2000年10月24日号(No.335)




目次

*『グリーンカードへの道GOGO』
*『”帰れ”シリーズ9』
*『VOICE』 ・投書『BATHROOM』 ・投書『”帰れ”シリーズについて』 ・投書『NYの日系人』
*『編集後記』
*『今週の歌』
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『グリーンカードへの道GOGO』

 先週「始めるわよ」と宣言した「グリーンカードへの道GOGO」のはじまり はじまり。
 そんなわけで「グリーンカードへの道GOGO」なのだが、昔からこの「週刊 Nuts」をお読みの方の中には、「これって昔あった『グリーンカードへの 道』となんか関係あるのかしら」などとお考えの方もいるかもしれないが、 基本的には同シリーズとはなんの関係もない。
 ちなみにその「グリーンカードへの道」だが、実を言うといまだに終わっ ていないのである。最終回を掲載してないってことね。
 「グリーンカードへの道」は、私の、アメリカ人との結婚によるグリーン カードGet物語で、その進展・葛藤・戦い・悲しみなどをドキュメンタリー タッチでお届けした大河ドラマだったのだが、というのはウソで、単なる日 記みたいなものだったのだが、これがまだ終了してないのである。
 それはなぜか。
 答えは簡単。まだ本物のグリーンカードをGetしてないからである。
 テンポラリー(2年間有効)のグリーンカードはすでに入手してある。 でも今年の6月にエクスパイアーしやがったけど。
 現在は「本物のグリーンカードがくるのをじっと待つ」という状況であ る。一応イミグレから「この人のグリーンカード切れてるけど、いま申請中 だからとりあえず勘弁してあげて」という趣旨の手紙が送ってきてあって、 いつも日本から出国する際は期限切れのグリーンカードとその手紙を見せ て、チェックインカウンターに座っているおねえさんの頭の中を混乱させね ばならないのだった。
 さらに夫婦生活においても、まだ強気に出ることはできなかった。この時 点で「おめえ、離婚すんぞー」とか言った日には、「なんだとお〜」と逆襲 を食らうのは明らかだった。「グリーンカードをGetするまではガマンガマ ン・・・」。そうつぶやきながら、コブシを硬くする私なのであった。
 そんなことはどうでもいいのである。
 「グリーンカードへの道GOGO」に話を戻す。
 前回お話ししたように、この「グリーンカードへの道GOGO」は「帰れ」 シリーズを母として生まれてきたコーナーである。
 その目的は「ニューヨークの日本人が夢を実現させようとするときに直面 するハンディをできるだけやっつける」ことにある。ハンディと言っても、 ここでは「ビザの問題」に絞り込んである。なぜなら、こいつが一番ヤッカ イだからだ。
 で、結論を先に言ってしまうと、ニューヨークに住む日本人のビザ問題を やっつけるためには、グリーンカードを持つ日本人の数をできるだけ増やさ なくてはならない。その理由は追々お話しするが、とりあえずそれがゴール である。
 グリーンカードを持つ日本人の数をできるだけ増やす=「グリーンカード への道GOGO」。そのネーミングの理由はこれでおわかりいただけたと思う。
 話の順番とすれば、まず「なぜグリーンカードナー(最後にerをつけてみ ました)を増やせばビザ問題が解決するのか」をお話しし、それから「じゃ あ、どうやったらグリーンカードナーを増やせるのか」話に持っていきたい と考えている。
 てなわけで「グリーンカードへの道GOGO」のスタートである。お楽しみ に。
                       ひろ
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『”帰れ”シリーズ9』

 「帰れ」シリーズの第9弾である。
 最近つくづく思うのだが、日本人にとって日本という国はホントに住みや すい場所である。それと、ちょっとずつだが、いい方向に変わってきてるよ うな気がする。
 私がここで強調したいのは後者のほうである。つまり「日本がいい方向に 変わってきてる」ということ。海外に数年住んでる日本人にとっても、もう そんなに住みづらい場所じゃないわよ、だから帰ってみたら、ということを 私は言いたいのだ。
 「日本がいい方向に変わってきてる」から「帰れ」作戦。一応スジは通っ てると思う。
 ただ、「日本がいい方向に変わってきてる」ということについては、納得 できない人が山ほどいることも私は知っている。
 日本では、相変わらず政治はロクでもないし、子供たちもとうとうプッツ ンし始めてる。どちらかというと、坂道を下だってるという感じがするだろ う。
 でも「違う人を受け入れる」ということに関しては、日本も少しずつだが 成長していると私は思う。国内の非日本人の増加が、強制的に日本人の非日 本人に対する免疫を強化したのである。
 最近はかなりなくなってきたが、それでも日本にはいまだに「海外に住ん でた日本人は違う」というイメージが人々の間で共有されている。この「違 う」は、人と違うことを許さない日本的な「違う」であり、よって悪い意味 での「違う」になる。
 しかし、日本が「違う人を受け入れる」ことに慣れてきたこと、そして海 外居住経験のある人が増えてきたせいで、日本というところは少しずつだが 海外に住む日本人にとって戻りやすい場所になってきている。
 だから「帰れ」。
 このテーマについては、来週もう一度掘り下げてみたいと思う。
 また、ニューヨークから日本に帰った人の実際の感想などをお寄せいただ いたらベリーハッピー。よろしくお願いいたします。
                         ひろ
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『VOICE』

@投書『BATHROOM』
 話は三十年前に遡るが、学生時代に欧州を貧乏旅行した時のことである。
 ある時、ローマのテルミニ駅近くに投宿した。
 チェックインを済ませ部屋に入り、自然が呼んでいるので、部屋をさっと 見渡した。小奇麗な部屋で、色調はベージュ系で落ち着いており、すぐに部 屋の片隅に便器は見付かった。デザインにうるさいイタリア人として部屋に 匂いが充満するような、剥き出しの設計は、いささか失格であろう。そう思 いながら、おもむろにズボンを引き下げ腰を下ろした。一瞬冷やりとした感 触が尻に触れ、下を見ると便座が無い。
 「なにゆえこんなところで建築費を削るのか」といささか“糞慨(ふんが い)”しながらもひたすら没頭した。旅の疲れで肩も硬くなっており、それも やはり硬かった。気持も晴々と全て水に流そうとレバーを捜すと、今度は在 るべきところにそのレバーが無い。よく観ると水道の蛇口の様な物に回転式 のノブが付いている。しかたがないのでそれを捻った。勢いが強すぎて便器 の外まで水が飛んでしまい、あわてて栓を締めた。今度はチョロリとしか水 が出ない。ほとほと使いづらい代物だと言いながらなんとか水を適量出すこ とができたのだが、今度はなにで3センチ径の穴が詰まり、水が流れない。
 「TOTOならばこんな不良品は作らないぞ。経済途上国と言って馬鹿にする な」と独り言を言いながらボールペンで細切れにしてなんとか事無きを得 た。しかし他の宿泊客は如何なものかと疑問に思い、シャワーも部屋に見当 たらないので、ひとまずフロントに下りて聞いてみた。
 「ドーヴェ エ バーニョ?」
 「各フロアーに共同のバスルームが二つずつ御座います」とフロント嬢が のたまり、自分の階に戻り、観るとなるほどバスルームが廊下の反対側にあ るではないか。中を覗くとあのなんともいえないほっとするようなトイレと シャワー付きのバスタブがあった。後日友達にこの話をすると笑われてし まった。
 「あれは“ヴィデ”といつて、汚れた足やお尻を洗うものなんだけど」
 当時の“ブルーシャトー”というヒット曲を口ずさみながら“ピサのシャ トウ”を後に(古いおやじギャグで申し訳ない)夜行列車でベネチアに向 かった。
 朝日が海を眩しく照らし、ほどなくベネチア駅に着き、キャサリンヘップ バーン主演のファッシネーションの世界が眼前に広がる。と云うと聞こえは いいが、実は寝不足の目を擦りながら、とぼとぼと観光をしたのである。ビ ザンチン文化の結晶ともいえるサンマルコ広場や運河を往来するゴンドラを 眺め、いっこうに獏として定まらない頭を抱え、歴史や風土は何処のその、 足は自然と夜の寝床のユースホステルに向かっていた。海上都市に相応し く、船がバス代わりだった。
 チェックインを済ませ、自然が呼ぶので足のおもむくまま、少し黄ばんだ 総タイル張りの10メートル四方の部屋に入った。その瞬間不思議な光景が目 に入ったのである。そこは確かに厠(かわや)兼浴場の部屋なのだが、洋式の “音入(オトイレ)れ”がないのである。あるのは、床に1メートル四方の中央 に穴のあいた便器らしき物が数個あるだけで、それとて日本の様に金隠しが ない。ドア―や仕切は一切ない。「ハハ―、敵もさる者。おおらかな国なの だろう。ローマ帝国のなごりか」と感心したものである。
 「いわゆる肌の触合いとは斯くの如しなのか。ローマンバスの延長と考え れば納得出来る」。そう自分に言い聞かせ、心を静め、ただひたすら没頭し た。しかしながら小用は控えめに、大はおおらかにと、自然体に馴れている 私には、少々技術を要した。
 二日間の滞在でおよそ体得は出来たのだが、それ以来実行する機会にめぐ まれない。
 所変ればで、文化・糞習まで違う。
                          及
@投書『”帰れ”シリーズについて』
 いつも、メルマガで楽しませてもらってます。
 『帰れ』シリーズと『日本救出2兆円作戦』シリーズを、興味深く読ませ てもらってます。
 特に『帰れ』シリーズは日本にいる私にも『ガツン』とくるものがありま す。
 3つのハンディ:
 ●言葉の問題
 ●ビザの問題
 ●黄色人種であることの問題
 を読んでいたら、似ている事を思い出しました。
 日本で働いている、日系労働者の方々です。
 私の住んでる田舎では、日系ブラジル人の方が結構住んでいて、その人々 の為のスーパーがあったりします。日本の完全失業率があがっても、彼等が 働く職場のニーズがあるというのが、日本の産業のあくどさがあると思った りします。
 『帰れ』シリーズの対象者と日系労働者とでは、生まれ育った国を離れ て、異国で暮らすということで、質は違えど、同じ問題を抱えてると思えま す。
 3つのハンディのなかの
 ●黄色人種であることの問題
 は『日系人であること』に置きかえられますが…。
 これからも、メルマガ楽しみにしています。
                      KT
@投書『NYの日系人』
 いつも「週刊Nuts」を読ませて頂いています。
 NYに来た邦人をカモにする在留日本人とは。
 アメリカで出会った在留日本人(何れもグリーンカードを持っている)に数度 騙されたことがある。自宅を持って日本に帰る計画が無い、永住者であっ た。
 こんな永住者に騙されたことが数回あった。たいして価値の無いような商 品を輸入してみないか、とか、不動産を現地の価格から比べたら法外な価格 で売りつけようとされたことがある。こちらは騙されたと思っているが、当 の本人は騙したとは思わずに、当たり前の取引、営業と考えているようだ。 しかし、日本ではまともな常識ではないような取引ばかりであったような気 がする。こんなすれ違いがどうして起こるか考えてみた。
 先ず、在留日本人からすれば、日本から来た日本人とは一度取引が成功す れば二度と出会うことも無い邦人である。NYに住んでいる日本人を相手に 騙せば、狭い日本人社会の中で噂となる。しかし、二度と来ることもなけれ ば、次に何時NYに来るか分からない人間では、噂にもならず、安全である からだろう。
 問題はどうも在留日本人の資質であろう。白人などと対等に交渉できて、 大きな仕事がこなせるような能力がある在留日本人であっては、はるばるニ ホンからやって来た短期在留者などを相手にせず、堂々と大きな仕掛けで儲 けることができるであろう。
 永住権を持っていてアメリカで生活しなければならないが、白人社会で活 躍できるような能力が無い者が日本人を騙すのではなかろうか。多分、日本 にいても大きな仕事はできないような人たちではないか、と判断できる。
 何も日本と同じ道徳を持って、アメリカで暮らせとは言わないが、同じ日 本人を騙すようなことは止めた方がいいのではなかろうか。アメリカに住ん でいても、今は情報が早い。何時かは仕返しをされることになるのではなか ろうか。
                     日本から来たカモ
@投書
「"Rest of the country is upset".
                紳士つぶやく Subway Series  MT」
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『編集後記』

 先週、紙版の「ぶりてんNuts」9・10月合併号を出しました。大したネ タは載っておりませんが、ま、ヒマつぶしにでもご覧ください。
 今週は「日本救出2兆円作戦」はお休みしました。あんましカタイ話ばっ かでもなんですからね。おそらく来週は載せます。同シリーズを読んでる人 がどのくらいいるか不安なのですが、とりあえず来週ね。
 最近、ニューヨークを引き払って日本に帰る人が増えてるような気がしま す。ある人からは「Nutsの”帰れ”シリーズのせいだ」などと言われまし た。
 Nutsにそんな影響力があるとは考えられませんので、単なる偶然だと思う のですが、でもそれはそれで興味深い現象です。なぜみんな帰るんですか。 そう決心したキッカケは? その辺の内幕を投書いただいたら幸いです(E- mail:nynuts@rcn.com)。
 今週はこんなもんで。
 では、また来週。
                         ひろ
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『今週の歌』

「片づけの ハウツー教える その本を
            なくしてしまう そんな我が妻 ひろ」

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「週刊Nuts」編集部


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