1999年6月29日号(No.276)




目次

*『今週の問題』
*『VOICE』 ・投書『引っ越しセールについて』 ・投書『外国にあるカウンター式カレー屋について』 ・投書『「ブルーリボン寿司の問題」について』
*『グリーンカードへの道・第77話』
*『今週の歌』
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『今週の問題』

 「いい女の問題」である。
 この件については、一度インターネット上のコラム欄に書いたことがある のだが、最近また新たな理論を見つけてしまったので、再び書くことにし た。
 世の中、いい女が余っている。
 「余っている」というのは、彼氏あるいはダンナがいないという意味であ る。
 私は以前からこのことに気がついていた。日本人にしてもアメリカ人にし ても、「いい女だなあ」と思う子が私のまわりでやたらと余っていたから だ。
 彼女たちは好んでシングルでいるわけではなかった。当人たちとすれば、 彼氏orダンナが欲しいのである。しかし、神様はなかなか彼女たちにラブ リーなパートナーを与えてはくれなかった。
 「なぜだ」
 私は考えた。
 だって、彼女たちってホントにいい女なのよ。性格もいいし、スマートだ し、仕事だってちゃんとやってるし、ルックスも悪くないし。
 一応、念のため、彼女たちに「やたらとウンコがくさい」とか「鼻クソを 食べるのが趣味」などの弱点がないかどうか確認したが(どうやって確認し たんじゃ)、そういう事実は見つからなかった。
 「なぜだ、なぜだ」
 ナゾは深まるばかりだった。
 一方で、ビッチな女ほどしっかりとパートナーをGetしていることにも私は 気がついていた。
 ビッチ。英語では「Bitch」。辞書には「あばずれ女」と書いてある。
 今の時代にこの「あばずれ女」という日本語を使う人間がどれくらいいる か私にはわからんが、とにかく性格及び根性の悪い女のことである。
 普通に考えると、いい女にはパートナーがいて、ビッチな女はさびしくひ とりぼっち、という展開になるのだが、私のまわりではそれがまったく逆の 状態だった。
 「よくこんな女とくっつく男がいたもんだ」的な感想を抱くカップルを私 はこれまでゲップが出るほど見てきた。
 勘違いのないように言っておくが、これは別にうちのかみさんと私のこと ではない。
 私は、この問題の真相を解明するために(ヒマなんかい、ワシは)、いろ んな人に聞き取り調査を行った。その結果、この現象が、つまり「いい女が 余ってて、ビッチは売れてる」問題が私のまわりだけでなく、そこら中で発 生していることが判明したのである。
 「こうなったら真剣にその原因を探し出すしかないわ」
 私はそう決心し、ここ数ヵ月の間、「あーでもない、こーでもない」とこ の件について考え続けたのである。
 そしてとうとう私はその原因らしきものを発見したのだ。
 がははははははは。ヒマジンばんざ〜い。
 ではご紹介しよう。以下が「いい女が余ってて、ビッチは売れてる」問題 の真相である。
 この件に関しては、まずビッチ側にスポットライトを当てねばならない。 なぜならそこにヒツミが隠されているからだ。
 先にも書いたように、性格や根性が悪いにも関わらず、多くのビッチには パートナーがいるのである。これはなぜか。
 通常ビッチは、日頃からビッチである。つまり彼女たちはそのビッチ性を まわりの人間にガンガン発信しながらヌケヌケと人生を歩んでいるのであ る。
 であるからして、ビッチが嫌いな男(=大部分の男性)は当然彼女たちに は近寄らない。彼女たちがビッチであることは外から見ても明らかだから だ。
 ただ、世の中にはビッチ好きの男もいる。彼らがなぜビッチ好きなのかは わからんが、とにかく性格や根性が悪い女を愛する男どもがこの世には存在 するのである。
 多くの男たちがビッチを避けるのとは反対に、彼らは恐ろしいことに自分 のほうからビッチたちに寄っていく。そして彼女たちの耳元でささやくので ある。「キミが好きだ」と。
 要するに、ビッチたちにとって男の選択肢というのはひじょーに限られて いるのだが、少なくとも彼女たちの接近してくる男というのは、彼女たちの 負の部分=ビッチ性をすでに受け入れてる野郎たちなのである。
 彼らは、彼女たちの人間性のボトムの部分="サイテー"の部分を知りつつ彼 女たちにアプローチする。これは恋愛関係においてすんごく大切なことなの だ。
 ここから話がズレる。
 恋愛関係が音を立てて崩れ去る場合の原因は、片方あるいは両方の"サイ テー"の部分に起因していることが多い。
 「彼って、とってもやさしくて、思いやりがあるの。だからあたし離婚す るわ」というケースは、一般的に言って少ない。よくあるのは、「あいつ、 サイテーだぜ。知ってたら結婚しなかったのによお」というケースである。
 ということは、恋愛関係を維持するためには、相手の"サイコー"の部分では なく、その"サイテー"の部分を早めに見切っておく必要がある。恋愛関係を揺 さぶるのは、前者ではなく後者であることが多いからだ。
 ビッチとビッチ好き男の場合、男のほうはすでに相手の"サイテー"の部分を 理解している。というよりは、彼らは何を血迷ったか、その部分を愛してい る場合が多い。それは結果的にその恋愛関係に安定感を与えることになる。 おそらくビッチ側がガタガタ言わない限り、その恋愛関係は比較的長持ちす る。なぜなら、女側の"サイテー"部分が原因でふたりの関係が崩れる可能性が 極めて低いからだ。要するに関係崩壊リスクが半分になるのよね。
 繰り返し言っておくが、これはうちのかみさんと私のことではない。
 では、いい女の場合はどうだろうか。
 昔からそうであるように、いい女にはいろんな男が近寄ってくる。彼らが 近づいてくる理由はただひとつ、彼女たちがいい女だからである。つまり、 彼らがフォーカスしているのは、いい女の"サイテー"の部分ではなく、"サイ コー"の部分であり、彼らにはビッチ好き男たちがビッチに接近する際に持つ 「覚悟」みたいなものはない。あくまでも彼らが期待するのは、彼女たちの 「良さ」なのだ。
 しかし、カンペキな人間などこの世には存在しない。人間だれだってダー クな部分を持っているのである。
 いい女に近づく男たちがその過程であらためて発見するのは、その「良 さ」ではなく、「悪さ」なのである。だって、彼女たちの「良さ」に関して は、基本的に最初から知ってるわけだからね(それが、彼らがいい女に近づ く理由じゃないの)。
 そのとき、期待が失望に変わる。この「期待→失望」型下降線というの は、恋愛上あまりよくない。
 また、いい女に近づいてくる男側にも問題がある。ひとことで言うとハズ レが多いのだ。
 いい女には多くの男たちが言い寄ってくる。なぜなら男は基本的にいい女 が好きだからである。ビッチの場合のように、物好きだけが近づいて来ると いうような「淘汰」が行われることはあまりない。
 てなわけで、確かにいい女には男の選択肢はたくさんあるのだが、当然そ こにはロクでもない男どもが少なからず含まれている。そういう意味でビッ チに比べると「これならしっくり行くな」と思える男に当たる確率は低い。 ビッチの場合は、近づいてくるのはすでに「このビッチで行こう」と腹を決 めてる男である。つまり、言い寄ってくる男の密度が高いのだ。その点、い い女側の男たちは結構スカスカだったりする。
 「でも、それだけ男が言い寄ってくるのなら、中には当たりもあるはずで しょ」という意見もある。
 それはそうよ。でもでも、普通、人間には身体はひとつしかなく、時間も 1日に24時間しかないのである。いくら男に言い寄られても、彼らをサバ いていくこと自体に物理的及び時間的制約があるのだ。
 また、そのとき、ある男性と付き合っているなら、とりあえず他の男から のアプローチはホールドされることになる。
 さらに、その男をある程度見切る、要するにロクでもないかどうかを確認 するには、それなりの時間を必要とする。少なくともデートの1回ぐらいは 投資してみなければならない。
 そんなこんなで、気がついたときにはハズレをつかまされたりして、単な る時間の無駄無駄よ、だったりするから困ったものなのである。
 そういう無駄無駄攻撃を繰り返すと、男に関してやたらと疑心暗鬼になっ てしまいがちである。どの男を見てもハズレに思えて、恋愛関係への踏み込 みが弱くなるのだ。
 そして最終的に、彼氏もダンナもいないのよ、あたしこんなにいい女なの に、状況に陥ってしまうのである。
 以上のような理由で、ちまたにはひとり者のいい女があふれている。一方 で、ビッチたちは確実に足場を固めているのだ!
 最後に思わず「!」を使ってしまったが、別にこれは私の経験に基づいた 「!」ではないとここでは否定させていただくので、そこんとこヨロシク。
                      ひろ
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『VOICE』

@投書『引っ越しセールについて』
 一九七三年にNYにバッグ一つで出かけ、四年も住みついてしまった私、 やっぱり物を揃えるには苦労した。ジャパンソサエティの張り紙もよく利用 した。
 ウェストビレッジのJALに勤めていた女性からカバー付きの肱掛椅子を二脚 買った時の事。「この生地はね・・」「この椅子はね・・」と散々勿体をつ けて売ってやるといった態度。たしか当時で一脚二十ドル。そう安くはない 値段だった。
 しばらく経ってカバーを取ってみたら中はあちこちが擦り切れたとんでも ない代物。文句をいおうにも相手は引っ越している。こんな物をこんな値段 で売るなんてNYに来たばかりのアマちゃんと見くびられたのか、それとも本 気であんな椅子に二十ドルの価値があると思っていたのか。同胞をカモろう としたのだったら許せない。あんな椅子、道に落ちていても誰も拾わなかっ ただろう。私のルームメートなど、はるかに立派なソファをただで拾ってき ていた。
 日本でも、本国に帰る外国人がたまに日本に来たばかりの人に高く物を売 りつけようとしている。やっぱり自衛するしかなさそうだ。
                      A.K.
@投書『外国にあるカウンター式カレー屋について』
 はじめまして。
 私は現在親元を離れ京都の大学に通っています。来年からNYに渡ろうと考 えています。今週から購読を始めたので、一応前回のものも目を通しました が、よくわかってない部分があるかもしれません。そしたら読み流して下さ い。
 ご存知だとは思いますが、現在日本には多くのカウンター式カレー屋さん があります。
 その中で『COCO壱番屋』通称“ココイチ”というものがあります。チェー ン店なのですが特に関西に多く見受けられるような気がします。ここの売り は「早食い・大食い・激辛我慢」ですね。
 もちろん普通に食べるのでもなんだかまずいようでいて癖になる味なんで すけど、多くの高校生・大学生男子は一度は挑戦してるって感じです。
 まぁ、それはいいとして、そのココイチがなんとハワイのアラモアナ ショッピングセンターにあったんです。
 ハワイで、しかもアラモアナって日本人のためにあるんでしょうけど‥ ‥。
 でも日本人にとって(京都人かなぁ?)ココイチって結構気軽によく行く お店だから決して旅行先で食べたくなるものではないので、何年前にできた のかは知りませんが、潰れてないってことは結構地元の人が行くんじゃない かぁ?と思ったのですが‥‥。
 うーん、でもハワイの日本人観光客って「何でもいいから日本食〜」って 人が多そうだし日本人で持ってるのかもしれませんね。
 なんだかなにもためにならない感じですが、外国にあるカウンター式 カレー屋の一例です。
                      Duca
@投書『「ブルーリボン寿司の問題」について』
 白人男が日本女を鮨に誘うと言うのはほんとに一般的のようですね。
 「今度ご飯食べにでもいこうか。すしにする?」が決まり文句。
 で、面白いんで知ってる鮨屋を挙げよ、というと、ブルーリボン、とも え、えさし、など。たまに美恵とかいうのもいたりして。この間はチャイ ニーズ男まで鮨をえさに誘ってくる始末。
 まだ日本の感覚を色濃く残す私としては、若いやつはともかく、結構年 いったやつに、他に選択肢を与えられずにしょっぱなから「鮨屋に行こう」 などと言われると、おやじがよけいおやじにみえてしまうのであります。
 まあ超高級鮨屋なわけではないので一般にはそうは言えませんが。
                   ばんばばん子
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『グリーンカードへの道・第77話』

 かみさんはCMに入ると、床においた封筒を手に取った。
 その封筒の中からゴソゴソと中身を取り出す。
 「ナニ、これ?」
 数年前の私の顔写真がはりついているカードを見ながら、かみさんが聞い た。
 「グリーンカードだよ」
 「でもグリーンじゃないじゃない」
   「白いけどグリーンカードなんだよ」
 「あ、そう」
 そう言うと、かみさんはカードと封筒を私に突き返した。
 それだけだった。
 「やっと来たのね」キスもハグもなかった。
 かみさんの視線は、再びテレビへと向けられていた。
 ちょうど2本目のCMが終わるところだった。
 「ねえ、もう1回見せてよ」
 かみさんが私を見て言った。
 カードを手渡すと、かみさんはカードをじーっと見ていた。そして、 ひとこと。「ひろ、アンタ若いよね」
 その写真の新婚時代のボクは確かに若かった。
                    ひろ
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『今週の歌』

「紺色の スーツのケツが 破けてて
        ”紺の下着をはけ”というキミ ひろ」

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「週刊Nuts」編集部


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