2000年1月11日号(No.304)
目次
*『今週の問題』
*『やりメシ雇用倍増作戦1』
*『ピアノ・バー覆面座談会7』
*『VOICE』
・投書『NY悪くないべよ』
*『編集後記』
*『今週の問題のオマケ』
*『今週の歌』
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『今週の問題』
久々の「今週の問題」だな。何をしゃべってたかすっかり忘れてしまった
よ。
そうそう、在外投票シール作戦の話ね。
ここで少し復習しておくと、このニューヨークで「Kanji」を最も強く愛し
てくれてるのはブラック及びヒスパニックの皆さんであると私は信じてい
る。だから在外投票シール作戦においても、彼らを狙わねばならん。そこで
ニューヨークのブラック及びヒスパニック・ネイバフッドに在外投票シール
を張って歩くことにしたのだ。
あれはもう去年の話よね。12月のアタマだったかしら。私はポケットと
いうポケットに在外投票シールをつめ込み、6番の地下鉄に乗り込んだので
ある。最初の目的地はスパニッシュ・ハーレム。
私が降り立ったのは、110丁目の駅だった。
懐かしい。今から約7年前、私はこの駅の近くのスーパーで働いていたの
である。もちろんイリーガル。時給4ドル。その店のオーナーに「オレは
ジャパンのスーパーで働いてたんだ。まかせろ」と押し売り風にGetしたジョ
ブだった。
この辺りのことを「Hell Gate」と呼ぶ。日本語訳すると「地獄の門」か。
そのスーパーの前にある郵便局の名も「Hell Gate Station」。ラブリーだ。
私は、レキシントンと110丁目の南東の角に立ち、まわりを見まわし
た。以前は、ホームレスの皆さんやドラッグ・ディーラーのお兄さんたちで
にぎわっていたのだが、今は結構サッパリしちゃってるじゃないの。どうし
たんだ。これもジュリアーニの仕業か。
でも、相変わらずボデガ(ラテン系デリ)の前には、昼間っからいい年こ
いたオヤジたちがたむろしている。これこそスパニッシュ・ハーレムの基本
だ。
私は早速、レキシントン・アベニューを北に向かって歩き始めた。
道端シール張りのコツは、やはり交差点をうまく攻めることだろう。信号
で立ち止まった歩行者が道の向こうを見ると、信号機の柱に何かシールのよ
うなものが張ってあるではないか。どれどれ。これはチャイニーズ・キャラ
クターか。なぜこんなところに。ふむ。
そんなわけで、私は信号機の柱に在外投票シールを張り始めた。張ると
言っても、露骨にポケットからシールを取り出して、それを他の人間たちの
前で堂々と柱に張るなんてことはしない。
まず歩きながらポケットからシールを取り出す。シールについた紙を剥い
で、それを右手に持つ。その態勢のまま信号機の柱の横を通り過ぎようとす
る瞬間、突然立ち止まり、柱に右手を当て、左手で靴を直すフリをする。そ
のとき右手は、シールを柱にグイグイ押しつけている。そして何もなかった
ような顔してそこから立ち去るのである。
もし私をつけてる人間がいたら、それはそれは奇妙な風景であったに違い
ない。交差点のたびに立ち止まって靴直してやんの。右手で柱さすってる
し。
それにしても、やはりヒスパニック・ハーレムはシールの張り張り度が高
いね。そこら中にいろんなシールが張ってある。ミッドタウンなんかだと、
こうは行かん。そういう意味では、ヒスパニック・ハーレムはシール張り人
たちにとってのドリーム・ランドか。
レキシントン・アベニューをブラック・ハーレムに向かってぶりぶり歩い
ていると、前方から例の「希」に似た刺繍の入った帽子をかぶったヒスパ
ニックの兄ちゃんが歩いてくるではないか。
獲物がたくさんいるぞ、この辺は。再び気合いを入れて在外投票シールを
張りまくる私なのであった。
ひろ
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『やりメシ雇用倍増作戦1』
この作戦も私が担当する。
「やりメシ雇用倍増作戦」。わけのわからん名前だが、正確には「やりた
いことでいかにしてメシを食うか作戦+NYJJ雇用倍増作戦」と言う。去年か
らのやり残しの作戦2つを無理矢理くっつけた結果、こうなってしまったわ
けだ。
この「やりメシ作戦」と「NYJJ雇用倍増作戦」だが、名称はかなり違うが
基本的には兄弟みたいなものである。
ぶっちゃけた話、ここニューヨークでやりたいことでメシを食ってる日本
人というのは、意外と少ない。それにはいろんな理由はあるわけだが、まず
何よりも仕事の数自体が少ないのである。ビザの問題とか日系企業の体質の
問題とかがあるからね。
仕事の数が少ないもんだがら、やりたい仕事もなかなか見つからない。
だったらどうにかして雇用を増やさんといかんでしょ=「NYJJ雇用倍増作
戦」。
両作戦の密接な関係がおわかりいただけただろうか。
ニューヨークでの日本人の仕事の話になるといつも出てくるのが、「現地
採用の問題」である。
「駐在員に比べて給料が安い」とか「ビザを人質に取られてこき使われ
る」などのご不満の数々。Nuts読者の皆さんもよ〜くご存知だと思う。
「やりメシ雇用倍増作戦」では、この問題にも踏み込んでみたい。ただ、
ちまたでよく見かけるグチグチタラタラの文句だけで終わらせることだけは
したくない。その「グチグチタラタラ」の状態については、私も言いたいこ
とがかなりある。どちらかと言うと「おめえらバカか」的な意見だが。
アメリカで発行されている日本語の新聞や雑誌では、こういう「やりメ
シ」ネタとか、雇用をいかにして増やすかなどの話は、あまり取り上げられ
ない。結構大事な話だと思うのだが、無視状態。どうしてだ? ボケてるの
か。
というわけでNutsがやることにする。
「やりたいことでメシを食う」なんて話をすると、「やりたいことでメシ
を食う前に自分を探す旅に出なくっちゃね」とか言って聖書を差し出すヤツ
がいたりする。思考が内に向かうのである。私がここでやりたいのはね、そ
うことじゃないのよ。
できるだけ外思考。今現在のNYJJ社会をどういじるか、ということを考え
て行くつもりだ。
そんなわけで、ひとつよろしく。
ひろ
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『ピアノ・バー覆面座談会7』
ー:あのさ、お客さんが来るじゃない、それで一人が一晩幾らぐらい払う
の?
男:ウチの場合、テーブルに付けば1人120ドル。
ー:1人、120ドル。
男:ボトルがあれば1人それぐらいで終るけど、ボトルを入れればまた上が
るし。ウチは女の子のドリンク代も貰うし。平均的に150ドル以上かな?
ー:俺が寿司屋で働いていた頃は1人100ドル平均だったのね。100ド
ルいけばいいのね。
男:でも、お店によっては、時間制のところもあるし。ウチは時間制じゃな
いから。30分いても、1時間いても、4時間いても値段は一緒だから。
ー:大体の滞店時間って、来て何時間くらいいるの?
女A:2、3時間?
女B:平均はそうだね。
ー:お客さんがダーって入りだすのっていつよ?
女A&B:10時から11時。
ー:それまで何してるの、みんな?
男:ご飯食べてる。
ー:ご飯-食べてるんだ、どっかで。
男:だって、会社終るのも遅いじゃん。
女B:7時、8時に(仕事が)終って、それからご飯食べ始めて、それじゃど
こか行こうかって。
男:飲みに行こうか。クラブに行こうかって。
ー:昔の駐在員の人って、地下鉄にも乗れないで、アメリカの社会を全然知
らないで・・・
女A:いたね。NYに来て地下鉄に1回も乗ったことのないひと。
ー:そう。それで日本に帰って、”いやー、NYって危ないんだよ”って偉
そうに言っちゃうヤツ。結局そういう人たちのアメリカへの入り度っていう
のは、話してればわかるじゃない? この人この世界しか知らないとか。今
はどうなの? 俺は昔の人たちしか知らないから。
男:今の人たちって地下鉄とか乗るの?
女B:乗る人が増えた。
女A:増えた、増えた。若くなったからね。
ー:なるほどね。
女A:で、マンハッタンに住む人も多いし。
女B:一人で行動する人も増えたし。
ー:ローラーブレードやってるとか。
女A&B:そう、そう。
男:たまにソーホーとかに買い物に行くと(お客さんに)会うよ。
ー:ホントに。
男:まぁ若い人で、GパンにTシャツにバックパックみたいな感じで歩いて
る。
女B:あと、前にXXで働いてた時、XXって女の子が横に付かない店だか
ら、勝手に飲んで歌っていくタイプの人って、結構クラブ嫌いが多いの。な
んでおねーちゃんが横に付くだけで、そんな高い金払って、って感じで。そ
れで、そういうお客さんって地下鉄に乗ったことのないタイプじゃなくて・・・
男:リアルに住んでるタイプ。
ー:なるほどね。そういう事が好きな人って、女の子が付くだけで120ド
ルなんて、払えないよね?
3人:うん。
ー:でも、この(ピアノ・バー)業界って下り坂なの?
女A:言われるほどではないけど、落ちてることは確か。
ー:あー、そう。
男:少しずつ。上がってはない。日本の景気が悪いぶん、やっぱり落ちて
る。潰れたお店もあるしね。
ー:現地採用の人って来ないよね?
女A:来るよ。1人じゃ来ないけど。
ー:駐在員の人と来るの?
3人:うん。
男:大体、一緒に行けば、上司とかが払ってくれたりするでしょ。
ー:でも、そういう駐在員の上司とかがいる日系企業で働いてる現地採用の
日本人の男っている?
男:ちょろっとはいるよ。
女A:結構いるんじゃない?
ー:女性はいるけどさ、現地採用の人って。
女B:女性はわかんないけど、男性はなんだかんだって・・・
女A:いるよね。”大学こっちなんですよね”って。
女B:だから、”現地だから金なくって”ってね。
ー:あー、そう。
女A:駐在員の給料の3分の1ぐらいでしょ? 同じ歳でも。
ー:そう、そう、そう。
男:そんなに違うの? 3分の1?
女A:でも、最近金融の人って、おじさんでも、現地採用の人でも、同じく
らいもらってるらしいよ。
つづく
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『VOICE』
@投書『NY悪くないべよ』
久しぶりに投稿させていただきます。
最近日本からのお客さんがありました。そこで話題になったことのひとつ
に「NYの人は親切」つうことです。
英語片言の彼らがガイドブック片手に立ちすくんでいるとどこからともな
く現れる人々に助けられたそうです。
ええはなしや。
それに気を良くした彼らはぜひNYにすみたいと申しておりました。彼らの
中にはドイツに一年間住んでいた人、西海岸やらにちょこっと滞在していた
人などおりましたが。
私はNY滞在4年目ですが、日本に帰国するたび思う事は「自分が太ったこ
と」 と「人々の態度(おもに日本人男性)がめちゃくちゃ悪いこと」で
す。
まあ自分が太った事は棚に上げておいて、よく駅とかでぶつかってきた人
とかと喧嘩になったりしてました。「失礼くらい言えよ!」。そんなわたし
は映画館の後ろに座った男性の座席蹴りを注意したところいきなり頭しばか
れましたが・・・・。
はっきりいってNYより東京のほうが逆ギレして訳わかんなくなる人が多く
て怖いです。
NY悪くないべよ。
おおた
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『編集後記』
先週書き忘れたのですが、今年の作戦の中に「L.I.C. ジャパン・タウン化作
戦」も入ります。同作戦を楽しみしてる読者の方々から「あの話なくなった
んですか」という問い合わせがありました。失礼いたしました。
私たちとすれば結構意外でした。「この話つまんねえな。やめようかな」
と思っておったもんですから。
今後は、心を入れ替えて同作戦に取り組みたいと思います。と言いつつ、
今週はお休みしましたが。
では、また来週。
「週刊Nuts」編集部
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『今週の問題のオマケ』
在外投票シールの話だが、2回目に発注した2千枚がもうなくなっちゃっ
たよ。サンライズ・マートとサッポロ・レストランに置いてたらガンガン出
んでやんの。ついでに、そこら中に張りまくったからなあ。そりゃあ、なく
なるよなあ。
前にも書いたように2千枚作るのに130ドルかかるのである。これまで
に合計4千枚作ったから260ドルか。次また2千枚発注したら全部で
390ドル。
500ドルを越えたらもう遊びではなくなる。在外投票シール作戦は遊び
か。そうなんです。これはあくまでも遊びなんです。
500ドルという基準が自分でもよくわからんのだが、最近だと500ド
ルあればニューヨークー東京の往復チケットが買えたりするからな。だれも
シャレで往復チケットを買ったりはしないだろう。
私は近々、再び在外投票シールをオーダーする。アナザ2千枚よ。これで
390ドル。まだシャレで済む範囲内だ。
その2千枚を早いとこサバいて、例のNBC朝番組生出演作戦に取りかから
ねばならない。
軍資金390ドルでどのくらいの広告効果が得られるか、今から楽しみで
すな。
ひろ
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『今週の歌』
「コリアンの 女性の化粧の 濃さの謎
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