2001年11月6日号(No.374)




目次

*『ホントに犯罪減ってるの?』
*『タダでは起きない日本人』
*『NYJJ基礎体力作り2』
*『やっぱグリーンカードよ』
*『海外選挙区で行こか』
*『たわごとコラム』
*『今週の歌』
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『ホントに犯罪減ってるの?』

 ニュース等によると、テロ以降、ニューヨークの犯罪件数は減っているら しい。
 それはそれでありがたい話である。ラッキー。
 ただ同時に、「ホントにそうなのか」という思いもある。というのも、近 頃「サギに遭った」とか「お金を盗まれた」なんて話が、頻繁にNutsに持ち 込まれるのである。当然被害者は日本人だ。
 前にもお話ししたように、景気が悪くなったり、失業率が高くなったりし たら、通常犯罪率は上がる。その上昇の際に、一番最初に被害に遭うのは 「弱い人たち」「自分で自分を守ることを知らない人たち」「被害に遭って も警察にレポートしない人たち」である。犯罪者にとって、彼らほどありが たい獲物はいないからね。
 「弱い人たち」「自分で自分を守ることを知らない人たち」「被害に遭っ ても警察にレポートしない人たち」。このような人たちをニューヨークでは 「ジャパニーズ」と呼ぶ。要するに日本人がそうだってことよ。
 私たち日本人は弱い。それはアメリカのマジョリティである白人と比べた 場合だけでなく、黒人、ヒスパニック、中国系、韓国系と比べても著しく弱 いのである。
 その弱さは、「個々」の弱さと「コミュニティ」としての弱さの2つから 来ている。
 草食動物は、その個々の弱さのため、群れ(=コミュニティ)をなして自 分たちを守ろうとする。ニューヨークの日本人は、それすらできてないので ある。つまり「自分で自分を守ることを知らない人たち」ということだ。
 さらに私たち日本人は、「被害に遭っても警察にレポートしない人たち」 でもある。全員がそうだとは言わないが、被害に遭ってもウヤムヤにしてし まう人が多い。それが次の犠牲者を生み出す土壌にもなっている。
 そんな私たち日本人が、サギなどの被害に遭っているという話を最近よく 聞くのである。だから「ホントに犯罪減ってるの?」なのだ。
 確かに表面状の犯罪件数は減っているかもしれない。でも犯罪率が上がる 条件はすでに揃っている。いつでもゴーできるのである。
 というか、私はもうゴーしていると考えている。その際に真っ先に狙われ るのは日本人である。理由は「弱い人たち」&「自分で自分を守ることを知 らない人たち」&「被害に遭っても警察にレポートしない人たち」だから だ。
 油断するな。私はそう言いたいですね。
 まず、道端で変なヤツに声をかけられたら警戒してほしい。そういう場合 は逃げるのが一番だ。
 次に、相手から金の話、たとえば「この金を預かってくれ」だとか「この 財布、そこで拾ったんだけど、オマエのか」とかいう話が出てきたら、間違 いなくそいつはサギだ。この場合もトットと逃げるに限る。
 最後に、悲しいことにそういうサギに引っかかってしまった場合は、腹を くくってNYPD(NY市警)にリポートすること。英語の練習だと思えばいい。 リポートしないと、警察も動きようがないからだ。少なくとも彼らが知って いれば、パトロールを強化してくれたり、それらしき人物を探してくれるか もしれない。ポイントは、次の犠牲者を出さないことだ。そのためには、こ の「週刊Nuts」とかその他のローカル紙に投書するという手もある。
 繰り返しになるが、油断しちゃダメよ。おじさんも気をつけるからね。
                       ひろ
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『タダでは起きない日本人』

 今回のテロ事件でニューヨーカーたちはひどい目に遭った。それは、この 街に住む私たち日本人も同じだ。
 事件で亡くなった人もいるし、仕事をなくした人、日本に帰らざるをえな くなった人もたくさんいる。さらに、直接的には関係ないかもしれないが、 前記のようなサギの被害に遭った人もいる。
 で、いま私たちは再び立ち上がろうとしている。以前の生活を取り戻すた めに、日々さまざまな努力をしているわけだ。
 しかしですね、その際にただ立ち上がるだけではおもしろくないと、皆さ ん思いませんか。
 テロリストのボケどものために転んじゃって、そのまま立ち上がるのであ れば、単なる転び損ということになる。であれば、何かをつかんで立ち上が りたいではないの。
 今回の事件で転んでしまった日本人コミュニティだが、これをキッカケに して以前よりも暮らしやすい生活の場を創造するという考え方もある。私は 断然そちら派である。
 たとえば、今回の事件の影響でたくさんの数の仕事が吹っ飛んだわけだ が、今度はもっと安定した仕事を増やすとか、仕事を首になってもアメリカ にいれるように、グリーンカードをできるだけ早く取れる態勢を作るとか、 日本人をターゲットとした犯罪との戦い方を確立する、なんてことを立ち上 がるのと一緒にやりたいと考えているのである。
 安定した仕事とかグリーンカードGetの話は、この「週刊Nuts」では昔か らやってるのでそれはいいとして、とりあえずこの時点で手を出したいの は、最後に書いた「日本人をターゲットとした犯罪との戦い方を確立する」 だ。これは先の『ホントに犯罪減ってるの?』にも関係してくる。
 具体案とすれば、ニューヨークの日本人コミュニティとNYPDとの関係作り から始めたいと思っている。
 最初は情報交換ぐらいからスタートして、日本人(観光客含む)を対象に した犯罪の対策や、NYPD内の日本人セクションの強化などにも踏み込んで行 きたい。要するに行政を活用する力をつけるのである。
 以前、NYPDとミーティングしたことがあるので、まずはそのルートで探っ てみたい。
 結果はまたご報告する。
 そんなわけで、オレらはタダでは起きないよ。
                        ひろ
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『NYJJ基礎体力作り2』

 NYPDの話のついでに『NYJJ基礎体力作り』についても触れておきたい。
 『NYJJ基礎体力作り』の第1話を掲載したのは、2001年6月19日号 (NO.361)だった。
 このネタには私自身、かなり思い入れがある。「週刊Nuts」を発行して7 年半の集大成だと自分では考えている。ちょっと大袈裟な表現になるが、 「週刊Nuts」は『NYJJ基礎体力作り』をやっつけるためのミニコミだと言っ ても構わない。
 『NYJJ基礎体力作り』の基礎体力の詳細は以下の通りだ。
 1)ビザ発行力
 2)行政活用力
 3)雇用創出力
 4)不動産所有力
 5)法律展開力
 これらの力がニューヨークの日本人コミュニティには足らないと私は考え たのである。そして今回のテロ事件後、私はそのことを再確認したわけだ。
 今週号で取り上げたNYPDとの関係作りは、行政活用力に直結する。先週号 の「お仕事キープ」話は、ビザ発行力と雇用創出力に関係している。
 不動産所有力というのはジャパンタウン作戦にも絡んでいて、もし今回 ジャパンタウンがあったら、困った日本人たち(住人&観光客)のためにか なり機能したであろうと私は読んでいる。また法律展開力は、事件で焼け出 された人たちの大家との契約交渉などで発揮できたはずだ。
 今回の事件のような生活の基盤を揺るがす出来事が起きたときに試される のは、それぞれのコミュニティが持つ基礎体力である。そういう意味で、 テロ事件後の日本人コミュニティを見ると、その体力のなさが目立つ。私も そのことをあらためて痛感したのである。
 急がねばならない。でも、どうやっていいのかよくわかんないけど。
 まずはNYPDでしょ。それから「お仕事キープ」話をおさえて、ジャパンタ ウン作りのほうに行くか。
 できるだけ早く前記の基礎体力をつけないと、いつまでも日本人コミュニ ティはオタオタし続けることになる。
 とりあえず、できることからやってこか。
                        ひろ
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『やっぱグリーンカードよ』

 このことも今回痛感したのだが、やっぱグリーンカードよ。はっきり言っ てグリーンカードさえあれば、仕事を首になってもどうにかなるのである。
 不況に強いグリーンカード。トラブルに強いグリーンカード。いざとなっ たらマクドナルドでも働けるグリーンカード。
 なにやら噂によると、テロ事件の影響で学生ビザやH-1ビザの発行がむずか しくなるらしいじゃないか。H-1ビザの発行が制限されると、当然そこからグ リーンカードに脱出する人の数も限られてくる。
 それは非常によろしくない展開なのである。
 みんな、なんとかグリーンカードを取る方法を考えよう。グリーンカード を持ってる日本人が増えれば、会社を始める人も増えるはずだし、それで新 しい人を雇って、またその人たちのグリーンカードをサポートするという、 ポジティブな雪ダルマ現象が起こるのである。
 現在は、悲しいことにそういうポジティブ現象は起きていないし、しばら くは起きないと思う。その間は、アメリカ人との結婚か何かでしのいでほし い。この際、偽装結婚もヨシとしよう。でも、あんまりぼったくられないよ うにね。
 これからしばらくは社会が揺れる。そのとき、自分のステイタス=ビザだ けは安定したものでなければならない。でないと、景気や移民法の動き次第 では、この国にいれなくなる可能性があるからだ。
 だからできるだけグリーンカードなのである。ホント。
                        ひろ
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『海外選挙区で行こか』

 先週お話しした「領事館をどうにかしよか」ネタに出てきた海外選挙区話 の続きである。
 ニューヨークの日本国総領事館をどうにかしなければならないという点に おいては、多くのNYJJの方に同意してもらえると思う。問題は、どうにかす るその仕方である。
 私が先週提案したのは、「海外選挙区を作って私たちの味方になってくれ る政治家を持ち、その政治家に領事館と戦ってもらう」という方法である。 要するに政治家を使うわけだ。
 その海外選挙区だが、ちょっと説明しよう。
 現在の在外選挙制度では、私たちが投票するのは「日本での最終所在地」 の選挙区か、「本籍」の選挙区かのどちらかである。つまり、どちらにしろ 日本の選挙区に投票することになるわけだ。
 海外選挙区というのはその名の通り、海外に住む有権者のための選挙区 で、そこで当選した政治家を永田町に送るのである。
 在外選挙制度を作る際に、海外選挙区という選択肢もあったのだが、採用 されなかった。私も当時、海外選挙区には反対だった。理由は簡単。議員を ひとりぐらい日本に送ったってどうにもならんだろ、と考えていたからだ。 自分たちの票を海外選挙区だけで使うのではなく、日本に対して票の力を発 揮したほうがいい、というのが、私が海外選挙区に反対した理由だった。
 さらに、在外選挙制度確立の運動に絡んでいた人間にとって、「海外選挙 区で行こうぜ」と世間に対して言うのは、かなり勇気のいることだった。な ぜなら、そんなこと言ったら「おめえが議員になりたいからだろ」という批 判を受ける可能性が十分あったからだ。元在外選挙運動関係者から海外選挙 区案が出ないのは、そういう理由があるからなのである。
 でも、社会がその制度(海外選挙区)を必要とするのであれば、導入のた めに動き出す必要がある。今回のテロ事件がきっかけで、私は「海外の日本 人コミュニティは自分たちの味方になってくれる政治家を必要としている」 と考え始めた。だからポリシーを変えて海外選挙区を今後押すことにした。
 ただ、こういう制度は変えるのに時間がかかる。じっくりやって行くつも りだ。
 一方で、いまの小選挙区と比例代表制のミックス状態を小選挙区1本にす るという話も永田町でチラホラ出ている。そうなると比例代表制だけに投票 できる私たち海外在住の有権者は、投票する先がなくなるのである。そのと きに海外選挙区案が急浮上してくる可能性もある。
 じわじわ進めつつ、チャンスが来たら一気につかむ。海外選挙区について は、その作戦で行こうと思う。よろしくね。
                        ひろ
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『たわごとコラム』

 この前まで「週刊Nuts」紙上で『この夏の心構え』というシリーズを連載 していた。道端ですれちがう女性を視線で追うという話だった。
 そのアイデア、つまり「道端ですれちがう女性を視線で追う」というネタ をくれたのは、私の職場の近くにある消防署の隊員たちだった。
 火事がないとき、彼らはヒマそうに消防署の前に立って、そこを通る女性 をじろじろ見ていた。彼らは1列に並んで、扇風機のように右から左、左か ら右へと首を振りながら女性たちを追うのである。それはまるでテニスゲー ムのボールを追う観客のようだった。遠くからながめていると、なんだか マヌケでおもしろかった。
 その消防隊員たちの中の10人が、先日のテロ事件で亡くなった。亡く なった彼らの写真を見たとき、見覚えのある顔がいくつもあった。
 その消防署の前を通る度に、私は彼らのスケベ顔を思い出す・・・
                      ひろ
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『今週の歌』

「テロ以降 夫婦の間で 変わったのは
          貯金 節約 電話の回数 ひろ」

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