1999年9月28日号(No.289)




目次

*『今週の問題』
*『L.I.C.ジャパタン化作戦3』
*『VOICE』 ・投書『不健康主義』 ・投書『自由』 ・投書『超・接待法』 ・投書『小さい事ですが、、、』
*『今週の歌』
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『今週の問題』

 このテーマについていつか語りたいと思っていた。
 「ピアノ・バー」の問題である。
 ピアノ・バー。日本人女性がつくスナックやクラブ(踊らないやつ)のこ とをニューヨークではそう呼ぶ。どの店にもピアノが置いてあったのでピア ノ・バーと呼び始めたらしい。今でもピアノが置いてある店はあるが、ピア ノがなくても一応ピアノ・バーと呼ぶのである。
 つい最近、Nuts軍団のホームページ「ぶりてんNuts(http:// www.nyct.net/~nuts/)」にて、ピアノ・バーに関する論争が勃発したの である。論争の軸となったのは、「ニューヨークまで来てピアノ・バーなん かで働いてていいわけ?」「そんなの余計なお世話じゃないの」という2つ の意見だった。
 このテーマは奥が深い。
 簡単に「ピアノ・バーで働くんじゃねえ」とも言えないし、かと言って 「そんなの、ガンガン働いたらいいじゃん」と言ってしまうのもなんとなく 引っかかるのである。
 まず第一に、ピアノ・バーについての情報というのがあまりない。ピア ノ・バー勤務経験者の友人たちを通して断片的な情報はGetしているが、 全体像というのがイマイチよく見えないのである。
 一般的に言えば、悪いイメージのほうが先行しているのではないだろう か。「あたし、ピアノ・バーで働いてるんです」と胸を張って言う人もあま り見ないし、そういう人を「それはすばらしいですね」と尊敬のまなざしで 見つめてしまう人もそんなにいないような気がする。
 ピアノ・バーで働いてる人たちのことを大して知りもしないくせに、「ピ アノ・バーなんて不潔!」といきなり見下しモードに入る人も多々いる。
 確かにピアノ・バーの社会的位置というか、その商品というのは、日本人 的「ニューヨークでがんばろう」という意志とは反比例してしまうのであ る。日本人駐在員相手におしゃべりしたり、お酒をついだりなど、一般に考 えられている"ニューヨーク"という入れ物にはまったくそぐわない風景がそこ では展開されるわけで、「わざわざニューヨークまで来て、それはないん じゃないの」という声が出るのも、もっともなのだ。
 でも、どんな方法でオマンマを食っていくかは、基本的に個人の自由であ る。「"そんなところで働くな"なんて言うけど、だったらおめえが食わしてく れるのか」とツッ込んでしまえばそれで完了。人間、生きていくためには、 どうにかしてお金を稼がねばならないのだ。
 ただ一方で、日本の日本人女性に比べると、女性の権利とか男女平等など のイシューに敏感な在ニューヨーク日本人女性軍団が、純日本的"ピアノ・ バー"で自分が女性であることを商品として売ってしまうこと(売春という意 味じゃないからね)には、やはり強力な矛盾感が漂うのである。
 それに、中にはその世界にズッポシはまり過ぎちゃって、身も心も希望も 夢もボロボロになってしまう人もいるらしいから、こりゃたまらん。
 ね、奥が深いでしょ。
 というわけで、来週からこの「ピアノ・バーの問題」に本格的に突入して みようと思う。深々とね。
                          ひろ
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『L.I.C.ジャパタン化作戦3』

 さて、「L.I.C.ジャパン・タウン化」作戦の第3弾なのであります。先週に 引き続き、今回も「なにがよくてL.I.C.なんじゃい」についてお話ししたいと 思います。
 私たちNuts軍団が「こんなんだったらラブリーなんだけどなあー」と考え ておりますジャパン・タウンというのはですね、ニューヨークの既存の住宅 地にだんだんと日本人が集合し、知らない間に乗っ取ってしまうというカタ チのものではなく、比較的なーにもない非住宅地にコツコツおのれの街を築 くのだ、という路線から生まれる街なのであります。
 皆さんご存知のように、L.I.C.にはきっちり人が住んでおります。噂により ますと、最近アーティストたちが集まってきてるみたいじゃないですか。た だ、バリバリの住宅地ではありません。印刷所とか工場とかがたくさんあり ますからね。
 高い建物と言えば、「Erection of Queens」と呼ばれるシティ・バンクの ビルなどがいくつかあるぐらいでしょうか。そういう意味では、物理的に とってもフラットな地域になります。
 低い建物の中身にしても、先に書きましたように印刷所とか工場などのど ちらかと言うとスペースをぜいたくに使うタイプのものが多いですから、 しっかりと身のつまった建物軍団というわけでもないのであります。
 平べったくて、なおかつ人口密度が低く、結構スカスカ状態。こういう土 地を開発して、自分たちが思い描くジャパン・タウンを作れたらすんごく ハッピーなんだけど、ホントにそんなことできんのかよ、でもまあとりあえ ずやってみよか、と私たちは考えるのであります。
 どうせやるんであれば、開発が済んでて、しっかりビルが建ちまくってる 土地に日本人が引っ越していくのではなく、できるだけなにもないところ に、「将来的にはこんな場所にしたいよね」なんてことをぼんやり考えなが ら、ヨッコラショヨッコラショと少しずつ作っていくスタイルがいいですよ ね。
 そういう視点からひねり出したのが、今回の「L.I.C.ジャパンタウン化」作 戦なのでありました。
 続きは次回に。
 では。
       「週刊Nuts」編集部
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『VOICE』

@投書『不健康主義』
 いつの時代もなんとかブーム、と呼ばれるものがあるが、昨今では健康 ブームと言うものがある。こういった"ナントカブーム"ものは往々にしてマス メディアが御膳立てしているものが多い。日本に帰国した際に何気なくテレ ビを観ていたら、健康に関する番組のあまりの多さに驚かされた。それらの 内容と云うのはたとえば、この病気にはあれが効く、あれを食べると癌にな る、といった具合である。聞くところによるとかなりの視聴者がこういった 番組の内容に左右されるらしく、例えば例の昼の番組で、みのもんたがある 食べ物が体にいい、と言うと全国のおばさん達はそれをもとめてスーパー マーケットに走るそうである。ここまでくるともう宗教のようだが、おばさ ん達は真剣なのだ。健康に気を使うのは結構なことであるが、さすがにここ まで健康、健康と騒ぎ立てられると少々うんざりさせられる。
 このぐらいならまだいいのだが、もっと性質の悪いのは、お節介やき型健 康マニアという人達である。ここで私が定義するところのお節介やき型健康 マニアとは、自分が健康によいと思うことを他人にも押し付けるタイプであ る。こういった人はアメリカ人に多くいるが、大酒呑みでチェーンスモー カーの私などは彼等のターゲットになりやすい。特に最近ではアメリカにお ける喫煙に対する弾圧たるや凄惨を極め、ここまでやるともう魔女狩りであ る。道で一本吸おうものなら、確実に誰かからひとこと頂戴する。体にいい ものではない、というのは百も承知だし、他人様に迷惑をかけないようにも しているのになぜか道で捕まえられ、こんこんと諭されるのだ。
 アメリカではこれもまた主義主張の一種なのだろうが、なにも他人にまで 押し付けることもあるまい。日本、アメリカ両者における健康ブームもまた マスメディアの影響であるとは思うのだが、この両者の根本的な違いは、ア メリカ人の自己主義を重んじる性質や文化の違いだけに起因しているのでは なく、おそらくマスメディアの性質そのものによるものではないだろうか。
 アメリカにおけるメディアの特質は多少偏向した報道、または描写にある のではないかと思う。喫煙ひとつをとっても、大衆を扇動する、という意味 では両者とも同じだが、日本のメディアにおける健康ブームとは異なり、客 観的にこうです、と言うのではなく、ひとつ悪いことがあると一斉に"公共の 正義"を振りかざしその対象を攻撃するのである。喫煙に対する"魔女狩り"も そうであって、"健康"を振りかざして、吸っている他人を諸悪の根源のごとく 扱う。マスメディアにこうもやすやすと踊らされる彼等も愛嬌があってかわ いいような気がしないでもないが、本気でメディアのいうことを座右の銘に してしまう所は、なんとも盲目的でコワイかもしれない。そして私はこうい う傾向を尻目に、今日も一服するのである。
                       猫山翁
@投書『自由』
 いつも思うことだが、日本の話題を見ていてつくづく日本は島国だと感じ させられる。インターネットの普及やら情報のグローバル化等と言いなが ら、メディアにおけるマスコミがいっこうにそれに追いつかない。
 まず、顕著なのが、サッチーこと野村沙知代。物事を感じるままに、歯に 衣着せぬ云い方をすると、マスコミが時の人に仕立て、TV・講演会・コマー シャルへと引っ張り出し、本人があちらこちらで問題を引き起こしはじめた とたん、マスコミの餌食にされ闇に葬り去られる。身近な話題で発行部数や 視聴率を稼げるとはいえ、あまりにも低俗すぎないか。
 国会で国旗・国歌法案が通るやいなや、その強制力について云々。会社人 間としてがんじがらめのしがらみ人生に縛られ、さらに日本丸が、思想や信 条を押しつけ統制しようとしているかに映る。建前として、国旗・国歌法に 異論はないが、強制としては問題をぶりかえす。現在の国旗・国歌に依然と して拘りを持つ人を、なぜそっとしておけないのか。法的に強制力持つなど と言ったら、私でさえ「ふざけるのもいいかげんいしろ!」と言いたくなっ てしまう。「全体整列!前進!」から国民が抜け出せるようになるには、ま ずメディアがもっとグローバルに物事を見据えて捉える必要がある。
 日本人社会は敷かれたレールの上で、嫉妬・妬み・椅子取りゲームにと、 翻弄されてきた。その現代社会は若者に、未来を提示していないかもしれな い。それがフリーターを生み、海外に出る若者に拍車を掛けてもいる。かと いって若者は自由の価値について真剣に考えようとはしない。日々三食三度 の食事を取れるのがあたりまえと考え、レールからはずれても餓死するよう な危機感に襲われることも無い。日本に居る限りは、日本丸は不沈と信じ、 日本が船なのだということさえ気づかない若者が多い。海外に自由を求めて 出るのもいい。見知らぬ地に行きたい願望は誰にでもあるからだ。ただ何処 の地にいこうと、生きることに変わりはない。現状からの逃避ではなく、精 神的・物質的な充足感を満たそうとする積み重ねが、生きる原動力になるの だから。一日を終え、寝ることが出来る歓びで、やっと手に入る自由もあ る。時には親兄弟・家族が犠牲になって得る自由もある。自由とは何なの か、自由の価値、自由の代償について少し考えてみても損は無い。
 自由は人生でもっとも高い買い物かもしれない。
                       おい川
@投書『超・接待法』
 良い子に思われたい日本人向けの、もう少しマイルドな「日本からの友人 接待法」をお伝えします。
 ここフォート・リー界隈でも、日本から来た友人の接待で疲れ果て、愚痴 る方がいます。幸い我が家は来米して7ヶ月で日本からの訪問客はありませ ん。が、今後も多分無いと思います。
  「観光案内しろー」という方のために、私は防衛線を予め張っています。
 まず、引越し案内状には「マンハッタンは対岸なのに、そこに行くまでは とーっても大変」とか、「ナイトレジャーには不向き」とかさりげなく書き ます。手紙などには「まだブロードウェイミュージカルも見たこと無い」と か、「2人の怪獣のような子供の世話で明け暮れる」とか、必ず書き加えま す。
 後は、普段からのこちらの姿勢で、私は接待大嫌い、料理も嫌い、観光に は興味無い、運転怖い、ということをやはりさりげなく印象付けます。
 ここまですれば、通常の他力本願的な人は、まず我が家には来ません。 それでも来た場合、「どうやって観光すればいい?」と聞かれたら、ワール ドトレードセンター1Fなどにおいてある、NY観光のパンフを渡し、いって らっしゃい!とにこやかに送り出します。予約くらいはしてあげてもいいか な。
 「自分たちでは、行けない」という人には、私の日常の生活に付き合って いただきます。だから、もし来たいのならどうぞ。でも何もしてあげらんな いわ、ごめんね。ですませるつもりです。
 日本でもこの方法で成功してたので、多分効果ありと思います。接待が疲 れる人は、良い子にならないことがポイントだと思います。
                          AA
@投書『小さい事ですが、、、』
 セントマークスのGAPに立ち寄った時、入口のガラスのドアにテントウ虫 が止まっていた。ハエとゴキブリ以外の虫を見るのは久しぶりだ。そいつは 景色が見えるのに外に出られなくて困り果てて右往左往していた。”バカだ なあお前。ガラスの内側にいるんだよ。ほれ”と、指を差し出すと、最初は 逃げていたが止まってくれたので、一緒に外に出たら元気に飛んでいった。
 ”、、、そういやあ今晩は蚊の退治の為に市が薬を撒くんだった。ヤツは 大丈夫だろうか、、、”
 そんな事を考えもってレストランで働いていたら背の高いコーラの入った グラスをひっくり返した。
 「シュウさん大丈夫ですか?」
 「あ〜。よそ事考えながら仕事してたらだめだあやっぱし」
 「ヨソ事ってエッチな事でしょ?」
 「う〜ん、いつもはそうやけど今日は違うことや」
 大体6年も同じ職に就いていながら今だに失敗ばかりしている。金を貰っ ている以上もう少し真面目にやろうと思うが時々上の空だ。それでまた割れ たグラスを増やすのだ。
 ふと思い出すというか気になるというか、今でも題名が分らず困っている 曲がある。もう4年前になるだろうか。夜独りでとりとめのない事ばかり考 えてその上酒まで入って頭の中が思考のゴミ箱状態になって眠りこけていた らふとラジオから流れて来た歌が耳をついて目を覚ました。誰かに起こされ た気がしたのだ。”I love you so much my dear...."という歌詞で始まるC コードのピアノのワルツで50年代位のポピュラーミュージックらしい。ぼ んやりした頭にピアノの音が沁みた。日曜日の夜10時頃、休日の終わりの 中ぶらりんの様な時間帯にその歌はかかっていた。実はテープに録ったのだ けれど、店に来ていた音響関係の人に曲名を確かめて貰おうと渡したら失く されてしまった。リニューアルする前のK ROCKの日曜8時からの番組で時々 流していたのだけれど。誰か知らないかな。色々な人に下手な歌を歌ってき かせているのだけれど。
                      修
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『今週の歌』

「いつまでも 強気で遊んだ 212
          そうはいかない 718  ひろ」

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「週刊Nuts」編集部


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