2001年10月16日号(No.371)
目次
*『問題ゴロゴロ』
*『NYJJ失業問題』
*『帰ってこいよ問題』
*『日女の皆さん気をつけて』
*『NYJJ人口減少問題』
*『今週の歌』
◆◆◆◆◆◆ 投稿募集 → nynuts@rcn.comまで ◆◆◆◆◆◆
*************************************
『問題ゴロゴロ』
テロ事件の影響で、いまいろんな問題がNYJJ社会で噴き出している。それ
らはこれまでNutsで取り上げてきた問題とは質が違う。「シャレにならない
問題」。そう言ったほうがいいだろう。
94年に「週刊Nuts」を創刊して以来、最大の危機にNYJJ社会は直面して
いるのである。
世の中はいま、炭そ菌(Anthrax)で大騒ぎである。でも、あれははっき
り言って騒ぎ過ぎだと私は思う。テロ事件の興奮が忘れられないメディア
が、次のオモチャを見つけたって感じがする。ついでに、今度はメディアが
ターゲットなもんだがら、騒ぐ騒ぐ。同時テロ事件なんてすっかり昔のこと
だ。
こういうドタバタのときこそ、足下を見つめるべきだと思う。「テロが来
るぞ、テロが来るぞ」と空騒ぎしても仕方がない。まずは自分の身を守り、
次に自分の生活圏(仕事や住む場所)を守る。ニューヨークやアメリカを守
りたくても、私たちには何もできない。とりあえずは自分と自分のまわりを
守るしかない。
本題に戻ろう。
いま、私たちNYJJの前にはさまざまな問題が寝そべっている。ここでは、
それらの中からデカイのだけ取り上げたい。
1)NYJJ失業問題
2)帰ってこいよ問題
3)日女の皆さん気をつけて
4)NYJJ人口減少問題
まさに「シャレにならない問題」ばかりだ。
でも、これらの問題は日系メディアではまったく取り上げられていない。
まあこれまでもそうだったから、いまさらグダグダ言っても始まらないのだ
が、ニューヨークの日本人社会には本物の「コミュニティ・メディア」が存
在しないね、とつくづく思う。書き手や編集者の皆さんは、一体何を考えて
いるのだろうか。取り上げるネタはいっぱいあるのに。
グチはこのくらいにして、早速問題話に突入することにしよう。
ひろ
******************************
『NYJJ失業問題』
これはNYJJ社会だけでなく、ニューヨークおよびアメリカ全体で起きてい
る現象である。特に「観光」や「旅行」に関わる業界は無残な状況だ。
NYJJ社会の中で「観光」&「旅行」業界にたずさわる人口はかなりの割合
を占める。それは、ジャパレスなどに置いてある日本語フリーペーパーを見
ればよくわかる。旅行代理店とかの広告がいっぱい載ってるでしょ。それだ
け会社があって、そこで働いてる人たちがいるってことなのである。
最近、ニューヨークの日系旅行代理店で首切りが行なわれているという話
をよく聞く。ホントにそうでもしないとやっていけないのだろう。
通常、大手の旅行代理店は、下請け企業をいくつか持っている。観光客を
空港まで迎えに行ったり、ガイドしたりする会社だ。今回の影響は、当然そ
れらの企業まで及ぶ。
その他、日本人観光客相手のお土産屋や日本食レストランなどにも影響が
出るはずだ。
グリーンカードを持っていれば、失業してもなんとかなるかもしれない
が、会社にビザサポートしてもらっている人は非常に困ったことになる。
アメリカにステイするためには、新たにビザサポートしてくれる企業を探さ
ねばならない。でも、いまの就職・転職事情は最悪だ。
以前からお話ししている通り、NYJJ社会には雇用創出力というのがない。
また同時に、不況に弱い仕事が多い。ちょっとぐらい景気がガタついてもビ
クともしない雇用が少なすぎるのである。言い換えれば、「地元に根差した
雇用」というのが少ないのだ。
今回の事件のあと痛感したのだが、日本人もコリアン軍団やインド系軍団
のように、ひとつの業界を制覇する必要があるね。コリアンならデリやネイ
ルサロン、インド系ならニューススタンドやダンキンドーナツなどの業種を
独占している。
それらの業界は、地域に根差していることもあって不況に強い。よって仕
事の数が急激に減ることもない。
反対にNYJJ社会の仕事は、ふわふわしたものが多い。日本人だけを相手に
する商売がメインだし、ローカルに根を張ったビジネスは少ない。要する
に、日本人(観光客も含む)の数が減ったり、いきなり厳しい状況になった
ら吹っ飛んでしまう仕事ばかりなのである。
「だからNYJJ社会は失業の嵐なのだ。はっはっは」と言ってても問題は解
決しない。では、どうしたらいいのか。
まずグリーンカードを持ってる日本人は、自分でなんとかしてちょうだ
い。いざとなったらマクドナルドででも働けばいい。本気になればなんでも
できるはずだ。
問題は、ビザサポートしてもらっててその仕事をなくした人たちと、バイ
トで生活しててそのバイトを首になった人たちである。
失業後、前者の人たちに降り掛かるのは、「お金」と「ビザ」の問題だ。
「お金」については、イリーガルに働いたりすればなんとかなるかもしれ
ないが、「ビザ」問題は深刻である。この国にリーガルにいれなくなるから
だ。
この件に関しては、アメリカ政府の移民法に関する動きを凝視するしかな
いだろう。今回の事件の影響を受けて、ビザサポートに関していくらかイク
スキューズをくれるかもしれない。
後者のバイト軍団については、やはり仕事を探し続けるしか方法はない。
日系のビジネスがダメなら、他のところで働けばいい。私も以前、スパニッ
シュ・ハーレムのスーパーで時給4ドルで働いていたことがある。支払いは
もちろんキャッシュだった。
短期的には前記のような対応策で切り抜けるしかないが、それと同時に将
来を見据えた長期の案もいまこそ練るべきだと私は思う。具体的には「日本
人用の安定した雇用を創り出す」ということである。
先に書いたように、ニューヨークに住む日本人は、ここのコリアン軍団や
インド系軍団を参考に地域に根を張った「自分たちの業界」というものを持
つべきである。どの業界を制覇するかはこれからの検討課題だが、できるだ
け早く安定した雇用の場を確保する必要がある。でないと、いつまでも同じ
ドタバタを繰り返すことになる。
転んでもタダでは起きない。そう行きたいものである。いまの状況をなん
とかしのぎつつ、未来を創ることも同時に考えよう。
大変だけど。
ひろ
***********************************
『帰ってこいよ問題』
ニューヨークに住む日本人、特に留学生やチンタラ組(学校とかに行かず
に日々チンタラしてる日本人若い衆)に対する日本からの「帰ってこいよ」
コールが、最近スゴイらしい。「帰ってこいよ」してるのは、当然お父さ
ん・お母さんたちである。
ま、日本の家族の気持ちもわからんこともない。日本でテレビとか見てた
ら、もうすんげえことがニューヨークで起こってるみたいだもんなあ。
留学生やチンタラ組は通常、親から仕送りをもらっている。つまり親=大
蔵大臣(最近「財務大臣」になったが)なのである。その大蔵大臣に
「ノー」と言われちゃったらお仕舞いだ。「危ないから帰ってこい。帰って
こないなら仕送り止めるぞ」。トドメのひとことである。
「仕送りなんかいらねえやい。そのくらい自分で稼ぐさ」とカッコよく
言ってみたいところだが、仕事事情は『NYJJ失業問題』で書いたように非常
にお寒い状態だ。下手に「自分で稼ぐ」なんて言えないのである。
そして泣く泣く帰る彼ら。おそらくドタバタが終わるまでニューヨークに
は帰ってこれないだろう。いつか戻るつもりでも、日本で仕事を見つけ、生
活にも慣れたら、もう帰る気もなくしてしまうかもしれない。そうやって自
分の中でニューヨークが風化していく・・・
「ホントに帰る人、いるんかいな」という意見もあるかもしれないが、か
なりいるらしいぞ。もし疑うのなら、明日にでもニューヨークの日系旅行代
理店に電話して、「日本行きのチケットください」と言ってみなさい。する
と向こうが「片道ですか」と聞いてくるはずだ。
「片道ですか」である。これまでそういうことがあっただろうか。旅行代
理店に電話して、いきなり「片道ですか」って聞かれちゃうのよアナタ。そ
れだけ片道チケットを買う人が最近多いということなのだろう。
日本人の若い衆がニューヨークに住むことに関して、私は積極的に賛成す
る。いいことだと思う。この前までやってた「帰れ」シリーズはまた別の話
だ。あれは目的を見失って、なんとなくダラダラ住み続けている人たちに対
する「帰れ」だったのである。
そういう意味で日本人の若い衆たちへの「帰ってこいよ」コールは、聞く
だけでツライ。もっとニューヨークにいてほしい。でもパパ・ママの気持ち
もわからんこともないし・・・。むずかしいところである。
ただ、正直言って、この状況じゃ仕方がないわね、という感じもする。
テロリストたちは間違いなく再びニューヨークを狙うだろう。今年になる
か、来年になるかはまったくわからないが、必ず彼らはここに戻ってくる。
それを考えると、「帰ってこいよ」はそんなに悪いアイデアではない。
私たちは最低限、「死なない」ことを心がけなければならない。死んだら
元も子もないからね。
結局何が言いたいのかよくわからなくなったが、「帰ってこいよ問題」に
関する私の意見は「ツライけどしゃーないな」である。
残る人も帰る人も命だけは大切にしてちょうだい。生きてりゃなんとかな
るさ。
ひろ
*********************************
『日女の皆さん気をつけて』
いきなりだが、断言させてもらう。これからニューヨークは治安が悪くな
るよ。
まだこのことに関しては、メディアも警笛を鳴らしてないようだが、間違
いなくそうなるだろう。
そんなことはちょっと考えればすぐわかる。
失業の嵐。
景気の悪化。
ポリスはテロ対策で大忙し。
これだけの材料が揃っているのである。治安が悪くならないほうがおかし
いではないか。
ここ数年、ニューヨークは異常に平和だった。いまから7、8年前は、女
の子が夜中ひとりでウロウロするなんてとんでもありません、という雰囲気
だったが、最近はそういう女性をよく見かける。
治安が悪くなった際に一番先に狙われるのは女性である。それも、金持っ
てそうで、小奇麗なカッコをしてる女性。ついでに夜遅くまで道端をウロウ
ロしている女性。トドメに、ハーレムとかブルックリンの奥のほうなど、
この前まで結構危なかった場所に住んでる女性。
そういう女性って日本人に多くないか。だから「日女の皆さん気をつけ
て」なのである。
ニューヨークの日本人、特に若い衆は、結構ギリギリのところに住むのを
好む。先に書いたハーレムやブルックリンの奥のほうなどがいい例だ。最近
では、サウス・ブロンクスに住む人もいるらしい。
でも、そういう場所に住む日本人のほとんどは、いまから10年近く前の
まだ恐かった頃のことは知らない。それらの地域が比較的平和になったの
は、あくまでもここ数年のことなのである。それまでは、結構恐かったんだ
から。ホントに。
私のかみさんの実家は、数年前までイースト・ニューヨークにあった。い
まはだいぶマシになったイースト・ニューヨークだが、5、6年前まではか
なり危なかった。地下鉄の駅からかみさんの実家まで、私はよく走った。歩
いたら危ないからだ。
最近では、そのイースト・ニューヨークに住む日本人もいるらしい。「時
代は変わったのね」としみじみ思う。
で、いま再び治安が悪くなろうとしている。その際、まず最初に悪くなる
のは「つい最近まで悪かったところ」である。ところが、最近治安がグイグ
イ良くなったこともあって、そういうところに日本人がそこそこ住んでたり
する。
日本人の皆さん、特に日女の皆さん、今後、夜のひとり歩きの際は十分気
をつけてください。なんかヤな予感がしたら、とりあえず全力で走りなさ
い。
これからのニューヨークは、ここ数年のニューヨークとは違うよ。私も油
断しないから、みんなも油断しないように。
ひろ
*********************************
『NYJJ人口減少問題』
『NYJJ失業問題』や『帰ってこいよ問題』のせいで、いまニューヨークの
日本人人口がガンガン減っているのである。
困ったぞ。
日本人の人口が減るということは、日本食を食べる人が減る、日本の本を
買う人が減る、日本行きの航空チケットを買う人が減る、ということなので
ある。
日系のビジネスは、日本人客に頼っている場合が多い。だから、日本人人
口が減ることはそのまま日系ビジネスを直撃することになる。
ちょっと減るぐらいだったら、どーってことないのだが、今回の減り方は
尋常ではない。数年前にあった、移民法改正の際の帰国ラッシュ以上の規模
であることは間違いないだろう。
それと今回は、減るばかりでまったく増えないのだ。帰る人ばかりで、
来る人がいないのである。ま、当然と言えば当然だが。
で、解決策だが、いまのところはない。
日本に帰る人に「帰るな」とはだれも言えない状況だ。ついでに、日本に
いる人たちに「来い」とも言えない。
いまは我慢だ。それしかない。
ただ、考えておくことはいろいろある。『NYJJ失業問題』のところでお話
しした、ひとつの業界を制覇することについても作戦を練り始めるべきだ
し、地域に根差したビジネスへの参入も検討しておくべきだろう。
まだしばらく日本人人口の減少傾向は続くはずだ。あんまり減らないこと
を祈りつつ、将来の日本人コミュニティについて、じっくり考えることにし
よう。
では、また来週。
ひろ
************************************
『今週の歌』
「マスコミは 炭そ菌で 大騒ぎ
オモチャ見つけた 子供のように ひろ」
下のアドレスを押すとメイルが送れまっせ
投書、意見、感想もどうぞ
Return to Home Page