2000年9月12日号(No.331)
目次
*『”帰れ”シリーズ5』
*『日本救出2兆円作戦4』
*『VOICE』
・投書『日本とNY』
*『編集後記』
*『今週の歌』
■■■■■■ 投書募集 → nynuts@rcn.comまで ■■■■■■
******************************
『”帰れ”シリーズ5』
「帰れ」シリーズの第5弾である。今週も前回に引き続き「ホントに日本
よりニューヨークのほうがいいの?」について考えてみたい。
最初に先週の復習を。
まず「日本よりニューヨークのほうがいい」と思われる点だが、簡単にま
とめるとこんなふうになる。
「ニューヨークのほうが、自由で、生活環境がよくて、お金をかけずに遊
べて、男尊女卑度が低くて、気をあんまし使わなくてよくて、夢が持てて、
勉強になる」
次に「ニューヨークより日本のほうがいい」と思われる点。
「日本のほうが、ビザとかの問題がなくて、日本人として差別されなく
て、言葉が通じて、メシがうまくて、保険とかの心配がなくて、安全」
生きるために安定しているのは明らかに日本のほうだろう。でもやはり
ニューヨークのほうが夢を見せてくれるような気がする。私が思うに、
ニューヨークに住む日本人の多くは、その部分が良くてここに残っているは
ずである。
しかし逆に言うと、その部分がなければ、ニューヨークにいる意味がなく
なるということでもある。だって、ニューヨークに夢を見させてくれるよう
な良さがなければ、どう考えても日本にいるほうがいいだろう。
今回、私が「帰れ」などと言い出した理由はそこにある。つまり、この街
で夢が持てなくなったにもかかわらず、別の言い方をすると、ニューヨーク
にいる意味がなくなったにもかかわらず、日本になかなか帰れないでモガい
てる人というのが結構いるからなのである。
何回も言うように、一般に日本人にとっては日本のほうが暮らしやすい。
それでもニューヨークに住むのは、そこに日本では得られない何かがある
からだ。それは普通、「お金」とか「安心」とか「安定した仕事」などでは
なく、もっと抽象的な「夢」とか「楽しさ」などである。ニューヨークに住
む理由はそこにある。
でもね、極端な言い方しちゃうと、人間が生きていくためにとりあえず必
要なのは、「夢」とか「楽しさ」じゃなくて、「お金」とか「安心」とか
「安定した仕事」なんだよね。現実の話。
だから、日本人がニューヨークに住むっていうのは、論理的にはかなり無
理してるわけ。そこまで無理しても得たいものがある場合は、まあいいよ
ね。でも、それが得れなくてというか、得ようとすることを忘れてしまった
日本人が住み続けるには、この街はちょっとツライと私は思うのである。
こんな言い方すると、「負け犬は帰れってことか」みたいな取り方をする
人もいるかもしれないが、それは違う。私が見てるのは、だれそれが夢をな
くしたどうのこうのという話ではなく、「もともとニューヨークってとこ
は、夢を実現させてくれるんでしょうかねえ」という根っ子の部分なのであ
る。
「日本よりニューヨークのほうがいい」と思われる点を挙げたときに
「ニューヨークのほうが夢が持てる」というのが出てきたが、「ではニュー
ヨークという街はその夢をホントに実現させてくれるのか」という疑問を私
は持っている。正確には、「環境として、ニューヨークは夢を実現するのに
適した場所なのか」という意味である。あくまでも夢を実現するのは自分だ
からね。
続きは次号で。
ひろ
********************************
『日本救出2兆円作戦4』
今回の話はちょっとむずかしい。「日本救出2兆円作戦」と「在外投票」
の関係についてである。
これまでお話ししてきたように、「日本救出2兆円作戦」というのは、外
国人観光客を日本に送ることによって、日本にお金を落とし、なおかつ海外
の日本人コミュニティにも同じくお金を落としてもらいましょうじゃない
の、という案なのだが、これと「在外投票」がどう絡むのかがここでのポイ
ントである。
実を言うと、先日これに関してレポートみたいなものを書いたのである。
タイトルは、『「景気・雇用対策」及び「在外投票対策」としての訪日観
光政策』。自分で言うのもなんだが、重々しい題だ。さすがに「日本救出2
兆円作戦」にする勇気は私にはなかった。
というのも、このレポートの受け手は日本の政治家の皆さんだからだ。私
がこのレポートを書いた目的は、日本の政治家さんたちに動いてもらって、
「日本救出2兆円作戦」を実現することにある。ただ、いきなり「日本救出
2兆円作戦」だと「なんじゃそれ?」とか思われちゃうから、ちょっとマジ
に『「景気・雇用対策」及び「在外投票対策」としての訪日観光政策』で
迫ってみた。
送付先は、各党の政策担当議員。よく「政調会長」とかいう名前で呼ばれ
ている議員たちだ。たとえば自民党の亀井静香政調会長とか。
それと、各党の政策を担当する事務局にも送った。
私のレポートを読んだからと言って、「はい、かしこまりました」と日本
の政治家たちが動き出す可能性は限りなく低い。でも、何事もやってみんと
わからんからね。とりあえず送ってみました。
このレポートの中に「在外投票」の話が出てくる。そこを読んでいただけ
れば、「日本救出2兆円作戦」と「在外投票」の関係がおわかりいただける
と思う。
かなりカタい内容のレポートで申し訳ないが、そこんとこは勘弁。
そんじゃ、どうぞ。
* * * *
『「景気・雇用対策」及び「在外投票対策」としての訪日観光政策』
[最初に]
この文の目的は、外国人観光客を対象にした訪日観光促進政策が、「景
気・雇用対策」及び「在外投票対策」としていかに有効であるかを訴えるこ
とにある。
ここでは「訪日観光」を、「海外から日本にお金を持ってくる手段」とし
て捉えていただければわかりやすいと思う。またそれには「海外の日本人社
会にお金を落とす」という側面もあることも付け加えておきたい。
簡単に一文で表すなら、「外国人観光客を日本に連れるくることによっ
て、日本にお金を落し、同時に在外日本人社会にもお金を落とす」というこ
とになる。
1) 景気・雇用対策としての観光振興
1999年度に訪日外国人が日本で使ったお金の総額は、1兆3691億
円である。海外に住む彼ら:総数約440万人が、日本にやってきたことに
よって落ちたお金である。
海外から新しいお金を稼ぐ方法がなかなか見つけづらい状況にある日本に
とって、「訪日観光」は魅力的な産業だ。
「景気対策としての魅力」
・現在ある「入れ物」を使うため、初期投資の必要がない。
・物理的にお金が海外から日本にやってくる。
1999年度の訪日外国人ひとりあたりの支出額は、約31万円。もし訪
日客が1万人増えれば新たに31億円が、10万人増えれば310億円、
100万人増えれば3100億円が日本に落ちることになる。
また、雇用の面に関しても「訪日観光」は大きな可能性を秘めている。ち
なみに去年、訪日観光の経済効果によって創出された雇用数は21万4千人
にものぼる。
「雇用対策としての魅力」
・幅広い世代を対象とする産業である。
・失業問題が深刻な中年・熟年層を取り込むことができる。
以上のように、訪日観光は非常に効果的な景気・雇用対策案になり得るの
である。
2) 在外投票対策としての観光振興
今年から海外に住む日本人を対象にした在外投票がスタートした。
日本の各政党も在外日本人に党の政策をアピールするよう努力している
が、海外の有権者にダイレクトに訴える政策を持つ党は今のところ皆無であ
る。
その原因として考えられるのは:
・在外日本人にとって実感の持てる政策を打ち出していない。
・各党とも在外日本人のニーズを理解していない。
などになる。
「公共事業の推進」等は、海外に住む日本人にとってはまったく関係のな
い話である。それは「減税」案にも言えることだ。
海外の有権者に何かを訴えようとする場合、大切なのは、彼らがどこかで
関与できる案を提供することである。有権者は自分に関係のない話には、な
かなか興味を示さないからだ。
理想的なのは、在外日本人にもなんらかの形で利益になるような政策であ
る。在外日本人コミュニティにお金が落ちるのか。あるいは海外の有権者が
日本のことを誇りに思えるような政策なのか。
ただ同時に、海外に住む日本人は一般に独立心が強い。日本政府にお願い
して何かをしてもらおうという意識はあまりない。それよりも「日本のため
に何かできないか」と考える傾向が強い。
このように在外有権者向けの政策を考える場合、重要なのは:
・彼らにもなんらかの形で関係し、利益になるような政策
・彼らの「日本のために何かできないか」的要求を満たす政策
である。
そういう意味において、「訪日観光振興」は、海外の有権者に訴える政策
として非常にすぐれたものと言える。
外国人が日本を訪れようとする場合、航空チケットの発券やホテルの予約
などに現地の日系旅行代理店等を使う可能性がある。
通常日本人ばかりを相手にしている海外の日系旅行代理店にとって、非日
本人市場というのはまったく未開拓のマーケットだ。そこには新しいお金が
落ちることになる。
また外国人客が日本に行く際に日系航空会社を使うこともあり得る。彼ら
航空会社にとっても、これは新規マーケットの開拓となるだろう。その他、
訪日客を対象としたさまざまなビジネスが生まれることも考えられる。
このように人々が日本に向かって動き出すことによって、それによる利益
が現地の日本人コミュニティに還元されるのである。
さらに先の章でも説明したように、「訪日観光」には景気・雇用対策の側
面も十分ある。日本に一日も早く不況から脱出してほしいと思っている在外
日本人にとって、それは「母国を助ける」という意味も併せ持つことにな
る。それは当然、彼らの「日本のために何かできないか」的要求を満たすこ
とになるだろう。
[最後に]
これは言うまでもないかもしれないが、観光には「文化交流」「人的交
流」としての効果もある。日本を海外に積極的に発信していくためにも、海
外での広報活動と同時に、実際に日本を訪れてもらうことの大切さが再認識
されるべきである。
日本ではこれまで低く見られがちだった「観光産業」。他の先進国を見れ
ば、日本がいかに観光後進国であるかがわかるというものだ(フランスやア
メリカは、年に数千万人の外国人観光客を受け入れている)。
コストをかけずに日本に新しいお金を落し、海外に住む日本人の利益にも
なり、なおかつ日本を海外の人々にもっと理解してもらう。それが訪日観光
推進の目的だ。
日本の各党にも一日も早く、訪日観光振興に力を入れてもらいたいと、私
は海外に住む一日本人として思う。
*数値資料:国際観光振興会
* * * *
いかがだろうか。わかりやすく書いたつもりなのだが、全部読んだ人はほ
とんどいないような気がしてちょっと不安。
でも、「日本救出2兆円作戦」と「在外投票」の関係は、これを読んでも
らえば一発でわかるはずだ。
要するに、日本の衆議院選とか参議院選の際に海外の有権者に訴える政策
のひとつとして、こんなネタはどないだ、という話なのである。
自分では結構うまくできてると思うのだが、それって単なるマスターベー
ションでしょうか。
とりあえず、「日本救出2兆円作戦」と「在外投票」の関係はこんなもん
で。
ひろ
*********************************
『VOICE』
@投書『日本とNY』
ハ=イ! サンドレディです。
日本は退屈なハズバンド、NYはエキサイティングな愛人、そう言うと皆
納得しますね。
私が日本に帰ってきた理由は:
1)ビザの問題をクリアできなかった
2)アメリカの土にはなりたくないと悟った
3)差別に我慢できなかった
ですかね。
今はアホなコギャルやギャル男、年齢差別、女性差別にうんざりでグァム
あたりに逃れたいと願っている。
ではでは。
サンドレディ
******************************
『編集後記』
ちょっくら日本に行ってきます。今年最後の日本です。
というわけで、来週の「週刊Nuts」はお休みしますけれども、
www.nynuts.comのほうの「その辺のニューヨーク」写真コーナーは来週も
ちゃんと更新する予定です。ま、その場合は「その辺のニッポン」コーナーと
なるわけですがね。日本から更新します・・・する予定とだけしておきま
しょうか。またコケちゃうかもしれませんから。
それと、9月24日(日)に再びジャパン・ソサエティ主催の「日本の祭
り」があります(場所は47丁目の1と2の間)。
Nuts軍団では、ボランティアを募集します。金魚すくいとかやるはずで
す。ご希望の方は、nynuts@rcn.comまでご連絡ください。
では、また再来週。
ひろ
*********************************
『今週の歌』
「”また今度 日本に帰る”と 友達に
言ったらボソリと ”帰りすぎだよ” ひろ」
下のアドレスを押すとメイルが送れまっせ
投書、意見、感想もどうぞ
Return to Home Page