1999年9月14日号(No.287)




目次

*『今週の問題』
*『NYJAは滅びるよ・最終回』
*『VOICE』 ・投書『恥ずかしいV6』 ・投書『日本のみゅーじしゃん』 ・投書『そして私は?』
*『編集後記』
*『今週の歌』
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『今週の問題』

 「ニューヨークを訪れる友人たちの問題」である。
 正直言って、私はこの問題に大して興味はない。でも、ちまたにはかなり の犠牲者がいるみたいだから、今回書くことにした。
 その問題を簡単に説明すると、「日本から来る友人たちって、なんであん なにお客さん面(づら)するんだろう。”どこどこに連れてって””なにな にが食べたい”とやかましいったらありゃしない。自分がお客さん扱いされ るのを当然と思ってるんだから腹が立つじゃないの。どうにかなんない、あ んたたち!」ということになる。
 ニューヨークを訪れる友人たちに対して、そういう思いを抱く日本人が、 ここにはたくさんいる。
 先日、ある人からその話を聞き、そのあと偶然、同じような感想を述べる 人に何人か会って、私はこの問題の存在にやっと気がついたのである。
 そう言えば、昔ここニューヨークで発行されていた爆弾ミニコミ 「AKISU」にもそんなことが書いてあったな。確か「おめえら(ニューヨー クに来る友人たち)、いい加減にしろ!」的な内容だったと思う。
 「ニューヨークを訪れる友人たち」に関する悪口の中でもっとも頻繁に聞 いたのが、「お客さん面しやがって!」というものだった。
 別にこっちが頼んだわけでもなく、自分からニューヨークに来たくせに、 すっかりお客さん気取りで、「あれやって」「これやって」と次から次へと お願いごとの嵐。で、いろいろとやってあげたのに、日本に帰ってもお礼状 のひとつもよこさない。よくあるパターンだ。
 ちなみに私はそういう”被害”に遭ったことはない。
 私のナニがその”被害”から私をプロテクトしているのか。それを考えた 結果が以下の作戦である。
 今回の「ニューヨークを訪れる友人たち」問題の解決策として私が提案し たいのは、「ニューヨーク訪問客放牧主義」作戦である。つまり、彼らを ほっぽり出してしまうのだ。
 空港にも迎えに行かない。観光にも連れて行かない。「どっか観るとこな いか」と聞かれたら、「タイムズ・スクエアに一日中座ってろ」と言うか、 あるいは「ブロードウエーを端から端まで歩け」と答える。もし文句タレた りしたら、夜ハーレムにメシ食いに行って、そのまま現地解散してしまう。 オゴリもなしである。
 ちなみに私は、訪問客に対して、いつもこの心構えでいる。
 何と言っても、「観光」というものが嫌いなのである。人が観光するのは 一向に構わないが、なぜそれに自分が付き合わねばならないのか。自分らで 行けよ、自分らで。
 次に、旅行に来て楽しようという根性が許せない。観光するんなら自分で 調べて来い。そのためにガイド・ブックがあり、雑誌のニューヨーク特集が あるのではないか。ニューヨークに住んでるわしらが、ここのことをよ〜く 知ってるとか思ったら大間違いだぞ。ニューヨークの紀伊國屋書店では、 ニューヨーク特集を掲載してる日本の雑誌がすんげえ売れたりするのだ。買 うのは当然、ここに住む日本人よ。
 トドメに、キミたちには、未知の世界に降り立ったときの、あのドキドキ 感のありがたみというのがわからんのかね。昔、アジアを放浪してた頃の私 の一番の快感は、新しい土地に着いて、バスあるいは列車を降りた瞬間の 「これから何が起こるかじぇんじぇんわからんぞー」という一種のドキドキ 感だった。あれはいいね。「そんなのよくない」と言う人もいるかもしれな いが、あれはいいよ。いいんだってば。だからニューヨークに来る観光客た ちも、JFK空港で知り合いが待ってるという過保護な環境に甘えることなく、 「これからどうするべか」と途方に暮れてみるべきなのである。私はそう考 えている。
 こういう信念でニューヨーク人生を歩んでるもんだから、私は”被害”に 遭わないのである。
 スペースがなくなったから続きは来週よ。
                     ひろ
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『NYJAは滅びるよ・最終回』

 さて、「NYJAは滅びるよ」シリーズの最終回なのであります。最後という ことで、これまでの復習なんかやってみちゃおうかなー。
 というわけで、いきなり振り返ることにいたしましょう。
 「NYJAは滅びるよ」という挑発的なタイトルでスタートしましたこのシ リーズですが、一応私たちNuts軍団は本気で「NYJAは滅びるよ」と考えて おったのであります。「ニューヨークの日系アメリカ人コミュニティはもう 終わりますよ。やばいですよ。どうにかなりませんかね」。それが私たちか らのメッセージでした。
 自分たちでもいろいろ動いてみました。ニューヨークの日系アメリカ人の 方々に話を聞いたり、ロスやサンフランシスコの日系アメリカ人についても 調べてみました。
 結果は、最悪でしたね。ニューヨークの日系アメリカ人社会は、ある意味 での「終わり」を迎えようとしていました。
 私たちが考えますに、この状況はだれにも変えられません。その「終わ り」を止めることは不可能なのです。
 ですから、私たちもこの作戦からばっくれることにいたしました。逃げ た、と言ったほうが正確ですかね。Nuts軍団は、NYJAのコミュニティ・ イシューから完全撤退したのであります。
 ただ、その「終わり」を止めることはできないのですが、終わる前にやっ ておくべきことはありました。それは、日系旧移民の皆さんの記録を残して おくことでした。
 彼らの経験談などを、悲しいネタだけに偏らずに、バランス良く記録する のです。本来は、若手日系アメリカ人たちがやるべきことなのですが、私た ちが見るところでは、それができる人材がニューヨークにはほとんどおりま せん。てなわけで、私たちがそれをやってしまうことにしたのであります。
 ニューヨークの日系アメリカ人についていろいろ言ってきましたが、彼ら の中に光がないわけではありません。特に私たちは、日系新移民二世たちに 期待してしまうのであります。
 ただ、ひとつ心配なのは、彼らが旧来の日系アメリカ人ノリに巻き込まれ て、自分たち独自のスタイルを確立できないのではないか、という点です。
 日系旧移民と新移民は、同じ日系でもかなり違います。これは、「旧移民 は古臭く、新移民は新しい」という意味ではなく、単純に違うのであります。 ですから、旧移民グループと新移民グループとでは、ここアメリカでやりたい ことも当然違ってきます。
 現在の日系アメリカ人コミュニティの流れは、基本的に旧移民グループが 作っています。その流れに新移民グループが飲み込まれちゃうんじゃないか しら、というのが私たちのコンサ−ンなのであります。
 できれば彼らには、自分たちのやりたいことをやってもらいたいと思いま す。旧移民グループとの関係もすんげえ大切なのですが、もし旧移民グルー プとモメて、これまでの旧移民グループが作った旧路線か、それとも自分た ちで作る新路線かの選択に迫られたときは、躊躇なく後者を取ってほしいで すね。
 未来を作るにはそれしかありません。「過去を直視せずに未来が作れる か!」というご指摘もあるかもしれませんが、過去ばっかり見てて先に進め ないよりは、過去を捨てて未来に向き合ったほうがベターだと私たちは考え ます。ちょっと冷たいかもしれませんが、何事も自己犠牲はいけませんから ね。
 とりあえず、「NYJAは滅びるよ」シリーズはこれで終わりです。前にもお 話ししましたが、「記録」に関しては「Nuts TV」作戦が引き継ぐことにな ります。
 では。
                  「週刊Nuts」編集部
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『VOICE』

@投書『恥ずかしいV6』
 ”アメリカ的美的感覚や価値観で物事を見る人間になってしまったのか。 それとも、V6やTOKIOには、ホントに「はずかしい」何かが存在する のか。”
 私この文章読んだ時、ホントに納得出来ましたね。でもこれはきっとV6 やTOKIOが恥ずかしいのではなく、ニューヨーク(特にダウンタウン) に住んでいる自分に、ニューヨーク細菌とでもいうべき感覚が備わっている のだと思います。
 かつてイーストビレッジの住人だった私は、化粧もせずジムの帰りは髪の 毛ぬれっぱなし、冬でも素足にサンダルを履いていました。こんなことを日 本でやった日にゃー。。。
 日本に帰って来た当初、正直にいって私もジャニーズ君達を見て驚き、 それに群がる女性達を鼻でせせら笑いました。
 でもこれが日本なのです。毎日毎日テレビの画面で彼等を見、街ではそれ もどき(もどきと言ってもがんもどきではないよ)の男子を見ているとそれ に目が慣れてしまい、自分の感覚も変わって行くのだと。
 ファッション最先端都市の流行の根元とも言えるビレッジで、ボロボロの 布をぶら下げていてもそれがミョーにお洒落に感じてしまう。個性的という 形容詞をつけて。
 それはプラダの鞄を持っていない自分がプラダの鞄を持っている観光客に 対する優越感(私はここに住んでいる)みたいなものに似ていますね。しか し日本ではこの立場が逆転するのです。
 簡単に言えば、これが嫌なら外国に行けばいいそれだけのことさ。
 イーストビレッジ辺りで頑張ってビックなミュージシャンを目指している 日本人の若者も、かつてはジャニーズ事務所のオーデションを受けて落ち、 それで日本の芸能界は見る目がないとニューヨークを目指したのかもしれな い。
 感覚のズレという言葉で片づければこの話もこれで終わるけれど、人間っ て結構複雑に出来ているから、それに付随する環境や性格、そんなことを 引っくるめて述べてしまうと日が暮れてしまうので、それに私は何とか学者 になる気もないので、この辺で切り上げましょう。
                    森本 真理子
@投書『日本のみゅーじしゃん』
 私も日本に帰ったとき、日本のみゅーじしゃんを見て恥ずかしかったっ す。なんでかっていうとさあ、なんでだろ。
 ちなみにこの恥ずかしさは、中国とか韓国とかのアイドルの番組を見てて も恥ずかしい思いをするんだ。なぜでしょう?
 なんというか、自意識のすごさ・・・かな? 目が、なんか「見て、見て みて!」といっちゃっているような。しゃれんなってないような。
 ちなみにこの夏よく私が見たのは、モーニング娘ってやつだけど。
 頭白くて顔の黒い人の集団グループとかは、ちょっと見れない。
 なぜかっていうと、なんだかやるせなくなる。なぜやるせない気分になる かって言うと、「この人達、なんのためにこんな事やってんだろう」と思っ てしまう・・から?
 歌がうまいわけでも、顔が良いわけでも、カリスマ性があるわけでもない 素人みたいな人がステージ上で熱気を振りまいている姿を、素な自分が、 ぼーっと見ていることが。
 なんか悲しくなってしまうんざんす。
 本人は一生懸命なんだろうなあ、とか、いろいろ努力しちゃって、一生懸 命を一生懸命やってんだろうなあ・・・とか思いながら。
 なんか巨人の星を見ているかんじ。
   あの臭さ、あの古さ。
 あそこまで行けばノスタルジーになるんだけど・・・。
 まだ「生」だからじゃないかなあ?  って、いういけん。
                  おーたさんより
@投書『そして私は?』
 女の子が集まれば大抵”どんな男が好みか?”という話になる。そしてこ こはアメリカなだけに日本人だけでなく、どこの国の何系の人がいいかとい う所にまで話は細かくなる。ある子は”絶対黒人!優しいしいつもスィート に扱ってくれるの!”と言うし、ある子は”日本人がいい。だって同じテレ ビ観て笑えるし、同じ物食べておいしいって言えるしさ。”と言う。
 ところで私は?と聞かれるとそう言われても、、、と答えられない。昔は パンク好きだったせいでキレた様な白人のお兄さんが好みだったが、自分の 気力と体力がついていかないのに気付いて今は”まともな人ならばよし”と いう間口の広さでいる。私の次の彼は何人なんだろう?自分の恋愛について はええ年こいてるのに周囲のくっついたり離れたりの激流の中を犬カキで泳 いでいるといった不器用さでサジの3つや4つは投げたい心境だ。
 不発な話ばかりしてもしょうがないのでここで私の友人に登場して頂く。 彼女はCDオタクにして働き者の白人アメリカ人と結婚して3年目になる。意 見の相違で毎日みっちり話し合いのケンカは当り前だそうだ。”よくそんな んで神経もつなあんた”と感心するのだが、彼女いわく彼は底抜けに明るく あまり根に持たず、時々どうしょうもない冗談をいうので怒りが持続しない らしい。たとえば?と聞くと、
 「ダンナなあ、買ったCD私に見せにきてな、セロニアスマ*コー!ってい きなり言うねん。」
 、、、へ?
 「あとソニープラザでゲームやっててな、ゲームの画面にナムコって ジャーンって出て来てそしたらダンナが、、、」
 そんなんばっかしか君ら。それにしても2人の愛の絆は”お笑い”なの か?、、、何であれ仲良しなのは結構だが、独り者にはもう少し夢のあるノ ロケを言えよな。無理か。日本でフェイスノーモアを観にいった仲だもん な。私と彼女は。
                     修
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『編集後記』

 今週掲載予定だった「L.I.C.ジャパン・タウン化」作戦は、スペースがなく てお休みしました。来週掲載いたします。
 nynuts.comとか「駐妻Nuts」とかその他モロモロが、とうとう動き出そ うとしております。大変お待たせいたしました。
 ただ、油断しますと、簡単に来年にズレ込んでしまったりしますので、気 を抜いてはいけません。
 今年やっつける予定だった作戦は、未だに山積み状態。いけませんね。つ いでにこの「週刊Nuts」の発行も遅れ気味ですし。
 がんばりましょうか。
 では、また来週。
                 「週刊Nuts」編集部
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『今週の歌』

「文春に 噂真 ダカーポ 週刊朝日
         AERA読んでる ここニューヨーク ひろ」

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「週刊Nuts」編集部


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