2001年10月30日号(No.373)




目次

*『ディスカウントで行こー』
*『ジャパレス支援策』
*『日本往復99ドルでどうだ』
*『みんなで来れば恐くない』
*『議員ほしくないか』
*『今週の歌』
◇◇◇◇◇◇ 投稿募集 → nynuts@rcn.comまで ◇◇◇◇◇◇
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『ディスカウントで行こー』

 今週もニューヨークに住む日本人たちの「お仕事キープ」のための作戦を いろいろと考えてみたい。
 「お仕事キープ」に必要なのは、間違いなくお金である。つまりお客さん が自分の店なり会社なりを使ってくれて、そこにお金をドサドサ落とすこと が大切なのである。
 前回お話ししたように、現在ニューヨークの日本人コミュニティで深刻な 状況にあるのは、ジャパレス(ジャパニーズ・レストラン=日本食レストラ ン)業界と旅行業界である。
 これらの2つの業界をサポートするためには、できるだけ多くの人にジャ パレスに行ってもらい、旅行してもらう必要がある。
 では、どうやって「できるだけ多くの人にジャパレスに行ってもらい、 旅行してもらう」のか。
 先週の『価格いのち回転いのち』で書いたように、起爆剤になるのはやは り「価格」しかないだろう。要するにディスカウントね。
 安くすることによって客を集め、外食すること&飛行機に乗ることに再び 慣れてもらう。人の流れがある程度、元の状態に戻れば、自然にお金が落 ち、雇用を確保できるはずだ。
 だからここはディスカウントしかない。ディスカウントさえすれば人は動 く。
 皆さんご存知の通り、人間というのは現金な生き物である。たとえば「テ ロがあったから、おそらく日本行きのチケットもそのうち安くなるだろう。 そうなったら日本に行こ」と思っている日本人は意外に多い。そこを突くの である。
 人々は「キッカケ」を待っているのである。先週お話しした「テロに負け ないために」もそのキッカケにならないこともないが、それよりもお金のほ うが明らかに効果的だ。
 「ディスカウント」。
 それをコンセプトにニューヨークのジャパレス業界&旅行業界サポート案 を考えてみたい。
                      ひろ
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『ジャパレス支援策』

 9月中旬から10月初めに比べると、ニューヨークのジャパレスを取り囲 む環境はかなり改善してきている。お客さんが戻ってきているということ だ。
 ただ、いまだに苦しい展開であることは間違いない。「ランチはだいぶ元 に戻ってきたけど、ディナーがねえ」というジャパレス関係者の声をよく聞く。
 そこで私はディスカントを軸にした「ジャパレス支援策」を提案したい。
 簡単に言えば、ディスカウント・クーポン案である。前菜が一皿タダ、あ るいはデザートがタダ。または10%引きなどでもいい。そういうクーポン を一時的に発行するのである。
 クーポンという動機づけによって、できるだけ多くの人にレストランに来 てもらう。そう、テロ事件前のように。
 それをしばらく続ければ、人々の「外食の習慣」ってやつが戻ってくる。 そうなったらもう大丈夫だ。
 クーポンの発行には、この「週刊Nuts」か月刊の「ぶりてんNuts」の広告 スペースを無料で提供するつもりだ。クーポン制作もこちらでやる。
 ちなみに「週刊Nuts」の発行部数は250部。「ぶりてんNuts」が千部。 お手頃な数だと思う。
 今年中であればいつでもいい。お客さんの戻りが悪いジャパレスの皆さ ん、お気軽にご連絡ください(nynuts@rcn.comまで)。何をどうディスカ ントするかについては、レストラン側にお任せする。
 もしなんらかの財源があれば、そのお金で、困ってるジャパレスから食事 券を買い、その券を事件現場近くに住む人や、消防隊員・警察官たちに配る という方法もあるのだが、肝心の財源がないのよね。
 だからとりあえずは、クーポンで行こうと思う。
 ジャパレスの皆さん、ご連絡お待ちしてます。
                      ひろ
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『日本往復99ドルでどうだ』

 次に日系旅行業界の話。
 ここでのコンセプトも「ディスカウント」になる。
 タイトルにもあるように、ここは一発「日本往復99ドル」というのはど うだろうか。
 先週お話ししたように、NY-ロンドンも99ドルでやるらしい。だったら NYー日本も負けずにやったらいかがか。
 現在のように沈んだ市場を盛り上げるには、起爆剤が必要だ。起爆剤だか らして、一瞬だけ使えばいいのである。ずーっとやることはない。
 いま旅行業界にとって一番大切なのは、人々が再び飛行機に乗り始めるこ とである。売上や収益は、そのあとの話だ。
 人の背中を押すのに最も効果的な方法は、「お金」である。つまりディス カウント。だからここは超ビックリ価格で人々を飛行機にブチ込むしかな い。
 安全性をアピールするのも重要である。でも、どうやってアピールするの か。チラシで広報しても、そんなもん誰も読みはしない。一番手っとり早い 方法は、とりあえず乗ってもらうことなのである。
 最初は日付限定でもいい。たとえば○月×日便のみとか。それで実験して みて、あとの展開を考えるという方法もある。
 この作戦を実行する際に大切なのは、日本を絡めながらやるということ だ。正確には、ニューヨークと日本で同時に「日本往復99ドル」を打ち出 すのである。
 なぜなら日系旅行業界にとっては、「NY→日本」よりも「日本→NY」の問 題のほうがデカいからだ。
 「日本→NY」の人の流れについては、次のコラムでお話しする。
 そんなわけで日系旅行業界の皆さん、「日本往復99ドル」の件、ご検討 ください。
                       ひろ
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『みんなで来れば恐くない』

 先週お話ししたように、ニューヨークを訪れる日本人観光客の数が激減し ている。去年に比べると、この時期、約8割減らしい。
 今回のテロ事件による影響の中で、ニューヨークの日本人コミュニティへ のインパクトという点では、この「日本人観光客の激減」がなんと言っても ナンバー1だ。
 具体的な金額を挙げてみると、1年間にニューヨークを訪れる日本人観光 客の数は、約40万人。ということは、時期的に考えて9月&10月&11 月には少なくとも約10万人ぐらいの日本人観光客がニューヨークに来るは ずだったわけだ。
 10万人の日本人が、ひとり当たり10万円をニューヨークで使うとす る。10万人×10万円=100億円。本来なら100億円がニューヨーク に落とされたのである。
 その100億円のうち、10%がここの日系ビジネス(旅行代理店やレス トランなど)の取り分だとする。つまり10億円。
 でも、実際は8割減だからして2億円。通常よりマイナス8億円である。
 8億円で一体何人の日本人が9月&10月&11月の3ヵ月間、生活でき たのか。
 月20万として、3ヵ月で60万。8億円÷60万円=約1333人。要 するに単純計算で、約1333人分の仕事がテロ事件の影響で吹っ飛んだこ とになる。
 上記では、日系ビジネスの取り分を10%としたが、実際はもっと多いか もしれない。またこれは「日本人観光客の激減」のみの数字である。ニュー ヨークに住む日本人が外食しなくなった分、旅行や日本への帰省をキャンセ ルした分などは、まったく含まれていない。
 以上の数字を見れば、「日本人観光客の激減」がニューヨーク日本人コ ミュニティに与えたインパクトというものがおわかりいただけると思う。
 そこで日本の皆さんにご相談がある。
 ニューヨークに来ませんか。いきなりで申し訳ないが。
 事件後、日本に住む何人かの方から、「そちらに旅行に行きたいんです が、いかがでしょうか」という相談メールをいただいた。その度に私は「い まはやめたほうがいいかもね」と返事を出したのであるが、最近その方針を 180度転換したのである。
 日本の皆さん、ニューヨークを助けてください。助ける方法は簡単。ニュー ヨークに来ていただけるだけで結構です。
 ワールドトレードセンターはなくなりましたが、残骸はまだ残っています し、煙も出てます。
 レストランやブロードウェーの予約も余裕です。好きなだけ食ったり観た りしてください。
 お土産はFDNY(Fire Department of NY)やNYPD(NY Police Department)のグッズで決まりでしょう。
 てなわけで、いましか経験できない「ニューヨーク」がいっぱいです。 ぜひこの機会にお越しください。
 ・・・てなことを書くと、「まあ不謹慎な」とアプセットする人もいるか もしれない。でもいまはアプセットしている場合ではないのである。
 こうなったら開き直って、事件現場を「観光地」として活用するぐらいの 気持ちで状況に向かって行くしかないだろう。
 これ以上、テロ事件の二次的被害を広げるわけにはいかない。なんとかし て人々の生活を守らねばならないのだ。
 テレビでもジュリアーニ市長が「ニューヨークに来てください」とやっと るではないか。あれを見習って、私たちニューヨークに住む日本人も、日本 の人たちに「ニューヨークに来てください」ともっと伝えるべきだろう。
 とりあえず日本の皆さん、「みんなで来れば恐くない」って。
 炭そ菌とかなんだかんだやってるが、そんなもん観光客の人たちには関係 ないんだから。ニューヨークに観光に来て、手紙受け取ったりしないで しょ。
 さあみんな、ニューヨークへレッツゴーだ。特にいい頃のニューヨークを 知ってる人たちに来てほしい。違いがわかるよ。ホント。
 そんなわけで、よろしくお願いいたします。
                      ひろ
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『議員ほしくないか』

 いきなりだが、私はいまの時点でニューヨークの領事館の悪口を書くつも りはない。領事館については、もうしばらくしてからお話しするつもりだ。
 でも、つくづく思ったのだが、領事館等の日本政府関係者は、物事を説明 するということを知らんよね。感心するぐらいだ。コミュニケーション能力 がかなり欠けてると思う。
 日経ビジネス誌等にニューヨークの領事館批判の記事が掲載されたが、か と言って今回の彼らの対応に関する意見をここに住む日本人たちに聞くわけ でもなく、今後の具体案についてコミュニティで話し合うわけでもない。
 事件直後も領事館に対する批判は、いたるところで聞かれたのだが、その 批判にキチンと応えようとする姿勢も見られなかった。
 しまった。思わず悪口書いてしもた。しっけい、しっけい。
 というわけで、以前からそうであるように、ここの領事館は基本的に聞く 耳を持たない。まだ書くか。でも、とりあえずそこを説明しないと次に進め ないからお話しするが、その傾向(聞かザル状態)は昔から見られるし、 はっきり言って治りそうにないのである。
 ただ、その辺をしっかり治してもらわないと、困るのは私たち、というこ とになる。
 領事館には期待しない、という方法もある。これはなかなかすぐれたテク ニックで、私もそういう気持ちで今後の人生を歩いていこうと企(たくら) んでいる。
 でも一方で、領事館にはいろんな情報が集まってくる。NYPD(ニューヨー ク市警)ともやりとりしてるし、日本人の行方不明者や被害者についても、 まず情報が入ってくるのは領事館なのである。
 そういう意味では、領事館をうまく使わない手はない。問題は、いかにし て領事館を動かすかだ。
 昔の話になるが、私が在外投票制度の関係で動いていたとき、官僚の皆さ んとはいろいろモメた。官僚の中には、いい人もいたし、アホも山ほどい た。
 その過程の中で、私は彼らの弱点というものを学んだのである。彼らの弱 点とは:
 1)訴訟
 2)政治家
 の2つだ。
 訴訟はよく効く。在外投票のときに1回やったが、できるだけ早いうちに もう1回やりたいと考えている(在外投票ネタで)。
 ただ、今回訴訟を使うのはちょっとむずかしいかな。一応頭の中でいろい ろとシュミレーションはしているのだが、イマイチしっくり来ない。
 で、次の政治家である。ここからが本題だ。
 官僚に物を言えるのは政治家である。ただ悲しいことに海外に住む日本人 の味方になってくれる政治家は少ない。なによりもまず海外の日本人コミュ ニティのことを知ってる政治家っていうのがほとんどおらんからね。
 今回のテロ事件で痛感したのだが、そういう政治家、つまり私たちや日本 人コミュニティのことをよーく知ってるポリティシャンが必要なのである。 領事館と正面からケンカできる人間がいないと、いまの状況は変わらないの だ。
 そこで、である。
 在外投票の海外選挙区案というのがある。日本の外に住む有権者を対象に 「海外選挙区」というのを作り、そこから議員を出すという案だ。
 いままで私は、この海外選挙区案には反対だった。理由は来週ご説明する が、とにかく好きではなかった。
 でも、今回の領事館や日本政府の対応を見て考え方を変えた。ひとりでも いいから、ホントに自分たちの味方になってくれる政治家が必要なのであ る。
 続きは来週お話しする。
                     ひろ
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『今週の歌』

「なんとなく 住みやすかった ニューヨーク
           そう9月の あの日までは ひろ」

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「週刊Nuts」編集部


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