1999年8月24日号(No.284)




目次

*『今週の問題』
*『NYJAは滅びるよ16』
*『VOICE』 ・投書『どうするのさ。』
*『グリーンカードへの道・第79話』
*『今週の歌』
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『今週の問題』

 先週のネタで完全にはじけてしまったよ、わたくしは。
 例の「在外投票をTシャツで宣伝しようじゃないの」についてである。
 何がはじけたかって、あれを書いて以来、いろんなアイデアが次々に頭に 浮かんで来るのである。オマケに友人・知人からもいいネタをもらったりな んかして。
 たとえば・・・
 先週の水曜日、私は友人と52丁目のタタニ・レストランに昼メシを食い に行った。店に入る前から「今日はチラシしかないわ」と決めていたが、そ んなことはどうでもいい。
 その友人もチラシを頼んで、「こいつ、真似しやがったな」と思ったけ ど、そんなこともこの際どうでもいいのである。
 ふたりでチラシを食いながら、いろんなことを話した。彼女(日本人女性 です)、国連でインターンしてるだけあって、やはりカタイ話にもしっかり ついて来る。「しめしめ」と思い、私は例の「在外投票Tシャツ」話を持ち出 した。
 「ところでさあ、在外投票の登録者って、あんまし集まってないみたい じゃない。ま、そんなこと最初からわかってたんだけど、一応、オレ、考え たわけよ。その集めるアイデアってヤツ。そんでさ、こんなアイデアどうか な」
 「どんなアイデア?」
 「あのさ・・・・・・・・」
 私は彼女に「在外投票Tシャツ」話を説明した。
 彼女が言った。
 「でも、そのTシャツ作るお金ってどうすんの?」
 「募金を集めるわけよ」
 「そうか。でもそれよりも政党からお金もらったら。自民党とか民主党と かにお金出してもらって作ればいいじゃない」
 「政党? ふむ」
 私は考えた。その瞬間、頭の中を遊泳してたいろんなアイデアたちがキン コンカンとビリヤードの玉のようにぶつかり合った。
 「政党→海外での選挙運動のやり方なんて知らん→でもどうにかして自分 の党を海外に住む日本人に対して宣伝せにゃならんでしょ→在外投票Tシャツ の胸の部分に政党の名前を入れたりなんかして→そのかわりTシャツ代を出し てもらうとか→でも政党からお金もらうっていうのはなんだかヤよね→だっ たら考え方を逆にして彼ら政党のTシャツの背中に”在外投票”って入れても らってそれをわしらがニューヨークのアメリカ人に配るというのはどうかし ら→お、結構いいぞ」
 つまりこういうことである。
 政党からお金をもらってTシャツを作ることに私はギシギシ抵抗を感じてし まう。そんなことしたら、今後彼らに対してはっきり物が言えなくなりそう な気がするのだ(広告主とメディアの関係みたいなもんよね)。
 だから、政党から金をもらうのはナシよ。
 ただ、政党が作ったTシャツを私が配るとなると話は違ってくる。その際の 私の態度は、「配ってあげる」になる。「ナニナニしてあげる」ということ は、こちらがあちらを手伝ってるというカタチであり、ひじょーにおいし い。
 「そんな話に政党が乗るわけないじゃん」という説もある。でも、よく考 えれば、彼らがニューヨークにおける上手な選挙運動のやり方を知ってると は思えないし、「あたしたち、どうしていいかわかんな〜い」というのが実 情のはずだ。
 となると、今回のTシャツ作戦というのは、そんなに悪い話ではない。
 たとえば、自民党が、胸に「自民党」、背中に「在外投票」と書かれたT シャツを作ったとする。それをここニューヨークのアメリカ人に無料で配 る。アメリカ人は自民党のことも在外投票のことも知らんから、そんなこと 気にせずにガンガン着てしまう。なんせ今オシャレな「漢字Tシャツ」ですか らね。
 日本人がニューヨークの道端を歩いてると、向こうから胸に「自民党」と 書かれたTシャツを着てる黒人のおにいちゃんが歩いてくるではないか。「こ のにいちゃん、なんで自民党のTシャツなんか着てんだ?」。すれちがって振 り向くと、今度は背中に「在外投票」と書いてある。「あ、在外投票か。オ レもそろそろ登録しに行かなくっちゃな」
 実際投票することになったとき、その人物が自民党に票を入れるかどうか はまったく未知数である。でも、ただでさえ日本の政党の名前など見ること のないニューヨークで、いきなり胸に「自民党」、背中に「在外投票」と来 たときのインパクトは相当なものだ。
 ちなみに、こういう展開は日本ではまず起きない。つまり、胸に「自民 党」と書かれたTシャツを着て道端を歩くようなおめでたい人間は日本には存 在しないのである。
 確かに選挙期間のときは、政党名が入ったTシャツを無理矢理着せられて、 その姿で街中をウロウロする人もいるだろうが、その人たちが選挙が終わっ たあとに、政党Tシャツを着てその辺を歩き回るとは考えられない。基本的に 私生活において、胸に「自民党」とか「民主党」などと入ったTシャツを本気 で着てしまう日本人はまずいないはずだ。スーパーに行ったら、となりの奥 さんが胸に「共産党」と入ったTシャツを着てお買い物してました・・・。な かなかグロテスクな風景である。やっぱ、そういうのってないよね。
 ところが、である。先週お話ししたように、ニューヨークは今、静かな漢 字ブームである。特にTシャツやタンクトップにおいてその傾向が強く見られ る。アメリカ人たちは、別にその意味にこだわりがあるわけではなく、漢字 を単なるデザインとして捉らえているようだ。
 そんな彼らだからして、「自民党」とか「民主党」などという言葉を気に するわけがない。反対に、日本の政党名は基本的に漢字だらけだから、か えって喜ぶかもしれない。
 話をまとめよう。
 私は、この場をかりて日本の各政党の皆さんに提案したい。
 もしそちらで胸に「政党名」、背中に「在外投票」と書かれたTシャツを 作っていただけるのであれば、わたくしが責任を持ってニューヨークのアメ リカ人に配布します。配布の場は、10月17日(日)に開催される「日本 の祭り」。アメリカ人がたくさん来ますからね。
 彼らは政党Tシャツを喜んでもらっていくでしょう。そして同時に彼らは、 その政党のニューヨークにおける「歩く広告塔」となるのです。チラシやポ スターよりずーっと効果的ですよね。
 日本で政党Tシャツなんか作ったって誰も着ないじゃないですか。各党の政 治家の皆さんだって、選挙運動の時期以外、そんなもん着ないでしょ。で も、今ニューヨークには、それを喜んで着る人間たちが山のようにいるので す。
 いつかは皆さんも、ニューヨークに住む日本人を対象に、自分たちの党の 宣伝をスタートしなくちゃいけないわけですよね。そしたら、こちらの日本 語の新聞や雑誌にむやみに広告を打つよりは、今回のTシャツ作戦のような方 法のほうが、確実で長持ちするのではないでしょうか。わたくし、真剣にそ う考えます。
 日本の政党関係者の方でこの案にご興味のある方は、hiro@interport.net までご連絡ください。ぼったくったりしませんので、その点はご心配なく。
                                  ひろ
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『NYJAは滅びるよ16』

 さて、「NYJAは滅びるよ」話の第16弾なのであります。このシリーズも あと3回ぐらいで終わらせたいと思います。
 ここんとこお話ししている日系新移民二世についてですが、結局彼らにつ いて私たちNuts軍団が何を言いたいかと申しますと、これからのニューヨー クの日系アメリカ人コミュニティを引っ張っていくのはおそらく彼らであ り、同時にここの日本人コミュニティと日系アメリカ人コミュニティの橋渡 し役になるのも彼らである、ということなのであります。「そんなの期待し すぎとちゃいますか」という声もあるかもしれませんが、私たちは真剣に そう考えております。
 そのココロにつきましては、これまでもチラホラお話ししてまいりました が、詳しいことは以下から始まるこのシリーズの「まとめ」の部分でご説明 したいと思います。
 それでは、その「まとめ」に入ることにいたしましょう。
 今現在、ニューヨークの日系アメリカ人コミュニティは、昔からいる旧移 民二世・三世の方々と新移民二世の皆さんで構成されております。私たちの 予想によりますと、将来その中心的存在になるのは、後者の人たちです。私 たちは別に彼らに日系アメリカ人コミュニティの乗っ取りをすすめてるわけ ではないのですが、結果的にはおそらくそうなります。
 これは以前お話ししましたが、ニューヨークの日系旧移民コミュニティ は、すでに滅んでおります。私たちとしましては、滅んでほしくはなかった のですが、でも現実にはほぼ滅び状態です。
 ひとつのコミュニティがその生命を維持していくためには、いろんな仕組 みが必要です。メディアがあるとか、ナニナニタウンがあるとか、世代間の コミュニケーションがあるとかです。
 これまでに私たちが行ったリサーチによりますと、ニューヨークの日系旧 移民コミュニティには、それらの仕組みがじぇんじぇんないのであります。 そのことは前にもお話ししましたよね。
 当初、私たちの同コミュニティに対するスタンスは、「じゃあわしらがそ ういう仕組みを作るのを手伝ったらいいやんけ」というものでしたが、私た ちは正式にこの場をかりてギブアップいたします。
 同コミュニティの仕組み作りですが、もう私たちではどうにもならないと ころまで来ております。オマケに彼らの中にその仕組みの必要性や自分たち がどういう状況にあるかについて、「やべえよなあ」と考えてる人間がほと んどいないと来ておるのであります。こういうことは当事者にある程度の意 識がないとどうしようもありません。
 もしかしたら「仕組みを作ろうぜ」というのは、私たちの勝手なお世話 で、実際は滅ぶべきものだったのかもしれませんしね。
 やり始めたことを途中で投げ出すのは、とってもいけないことなのです が、無駄なことをやってもしょーがありませんので、私たちは、はっきりと 日系旧移民コミュニティ復活作戦からの撤退をここに宣言いたします。
 ただ、彼らが滅んでいくのをボケーっと見ているつもりは私たちにはあり ません。私たちがやりたいこと&やれることは、まだあります。「再生」に ついてはあきらめましたが、「記録」という部分に関して、私たちにはこだ わりがあります。
 続きは次回お話しいたします。
                「週刊Nuts」編集部
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『VOICE』

@投書『どうするのさ。』
 高校生の頃、パンクに狂った親友と2人で「この世で一番ヒドイ言葉」を やっきになって考えた。ふりしぼって出てきたのは”犬グソたれて死ね。” であった。そんなヒマな事をしていた私も現在どうにか日銭を稼ぎ、”腹が 立ったらまずスマイル”をモットーに左の頬を差し出せと言われる前にはい どうぞん〜、と相手に顔を近付ける程の腰の低さでもって生きている。成長 したんだか何なのか。今はこれと言って怒らない私だが、ちょっとやりきれ なかった事がある。
 仕事が終わってCDを聴きながら家路に向かって歩いていると、40才位の 白人の女の人が寄ってきてお金をねだってきた。音楽に夢中だった私は適当 にお金は無いというジェスチャーだけして通り過ぎると彼女は追っかけて来 た。ヘッドフォンを外した私に彼女はこう言って来た。
「あなたがね。私にお金をくれないのはいいのよ。でも、無視しないで よ!!イエスかノーぐらい言いなさいよ!!」
「ああ、、、CD聴いてたし、、、聞えなかったんだよ。」
「で、イエス?ノーなの?」
「、、、ノーだよ。」
 私は彼女を置いて歩き始めた。10m程歩いた所で私は彼女の叫ぶ声を聞い た。
 ”Don't ignore me!!” 
   、、、このひとことで何故か私はキレた。なんでアメリカ人のあんたが私 に向かって金をせびるんだ?何が無視しないでだ?ひとりぼっちでもちゃん と暮らしてる人はいっぱいいるさ。私にどうしてほしいんだ?私のいいかげ んな態度が気にいらなかったのかもしれんが何で私があんたに怒鳴られな きゃいかんのだ?何やそのプライドは?
 またウォークマンをONにし、音量をさっきより上げて途中のデリでビール を3本ばかし買いこみ足音をガスガスいわせながら家に帰った。
                      修
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『グリーンカードへの道・第79話』

 できれば私は、この「グリーンカードへの道」話を第80話で終わらせた いと考えている。だから今、無理してこの文を書いている。
 時間稼ぎのためのウダウダ文というのは、これまでもたくさん書いてき た。グリーンカードの結果がわかるまで、このシリーズを終わらせるわけに もいかず、かと言ってネタがそんなにあるわけでもない。そういう場合は、 話をズレズレにずらして、時間を稼いだ。
 読者の中には、「あんな話、トットと終わらせろ」と私に面と向かって言 う人もいて、そんなとき私はいつも、さらなるウダウダを誓うのだった。
 ウダウダウダ。
 ちなみに今日は8月25日である。普通の水曜日だ。
 ちなみに私は昨日、コリアン飯屋でランチを食った。その結果、今朝のウ ンコはファイヤー状態。燃えるウンコってヤツですか。でも、出はよかった な。
 ちなみに最近我が家にはネズミが出没する。かみさんパニック。早速ネズ ミホイホイみたいなヤツを買ってきて、チュー太郎たちの通り道に仕掛けた ら、1時間後にいきなり1匹。かみさんガッツポーズ。でも誰がそのネズミ ホイホイを拾って捨てるかで大モメ。私は自分より小さい哺乳類は苦手とき ている。許せるのは牛ぐらいから。だから当然ネズミもお嫌い。そんな私を 罵倒しながら、かみさんが言う。「こういうこともきっちりNutsに書いとけ よ」。書きました、わたくし。結局かみさんが拾い上げ、ゴミ袋に入れる。 私がそれをおびえながらゴミ捨て場に。かみさんの説によると、もう1匹灰 色のヤツがいるらしい。「One more to go」。燃えるかみさん。
 はあー、ウダウダした。
 というわけで、第79話はこんなところである。
 次回がとうとう最終回。もうウダウダできないから大丈夫マイフレンド。 でも、もし第80話で終わんなかったら、90話まで行くから、そこんとこ よろしく。
                     ひろ
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『今週の歌』

「”結婚は やっぱり愛か?”と 友人に
           聞かれて黙る 結婚記念日 ひろ」

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「週刊Nuts」編集部


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