2000年7月18日号(No.324)
目次
*『今週の問題』
*『日本の問題』
*『VOICE』
・投稿『何で(どこで)日本を感じるか?』
・投稿『何で(どこで)日本を感じるか?』
・投書『コンデンス・ミルクについて』
*『編集後記』
*『今週の歌』
◆◆◆◆◆ 「投稿募集」:nynuts@rcn.comまで ◆◆◆◆◆
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『今週の問題』
彼女の質問は、私の「住所の問題」に確実に近づきつつあった。
彼女はコンピューター学校の勧誘する人。私はニューヨークから出張にき
ている在米日本人。場所は新宿の紀伊國屋書店の2階。
気がついたときには彼女につかまっていた私は、自分がニューヨークに住
んでることを彼女に告白するかどうか悩んでいた。
「今さらニューヨークに住んでるとは言えない」「でも言ったら、このお
ねえちゃん、”ホントですか。いや〜ん”とか言って感動してくれるかもし
れない」「でもでも最近はニューヨークに住んでることなんて珍しくもなん
ともないからな」「でもでもでも、それでもニューヨークはニューヨークだ
ろ」
ニューヨークに住んでることを自慢してるとは思われたくない。でも一方
で、「ニューヨークに住んでんだ」の威力を実験してみたいという気持ちも
ある。
なんとか自慢してると思われない手はないのか。たとえば・・・
「どちらにお住まいなんですか」
「いや・・・ちょっと遠いんですけど」
「地方のほうですか」
「もうちょっと遠くて・・・」
「もうちょっと遠いってどちらなんですか」
「いや、それが・・・海の向こうなんですけど」
「もしかして海外ですか」
「はあ・・・」
「海外のどちらなんですか」
「結構遠いんですけど・・・」
「遠いって、どのくらい遠いんですか」
「太平洋を越えたりして・・・」
「アメリカですか」
「はあ・・・」
「アメリカのどちらなんですか」
「海の近くで」
「カリフォルニアですか」
「いや・・・反対側って言うか・・・」
「東海岸ですか」
「まあ、そうなんですけど・・・」
「東海岸のどちらなんですか」
「北のほうかな〜って感じで・・・」
「ニューヨークですか」
「はあ・・・まあ」
というふうに引っ張って引っ張って、「嫌々白状した自分」を演出する方
法もあるが、ここまでやったらやっぱヒンシュクよね。「だったらはよ言え
やオマエ」である。
「ごめんなさい。ボク、海外に住んでるんです」と素直に白状してしまう
か。でも、この方法にしても「だったら最初からパンフレットもらうなや」
とツっ込まれる可能性がある。同時に「すご〜い、海外なんですか〜」とウ
ケてしまうことも考えられるがね。
しかし、私にはその度胸、つまり現住所を告白することから得る一発逆転
の「すご〜い、海外なんですか〜」リスポンスGetに賭ける勇気がなかったの
である。理性(=自慢だと思われたくない)が本能(=ナンパできちゃうか
な)に勝ったのだ。ホンマか。
となったら「告白しない」という方針で行くしかない。問題の質問=「ど
ちらにお住まいなんですか」はすぐそこまで迫っている。逃げるなら今だ。
「どんなお仕事されてるんですか」
「いや、メディアなんですけど・・・」
「そうなんですか。この前も日経の方とお話しして・・・」
彼女は攻め続けた。私は逃げるチャンスを待っていた。
「コンピューターのソフトって自己流に使われてる方が多くって、本当は
もっといろんな使い方があるんですけどご存知なくて。だからそんな皆さん
に一度しっかりと使い方を・・・」
「友達に紹介しときます」
私はカンバセーションからの脱出をはかった。
「お友達ですか。でもご本人でも・・・」
「いや、お友達にしましょう。友達に紹介しときますから」
「そうですか。でも・・・」
「いや、そうしましょう。それで。ね。だからごめんなさ〜い」
私は逃げた。
ごめんなさい。おねえさん。私には言えないの。あたしのヒミツ。私はお
ねえさんに勧誘される価値もない人間なの。だから止めないで。目も見ない
で。いや〜。
私は泣きながら小走りで階段へと向かった。ウソだけど。
でも、ちょっとだけ言ってみたかった「ボク、ニューヨークに住んでんだ
よね」。日本でしか使えない技だけに心残りだ。今度はケダモノ!と呼ばれ
てもいいからやってみるか。新宿の紀伊國屋に行くのが楽しみになってきた
な。
来週は、「ボク、ニューヨークに住んでんだよね」問題のまとめをお届け
したい。また、この問題に関して「週刊Nuts」紙上で読者とシェアしたい経
験談および遭遇談(こんなヤツがいた)等があったら投書ください(E-mail:
nynuts@rcn.com)。
よろしく。
ひろ
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『日本の問題』
日本とアメリカのトイレ文化の違い。私がこのテーマを考え始めて、すで
に8年の月日が経ってしまった。どんな8年だ。
このテーマはビッグだと思う。なんでちまたの文化人類学者たちはこのネタ
を取り上げないのだ。日々の生活に直結してる問題ではないか。こんなわ
かりやすい話もないのにね。
アメリカに来て最初に驚くのは、アメリカ人たちのウンコに対する罪悪感
のなさである。
なんでキミたちはそんなにおおらかにウンコできるんだ。ウンコしながら
隣でウンコしてるヤツに話しかけるんじゃない。学校でちゃんと習わなかっ
たのか。ウンコするのは罪だって。
その罪悪感のなさのあらわれが、あのドアの下のすき間である。ウンコす
ることに対して罪悪感のある人種にはあんなトイレは作れない。
アメリカ式トイレを日本の小学校に移植したとする。現在、そのすき間の
なさによって、外部からの敵の侵入を防いでいる日本のトイレ。そこにアメ
リカ式のドアの下がやたらと空いてるトイレなんか持ち込んだ日には、次か
ら次へと敵どもがトイレの中になだれ込んできて、「おまえのウンコ何色だ
よ」「見せろよ」「ゲッ! こいつのウンコすんげえ太いぞ」「どらどらオ
レにも見せろよ」とかやられるに決まっている。
今はあのすき間だから、上から水かけられたりするぐらいで済んでいる
が、アメリカみたいに人が通れるぐらいのすき間があれば、それはもう大惨
事バンバン多発状態だろう。私がイタズラっ子なら、そのすき間から入れら
れるものはなんでも入れるな。イヌ、ネコ、学校で飼ってるヤギにウサギ。
やはりそれが日本のトイレ文化の基本だろう。学校でウンコするような人間
はパニッシュせねばならないのだ。
そういう「ウンコする人間イジメ文化」というものがこの国にはない。だ
からこの国のトイレはドアの下がやたら空いてて、みんなおおらかにウンコ
しやがるのである。いや、逆に、トイレのドアの下がやたら空いてて、みん
なおおらかにウンコするからイジメがないのか。むずかしい問題だ。
学校でウンコすることにプレッシャーを感じない子供時代。子供もすくす
く育ちそうな気がする。その辺の違いが、日本人全体の陰湿さとアメリカ人
の陽気さにあわられてるのかもしれない。
やっぱりこのネタはビッグなのである。
ひろ
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『VOICE』
@投稿『何で(どこで)日本を感じるか?』
わたしはしょっちゅう日本に帰国します。
で。「ディス・イズ・ジャパン」の一つに、日本のギャルたちをあげずに
はいられませんね。
あんなに観察しがいのある一般人が世界中他にいるのでしょうかね? ア
イラインを油性マジックで描くという話がうそかほんとかはともかく、上ま
ぶた黒々、下まぶたまっ白、コスメ業界の努力のおかげでまつげバシバシ。
お肌もラメ入りボディクリームでキラキラつやつや。そして当然それらに見
合った服装。いやー、すごい。外見に命張ってます。
「コギャル」は外人にもすでにポピュラーとなった日本語ですね。あの
ギャルが日本の文化ってのは、どうなんでしょう? 面白いじゃん、なの
か、恥ずべきことなのか? 日本人って、エスカレートしやすいんですね、
きっと。なぜにあそこまでエスカレートするんだろーか? 日本が恥の文
化、なんてのは嘘だろう、きっと。と思います。
いいとか悪いとかは各個人の判断だとは思いますが、もはや「知らないよ
もう」と投げたくなるレベルにまで来ているようです。コンビニの前でゴミ
散らかしながらしゃがんで食べてる様子とか、背中丸めてちっちゃい携帯で
ピコピコiモードやってる姿とか。金髪・銀髪大氾濫してるし。「中身はとっ
てもいいこなの」とよく言いますが、もうそういう問題じゃないでしょ。っ
ていうか、ださいよそれ。と思う。こんな国どーでもいいや、という気持ち
にさせてくれる。
それともこれが若者から完全に分離した、すなわちあたしも年とったの
ねー、ということなんでしょうかね? もしくは、こんなこと言ってるうち
は、結局自分は異質なものをまだ受け入れ慣れてない典型的な日本人ってこ
とでしょうか。
・・でもやっぱりあんなに目に入ってくるもの、無視できんぞ。
ばんばばんこ
@投稿 『何で(どこで)日本を感じるか?』
今年5月、約2年ぶりに日本へ帰国した。鶴のマークの飛行機を成田で乗り
換えて、大阪伊丹空港へ。
その日は、霧のような、小雨が降っていた。夜の7時。夕日が沈んで、周り
が暗くなりかけた頃。
伊丹空港の正面に「これでもか?」っていう派手派手ネオンが結構たくさ
んある。と言ってもこれを見て日本を感じたわけではない。
実家に向かうため、天王寺行きの空港リムジンバスの待ち行列に並んだ。
その列の前に高校生とおぼしき2人組。
少女 A : 「なんか、今日むっちゃ、むしむしするなあ?」
少女 B : 「そやなあ、ほんま、うっとおしい天気やなあ。これからまだ雨、
ふんのかなあ?」
少女 A : 「天気のおっちゃんゆーとったで。”きょうは、いちんち雨やっ
て”」
少女 B : 「もー、なんちゅうこっちゃ。やってられへんな」
少女 A : 「ほんまや、ほんまや。はよ、かえろ」
この会話を聞いた私は、「日本へ帰ってきた!」と感じると同時にへ
にゃ、へにゃ、へにゃ〜 っと座り込みそうになってしまった。
昔、同じような事を経験した。「で・じゃ・ぶー」って奴か?
東京に住んでいて大阪に帰省する度に、新大阪から地下鉄御堂筋線にの
る。その電車の中でOL達が大阪弁で
OL A : 「いまから、どないする?」
OL B : 「なんばに、むっちゃ、ええ店、見つけてん。」
OL A : 「どこ?どこ?」
OL B : 「なんちゅーたかなあ? 名前、忘れてもーた。 でも、その店の た
こやき っちゅーたら、むっちゃおいしいねん」
(なんか、大阪弁講座になってしもた。)
と言う事で、私は「ギトギト大阪弁」。特に容姿から、こんな娘が「こん
な言葉を発するのか?」と想像できないような「大阪弁」を聞くと、日本を
ほのぼのと感じます(ということは、東京に帰っても、日本を感じないってこ
とかなあ?)。
改題 :「どこで、おおさかを感じるか?」でした。
by JAM's little brother.
@投書『コンデンス・ミルクについて』
こんにちは。
以前にもファンメールしたんですけど、今回はコンデンスミルクのことで
お話したっくって。じつは私も「吹いてました」。
イチゴにかけるのではなく、毎日ホットミルクやココアに入れたりトース
トにぬったりしてましたから、ほぼ毎日吹いていたことになりますね。
ワシのロゴが付いてた(たぶんアメリカ製)ので、私はワシミルクと呼ん
でいて サイズはキャンベルスープを横に大きくした感じ。吹くほうはV8を
飲む時の三角で開けて出口は枠にそって3センチ開け、少し持ち上げます。
最終的に全開にしてお湯をそそいで最後まで楽しむのが私流です。
缶ごと保存するため日に日にミルクが固くなって吹くのに苦労しますが、
難易度が上がるのも習慣になれば充実してました。
今回でコンデンスミルクの出し方?も最終回で残念ですけど、いつも楽し
く読んでいます。身体に気をつけて頑張ってください。
A
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『編集後記』
最近、こんな風景を見た。
ある日系食料品店にいた私。レジに並んでいると、その店で働いてるアル
バイトの女の子が、店頭に置いてある紙版「ぶりてんNuts」をレジのところ
に持ってきて、もうひとりの女の子に渡した。
「この子も読者なのかな」。私はその渡されたほうの女の子を見つめなが
らそう考えた。
すると彼女は手に持った「ぶりてんNuts」を広げ、何かを包み始めた。
「あ、こんな使い方もあるんだぁ〜」。私は思った。包み紙としての「ぶ
りてんNuts」。そう言えば、包み紙にするなら最適の紙質。気づかなんだ。
「このアマ〜、なんに使っとんじゃ〜!」という衝動にも襲われたが、そ
こはほれ、オトナだからね。私は何も言わずに、包み紙と化した「ぶりてん
Nuts」7月号を静かにながめていた。
ひろ
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『今週の歌』
「キッチンの 床に落ちてる ゴミひとつ
またいで行かずに 拾えよおめえ ひろ」
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