2000年2月22日号(No.308)
目次
*『今週の問題』
*『やりメシ雇用倍増作戦4』
*『日本の問題・その2』
*『たわごとコラム』
*『今週の歌』
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『今週の問題』
最近、気がついたことがある。ニューヨークの日本人社会の「景気の悪
さ」についてである。
ここ数年、ニューヨークの日本人社会は景気が悪い。多くの日系企業がア
メリカから撤退してるし、がんがんリストラしてるし、広告費・交際費も
バッサバッサと切られている。景気のいい話なんて聞かないのよね。
こんな状態では、人々の心も当然沈澱する。沈むのよズブズブと。「どう
ですか商売のほうは?」「あんまし景気よくないっスね」。そんな言葉をか
わす私たち。
しかし、である。それっておかしくないか。アメリカは史上空前の好景気
だぞ。そこにオレらは住んでんだぞ。それなのにそれなのに「あんまし景気
よくないっスね」。これは絶対なにかがおかしい。そう思わんかねみんな。
ここのテレビ・新聞を見れば景気のいい話があふれている。アメリカ人、
今、金持ってます。これは間違いない。なのに日本人軍団ときたら、シケて
るんだな。すんげえもうかってるって話、聞かんよね。どうなってるんだ
一体。
今、アメリカの体内を流れているフレッシュな血が日本人社会には循環し
ていないのである。血=金が流れてこないのだ。だからほとんどの日本人は
シケシケ。最近、給料がぐーんと上がったって人います? みんなまだ安月
給で働いてるんじゃないです? 「景気いいからグリーンカード、サポート
してやろうじゃないか」なんて日系企業の話、聞きます?
ニューヨークの日本人社会がシケてるのは、日本がシケてるからである。
好景気のアメリカにいながらその影響をモロ受け状態。でも、これって普
通、逆よね。「日本がシケててアメリカはウハウハ。だったらアメリカでウ
ハウハ金稼いで日本に送ったろ」というのがビジネスの常道だと思う。しか
し、現実はまったく反対。バカかオレらは。
今のニューヨークの日本人社会の状態は、絶対に異常である。根本的に金
を取る相手を間違えている。相変わらず金のない日本人から金を取ろうとし
て、本来金を取るべきアメリカ人には手を出さない。それでどうやってもう
かると言うのだ。それってビジネスのルールに反してないか。
現在のアメリカの好景気を十分楽しんでいるのは日本食レストラン業界ぐ
らいか。困ったもんだ。日本人社会内の他の業界も、日本食レストラン業界
を見習ってアメリカの血を吸うべきである。でないと、好景気終わるよ。
それにしても、こういう話ってあんまし日系の新聞とか雑誌で見ないよ
ね。「アメリカはこんなに好景気なのに、なんでワシらはシケとんじゃー」
とかいう見出しで記事のひとつやふたつ、載ってもいいと思うのだが。
在米の日系メディアの皆さんにお願いしたい。どうかこのネタを取り上げ
てください。「なんでワシらはシケとんじゃー」シリーズ。タイトルは別に
なんでもいいのですが、「なんでワシらはシケとんじゃー」シリーズってな
んかインパクトないですか。ボクは好きなんです。この響き。すごくワイル
ド。なんの話やねん。
これは緊急で取り上げられるべきネタである。緊急ネタ。英語で言うとイ
マージェンシー・ネタ。”ネタ”というのはもともとポルトガル語で、正式
には”ニータ”と発音する。ウソだけど。
そんなことはどうでもいいのだ。問題は「いかにしてアメリカの生き血を
吸うか」だ。それがないと私たちはいつまでもシケまくり。このままでは
ニューヨークの日本人社会には永遠に春が来ないぞ。
やはりこういうときは、メディアがきちっと問題提起して、今現在日本人
社会が向いてる方向ってヤツを変えるべきである。Nutsだけでは非力すぎて
どうにもならんからな。
順番で言えば、まず「アメリカはこんなに好景気なのに、なんでワシらは
シケとんじゃー」と花火を上げ、現在のニューヨークの日本人社会の状態が
いかにバカげてるかを考察、そして一気に「だったらいかにしてアメリカの
生き血を吸うか」ネタになだれ込む。完ペキだな。
もうそろそろみんなでアメリカの好景気を満喫しようではないか。そして
それを日本に逆流させるのである。水が高いところから低いところに流れる
ように、金もあるところからないところに流れるべきである。
それにしても在日本の企業もボケ−っとしてるよな。なぜアメリカから金
を取らない。ここでガンガン稼いだらいいだろうに。稼ぎ方がわからなけれ
ば、こちらに住む日本人に聞いたらいいではないか。ただ、アメリカに住む
日本人にも問題があって、日本の企業からやたらと金をぼったくろうとする
ボンクラ野郎が多いのも事実である。
ボンクラ野郎の方々、ちょっとひかえなさい。金がない人たちからぼった
くってもしょうがないではないか。それよりは、日本の日本人とアメリカの
日本人が協力して、日本に金を運ぶようにしたほうがいい。われらが母国
は、今、不景気なんですから。
Nuts軍団では、「やりメシ雇用倍増作戦」を使ってこの問題を解決するよ
う努力するつもりだ。正確には、アメリカ人観光客を日本に運ぶことによっ
て、金をニューヨークの日本人社会と母国・日本に落とさせるのである。
とりあえず、日系メディアのこの件に関する活躍を期待しながら、この文
を終えることにしよう。メディアの皆さん、ホントに期待してるからよろし
くね。
ひろ
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『やりメシ雇用倍増作戦4』
ニューヨークの日本人社会の景気をよくすることにもズッポシ絡んでる
「やりメシ雇用倍増作戦」の第4弾なのである。
さて、私はここで、アメリカ人観光客を日本に山ほど送ることによって、
ニューヨークの日本人社会にお金を落とし新たな雇用を作り、ついでに今、
不景気であえいでいる日本にもお金が落とせて雇用が増えたりしたら幸せだ
なボクは、というつもりで物事をしゃべっている。
であるからして、最大のテーマは「いかにしてアメリカ人観光客を日本に
送るか」になる。
この場合の「アメリカ人観光客」は「白人」という意味ではない。日本人
はすぐに「アメリカ人=白人」と考えがちだが、アメリカにはいろんな人た
ちが住んでいるのである。特にアジア系。彼らの実家は日本に近い。どっち
みち帰省するときは、日本の上空を通過するのである。だったら、帰るとき
にちょっと寄ってもらおうではないか。そういう意味で、彼らは日本への観
光客誘致に関しては、おいしい獲物となる。
とりあえず最初は、今現在、アメリカ人観光客が日本に「行かない」理由
というのを考えてみたい。
ちなみに、1998年度に日本を訪れたアメリカ人の数は、約67万人。
一方、アメリカを訪れた日本人の数は約500万人。その500万人のうち
の約半分はハワイ・グアム組みだから、アメリカ本土を訪れた日本人は約
250万人といったところか。
67万人対250万人。これをどう見るかという問題があるが、一応ルッ
クス上は、アメリカを訪れる日本人のほうが圧倒的に多い。日本人はたくさ
んアメリカに来るのに、アメリカ人はあんまし日本に行かない。なぜか。
まず、「日本は遠い」という問題がある。ヨーロッパ志向のアメリカ人に
とって、太平洋はデカい。限りなくデカい。だから日本は遠い。「飛行機で
13時間」なんてことを言った日にはオー・マイ・ガーである。
日頃、日本とこっちを行ったり来たりしてる日本人にとってはなんとかな
る距離なのだが、アメリカ人にとっての13時間はキツい。アメリカ人とい
うのはあまり遠出をしない民族だと私は見ている。つまり近場ばかりウロウ
ロしている田舎者なのである。だから長距離は苦手なの。
ここで言うアメリカ人というのは、「白人」「黒人」「ヒスパニック」
「ユダヤ系」である。「アジア系」はその中には含まない。なぜなら彼らに
とって日本はそんなに遠い国ではないからだ。彼らの母国と同じ「あっち方
面」にあるのが日本。だから、彼らには「日本は遠い」というイメージは、
他の民族ほどはないことになる。今後、「いかにしてアメリカ人観光客を日
本に送るか」を考えていく過程において、これはベリー・インポータントな
ポイントなのである。覚えていてほしい。
次の問題は、「日本は物価が高い」ということだ。これは事実であり、
私の力ではそれはどうすることもできない。
でも、現在アメリカ人が持つ「日本は物価が高い」感は、おそらく日本が
バブルだった時代に作られた可能性が高く、彼らはそれを今でも持つ続けて
いるような雰囲気なのである。
現実には、あの頃に比べるといろんなものが安くなった。特に飛行機代と
か。日本の物価も下がったみたいだし。
ということは、である。中国などに比べると未だに物価は高いわけだが、
少なくともバブルの頃よりは日本が行きやすい国になったことは事実なので
ある。したがって、アメリカ人に対して「今はあんたたちが思ってるほど高
くないって」と言うことはできる。バブル時代にアメリカ人の脳ミソの中に
作られた「日本は物価が高い」感をブチ壊すのだ。
日本の物価を安くすることは不可能だが、これだったらできないこともな
い。「日本は物価が高い」問題は、この方法でやっつけることにしよう。
続きは次回に。
ひろ
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『日本の問題・その2』
例の日本帰国話。まずは、行きの飛行機の中から始めることにしよう。
飛行機の中での収穫は、なんと言っても私のまわりを取り囲んだ日本人お
じさんおばさん軍団だった。
それは全部で総勢60名ほどの軍団で旅上手。なんで旅上手かわかるかっ
て言うと、飛行機に乗るなり自分のバッグの中から機内用スリッパを取り出
したんだなこれが。
私のとなりにもその軍団のメンバーのひとりである松永さん72歳宝塚出
身(女性)が座った。名前、年齢、出身地はそのおばさんが自分ではいた。
「やっぱり若い人の隣がいいからね」。そんなことを隣でブツブツ言って
る松永さん。近くに座った友達のおばさんにも「こんな若い人の近くに座っ
てねえ」とアピールしている。とろろ昆布もくれた。ご機嫌だぜ松永。冥土
の土産だ。
松永さんは当然私に話しかけてきた。私も日本人のおばさんを鑑賞するの
が好きなため、期待に応えて話の相手をする。
「今回はニューヨークにどうして?」「いやね、南極の帰りなの」。来た
な松永、南極か。ペンギン見たかペンギン。なんてことは言わない。
驚いたことにその約60名のおじさんおばさん軍団は、全員南極帰りだそ
うな。18日間のツアーなんだと。72歳で南極。スイサイドか松永。
え〜?
でもこの松永さん、元気なんです。海外はこれで18回目らしい。ネパー
ルも制覇したという話だ。
18日間の南極の旅、お値段はひとり約100万円だと。そしたらここに
いるおじさん・おばさん全部あわせて約6000万円。中には家族5人で
スィートに泊まる人もいて、その場合はひとり100万円どころではない。
と松永さんは小声でボクにささやいた。
それにしてもだ。不景気不景気と言いながらも100万円の南極ツアーに
60名も参加する現実。金持っとる人間は持っとるのう。松永ちょっとサイ
フ見せてみろ。なんて聞く度胸ないです。失礼しました。
そのグループの中のひとりのおばさんが、通路をはさんで私のななめ前に
座っていた。このおばさん、飛行機に乗ってる間中、目の前のシートに埋め
込まれた自分専用のスクリーンで、上から落ちてくるブロックを埋めてくテ
レビゲームをやっていたのだが、約13時間費やしたのにもかかわらず、お
ばさんはまったく上達しなかった。おそらく最後までそのゲームのコンセプ
トというのが理解できなかったのだろう。でも、くやしい様子など一切見せ
ず、彼女は淡々とゲームを続けた。後ろからその様子を観察していた私は、
シマイには「このドヘタクソが!」と頭をはたきたくなってしまった。つい
でに食事中もそのゲームをつけっぱなしにしてるもんだから、画面は「ゲー
ム・オーバー」「ゲーム・オーバー」の繰り返し。メシ食うときは消せよお
めえ。
そんなこんなで、無事成田空港に着いた私なのであった。
ひろ
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『たわごとコラム』
今週の「週刊Nuts」は全部私が書いたぞ。書かせるなよ大変なんだから。
投書くれよ。私だけが書くと、カタい話になりがちだからな。
先週お話ししたニューヨークの在外投票の登録者数のことについてご報告
せねばなるまい。
イエス。ニューヨーク・イズ・ナンバーワン。噂通り、ニューヨークがシ
カゴ、ロスを抜いて、アメリカでナンバーワンになったのである。
今回のニューヨーク大躍進の原因は、やはり私だろう。違うよ。
実際のところ、今回のニューヨークでの登録者集めで活躍したのは、総領
事館の皆さんだった。彼らがいろんなところに登録の出張サービスに行って
がんばったからこそ、現在のニューヨークの地位があるのである。地位と言
うほどのもんでもないけど。
その点、つまり「総領事館の皆さんががんばったんだよね」ということ
は、私たちニューヨークに住む日本人軍団も知っておくべきだと思う。総領
事館の皆さん、ありがとう。
今、日本は総選挙(衆議院選)が来るの来ないので盛り上がっている。
4月にあるという説もあるし、7月の沖縄サミットが終わってからという説
もある。
もし4月にあるのであれば、私たちはまだ投票できない。5月なら行け
る。サミット後なら余裕。その辺が微妙なところなのである。
最近の日本の新聞を見てると、だんだんと4月説が現実味を帯びてきてる
ような気がしないこともないのだが、それは断固阻止せねばなるまい。無理
だけど。
しかしながら、まだのぞみがないわけでもない。もしかしたら、である。
したがって、一応そのときの準備もしておくべきだ。やるべきことはただひ
とつ。いざ選挙というときに「じゃあ投票しよーっと。あれ〜? 在外投
票って登録しなきゃ投票できないの〜? ゲッ! やべえ〜」とならないよ
うにしなければならない。
そんなわけで、近々マンハッタンで在外投票の出張登録受付がある。詳し
いことは来週お話しする。
ひろ
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『今週の歌』
「ニューヨークに 安くてうまい 定食屋
できたらボクは そこにすむよ ひろ」
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