2002年2月26日号(No.387)
目次
*『日本救出2兆円作戦17』
*『もし崩れなかったら・・・』
*『日本人観光客が消えた5』
*『たわごとコラム』
*『今週の歌』
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『日本救出2兆円作戦17』
チョーひさびさの『日本救出2兆円作戦』である。皆さん、覚えてます
か。
訪日観光を推進し、できるだけ多くの外国人観光客を日本に送ることに
よって、結果として日本に2兆円を落とす。それが同作戦の全貌である。
しかし、しばらくの間、作戦がぶっ止まっていた。理由は簡単。私がナマ
ケていただけである。いつもと同じよ。
ちなみに同作戦話を最後に掲載したのは、去年の5月だ。復活するのに1
年近くかかってしまった。
その間に9ー11が起きた。
同作戦のココロは「日本を助ける」だが、知らない間に助けられるほうに
回ってしまった。「日本人観光客の皆さん、ニューヨークに戻ってきて」と
か言ってるし。ものすごい変化だな。
ただ、『日本救出2兆円作戦』自体はまだ生きている。これからも生き続
ける予定だ。
本当は、前回からの続き(「日本の自治体への説教編・その2」)を書か
ねばならないのだが、それはちょっと横に置いておく。今回は、日本の訪日
観光政策について語ってみたい。
私がこの『日本救出2兆円作戦』をスタートしたのは、2000年8月。
その頃は、日本政府も訪日観光に関してはイマイチ力が入ってなかったし、
日本のメディアも「訪日観光推進による景気対策」なんてことを記事や
ニュースにするところは1社もなかった。
ところが最近、ちょっと動き出したようなのである。
去年の9月、日本の大手新聞社がその社説で「訪日観光推進による景気対
策」を少しだけメンションした。おそらく日本の新聞社が社説で同ネタを書
いたのは、それが史上初めてだろう。
はっきり言って遅い。しかしbetter than nothing。彼らも少しずつだが
学びつつあるわけだ。でもクラクラするぐらい遅いけど。
そして今度は、今年に入ってデカイ動きがあった。小泉の純ちゃんであ
る。
ほら、日本の総理大臣って、年のアタマに長々と演説するでしょ。新聞も
1ページ使って毎年ドカーンと掲載するじゃない。漢字だらけの演説。あれ
よ、あれ。
今年のその演説の中で、なんと純ちゃん、訪日観光について触れているの
である。
すばらしい。パチパチパチ。
演説のその部分は来週掲載するとして、とりあえず日本の首相がそのこと
をメンションしたというのは、かなりいいニュースなのである。
在外投票運動をまだシコシコやってた頃、私はその演説を読むのを毎年楽
しみにしていた。在外投票問題がどのような表現で言及されているのか。ヤ
ル気があるのかないのか。そういうことがわかるからだった。
在外投票の場合は、制度を作る必要があったため、首相の「やる」発言が
そのまま実現に直結することはなかったが、その演説で風向きぐらいは読め
た。
で、今回の訪日観光だが、こいつは在外投票とはちょっと違う。何が違う
かって、制度を作らなくてもいいのだ。必要なのは予算(金)だけ。予算さ
えつけば、本格的にスタートできるのである。
だから、今年の純ちゃんの「訪日観光」発言は、在外投票以上に重要な意
味を持つ。訪日観光を推進するかどうかは、首相の腹ひとつなのである。純
ちゃんが「やる」と言えば、それは実現できる。在外投票みたいに制度作る
ために何年もウダウダしなくてもいいのだ。
そういう意味で、今回の純ちゃんのワンステップは大きい。
続きは来週。
ひろ
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『もし崩れなかったら・・・』
もうすぐ9ー11から半年がたちますな。
CBSやNBCは、3月11日に「9ー11」特集をやるらしい。特にCBS
は、一般にはまだ未公開の、事件時にワールドトレードセンター内で撮られ
たビデオを流すとのこと。なんで6ヵ月も待ったのだろう。すぐ放映すれば
よかったのに。
そんなこんなで6ヵ月なのだが、私もこの辺でちょっとくだらないことを
考えてみたい(いつもくだらないことしか考えてないんだけど)。
「ツインタワーがもし崩れなかったら・・・」
歴史に「もし」はない。「もしナニナニだったら・・・」とか考えても、
歴史が書き換えられるわけでもないし、時間の無駄でしかないのだが、ここ
ではそれを知りつつ「ツインタワーがもし崩れなかったら・・・」を想像し
てみたい。
その仮定を考える際に私が思い出すのは、ツインタワーが崩れる直前の
ニューヨークの空気だ。正確には、9月11日午前10時ちょっと前。旅客
機がツインタワーに突っ込み、ニューヨークは騒然としていたが、まだ「余
裕」があった。
その「余裕」の部分に関してはいろんな意見があるだろうが、少なくとも
私にはそういうふうに見えたのである。
そのとき私は、ツインタワーから3ブロックぐらいのところにいて、写真
を撮っていた。炎上するツインタワー、そしてそれを見上げる人々の写真
だ。
後者、つまり見物人たちの写真をいま見ればわかるのだが、みんな結構リ
ラックスしていたのである。シティーホールのまわりには、人が山のように
いて、燃えるツインタワーを見物していた。
その場の空気は、普通の火事現場と大して変わらなかった。「あー燃えて
る燃えてる」って感じ。中には泣いてる人もいたが、過半数は「あーあ」的
な観客だった。「燃えちゃってるけど、自分とはあんまし関係ない」。火事
現場によくいる野次馬に近かった。
ワールドトレードセンターの近くでさえ、これだけ余裕があったのであ
る。その他の地域はもっと余裕があったと考えるのが普通だ。
つまり、9ー11の超ドタバタは、その時点ではまだ小波状態だった。
旅客機激突から一気にドタバタに流れ込んだような気がするが、実際には
激突後に小康状態があったのである。すべてが上や下への大騒ぎになったの
は、ツインタワー崩壊後だった。
私が「ツインタワーがもし崩れなかったら・・・」と考える理由のひとつ
がそこにある。
もしツインタワーが崩れなかったら、9ー11の社会的インパクトはこれ
ほどまでに大きくならなかったのである。9ー11関連の写真や映像のほと
んどは、崩壊時あるいはその後のものだ。それらがこの世に生まれなかった
ら、世界に与えた衝撃もまったく違ってたはずである。
また、ツインタワー崩壊は、だれもその可能性を予測してなかったことに
よって、人々に与えるインパクトを倍にしてしまった。
あのとき、シティーホールのまわりで見物していた人々の中で「あのビ
ル、崩れちゃうかもね」などと考えていた人間は、おそらくほとんどいない
だろう。だからこそ余裕があったのである。
でも、ツインタワーは崩れた。
そして超ドタバタの大波がやってきた。
私が9ー11以前の、見た目には平和なニューヨークを思い出す際、2つ
のイメージが頭に浮かぶ。
ひとつは、9ー11以前のニューヨーク。
もうひとつは、旅客機激突後・ツインタワー崩壊前のニューヨーク。
私にとっての本当の9ー11がスタートしたのは、ツインタワーが崩壊す
るあの音の聞いた瞬間からだった。
「ツインタワーがもし崩れなかったら・・・」。9ー11自体のイメージ
が大きく違ったろうし、ニューヨークもあれほどまでにドタバタすることも
なかっただろう。そしてなによりも多くの生命が救われたはずだ。
でも、歴史に「もし」はない。かなり悔しい。
ひろ
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『日本人観光客が消えた5』
再びこの件に関する投書をご紹介しよう。
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>1)テロ後、ジュリアーニ前市長らが訴えていた「ニューヨー
>クを訪れることによるサポート」案は日本に届いていたのか。
9月の事件の時も日本ではゼロに等しかったし(来てくれって事に関して
は)、今は(2002年2月現在)全くやっていないですね。
事件から数日たって、そうした呼びかけがあるという報道を日本でやった
時も、アメリカ人に対してそういった呼びかけをしているんだなぁと解釈し
ましたね日本人にではなくて。
テロがあった所にノコノコ日本人観光客がいったら、たぶん反感かうだろ
うなぁと思いましたし、NYでの日本人の評判は「日本人? 観光客? 来て
ほしくないね、ヨーロッパ人なら歓迎するけど」的なのりできっと嫌がられ
ているだろうという個人的な考えもありましたし。
>2)もし届いていないのなら、なぜ日本のマスコミはそのこと
>を伝えなかったのか。
他の人も書いてますけど、NYの人はがんばっているという報道、「がん
ばっているんだなぁ」という日本人の感想、それで終わっちゃってる気がす
る。それ以上発展しないというか、観光に行こうという気にはつながらない
というか。
>3)届いていたとしたら、なぜ日本人観光客はニューヨークに
>戻ってこなかったのか。どうして日本人だけにそれが起こった
>のか(他の国の観光客は戻ってきた)。それは国民性のせいな
>のか。
まぁ国民性でしょうね。
日本人っていうのはいったん危険だと思うと、なかなか近づきたがらない
警戒心の強い民族だと思うんですよ。しかもそう思い込んだらずっと危険だ
と思ってる期間が長い。
2月現在でも日本人観光客戻ってませんか? ちょっと前だけど、日本の報
道で徐々に回復していると伝えてたんで、もうかなり回復しているものなの
かと思ってました。
逆に聞きたいんですけど、NYの人は日本人観光客に戻って来て欲しいと
思っているんでしょうか?という根本的な疑問をもっています。あんまり
思ってないから、力をいれて呼び戻しキャンペーンをしないのではないか
と。
あと、不況っていうのもあるかもしれないですね。絶対NYに行く!という
人は何が何でも行くと思うんですよ、でもそうゆう人は少なくて、もっと楽
な気持ちで行くという人が観光客の場合多い気がするんです、でも不況、不
況ってこれだけマスコミで言われれば、観光なんて行ってる場合じゃないか
もなぁという、気持ちになっても無理ないかもしれません。
匿名希望
* * * *
投書の中にあったご質問にお答えしたい。
「NYの人は日本人観光客に戻って来て欲しいと思っているんでしょう
か?」
だれを「NYの人」と呼ぶかによって違ってきますが、基本的には日本人だ
けでなく、すべての観光客に対して「戻って来てほしい」と思っているはず
です。そこに「ヨーロッパ人はいいけど、日本人は戻って来なくていいよ」
という差別は存在してない、というのが私の意見です。
ニューヨーク市自体が直接日本に対して「観光客の皆さん、戻って来て
ね」的なアプローチをした形跡はありません。ただそれは他の国に対しても
言えることで、観光客を呼び戻す方法とすれば、「ジュリアーニ(前)市長
がメディアを通してメッセージを発信」→「それを外国メディアが海外で報
道」という感じで、間にメディアを入れるスタイルがほとんどでした。広告
などを直接やろうにも、金がなかったですからね。
結果として、他の外国人観光客と日本人観光客の戻りに大きな差が出たわ
けですが、これは「外国メディアがニューヨークからのメッセージをきちん
と伝えたこと」+「その国の人たちがそれに反応したこと」が原因だと考え
られます。
ただ、ニューヨーク側にも問題がありました。たとえば「ニューヨーク市
が日本人観光客の重要性をあまり理解しておらず、またその重要性を日本人
観光業者がニューヨーク市に対してうまく伝えられなかった」などがありま
す。これなどは、今後の検討課題ですよね。
まとめますと、ニューヨークは、日本人観光客に戻ってきてほしいと思っ
てますし、日本人が落としてくれるお金で暮らしてる人もいっぱいいるわけ
です。
逆に私が興味を持つのは、なぜ「NYの人は日本人観光客に戻って来て欲し
いと思っているんでしょうか?」と思われたかです。「日本人観光客は、こ
れを機に戻っていただかなくて結構です」とかいうニュースが流れたりした
のでしょうか。
以上です。
この『日本人観光客が消えた』シリーズはまだまだ続ける予定だ。投書は
nynuts@rcn.comまで。
ひろ
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『たわごとコラム』
先日、大手電化製品屋に行ったときの話。
店に入ると、ずーっと奥にでっかいスクリーンがあって、なんかのインタ
ビューみたいなものを流していた。出てくるのはシロウトばかり。次から次
へといろんな人間が出ていた。共通するのは、全員アメリカ人(たぶん)と
いうことぐらいだろう。
ただ、音はまったく聞こえなかった。でっかいスクリーンで人が口をパク
パクさせているのだけが見えた。
そのとき思ったのだが、アメリカ人って身振り手振りだけでうるさいよ
ね。音は聞こえないのにしゃべってる姿だけですでにうるさい。顔の部品や
手や身体をやたら動かすんだ。
本当によく動くぞ。日本人には真似できないぐらいいろんなものが動いて
いる。彼らの目的はあくまでも「しゃべる」ことにもかかわらず、だ。
試しに今度テレビのボリュームを0にして実験してほしい。サイレントな
彼らを見ていただけたらわかるはずだ。
そしてあなたはテレビに向かってこう言うだろう。
「うるさい」と。
ひろ
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『今週の歌』
「2月から 始めた日記は 初日だけ
月に1度の ”月記”と化すのか ひろ」
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