1999年7月6日号(No.277)




目次

*『今週の問題』
*『ある日本食レストランの話』
*『NYJJ2000作戦・その5』
*『VOICE』 ・投書『ニューヨーク日本人の愛想の悪さについて』
*『今週の問題のオマケ』
*『今週の歌』
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『今週の問題』

 「自分のやりたいことでどうやってメシを食っていくか」の問題である。
 自分のやりたいことでメシを食っていく。これは人生における巨大なテー マだ。世の中、多くの人々がそうなることを願いながら、歯を磨いたり電車 に揺られたりしているのである。
 ニューヨークに住む日本人の多くも、当然そう考えているはずだ。そのた めにニューヨークまでノコノコやって来た、と言っても過言ではないだろ う。「ダンサーになりたい」とか「アーティストになりたい」というのは、 すなわち「自分のやりたいことでメシを食いたい」ということなのである。
 しかし、現実はキビしい。特に私たちニューヨークに住む日本人にとって の「現実」は、日本にいるときよりもずーっとキビしかったりするんだから 困ってしまう。
 自分のやりたいことをやろうにも、ここではまずビザの問題をなんとかし なければならない。それがないと、この国に存在することさえできないの だ。
 次に英語。アメリカ企業の中でやっていくには、アメリカ人に口喧嘩負け しないだけの英語力が必要となる。これもなかなか手ごわい。
 トドメに、ここには世界中から「・・・になりたい」「・・・をやりた い」族がやってくるため、ライバルが山ほどいる。
 そんなこんなで、この街でやりたいことをやるのは、日本にいるとき以上 にむずかしいのである。
 この文を読んでるニューヨーク在住の日本人の方で、「ボクは今、自分の やりたいことでオマンマ食ってます」と本気で言える人がいたら手を挙げて ほしい。
 そんな人はまったくいないとは私も言わない。でも大部分の人たちは、こ の「週刊Nuts」を持った手を、あるいはコンピューターのキーボードに置い た手をピクリとも動かさずにこの文を読み進めているはずだ。
 そうなのである。ここニューヨークに「ボク、自分のやりたいことでメシ 食ってるんだ!」と堂々と言える日本人は、そんなに多くはいないのであ る。理由は先に書いた通りだ。
 ところで、話はズレるが、先日ジャパン・ソサエティーにて「American Book Jam」編集長の秦隆司さんの講演会が行なわれた。
 実を言うと、私がその講演会の司会(聞き手)を担当したのだが、その際 にこの「自分のやりたいことでどうやってメシを食っていくか」話が出たの である。要するに秦さんご自身がどうやって自分の人生を現在の状態=「や りたいことで食っている」状態まで持っていったかについてお話しいただい たのだが、その話に対する観客の皆さんの反応というのが結構良かったの だ。
 それを見て、私は思いましたね。「やっぱりみんなもこの問題でモガいて るのかしら」と。
 で、今回そのネタについて書いてみたというわけよ。
 この街で自分のやりたいことでメシを食っていくのは、かなり大変であ る。でも、それをあきらめたら、ここにいる理由もなくなる。それら2つの 「現実」の狭間で私たちは日々モガいているのである。
 できればこの文を読んでいる皆さんの「モガき」を聞いてみたい。どこが どうむずかしくてオマンマが食えないのか。何が足りなくてその仕事につけ ないのか。そういう話を「週刊Nuts」紙上でシェアしてくれたらハッピーで ある。
 今回の「自分のやりたいことでどうやってメシを食っていくか」話は、 今後も「やりメシ」シリーズと題して続けていく予定だ。
 ちなみに、私の場合は、「これで食っていきたい!」という商売は別にな い。強いて言うなら、専業主夫かな。かみさんには内緒だけど・・・
                          ひろ
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『ある日本食レストランの話』

 ニューヨークのある日本食レストランの話です。
 約1年前、Nuts編集部にこんな情報が寄せられました。
 「その日本食レストランでは、従業員みんなで共同生活してて、全員無給 で働いてるんだって。夜はマリファナ吸って、宗教っぽい話をするらしいん だけど、そこから抜けたくても抜けられないって話だよ」
 実を言いますと、こういうレストランはニュージャージーにもあるらしの ですが、とりあえずここではその「ニューヨークのある日本食レストラン」 にフォーカスしたいと思います。
 私たちにこの日本食レストランのことを教えてくれた方の知り合いが、元 そこの従業員らしく、「共同生活・無給・マリファナ・宗教・抜けられな い」説もその元従業員からの情報でした。
 もしそれが本当なら、その日本食レストランはほとんどオウム状態。話に よると、ほぼ全員が不法滞在者とのことでした。
 コワイですね。
 でもまあ、みんな好きでやってるんですから、他の人間がとやかく言う必 要はないのですが、ただ「抜けたくても抜けられない」という部分はやっぱ り気になりました。つまり軟禁状態ってわけですよね。
 やっぱ軟禁はいかんでしょ、軟禁は。住む場所や食い物をエサにタダ働き させて、どこへも行けないようにしてしまう(金がないからどこにも行けな い)。オマケに彼らのほとんどは不法滞在者だから、どこか別のところで働 きたくても働けない。
 これはあくまでもその元従業員の方の証言が正しいと仮定した場合であり まして、もしかしたらその方の逆恨みか何かで、これがまったくウソの情報 である可能性もしっかりあります。
 「ふむ〜」
 私たちは考えました。
 その情報が本当かどうかはっきりしませんので、いきなり警察やイミグレ に通報するわけにもいきません。私たちNuts軍団は、「不法滞在はあんまり オススメしませんが、やりたい人はやってちょうだい」というスタンスです から、やみくもにイミグレに通報して、彼らが強制送還されちゃったりする のは、あんまし好ましくない展開なのであります(彼らが不法滞在者だった 場合ね)。
 そこで、あれこれ動く前にとりあえずその店に行ってみることになったの であります。メシでも食いながら、そこで働くウエイター&ウエイトレスた ちの目の色をうかがい、彼らが洗脳されてないかorドラッグ漬けにされてな いかを確認することにしたのですね。
 その偵察隊(合計4名)には、Nuts軍団からはひとりだけが参加いたしま した。他の人たちは別の野次馬隊でした。
 偵察に来たことがバレて食い物に毒を盛られないかと心配しながら、その 4人は問題の"オウム"レストランに向かったのであります。
 しかし、結果的には何もわかりませんでした。なぜならその日、"オウム" レストランはお休みだったからです(いかにもNuts軍団らしいオチでござい ます)。
 それ以後、私たちNuts軍団は、この件についてはまったく動きませんでし た。下手に「あそこのレストランは、危ないんだぞー」とか書いて訴えられ たりしたら大変ですからね。
 でも、こういう場合ってホントにどうしたらいいのでしょうか。警察とか イミグレにチクることによって、せっかくこれまでイリーガルでがんばって 来た同胞が「トットと帰れー」と強制送還されてしまうのもなんですし、 かと言って、抜けるにも抜けられなくなってる人たちを「それはキミたちの チョイスだからね、ボクたちはまったく知らんプリプリプリプリプリンセス プリンプリン」しておくわけにはいかないのであります(”プリンセス・プ リンプリン”を覚えてる人いるかしら)。
 私たちはこの問題について、まだ結論=「再びこういうケースに遭遇した ら、Nuts軍団は具体的にどう対応するの」論が出せずにおります。ついで に、今回この話をいきなり書いた理由も今はお話しできません。
 ただ"オウム"的な日本食レストランは、実際にニューヨークに存在している と私たちは考えております。とりあえず私たちにできるのは、ポアされない 程度に彼らを監視していくぐらいのことでしょう。その辺から始めるしかな さそうですね。
 もしNuts読者の中に「抜けるにも抜けられなくなってる人」や「命がけで 抜けた人」などがいらっしゃいましたら、現在の状況や体験談等をお寄せく ださい。この「週刊Nuts」の紙面を使って、みんなで対応策を練りたいと思 います。
 "オウム"レストランの経営者の皆さん、わしらはアンタらのこと見てるから ね。
 では。
                  「週刊Nuts」編集部
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『NYJJ2000作戦・その5』

 さて、例のカレー屋作戦の第4弾なのであります。今回は、そのカウン ター式カレー屋のオペレーションについて語ってみることにいたしましょ う。
    *    *    *    *
 まず入口からお客さんが入ってきます。
 「いらっしゃい」
 カウンターの中の従業員3人がそう吠えます。その中のひとりが客の目の 前に氷水がたぷたぷに入ったカップをデンと置きます。
 イスに座った客は壁に張られたメニューを見ます。メニューは至ってシン プル。ビーフ・カレー、ポーク・カレー、チキン・カレー、ベジタブル・カ レー、そしてカツカレーの5品しかありません。
 「ビーフ・カレー」
 客が静かにそう言います。
 「はい〜、ビーフ・カレー一丁!」「ビーフ・カレー一丁!」 「ビーフ・カレー一丁!」
 あっと言う間にビーフ・カレーがその客の前に置かれます。客はそれを食 べ始めます。
 次の客が入ってきました。アメリカ人です。そのアメリカ人客が言いま す。「カリフォルニア・ロール1本」
 「うちは寿司屋じゃねえんだよ。出てけ、この野郎!」
 そのアメリカ人を追い出してる間に次の客が入ってきました。「チキン・ カレーのカツカレーひとつ」
 すかさず次の客が入ってきて言います。「ポーク・カレーの大盛り」
 ドンドン客が入ってきます。「チキン・カレー」「ビーフ・カレー」 「ポークのカツカレー」
 知らない間にカウンターは一杯になってしまいました。まだ客は入ってき ます。待ちの客をカウンターで食ってる客の後ろに並ばせます。
 カウンターの一番端のふたりが食い終わったあともベラベラおしゃべりし ています。
 「おう、アンタら、食い終わったらトットと出てってよ」
 カウンターの中のひとりが言います。
 「なに?」「お客さん、待ってんだからさ」「そんなこと言うと、チップ 置いてかねえぞ」
 その従業員は、壁のはり紙を指差します。そこにはこう書いてあります。 「ノー・チップ」
 ふたりは仕方なく席を立ちます。
 「いくらだよ」「ビーフとチキンで合わせて10ドル80セントになりま す」
 税前で一皿4ドル99セント。11ドル渡されて20セントのおつり。
 「ありがとうございました〜」
 カウンターの中から食い終わった皿を取ります。そして台拭きでクリーン クリーン。
 その席に次の客が座ります。「チキン・カレーちょうだい」
 そうやって、今日のランチ・アワーも過ぎていくのでした・・・
      *    *    *    *
 いかがでしたでしょうか。私たちが考えるカウンター式カレー屋のオペ レーション。ダメですかね。
 とりあえず、続きは次回に。
 では。
                   「週刊Nuts」編集部
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『VOICE』

   「週刊Nuts」のインターネット上のバックナンバーを読んだ方から投書が 届いております。ネタは「ニューヨーク日本人の愛想の悪さ」についてで す。ニューヨーク日本人の皆さん、じっくりお読みください。
                         「週刊Nuts」編集部
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@投書『ニューヨーク日本人の愛想の悪さについて』
 ニューヨーク日本人の愛想の悪さに私もLA女性の意見と全く同じです。な ぜなら、私もLAから来た日本人だからです。本当にみなさん冷たいです。な にかわかりませんが、とてつもないバリアが張っています。ツンとしている というのでしょうか?何か喋っても、そのまんまの答えしか返って来な い。”あたしもあなたの友達になりたいわ!”というオーラがLAではほとん どの人にあったのですが、NYの日本人には全く無いと思いました。もう少し フレンドリーに接した方が自分も周りの人も気分がいいと思うのですが。 まぁ、私も見た目、かなり愛想が悪いので、人の事をとやかくいえません が、フレンドリーオーラはかなりあります。
                         匿名希望
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『今週の問題のオマケ』

 先週「いい女の問題」について書いたら、「いい女はたくさん余ってるけ ど、いい男はちっともいない。それはなぜ?」という問い合わせが来た。
 確かにそれは言える。
 私はいつも他の男どもを「あたしが女の子だったら、こいつと付き合うか しら?」という目で見ている。そう言えば、最近「こいつとなら付き合って もいいわね」と思えるシングル男にとんと会っていない。
 勘違いのないように言っておくが、私はゲイではない。
 世の中にいい男は存在する。ただ、アベイラブルでない場合が多いのであ る。つまり彼女やかみさんがいるってケースね。
 この件について、私はこれまで真剣に考えたことはなかった。ひろぴー、 油断こいた。
 この「いい男の問題」については、これからじわじわ考えていきたい。私 より先に「いい男が少ないのはなあ、これが理由なんだよー」とかやりたい 人がいたら、どうぞやってちょうだい。男性側からの「いい男はホントはた くさんいるんだよ。女どもの目が節穴なだけなんだって」という意見でも構 わない。お便り待ってます。
                        ひろ
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『今週の歌』

「せっかくの 休みにプールで 鼻を折り
             顔さえ洗えぬ 三日を過ごす ひろ」
 

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