなんだから、そりゃアナタ、やっぱ私ら日本人にはやさしくしてくれるだ ろうと思うのが人情じゃないですか。
 そういう変な先入観があるからこそ、実際彼らに接してみて、私たちの期 待にこたえられなかった彼らのことを「冷たいのね」と思うのかもしれませ ん。
 それではここで、念のため、彼ら日系アメリカ人の日本人に対するやさし さってヤツを他の人種と比較してみましょう。
 例えば、「日系アメリカ人と非日系アメリカ人では、どちらが日本人に対 してやさしいか?」
 私たちNuts軍団にとっては、これはなかなかハードなクエッションです。 なぜなら、どっちもどっちに思えるからです。ということは、つまり、「両 者に大した差はない」ということを意味します。少なくとも私たちは、日系 アメリカ人に特別なやさしさを感じていないのであります。
 では、「日系アメリカ人と日本に興味のある非日系アメリカ人では、どち らが日本人に対してやさしいか?」の場合はいかがでしょうか。
 私たちのこれまでの調査によりますと、この質問にはほとんどの日本人が 後者と答えております。
 でも、これはある意味、当然と言えば当然ですよね。ジャパ専男(ジャパ ニーズ女専門男=日本人女性を執拗につけ狙う非日本人男性)の日本人女性 への力強い踏み込みを見てもわかるように、日本に興味のある非日系アメリ カ人の私たち日本人に対するやさしさは、なかなかのものなのであります (ジャパ専男の場合は、そのやさしさを「迷惑」と呼んだりもする)。
 ところで、さっきから日系アメリカ人がやさしいだのやさしくないだのと いう話をやっておりますが、では私たち日本人は、彼らに対してやさしいの でしょうか。
 この件に関するNuts軍団の見解は、「日本人は、日系アメリカ人に対して 全般的にやさしくない」というものになります。
 確かに日系アメリカ人にやさしい日本人もいます。でも彼らはあくまでも 少数派です。大部分の日本人は、日系アメリカ人にとってアイス・マンであ り、アイス・ウーマンなのであります。皆さん、胸に手をあててよ〜く考え てみてください。あなたは、これまで日系アメリカ人にやさしくしてあげた ことがありますか。ないでしょ? そうでしょ、そうでしょ。
 やさしいどころか、多くの日本人は、日系アメリカ人に大して興味も持っ ておりません。
 皆さんご存知の通り、日本人に多いのは、白人崇拝主義者と黒人崇拝主義 者です。彼らにとっては、白人あるいは黒人とどのくらいお近づきになれるか、 というのがベリー・インポータントなのであります。
 彼らと比べると、日系アメリカ人崇拝主義者というのはやたらと少ないで すよね(でも、いることはいる)。
 また、最近はあまり見かけなくなりましたが、ちょっと前まではニュー ヨークの日本人社会にも「ボクにはアメリカ人の友達がこんなにいるんだも 〜ん」と自慢するボンクラ野郎がゴロゴロおりました。
 で、彼らの点数表でいきますと、日系アメリカ人は白人や黒人に比べると 点数が低かったのであります。
 そういうことを考え合わせますと、私たちは日本人は、他の人種を追いか け回すのに忙しくて、日系アメリカ人にペイ・アテンションさえしない、 と言えるのではないでしょうか。
 「別にやさしくもないし、自分たちに興味もない」。日系アメリカ人から は、日本人というのはそんなふうに見えるのかもしれません。
 さらに、もし彼ら日系アメリカ人が日本人に「特別なやさしさ」を期待し てるとすれば、事態はもっと悪くなります。つまり、私たちNuts軍団が日系 アメリカ人に期待したように、彼らもそれなりのやさしさを私たち日本人に 求めている場合、先のような日本人のイメージ=「別にやさしくもないし、 自分たちに興味もない」は、強くマイナスの方向に働いてしまいます。彼ら の日本人に関する失望値というのがやたらと高くなってしまうのですね。
 オマケに、前記のようにそれと同じことが日本人から日系アメリカ人向け にも起きておるのであります。
 問題はどんどん複雑化してしまうのでした。
 来週は、日系アメリカ人側の「期待した分だけ失望も大きかったのよ」話 をしてみたいと思います。
 では。
                      「週刊Nuts」編集部
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『グリーンカードへの道・第74話』

 あたりはすでに真っ暗だった。
 7丁目はいつも通りの風景で、東に向かう人々と西に向かう人々が、狭い 歩道でときどきすれちがった。
 私は自分のアパートに向かってその道をテクテク歩いた。
 ガランとしたバーの前を通り過ぎると、私はスーツの左のポケットから キーを取り出した。
 アパートのドアの前に立ち、右手でそのドアを開ける。
 最初のドアと次のドアとの間に各部屋の郵便受けがある。私は郵便受け用 のキーを探し出し、それを鍵穴に差し込んだ。
 自分のココロの中にモヤモヤしたものを感じる。
 いつもほとんどの郵便物はかみさん宛てだった。やはり敵は地元の人間だ けのことはあって、送られてくる郵便物の数ではかなわない。
 今日は、大小合わせて6通。それぞれの宛名に目を通しながら、2つ目の ドアの鍵を探す。
 それは白い封筒だった。宛名には私の名前があった。でも差し出し人の名 前はなく、ただその住所だけが封筒の左上に明記してあった。
 ココロの中のモヤモヤが次第に晴れていくのが自分でもわかった。
 他の5通を脇にはさみ、封を開ける前にその中身を指で確認する。それは 銀行から送られてくるキャッシュカード入りの封筒と似たような感触だった。何かカード状のものがその中には入っていた。
 「とうとう来たか・・・」
 その封筒を右手に持ったまま、私は壁のブザーを押して、かみさんに自分 の帰宅を知らせた。
                      ひろ
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『今週の歌』

「ここんとこ ケンカしなくて かみさんが
        ”そろそろやるか”と 冷静にいう ひろ」
   

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