2002年11月19日号(No.408)
目次
*『伊藤園のワザ2』
*『日本救出2兆円作戦32』
*『NYJJ構造改革4』
*『サバニ帆走レース報告10』
*『今週の歌』
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『伊藤園のワザ2』
伊藤園がニューヨークで展開している自社商品タダ配り作戦。新しいマー
ケットに乱入する際にはひじょーに有効な方法であると私は考えている。
特に、これまでアメリカにあまり存在しなかったものをアメリカ人に対して
売り込む場合、「タダ」という方法は使い方さえ間違わなければ、威力を発揮
するはずである。
前回お話しした日本の「柔らかいモノ」ってあるじゃない。食い物とかアニ
メとか織物とか。そういうものをアメリカで展開していくには、同手段を最大
限活用しなければならない。でないと、アメリカ人マーケットになかなか入っ
ていけないのよね。
以前、この『週刊Nuts』紙上でニューヨークにおけるカシオ「G-SHOCK」の
売り込み方について書いたことがある。「こうやったらG-SHOCK、流行るん
じゃない?」という提案だった。
「G-SHOCK」は明らかに「カタいモノ」だが、ある意味でひじょーに日本的
な商品である。その作りの細かさや色のバラエティーなどは、どちらかという
と日本のドリンクや菓子に近い。小技がきいているのである。
で、その提案の内容だが、基本的にそれもタダ配り作戦をベースにしてい
た。
同作戦のシナリオはこうだった。
まずカシオ軍団が、イーストビレッジにたむろしてるストリートキッズたち
(アメリカ人)に「G-SHOCK」をタダで配る。なんかイベントやって、その参
加者全員に配ってもいいし、道端でゲームやってそれに勝った小僧&小娘たち
に配るやり方でもいい。ポイントは、キッズたちが「G-SHOCK」をなんらかの
カタチでGetすることだ。
イーストビレッジにたむろしてるキッズたちというのは、他の地域から来て
る子が多い。ロングアイランドからわざわざやってくるキッズもいる。
彼らはイーストビレッジでGetした「G-SHOCK」を必ず学校にしていく。そし
て友達に見せびらかすのである。
「G-SHOCK」が、まわりのガキどもの「あ、ボクもほしい」心をくすぐるの
は明らかだろう。そこから「G-SHOCK欲しい欲しい」ウェーブがスタートし、
アメリカ中のキッズたちに伝染する・・・・・・
それが、私が考えた「G-SHOCK」タダ配り作戦だった。一応、ツボは突いて
るでしょ。
カシオが実際にそのような作戦を取ったかどうか、私は知らない。
「G-SHOCK」がアメリカで売れたかどうかもわからない。
ただ、私が立ってる位置からは、ニューヨークで「G-SHOCK」ブームが起
こったようには見えなかった。
ブームになるチャンスはあったと思う。「でもカシオはそれを逃した」。私
はそう見ている。
以前、ハウストン・ストリートにでっかい「G-SHOCK」の広告が出ていた。
ひとつのビルの側面全部を使った、巨大な広告だった。
私は、その前を通るたびに思ったのである。「こんなふうに正面から攻めて
も無駄じゃないの。お金ももったいないし」
ああいう方法で現金を使うより、自社商品のタダ配りのほうがもっと安上が
りだし、何よりも効果があるはずだ。 そして、それを実践しているのが伊藤
園なのだが、はてさてどうなりますやら。
続きは次回に。
ひろ
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『日本救出2兆円作戦32』
これから日本は海外に向けて「柔らかいモノ」を売るべきである。いきなり
「べき」論で入ってみた。カタい展開でアイムソーリーだ。
なんでもそうなのだが、ビジネスの基本は「だれも売ってないものをお客さ
んに提供すること」である。
この『週刊Nuts』で「ビジネスの基本は・・・」などと書く日が訪れるとは
夢にも思わなかった。ウンコの話はどうした、ウンコは。いつからビジネス紙
になってしまったのか。資本主義に魂を売り渡してしまった気分だ。
そんなことはどうでもいいのだが、それ、つまり「だれも売ってないものを
お客さんに提供すること」を基準に考えた場合、日本は海外に対して何を売れ
ばいいのか。
日本人が世界に誇れるのは、まずその「芸の細かさ」「ニート&キュート
さ」である。先の「G-SHOCK」もそのひとつだろう。それらの特徴を生かした
商品を海外で売るのである。
次に「日本文化」あるいは「日本そのもの」。これらは明らかに他の国には
ない要素だ。訪日観光もここに入る。
最後は「食へのこだわり」。チャイニーズ軍団も食に関してはかなりのこだ
わりを持っているが、それはあくまでもチャイニーズ料理の枠内での話だ。日
本人ほど、さまざまなエスニック料理を飲み込み、それを自分流にアレンジす
る民族はいない。そして、美味く仕上げるのである。ニューヨークのケーキ事
情を考えてほしい。他のケーキ屋に比べて、日系ケーキ屋のおいしいこと。も
ともと他人のもんでありながら、本家よりおいしくしてしまう能力。すばらし
くないか。
これから日本は、上記のような特徴を生かした商品を海外で売るべきであ
る。なぜなら、それが日本の得意技だからだ。不得意なものをわざわざ海外で
展開する必要はない。負けるからね。
で、それらの「柔らかいモノ」売り込みの起爆剤となるのが、訪日観光なの
である。というか、起爆剤にしようとしてるわけよ。
続きは次回に。
ひろ
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『NYJJ構造改革4』
この『NYJJ構造改革』と『伊藤園のワザ』『日本救出2兆円作戦』、そして
しばらくお休みしている『NY“グサリ”シリーズ』は、兄弟である。同じ
テーマを違う角度、あるいは違うフィールドで語っているだけだ。
よって、ネタがかなり重複する場合がある。我慢してちょうだいね。
ちなみに、その「同じテーマ」というのは、「ニューヨークでいかにして日
本人の仕事の数を増やすか」になる。前記の4コラムはすべて、そのゴールに
向かって走っている。
さて、本題に入ろう。
3回に渡ってお話ししてきたように、今ニューヨークの日本人コミュニティ
の雇用体系が大きく崩れようとしている。はっきり言うなら、仕事の数が急速
に減ってるってことよ。
日本人駐在員数の激減による同コミュニティの金欠状態。そして、それはこ
れからも続く。
駐在員の数はこれからも減り続けるだけだろう。増えることはまずない。
そのとき、私たちニューヨークに住む日本人が取れる選択肢は2つある。
何もせずに、このまま仕事が減っていくのを指をくわえたまま眺めるのか。
あるいは、何らかの手を打って、雇用増のために努力するのか。
私たちが選択すべきなのは、当然後者だ。では、どうすればいいのか。
行く道はひとつ、「アメリカ人市場参入」である。それしかない。
そのことについては、これまで何回も『週刊Nuts』紙上で語ってきた。た
だ、日本人コミュニティがこんなに追い込まれたのは初めてだけどね。
「アメリカ人市場参入」。言うのは簡単だが、一体どこから始めればいいの
だろうか。
その詳細については、『伊藤園のワザ』『日本救出2兆円作戦』『NY“グ
サリ”シリーズ』のほうでお話しする。ここでは、全体の見取り図について
語っておきたい。
作戦とすれば、まず日本人の雇用を内向き仕事から外向き仕事に変える。日
本人コミュニティの中に向かうのではなく、外、つまりアメリカ人のほうを向
いてやる仕事を創るのである。
その際の軸は、日本の「柔らかいモノ」売り。それをアメリカ人に向けて売
るのである。
グリーンカード保持者が自分で起業してもいいし、日本からそれ系の企業を
連れてきてもいい。巨大なビジネスにはならないが、中小規模のビジネスをで
きるだけたくさん立ち上げる。
企業立ち上げの際のポイントは、あくまでも「日本」にこだわること。他の
民族が真似できないことであるのと同時に、日本人に対するビザサポートを簡
単にするためだ。日本に関係ないビジネスだったら、「なんでアメリカ人雇わ
ねえんだよ」とかイミグレに突っ込み食らいそうだからね。
ただ、その際問題になるのは「アメリカ人市場を切り拓く能力のある日本人
が少ない」という現実である。この点に関しては、私たち自身が努力するしか
ない。
立ち上がった「柔らかいモノ」売り各企業は、従業員のビザをガンガンサ
ポートする。グリーンカードも同様だ。そしてグリーンカードを取ったら同企
業を脱出し、自分の会社を起こす。アメーバのように増殖活動を繰り返すので
ある。
その結果、日本人の仕事が増える、というわけだ。
以上のプロセスを簡単にまとめると:
1)「内から外へ」のマインド改革
2)日本の「柔らかいモノ」売りビジネス探し
3)「柔らかいモノ」売りビジネス起業の嵐
4)NYJJのアメリカ人市場乱入能力の向上
5)グリーンカードバンバンサポート運動
6)「柔らかいモノ」売りビジネスのアメーバ的増殖
となる。
続きは次回に。
ひろ
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『サバニ帆走レース報告10』
「フェリーさまみ」は、最初の寄港地、阿嘉(あか)島に近づいていた。私
が10数年前に住んでた島だ。
以前、『マリリンに逢いたい』という映画があった。犬が恋人(マリリン)
に逢いにいくために泳いで海を渡るという、実話をベースにした映画だ。同作
で主演したシロという犬は、その実話の犬で、自分の物語を自分で演じたので
ある。
ちなみに、そのシロという犬はロクでもないヤツだった。根性悪いし、自分
のことを人間だと思ってるフシがあった。私はそのバカ犬に追いかけられ、足
をケガしたことがあり、その傷跡はまだ私の右足に残っている。
隣りの島(座間味島)までマリリンに逢いに行く話だったが、要するに「や
り」に行ったわけである。とんでもないスキモノ犬だった。
そのシロが住んでいたのが阿嘉島だった。
阿嘉の港に近づきながら、私は隣りの友人にボソリと言った。
「なんか海、汚くないか」
「あんまし変わらんだろ」
「いや、濁ってるさ」
「そう言われてみれば、濁ってるな」
海は明らかに汚くなっていた。ま、当たり前の話だ。10数年前の話だから
ね。
港に着岸。客や荷物を降ろす間、フェリーの上から島の知り合いを探す。私
たちが降りるのは、次の座間味島だ。
昔、よく怒られたおじさんがフェリーに向かって歩いてくる。慌ててフェ
リーの上を移動し、声をかける。
「おじさぁ〜ん」
私を見つけたおじさんは、ちょっと驚いていた。私が今、ニューヨークに住
んでることを知ってたからだ。
「お、ここで何してる?」
「サバニのレースに出るために来たさ」
「そうか」
それだけ言うと、おじさんはサッサと向こうに歩いて行った。私はずーっと
見ていたが、振り向きもしなかった。
友人たちのところに戻ると、ひとりが聞いた。
「おじさん、なんて言ってた?」
この友人もおじさんの民宿に何回か泊まったことがあった。
「“お、ここで何してる?”だって。ちょっと痩せたよなあ」
遠くにおじさんがスクーターで颯爽と去るのが見えた。
ひろ
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『今週の歌』
「先週の 雨で葉っぱも 落ちまくり
ふと見上げれば つるっぱげの木 ひろ」
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