1999年11月23日号(No.297)




目次

*『今週の問題』
*『たわごとコラム』
*『今週の歌』
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『今週の問題』

 待ちに待った「ピアノ・バー覆面座談会」の登場である。ホントに待って たかどうかは知らんけど。
 その前に去る11月18日にジャパン・ソサエティにて行なわれた板越 ジョージ氏の講演会について、ひとこと述べておきたい。
 ひじょーにマヌケな講演会だった。話にならん。そして、そんな講演会に 行くことをNuts読者におすすめした私は、もっと大マヌケである。私にそそ のかされて講演会に行ってしまった方々、誠に申し訳ない。ご希望の方には 私が入場料を払い戻すつもりだ。ゲンナマを渡すのが露骨すぎるなら、カ フェ一茶のランチ・セットでどうだ。おごるぞ。Nuts編集部までご連絡いた だきたい(TEL:718-545-4488)。
 マヌケだった原因は、講演する側の準備不足にある。講演なんていうの は、別にしゃべるのが下手クソでも構わないのである。問題は、「皆さんに お金を払って来てもらってるんだから、ちゃんと準備して楽しんでもらわな くっちゃ」という気持ちだ。
 講演会はエンターテイメントだ。お客さんに楽しんでもらってナンボのも んなのである。その視点が今回の板越ジョージ氏の講演会にはまったく見ら れなかった。当の板越氏自身が、ステージ上で「今日は何をしゃべるか、 まったく考えて来なかった」と言う始末。バカか。
 彼はしゃべるべきことを持っている人間である。それを講演会でしゃべら なくて、一体いつしゃべるというのだ。考えるだけで腹が立つ。
 しかしながら、それでも私は板越氏を応援する。以上。
 というわけで、「ピアノ・バー覆面座談会」である。
 参加者は私も含めて4人。みんなで昼飯を食いながらの座談会だった。 その模様を今週から数回に分けてご紹介する。
 それでは、お楽しみください。
                       ひろ
     *     *     *     *
『ピアノ・バー覆面座談会・その1』
ひ:まず、年齢、水商売歴を教えて。
女A:24歳、3年、日本でもちょっとしてました。
女B:24歳、2年8ヵ月ぐらい。
男: 25歳、1年4ヵ月ぐらい。日本をいれると6年ぐらいかな。玄人で す、わたしは。
ひ:それでは、まず、ピアノ・バーを始めたきっかけは?
女A:NYで他に仕事を知らなかった。
ひ:NYでピアノ・バーの仕事があるっていうのは知っていたの?
女A:うん、知ってた。
ひ:どこから?
女A:友達が最初に来てて、その子もやってたから。でもまあ、求人情報と か見ても、全部載ってるし。ホステス募集とか。
ひ:OCSニュースとか?
女A:うん、OCSだったかな。 ひ:女Bさんは?
女B:生活に困って。NYに来て半年でお金を使い果たして。母親も、もう そんなにお金を送ってあげられないって言うし。 やばいと思ってバイトを探 していたら、友達が”こんな仕事あるよ”って教えてくれて。 でも、私(水 商売を)したことなかったし、正直言ってそういう世界に偏見あったし。で も、生活のほうが大変だったし。
ひ:女Aさんは、水商売するときに抵抗感ってなかったの?
女A:なかったですね。最初、日本でやってたし。
ひ:その時もなかった?
女A:なかったですね。
ひ:日本では何やってたの?
女A:日本では、クラブで。
ひ:(男)くんは?
男:きっかけは、単にお金が欲しかったから。モデルやってる友達がいて、 でも売れてなかったから、副業でホストやってて。紹介してもらって入っ た。
ひ:一般的に周りで仕事している人たちって、どういう動機で始めるの? 女Bさんみたいに抵抗ある人とか。どうやって見つけるのか。やっぱり、 OCSとか?
3人:うん、OCSとか、紹介とか口コミとか。
ひ:最初入ってくる子たちってさあ、経験のある子とない子ってどっちが多 いの?
男:NYで?
ひ:うん、ここで。”私、こういう仕事初めてなんです”って言う子が多い のか、それとも、日本で経験している子がほとんどなのか。
女B:NYデビューの子がほとんどじゃないの?(編集注:NYに来てから 初めてホステス業を始めることを業界用語で”NYデビュー”と呼ぶらし い)
女A:9割ぐらいはね。
男:うん。
女B:それで、NY内のピアノ・バーをいろいろまわっている子がほとん ど。
男:うん、だから、”どこどこのピアノ・バーでやってました”って子が多 いでしょ?
女B:私が最近気づいたことは、NYに来て何よりも先に仕事を見つける人 いるよね? 学校より、住むとこより何より先にピアノ・バーで仕事を見つけ る子。どうやってみんな見つけるんだろう?
女A:それってみんな、友達の紹介じゃないの? 友達も他の店でやって て。”あそこの店だったら大丈夫じゃない?”とか。
女B:でも、何より、みんな来てすぐやるわけじゃん、1週間とか。でもみ んな、お金持って来てるんじゃないの?
女A:まあ、無くなることを見込んで、もう働いているんじゃないの?
ひ:いろいろなパターンがあるよね。でも、みんな一種の抵抗感みたいなの 持ってるわけ、ピアノ・バーに入ることに関して?
男:そりゃあ、まあいくつかはね、あったけど。
ひ:じゃあ、今ここにいる子で、初めてNYに来て、NYデビューとして、 そういう子って抵抗感はあるのかな?  まあ、まわりからはそういうのはわ からないか。
3人:うん、わからないよね。
女A:親には内緒っていう子、いっぱいいるよね。
女B&男:いっぱいいるよね。
女B:でも、今の若い子って、二十歳前後の子たちって、ポンって入って来 て、それに対して何の抵抗感も無さそうに私は見えるのね。NYデビューな んだけど、何も思ってなさそう。”こういう仕事ってストレス溜まるんだよ ね”とか言ってる子いなそう。
男:って言うか、気構えている子いないじゃん。昔みたいな水商売の独特の よどんでる雰囲気ってないじゃん。みんなもうバイト感覚でしょ?
女B:私は気構えてた、すごい。私の性格かな?
ひ:NYのピアノ・バー業界で働く人って、100人以上いるでしょ?
3人:いるでしょ。
ひ:だったら、例えば、ピアノ・バー・ガールズで何人ぐらいいるの?  1軒につき何人ぐらい女の子いるの、規模によると思うけど?
女B:15人平均ぐらいじゃない?
女A:15人は多いほうだよ。まあ、10から15人ぐらいいるかな?
ひ:10から15人か。それで今、お店は何軒くらいあるの?
女A:20軒、30軒。
ひ:20、30軒ぐらいか。
女B:20軒もある、今?
女A:あるでしょ?カラオケまで入れたらあるでしょ。
女B:カラオケまで入れたらね。
ひ:でもその、ピアノ・バー・ガールズがいるのは20軒ぐらいね。じゃ、 単純計算しても200人ぐらいいるんだ。
3人:うん、いるいる。
ひ:例えば、じゃ、その200人の中で苦学してる、学校行くために働いて る、っていうのは、どれくらいいいるの?
女A:結構、いるよね。
男:半分いる?
女A:半分はいないけど、4割ぐらいはいると思うよ。
男:まあ、学生してる子もいるけど、苦学っていうわけじゃなくって。
女A:3人に聞いたら1人はいるでしょ。
ひ:ビザ・キープ(ビザをキープする)のための英語学校は含まないで、 それくらいいる?
女A:ちゃんと、学校行って、単位取って、って子でしょ?
ひ:そう、そう、そう。
3人:だったら、全体の3分の1ぐらいでしょ。
ひ:じゃ、やりたいことがあって、みんな、食うためにやっているタイプが 3分の1ぐらいか。じゃ、他の3分の2ってなんなの?
女B:残りの3分の2の内の半分は、しなくてもいいのにしている子。お金 に困ってないんだけど。
男:時間潰しみたいな。エクストラのお金をもらって、みたいな。
ひ:その人達のバックグラウンドって何? 学生?
3人:うん、学生。
ひ:それは、別に一生懸命、勉強してるってわけじゃなくて。
女B:まあ、そこそこ勉強して学校には行くけど、生活費は親にいっぱい貰 うから、別に・・・って感じの子たち。
女A:あと、お小遣い。親のカード使ったら、何買ったかばれるし。
ひ:女Aちゃんはどっち?
女A:私は、どっちでもない。自分で生活していて、親から何ももらってな いけど、学校も行ってないので。
ひ:じゃあ、ビザとかどうしてんの?
女A:グリーンカードなんです。
ひ:グリーンカード? どうやってGetしたの?
女A:当たったんです。
ひ:良かったじゃん。それは、めずらしいタイプだね。
女A:うん。でも、私の歳じゃあまりいないけど、あと5つぐらい上になる と。前の店、30前後のお姉さんが多かったんだけど、そういう人3人い た。
ひ:グリーンカード持ってて、何でピアノ・バー?って言われない?
女A:うん、言われる。”昼間の仕事いくらでも出来るじゃん”って。
ひ:じゃ、何でやってんの?
女A:私たちぐらいの収入で、昼間の仕事まともにやって、Tax引かれてった ら、生活できなくなっちゃうもん。
ひ:あー、なるほどね。それは言えてるね。
女B:だから、結局、短時間でいいお金なんだよね。同伴料なり、なんなり と。
男:だって、昼間(の仕事)ってさあ、固定で、あんまり上がったりいない し、頑張ってもそれが当然、みたいな。でも、水商売って、それがすぐ極端 に反映してくるから、頑張った分だけ。 そしたら、ガンガン上がってくる し。頑張りようがあるんじゃない?
ひ:じゃ、先ほどの話に戻りますが、3分の1の人達は苦学タイプ。もう3 分の1は働かなくてもいい時間潰しタイプ。じゃ、あとの3分の1は?
B:生活費は自分で稼いでるけど、何もしていない人。
A:居ついちゃったね。
男:NYにいて、ホステス・オンリーみたいな。もう、ビザはない、みたい な。
                     つづく
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『たわごとコラム』

 先週の「週刊Nuts」で、私は雑誌「えんジョ〜い」の間違いらしき(本気 の可能性もあるから)箇所を指摘した。そんな私が先週号の中でいくつ間違 いを犯したか、皆さんご存知か。
 全部で2ヵ所。おそらく。イマイチ自信がない。もっとあるかもしれない し。
 1コ目はなんと表紙だ。
 「週刊Nuts」の表紙には、毎号、絵とそれに添えられた一文が掲載され る。その担当者が私。
 先週号の一文は、「今度アメリカで沖縄のオリオンビールが売り出される そうです」のはずだった。絵はオリオンビール。ただのビール瓶に無理矢理 「オリオンビール」と書いただけの絵だった。
 ところがである。私は何を血迷ったのか、「オリオンビールが売り出され るそうです」を「オリオンビールが売り上されるそうです」と書いたのだ。 それも手書きで。
 「売り出される」が「売り上される」。一体どう読んだらいいのだろう。 「うりあされる」か。それとも「うりのされる」か。「うりうえされる」は どうだ。「うりじょうされる」でもいいぞ。よくないか。
 なぜこんなことになってしまったのか。理由はクリアーだ。私はその絵を 書いてたとき、仕事の「売り上げ」のことを考えていたのである。
 「今月の売り上げは結構よかったな。来月はどんなもんだろう。そろそろ 来年の心配もしなくちゃいけないし。う〜ん、どうやって売り上げ増やそう かなあ」
 そして「売り出される」が、知らない間に「売り上される」になっていた のである。脳の神秘。
 これがコンピューターだったら、こんなことにはならなかった。「うりだ される」は、どう変換しても「売り上される」にはならないからだ。ちなみ に今、コンピューターに「うりだされる」と打ち込んで変換キーを押す と・・・「瓜駄さ礼留」。すごいぞ、このコンピューター。ご機嫌ナナメ か。
 でも、手書きで「売り上される」と書いてしまうのもめずらしいと言えば めずらしい。ボクのクリエイティブな部分がアピールできたんじゃないかと 思う。違うだろ。
 第2の間違いは、例の「えんジョ〜い」に関する文の終わりのほうに出て くる。「ドンマイ」についての文だ。
 「よく考えたら、この”ドンマイ、ドンマイ”っていうのは、”ドンド・ マインド”の略だったんだなあとシミジミ」
 「ドンド・マインド」か。なんだその「ドンド」ちゅうのは。なまってど うする。ついでに「」で囲んだ部分だぞ。先週の「やらしさ」とほとんど同 じレベル。目頭(めがしら)が熱くなる。
 というわけで、だれかにツっこまれる前に自分でツっこんでみた。実を言 うと、ある読者に指摘されて私も間違いに気がついたから、正確には「ふた り目にツっこまれる前に」になる。ご参考まで。
 さて、問題の「えんジョ〜い」は、「やらしさ」事件にどう対処するのだ ろう。次号が出るのを楽しみに待つことにしよう。
                      ひろ
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『今週の歌』

「足のツメ 私に”塗れ”と 妻は言う
       コリアン・ツメ屋に いるかのように ひろ」

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