1999年8月17日号(No.283)
目次
*『今週の問題』
*『NYJAは滅びるよ15』
*『VOICE』
・投書『夏の終着地』
*『編集後記』
*『今週の歌』
***********************
『今週の問題』
とりあえず最初に謝っておこう。
どうもスイマセン。今週はカタいネタになります。
あの懐かしの「在外投票」の問題である。
イヤン、ここで読むのをヤメないで。わかってるの、わかってるの、在外
投票ネタがとってもつまんないってこと。あたしだって、あんまし好きじゃ
ないの。だってカタいじゃない、重いじゃない、おもしろくないじゃない。
「在」「外」「投」「票」って漢字ばっかりだし。
「だったら書くなよ」というツッコミが聞こえてきそうだけど、それを
言ったら、今週のネタがなくなりますからね。もう月曜で明日が締切なんだ
から。
というわけで、在外投票ネタである。この「在外投票」という名称はかな
りうっとうしいから、ここでは略してついでにカタカナで「ザイトー」と呼
ぶことにする。よろしいかな。
8月13日付の読売アメリカに「在外選挙人登録・米でわずか2340人
と低調」という記事が掲載された。要するに、この5月にザイトーの登録が
始まったのはいいんだけど、あんましみんな登録しないじゃないの、What's
up?という記事であった。
その記事によると、今のところ、海外に住む日本人のオンリー1.5%の人し
か登録してないらしいのだ。
ちなみに、現在の都市別の1位はサンパウロの2609人。続いてロスの
596人。3位が意外なところでオランダの416人。1位と2位・3位の
差がかなりあるが、これはサンパウロが異常なのである。あそこには一般に
「日系人」と呼ばれる日本人(まだ国籍が日本ってことね)がたくさんい
て、ついでにその人たちの日本に対する思いというのが相当のもので、家に
天皇の写真とかをはってる人がまだいたりするわけで、そういうことを考え
合わせると、その「2609人」という数字も「なるほどな」という気がす
るのだよ、しないかねキミ。
で、問題のニューヨークだが、アルゼンチン、ロンドンに続いて、第7位
につけている。登録者数220人。日本の外務省が「海外で一番日本人が多
い街」と言ってるここニューヨークでは、たったの220人しか登録してい
ないのである。
ふむ。
実を言うと、私はこの展開を以前から予想していた。海外に住む日本人が
選挙人名簿になかなか登録しないのも思った通りだし、ニューヨークがやた
らと出遅れているのも期待通りだった。
だって、ザイトーってサウンド的につまんなそうだし、ニューヨークに来
てる日本人ってヘソ曲がりが多いじゃない。そしたらやっぱこうなるわな。
「だからほっときましょ」と言ったら話が終わっちゃうから言わないの
よ。
ザイトーってつまんないし、ニューヨークで登録者増やそうとしたってど
うせ大して増えないんだし・・・で、あきらめたら物事はおもしろくない。
そこでなんだかんだ言いながらも、グググと登録者を増やしたりするのが人
生のミソなのである。どんなミソかは知らんけど。
というわけで、私は、ニューヨークでの選挙人名簿登録者数倍増「まずは
ロンドンをやっつけて次はロスで最後はサンパウロを抜いちゃウロ」計画な
るものを日夜考え始めたのである(ダジャレ部分についてはそっとしててほ
しい)。
ここはニューヨークらしく、ヘソ曲がりで、なおかつ突飛な方法で登録者
を増やしたいところだ。ポイントはやはり「ザイトーネタをできるだけおも
しろく」&「しつこく”ザイトーよ””ザイトーよ”耳元叫び攻撃」になる
だろう。
ザイトーネタをおもしろくプレゼンテーションするのは、「週刊Nuts」と
「ぶりてんNuts」に任せるとして、残るは「しつこく”ザイトーよ””ザイ
トーよ”耳元叫び攻撃」か。
私が思うに、ザイトーの問題のひとつは、人々はザイトーのことなんて簡
単に忘れちまうぜ、ということなのである。
その辺でGetした日本語情報誌を読んだときに、偶然ザイトー特集が載って
て、それを読んで「あ、そうか。海外でも選挙できるんだ」とか思っても、
そんなことあっという間に忘れてしまうのがフツーなのである。
日本語情報誌もザイトーネタを何回も特集するわけにはいかず、そんなこ
んなでザイトーについてニューヨークに住む日本人をリマインド(思い出さ
せる)する道具や機能ってヤツが、ここの日本人コミュニティには存在しな
いのよね。
「ザイトーに登録しろよ」と日本語で書いた看板をニューヨーク中に立て
て回るのもひとつの手だが、なんかダイレクト過ぎてくさい。チラシを配る
という方法あるが、そんなのはすでに領事館がやっている。
「なんかいいアイデアはなかんべか・・・」
私は先日、そんなことを考えながら、イースト・ビレッジのセント・マー
クスを歩いていたのである。
すると、向こうから紺色のタンクトップを着た白人のおねえちゃんが歩い
てきた。胸に白抜きでなんか書いてあるぞ。漢字だな。「善魂」? なん
じゃそりゃ。「よいタマシイ」ってことか。そういや、最近あのタンクトッ
プ着てる子をよく見るな。他にも「愛」って書かれてるヤツもあるし。
ここ1年ぐらい、ニューヨークは静かな「漢字」ブームである。漢字の書
いてあるTシャツやタンクトップを着たおにいちゃん・おねえちゃんをよく見
る。でも、カッコイイのはあまりない。
「善魂」ねえちゃんが私の横を通り過ぎる。そのとき、私はひらめいたの
である。「これだわ」と。
その名も「ザイトー・Tシャツ・リマインド作戦」。
まず、背中に「在外投票」と漢字でデカデカと書いてあるTシャツを千枚ほ
ど用意する。白地に黒で十分である。
それをこの10月17日(日)にジャパン・ソサエティの前で開催され
る、いつもの「日本の祭り」で無料で配ってしまう。日本人にあげても誰も
着ないから、全部アメリカ人にあげるようにする。
彼らはおそらく喜んでもらっていくだろう。なんせ今流行りの漢字Tシャツ
なんだから。「これって、どんな意味?」とか聞いてくるアメリカ人もいる
だろうが、そういう場合は適当に「アウトサイド・カントリー・スローイン
グ・ボウト」とか言ってごまかす。それでもゴネる場合は、「だったらあげ
ない」と言ってこちらがスネて見せる。
千枚ぐらいは簡単にハケると私は見ている。2千枚でもいいくらいだ。大
人のサイズだけでなく、子供サイズのものも用意して、それには「ちょっと
早いか在外投票」とか書いてしまう。奪い合いになるかもしれないぞ。
とりあえず、千枚の「在外投票」Tシャツを配ったとする。それをもらった
アメリカ人は、遅いかれ早かれそれを着ることになる。彼らは、漢字の意味
なんて基本的に知ったこっちゃないから、堂々とその「在外投票」Tシャツを
着るだろう。家でパジャマ替わりに着られたりしたら困ってしまうが、漢字T
シャツをうちで着るようなバカなアメリカ人はいないはずだ。流行りもの
は、やはり外で着なければ意味がないからね。
10月17日以降、ニューヨークでは千枚の「在外投票」Tシャツがその辺
を歩き回ることになる。千枚であるからして、ニューヨークに住む日本人の
目に触れることも当然考えられる。
前を歩いてるアメリカ人の背中になんか書いてある。「ざいがいとうひょ
う? あ、在外投票のことか。そう言えば、オレ、まだ登録してなかったよ
な。そろそろしに行くか。それにしてもなんでこいつ、こんなTシャツ着てる
んだ?」
そんなにうまく行くとは考えられないが、まあ、日本人が見ればリマイン
ドぐらいにはなるはずだ。
看板立てて回るのより、こっちのほうがずーっとオシャレである。ついで
に、Tシャツの場合、看板自体が勝手に動き回ってくれるのだ。すばらしいで
はないか。
ニューヨークの漢字ブームを利用した「ザイトー・Tシャツ・リマインド作
戦」。いかがなものだろうか。
この作戦の問題は、「で、誰がその資金提供しますの?」ということなの
だが、そこのところはワシは知らん。でも、もし「フフフフフフ、おもしろ
そうなアイデアだね。ボクが資金を提供してあげよう」とかいう人がいた
ら、オレはついていくよ。「日本の祭り」までに「在外投票」Tシャツを作っ
て、10月17日にシュシュシュシュシュと配りまくるのだ。
そんなわけで、この世の中に今回の「ザイトー・Tシャツ・リマインド作
戦」に金出してもいいぞ、という物好きな方がいらっしゃいましたら、ぜひ
ともご連絡いただきたいと思います(hiro@interport.net)。ご出資いただ
いた場合、Tシャツの胸の部分にその方の名前を漢字でお入れいたします。
百人が出資したら百人分の名前を載せちゃいます。
激しくご検討いただけたら幸いです。よろしくお願い申し上げます。
ひろ
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『NYJAは滅びるよ15』
さて、「NYJAは滅びるよ」シリーズの第15弾なのであります。今回も日
系新移民二世たちについて語ってみたいと思います。
前にもこのシリーズにてお話ししましたように、ニューヨークの日本人コ
ミュニティと日系アメリカ人コミュニティというのはきれいに分かれてお
り、ついでに両者間の交流というのもほとんどありません。
で、今回のテーマの日系新移民二世たちなのですが、そういう日本人及び
日系アメリカ人コミュニティを考えるとき、彼らは通常どちらに属すのか、
という疑問が出てくるのであります。
一応、彼らの多くはアメリカ国籍を持ってたり、日本語より英語のほうが
得意だったりするわけでして、そういう意味ではどちらかというと日系アメ
リカ人側なのですが、でも彼らのおとうさん&おかあさんはバリバリの日本
人ですから、そう考えると、やっぱ日本人側かなあという気もいたします。
こういう話を書きますと、必ず「日本人と日系アメリカ人に分けるなんて
ナンセンスよ。人類皆兄弟なんだから」などというご意見をいただくのです
が、一応私たちNuts軍団は、この「人類皆兄弟」的な考え方を「人類の敵で
ある」と位置付けております。つまり、「人類皆兄弟なんて、ボンクラが言
うことよ」と考えておるのですね。
「人類皆他人。だからこそ、お互いに理解し合えるようシコシコ努力せ
にゃいかんのよ」。これが私たちの考え方なのであります。
話を戻します。
で、彼ら日系新移民二世たちがどこに属するのか、という話ですが、あ、
そうそう、ここでひとこと言っておきますが、この「属する」というのは何
かの組織に入る的な「属する」ではなく、「交友関係」や「行動範囲」がど
ちらのコミュニティを中心に展開されてるか、という意味での「属する」に
なります。そこんとこ、勘違いのないようお願いいたします。
再び話を戻します。
私たちNuts軍団が調べましたところ、彼らはどちらかと言うと、日系アメ
リカ人側に属しているみたいですね。これには、「日本人側にはボクたちの
居場所がない」という原因もありますし、感覚的にも日系アメリカ人のほう
が近いのかもしれません(彼ら自身、日系アメリカ人である場合が多い)。
ただ、彼らと日系旧移民の皆さんでは、考え方等がかなり違うのも事実で
す。
例えば、日系新移民二世たちの中には、「イースト・ビレッジ辺りでウロ
ウロしてる日本人の子たちと一緒に何かできないかな」なんて考える人もい
ます。
一方で、日系旧移民側にとっては、イースト・ビレッジの日本人若い衆
は、ほとんど異星人状態でしょう。
というわけで、日系新移民二世たちは、位置的にはひじょーに微妙な場所
に立っております。ある意味で、日本人及び日系アメリカ人のどちらにも近
く、どちらにも遠いのです。
日系新移民二世たちについては、次回まとめたいと思います。
では。
「週刊Nuts」編集部
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『VOICE』
@投書『夏の終着地』
「この絵、いらなくなったなあ。」
道端で彼氏に似ている肖像画を買ったのが1ヵ月まえ。ところがあっとい
うまに破局が来た。さて、こいつをどうしようか?絵好きの私としては、ゴ
ミ箱に捨てるのもはばかられ、さんざん悩んだ末に海岸に捨てに行く事にし
た。我ながらおセンチで頭が痛い。
平日のブライトンビーチは人がまばらで、太ったロシア人の夫婦が仲良く
抱きあって泳いでいた。音も無くにわか雨が降ってその水滴がタコの吸盤の
様な跡をつけて砂浜にまき散らされていた。それを手でかき寄せながらぼん
やり空を見上げると、薄曇りの中時折太陽の光が差して海を照らしていた。
眠気に襲われながらまるで黄泉の国に居る様な気分になった。さて、絵を埋
めるかね。
もう一度絵をちゃんと見てあれ?と思った。私は男が2つの山を眺めてい
る絵だと信じこんでいたけれど、この山の上の突起は何だ?これはどう見
たって”オッパイ”だ。全然気付かなかった。絵はギャグで私の恋愛はしょ
ぼいよと独りグチたれているとドアーズの”summer's almost gone”の歌
を思い出し、ジムモリソンも年食ってでぶっても奥さんと一緒に夏の終りの
海で泳いでりゃよかったんだ。27才で死んじゃったりしてさ。
”夏が逝ってしまったら僕らは何処に居ればいいんだろう”
って歌うけど夏が終わったって私はここでぐだぐだ言ってるよ。カッコ悪
いたら、、、と死んだ人に八つ当たりをする始末だった。
灰色に金色が混じった海が青暗くくすぶっていくまで砂浜に寝っころがっ
ていた。遠くのカフェで耳慣れないロシアンミュージックが流れていた。
修
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『編集後記』
今月の「Nuts井戸端会議」のお知らせです。先月は、「やらないかんな
あ」と思ってたら1ヵ月経っちゃって結局やりませんでした。失礼いたしま
した。
日時:8月25日(水)午後6時半より
場所:おいかわレストラン
805 Third Ave.(50丁目とサードの角の2階)
メシは食わずにおしゃべりだけ行います。参加ご希望の方は、「週刊
Nuts」編集部(TEL:212-982-3348)までご連絡ください。
では、また来週。
「週刊Nuts」編集部
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『編集後記』
「”人生で 最悪の夏”と 言う妻を
無視して一気に 飲み干す麦茶 ひろ」
下のアドレスを押すとメイルが送れまっせ
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