2002年3月26日号(No.389)




目次

*『CBSの9ー11番組について』
*『NY”グサリ”シリーズ3』
*『日本人観光客が消えた6』
*『日本救出2兆円作戦18』
*『たわごとコラム』
*『今週の歌』
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『CBSの9ー11番組について』
 ちょっと遅くなったが、3月10日に放送されたCBSの「9/11」につい て、私がぼんやり思ったことをチョロチョロっとお話ししたい。
 皆さんご存知のように、「9/11」は、去年の9月11日およびその前後に 撮影されたドキュメンタリービデオをベースにした番組だった。
 舞台になったのは、ワールドトレードセンターの近くにある消防署。ふた り(兄弟)のフランス人ビデオジャーナリストがその消防署の日々を追って いるときに偶然起きたのが9ー11だった。
 その日も彼らのひとり(弟)は消防隊員を追い、燃え上がるツインタワー のロビーにいた。その後、2機目が突っ込み、そして最初のツインタワーが 崩れた。そのすべてを彼は撮った。
 すさまじい映像だった。
 それと音。映像より、音が恐かった。
 特に人が地面に落ちる音。ものすごかった。「バシャーン」。そんな音 だった。「ドスン」とか「バタン」じゃない。それは、ガラスの海に物が超 高速で落ちてきたときに出る音だった。
 数日間、その音は私の耳から離れなかった。
 「9/11」には、私もほんのちょっとだけ出ていた。ものすごく小さくだけ ど。
 番組の中に、1棟目の崩壊直後の映像が出てくる。それはフランス人 ジャーナリストが撮ったものではなく、おそらくCBSのニュースクルーが 撮ったものだろう。
 シティーホールのところに集まっていた人々が、遠くから迫ってくる塵煙 を見て逃げ始めるのだが、その絵の中にボケ〜と突っ立ってる小さな私がい た。
 それはどうでもいいのだが、その映像、つまり私が実際に見てた風景とほ ぼ同じであるはずのそれは、私の記憶とはまったく違ったものになっていた。
 原因は、四角の画面だと思う。
 「テレビの画面にはめ込むと、風景というのはこれほど違って見えるもの なのか」。それが私の実感だった。
 画面の絵は、異常にワッサワッサしていた。でも実際はもっと落ち着いて たように思う。
 まわりの風景を切り取り、コアの部分だけを映すと、ああなるのである。 恐いなあ。テレビの絵は信用できないぞ。みんな。
 もうひとつお話ししたいことがあるのだが、スペースがなくなった。続き は来週に。
                       ひろ
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『NY”グサリ”シリーズ3』

 今月、NYアストリアに日系食料品店「Family Market」がオープンした。 ニューヨークにある日系食料品店の中で最も日本のコンビニに近い店と言え るだろう。看板の色、明るい店内、シンプルなインテリア。日本のコンビニ を忠実に再現した店舗である。
 それにしても、この店の目立つこと目立つこと。そのブロックを遠目に見 ると、「やっぱ日本のコンビニってこっちの店とは違うのね」ということを 痛感する。
 とにかく明るいのである。そこだけ光りがピカーって感じ。店内もきれい だし。
 お客さんも入っていた。日本人だけでなく、アメリカ人客もかなりいた。
 新店舗としたらエクセレントな滑り出しだ。このままガンガン行ってほし い。私が心配しなくてもガンガン行くと思うが。
 クイーンズの道端に突然出現した「Family Market」を見て、昔から心に 抱いていた思いが確信に変わった。
 「日本のスーパーやコンビニのオペレーションや店内レイアウト、サービ スは、アメリカに余裕で勝つね」
 アメリカに来てすぐ、私はそう感じたのである。長い列ができたレジで くっちゃべっているキャッシャーのねえちゃんたちをニラみつけながら。
 私は昔、日本のスーパーで2年ほど働いていたことがある。ニューヨーク のスーパーでも1年ぐらい働いた。その経験から言うと、アメリカのスー パーは日本の足元にも及ばない。
 皆さんご存知のようにスーパーというのはもともとアメリカが発明した小 売業だ。その形態を日本が輸入したわけだが、知らない間に日本のほうが上 を行くようになっていたのである。ま、車やラジカセ、テレビなんかと同じ ですな。
 ただ、ラジカセとかテレビなどは日本製のものとアメリカ製のものを目の 前に置いて比べることも可能だが、スーパーはかなり比べづらい。日本の スーパーをヨッコラセとニューヨークまで持ってはこれんからね。
 スーパー等の小売業は2つ並べて比べることがむずかしいため、「日本の スーパーやコンビニのオペレーションや店内レイアウト、サービスは、アメ リカに余裕で勝つね」というマイ・オピニオンも、一応保留にしておいたの である。
 それがアナタ、「Family Market」の出現でベリーオビアスになってし まったのである。
 スーパーやコンビニならわしらが勝つぞ。
 というわけで、そろそろ本題に入ろう。
 「日系のスーパーやコンビニは、アメリカン・マーケットでも成功す る」。私はそう読んでいる。
 スーパーやコンビニは、その地域に根差したビジネスである。つまり”グ サリ”型なわけよ。「Family Market」のようなコンビニをニューヨーク中 で展開することによって、ニューヨークにグサリグサリする。いかがだろう か。
 いや実を言うとね、日本風のコンビニをやるのは私も狙ってたのよ。アス トリア、ブルックリン、フォレストヒルズ。この3ヵ所は行けると見てい た。その他にも実現のためにいろいろとリサーチしてたのである。
 でも、「Family Market」の出現で手を引くことにした。ここはすべて 「Family Market」に任せてしまおう。あの店舗なら、どこに行っても成功 するはずだ。
 コンビニでグサリグサリは、「Family Market」にお任せ。がんばってほ しい。
                       ひろ
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『日本人観光客が消えた6』

 日本人が少しずつだが戻ってきている。街角でフチの青いガイドブックを 持った日本人を再び見るようになった。
 先日、「日本人観光客が帰って来ないのは円安のせいじゃないでしょう か」という主旨の投書をいただいた。
 やっぱそれもあるんだろうなあ。
 それが一番の理由ってこともないが、足を引っ張る要因にはなっているの だろう。
 ただ、円安は私の力ではどうにもならんから、横に置いておく。
 さて、ゴールデンウィークがやってくる。いつもなら日本人軍団で埋まる 5番街。今年はどんな展開になるのだろうか。
 日本の皆さん、ゴールデン・ウィークのご予定はお決まりですか。1ヵ月 前ですから、ほとんど決まってるんじゃないかと思うんですが、一応言って おきましょう。
 ニューヨークに来ません? 遅いですかね。
 来るにあたっての不安な点、知りたい点がありましたら、いつでもご連絡 ください(E-mail:nynuts@rcn.com)。この「週刊Nuts」紙上でお答えい たします。
 でも、「どこのレストランが流行ってますか」とかはやめてね。知らない から。
 このゴールデン・ウィークをきっかけに日本人観光客がどっと戻ってきて くれることを願う。そしたらこの『日本人観光客が消えた』シリーズもトッ トとやめる。
 ゴールデン・ウィークまであと1ヵ月。日本人観光客を戻すために、自分 でやれることを考えるか。
                       ひろ
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『日本救出2兆円作戦18』

 ニューヨークにおけるコリアン軍団の動きが激しい。ワールドカップに向 けて気合が入ってる様子なのである。
 フラッシングのコリアン系スーパーとか行ったら、ワールドカップの横断 幕が張ってあるからな。ヤル気まんまんだ。
 そうなのである。ワールドカップというのは、訪日(韓)観光の視点から 見ると、数十年に一度の大チャンス。なんと言っても世界中が注目するんで すから。ニューヨークのコリアン軍団がイケイケなのもわかる。
 一方の私たちジャパニーズだが、いやまたこれがノンビリしてるのであ る。大した動きはナシ。自分の母国でワールドカップがあるとは思えない 雰囲気だ。
 前からこの「週刊Nuts」でも書いてるように、訪日観光はこれからの日本 に絶対に必要な産業である。日本の人たちはそのことにあんまし気づいてな いんだけどね。
 日本の将来像などが議論される際、「これからの産業」としてさまざまな 分野が挙げられるが、どれもイマイチ説得力がない。それはなぜなのか。
 だって、「で、いくら儲かるの?」とか「何人ぐらいが食えますの?」っ ていうのがクリアーじゃないんだもの。
 「これからはIT産業だ」とか掛け声だけは勇ましいのだが、一番大事な 「数字」がわからんのよね。
 その産業で一体いくらぐらい儲かるのか。どのくらいの雇用(仕事)を創 り出せるのか。一応、「数字」らしきものは出てくるが、その根拠が見えな いのである。
 さらに言うなら、日本人は「これからの産業」についてもそんなに議論し ない。いつも目の前のことで忙しい、って感じ。ホントに大丈夫なのか。
 話を訪日観光に戻す。
 私が訪日観光産業にホレたのは、まずそのわかりやすさが原因だった。
 数年前の数字だと、440万人で1兆3千億円。要するに440万人の外 国人が日本に来た結果、1兆3千億円が日本に落ちたということだ。こんな わかりやすい産業が他にあるだろうか。
 来れば来るほど、いっぱいお金が落ちる。逆に言うと、いっぱいお金を落 としたければ、外国人観光客をいっぱい日本に連れてくればいいのである。 百万人で○○億円。そういう数字も簡単に出せるはずだ。
 また、訪日観光は、まさに「これからの産業」なのである。未開拓産業と 言ってもいい。だから掘れば掘るほど、お金がザックザック出てくるのである。
 「ホントにお金が出るのか」という話もある。
 出るに決まってんじゃ〜ん。飛行機がビュンビュン飛んで、チケットがこ んなに安くなったら、そりゃ人は動くだろ。日本に行きたいと思う物好きも 必ずいる。その人たちをうまく日本に連れてくればいいのである。簡単だ。
 他にもいろいろあるが、基本的には以上のような理由で、私は訪日観光に ホレたのである。で、その訪日観光が光るチャンスでもあるワールドカップ がもうすぐ韓国と日本で開催される。
 やっぱなんかやらにゃならんでしょ。
 でも、いい手が思いつかんのよねえ。これも考えよか。
                      ひろ
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『たわごとコラム』

 先日、こんな記事を読んだ。
 彼は数年前までウォール・ストリートで働いていた元証券マン。オフィス ワークに飽きた彼は、不動産免許を取得し、同業界の仕事に就いた。
 不動産業界で働き始めて、彼は自分がニューヨークについて何も知らな かったことに気がついた。
 以前は、月曜から金曜までオフィスの中で働いていた。その時間は、外に 出ることはあまりなかった。ごく普通のビジネスマンだったわけだ。
 彼は仕事を変えて、昼間のニューヨークを知った。そこには、週日の夜、 そして週末とは違うニューヨークがあった。
 「そのことだけでも、この仕事に就いてよかったと思う」
 彼は記事の中でそう語っていた。
 私たちはニューヨークを知ったつもりでいる。でも、彼がその記事の中で 言っていたように、本当はあまり知らないのかもしれない。
 よく考えると、月ー金の朝から晩までオフィスで働いてる私にとって、 週日の昼間のニューヨークはまったく未知の世界だ。だって知らないんだも の。冗談なしに。
 水曜日の午後2時頃、アッパーイーストサイドがどういう風景なのか、 ある程度想像はつくが、実際は知らない。
 木曜日の午前11時過ぎ、チャイナタウンがすでに人でいっぱいかどうか もわからない。「いっぱいなんじゃなの」と言うことはできるけどね。
 月ー金で働いてるから、週7日のうちの5日間分のデイタイム・ニュー ヨークは知らない計算になる。
 私が知っているのは、7分の2のニューヨークってことか。
 これで、週末うちでウダウダしてたら、昼間のニューヨークのことなんか 知るチャンスもない。
 バケーションを取ったとしても、ニューヨークをブラブラしたりしないし なあ。やっぱどっか外に行くよね。
 いや〜、まいったねえ。
 だからか。いや、日本人観光客のことよ。
 日本から来た人たちがやたらとニューヨークのことを知ってるケースがあ る。特にリピーター軍団のニューヨークに関する知識は、想像を絶する厚さ だったりする。
 なぜなら彼らは、ニューヨークにいる間は朝から晩までオフィスで働いて たりしないからだ。
 基本的に彼らは、ニューヨークではヒマなのである。そして外を歩き回 る。だからこそ、私たち地元日本人が知らないニューヨークをいっぱい知っ てるのである。
 でも、彼らはタックス・リターン地獄とか知らんからな。ふふふふふ、 知りたくても知ることはできんのだよ。ざまあみろだ。
 そんなわけで、タックス・リターン地獄が来るよ。みんながんばろか。
 なんの話かよくわからんけど。
                      ひろ
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『今週の歌』

「ヤキソバを 急いで食ったら ノド詰まり
         死にそになった 水曜ランチ ひろ」
 

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「週刊Nuts」編集部


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