1999年12月21日号(No.301)
目次
*『ピアノ・バー覆面座談会5』
*『今週の歌』
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『ピアノ・バー覆面座談会5』
最初に言っておこう。今週は手を抜いた。なんせクリスマスですから。
でも、「ピアノ・バー座談会」、かなりおもしろいのでご勘弁。
そんなわけでお楽しみください。
ひろ
* * * *
ー:ウェイターの収入ってのは、女性軍たちの3分の2ぐらいなの? 半分
いかないの? 半分はいくか。
女A:半分いかなきゃ、かわいそすぎるよ。
男:ブッチャけた話を言うと、うちは$60スタート。
女A:あそこは安いよ、でも。安すぎ。
男:うん、それは知ってる。だいたい、$65か$70ぐらいが相場なんだ
けど。私のお店は安い。
女B:でもその分、仕事に入るのが遅くていいとか。
男:だったら、早く入ってお金を貰う方がいい。
女A:そうだよね。でも早く入るところって、ご飯が付くって。
男:うん、まかない付きのとこ多い。
ー:あー、そう。そのウェイターの子たちのバック・グラウンドって何な
の?
男:学生。
ー:学生?
男:(学生)の子が多い、何気に。まぁ、プーの子もいるけどね。
ー:女の子よりも早く入って、遅く帰るんなら、学校に行くのもきついで
しょ?
女A:大変だよ。
ー:大変だよね。それで$60だったら、日本レストランの方がいいだろ?
男:俺も最初はね、ウェイターをやろうと思ってすっごい探してたの。でも
結局ビザのステータスが学生で男を取るんだったら、ビザ・ステータスが学
生で女を取った方が喜ぶわけよ、お店側は。ウェイターよりウェイトレスを
欲しがるの。だから俺、面接10軒ぐらい受けたけど、全部ことごとく断ら
れたの。それでたまたまハウス・メイトが働いてるお店でウェイターを募集
してるってことで紹介してもらって、今の店にいるんだけど。だって、レス
トラン側からしたら、ウェイターよりウェイトレスの方がいいでしょ? 華
やかでしょ?
ー:まぁ、俺もそれで昔、クビになったけどね。
3人:(笑)
男:だって10軒行って、全部断られたんだよ。もちろん、男だからとは言
わないけど、ビザ・ステータスが駄目とか、今いっぱいだからとか言って、
落とされるんだけど。
ー:俺も10軒ぐらい落とされたねぇ。
女A:あと、レストランのウェイターは、ウェイトレスやってるからわかる
けど、経験ない人は取りたくない、絶対に。
ー:あー、なるほどね。
女B:結局、NYでバイトするのって、男の子は不利だよね?
女A:不利だよね。私もそう思う。
ー:断然、不利だね。そういう意味で、俺はピアノ・バーって大事な業界だ
と思うんだよね。だってさ、食っていけるわけじゃん、みんなが。お客さん
も嫌がって来るわけじゃないし。好きだから来るんだし。ええやんね、そん
なの。結局、さっきの事を復習するとね、みんなが働いているのは駐在員が
来るところね。
3人:うん。
ー:じゃ、ピアノ・バー業界全体のさぁ、駐在員の来る店と、板前とか現地
の人とか来るのと、どっちが多いの? 駐在員の方が多いよね、圧倒的に?
3人:うん、絶対。
女A:9割以上。
ー:9割以上?
男:駐在員、出張とか。
ー:でさぁ、この中で一番NYでの水商売歴長いの誰だっけ? 女Aちゃ
ん?
女A:うん、私かな?
ー:あれさぁ、最近駐在員が若返ってるじゃない? それってわかる?
わかんないか? でもさぁ、店によって若い人が来るところってあるじゃな
い?
女A:うん、だけど・・・
男:でも、年齢層は落ちてきたよね。
女A:最初に、今回から駐在になりました、っていう人の年齢が下がってき
た。20代で来ちゃうもん。
ー:そーう。なるほどね。その人たちってもうほとんど同じ世代じゃない?
女A:うん。
ー:お客さんっていうのはさぁ、お店によって年齢も違うんだよね。
女A&B:うん、違う。
女B:うちは若い。30代ぐらいかな。でも、前の店で働いていた時は、
すっごい(年齢が)上だった。どっちかっていうと重役のひとばっかりだっ
た。
男:取締役とか。
女A:おじさんばっかり?
女B:おじさんばっかり。
ー:業界でいうと、どこの業界の人が多いの?
女B:商社。
女A&男:商社。
女B:昔、メーカーがもう少し多くなかった?
男:あー、でもメーカーの数が減ったよね。
女A:金融も。
女B:金融も減ったよね。
ー:金融も減ったね。まぁ、金融は会社の数自体が減ったからね。
3人:まぁね。
ー:じゃぁ、とりあえずメインは商社なんだよね? そういう人たちって、
奥さんのいる人、いない人っていうがいるじゃない?それはもう、明らかに
言うわけ、相手は? 奥さんがいる、いないとか。まぁ、話の内容でわかっ
てるか。
女B:うん、わかるか、指輪してる。
ー:あー、そう。で、ナニ話すの、一体?
3人:(爆笑)
ー:俺思うんだけどさ、ピアノ・バーに行くじゃない。で、結局お客さん同
士が来て、お客さん同士が話すの割合が多いのか、それとも女の子たちとワ
イワイガヤガヤしてるのが多いのか。いろいろなパターンの組み合わせだと
思うんだけど。
女B:それはやっぱり、基本的にお客さんと女の子が・・・
女A:であるべき。
ー:あー、なるほどね。
男:で、あとグループでしゃべったり。
ー:ナニ話すの? いや、話すのと聞くのとどっちのパターンが多いの?
男:お客さんに合わせるよね。しゃべりたい人はしゃべるし、しゃべらない
人はこっちがしゃべってあげなきゃいけないし。
ー:(女Aに)何しゃべんのよ?
女A:日々のこと。”この前ね、こんな事があってね”とか”友達がこんな
んでね”とか。
ー:あー、そう。
女A:”さっき、他の席で聞いたんだけど”とか。ネタないと、話が続かな
いもん。
ー:だろうな。
女A:他に共通項って何もないじゃん。
女B:Aちゃんはそういうのが苦じゃないんでしょ?
女A:うん、苦じゃない。
ー:あー、そう。おじさんとかの方が好き? 苦にならない?
女A:うん、全然平気。わけわかんない若い子としゃべるくらいだったら。
ー:ホントに。女Bちゃんはどっち? オッサンと若い子どっちが好き?
女B:オッサン。
ー:オッサンがいいんだ、やっぱり。
女B:オッサンは(話をするのが)楽。
女A:うん、オッサンは楽。気を使ってくれるしね、こっちにも。
ー:それは何? ネタが多いの、オッサンは? 楽っていうのは。
女B:おじさんはやさしい。
男:やさしいよね、基本的に。
ー:でもさあ、女の子だと思ってギラギラしてるとかあるんじゃないの?
女B:あっ、あと、ギラギラしてるんだけどおじさんも、あのー、言い方悪
いけど、結構エッチネタで軽く流せる。
女A&男:(笑)
女B:下ネタ好きだもん。
男:下ネタ好きだし、喜んでるよ。
ー:あー、そう。
男:下ネタで盛り上がると楽。ガンガン言えるし、無礼講みたいに何でもOK
になっちゃうし。だって、ずっと政治ネタ、経済ネタで進めないでしょ、3
時間も4時間も。
ー:でも、そういうことについてしゃべる人もいるでしょ、政治ネタ、経済
ネタとか。その時はみんな聞いてるの?
女A:聞いてない。
男:わかんない、とか。
女A:あー、そうなんだ、とか。
ー:たまに聞いてあげたりして?
女A;うん。たまに聞いて。
ー:あー、そう。
女A:でも、半分聞かない。
男:流してるよね? 面白くないもんね、そんな話聞いても。
ー:でも、俺が前、会った子にいたんだけど、ピアノ・バーで働いていた子
で、権力の階段を登って行きたいっていうような女の子だったの。
3人:おー。
ー:それで、力を持ってる人にくっついてさ。そういう子っているの?
女A:うん、いる。たまにね。でも、そういう人ってほとんど本能だよね?
男:えっ、愛人ってこと?
ー:ううん、違う。力をつけたいってこと。
男:えっ、どういう力?
女B:キャリアになりたいってこと?
ー:ううん、力のある人に近づいていって、金のある人とかにグイグイつい
ていって。
男:おこぼれを貰うの? 何が獲れるの?
女B:チャンスを?
ー:そう、社長とかに。いい生活したいのか、金いっぱい貰いたいのか知ら
ないけど。
男:いる?
女A&B:いるよ、いる。
ー:要するに、相手と気が合うか、合わないかじゃなくて、権力を持ってい
るか。偉いとか、社長とかさ。それにこう・・・
女B:それは、XXX(店名)みんなでしょ?
女A:そうなの?
女B:XXXって、こないだある会社の若手の人が言ってたんだけど、若
手っていっても、その人はもう40才前なんだけど。でもまぁ、XXXに行
くと、女の子もママも誰もその人のことなんか見ないんだって。それで、と
にかくそこの女の子は上の人(重役)しか狙わないように教えられてるらし
いし、ママもそうらしいし。とにかく役職のある人。だから、若いの人が
行っても面白くないらしい。
男:4人とかで行ったら、上座の人オンリーで集中攻撃らしい。
女A:わかんない時どうするんだろうね?
ー:まー、見てればわかるよね。
女A:でも、たまにわかんない時あるよ。みんなおじいちゃんだったり
さぁ。
男:どれがどれだって。
女A:誰が一番偉いんだ?って。
男:わからない時は無難に話してるけどね。
ー:その時にどんなことを話してるかっていうのが全然わかんないんだけど
さ。
男:えっ、普通のことよ。例えば日本の情報とか、あるじゃない。
女A:”SPEEDが解散するんだって”とか。
ー:おー、おー。
男:そういうフランクなものから、こないだの原発のこととか。
女A:お天気とかね。台風来るよ、とか。
男:あと、今1ドルいくらだよね、とか。
ー:あー、そう。じゃ今日はこういうネタで行こうとか思ってるの?
女B:楽しいことがあったら。
男:これは絶対言おう、っていうネタ定めがあるんだ?
ー:結構楽しいね、それ。
女A:まあね。ネタが何もない時はツラいけど。
女B:あと、相手による。楽しい人がいたら、楽しいし。会話のキャッチ
ボールが出来る人。
女A:何しゃべっても、つまんなそうにしてる人いるもんね?
ー:あー、そう。何しに来てるんだろうね、そういう人。
女B:何しに来てるんだろうね?
女A:あと、歌いまくりとか。
男:それは、楽でしょ?
女A:それはそれで、楽でいいんだけど。
男:楽だよね、カラオケがあると。だって、気まずくなったら、”あ、歌い
きます?”って感じじゃん。話すネタなくなったら。
ー:ホントに。XXXとかでも歌えるの?
3人:XXXにはない。
ー:あ、あるところと、ないところがあるんだ。
女B:私とかどっちかっていうと、聞く方が好きだから、自分でベラベラ
しゃべるより。疲れちゃうから。でも、私がずっと言われてきたことは、
しゃべらない人にしゃべらせなさいと。だから、(話が)上手い子って結
局、上手に(お客さんに)しゃべらせる。私はそれが下手なんだけど。結
局、お客さんから話を引き出せない。だから。ノリのいい人しか持てない。
それが結構苦痛。
ー:でも、それって人生修行だね。
女B:そう思う。
ー:相手にいかにしゃべらせるかって。
男:でも、しゃべれる時としゃべれない時が絶対あるから。その時の自分
ムードがあるから。
女A:あと、テーブルの中での流れってあるから。
つづく
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『今週の歌』
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